Coolier - 新生・東方創想話

ナズーリン! てゐ! 二人はプリポナ!(うそ)

2011/06/20 08:05:18
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一応、シリーズっぽくなってきちゃいました。拙作の設定、伏線が多少関係してますでしょうか?
まぁ、その程度です。
微変態、微糖、勝手設定、いろいろ詰め込みすぎの脱線展開はご容赦ください。








「ナズーリンが【ポナブラック】てゐさんが【ポナホワイト】です」

バンドゥブラに前を開けたままの半袖ショートジャケット、肘まである指ぬき手袋。
下は超ミニスカートにスパッツ、ニーソックス、おへそ周りは全開。
あちらこちらにフリルが付いていて、ちょっと勇気のいるコスチューム。

ナズーリンは黒を、因幡てゐは白を基調にしたほぼ同一のデザイン。

「なんで私がブラックなの? 腹がブラックなのは、てーゐだろう?」

「ワタシどっちでもいいよー、それにホワイトの方が実は黒そうだしさ。
だからナズリンの方が合うかもねー」

ナズーリンの抗議に、てゐがサラッと重ねる。

【てーゐ・ナズリン】

呼びにくいからと、お互い勝手に名前をいじっている悪友の二人。
この妙な格好、ネズミ妖は困惑気味だが、ウサギ妖は満更でもなさそう。
動物妖怪特有の耳と尻尾がアクセントになって、なにやらそれっぽく見える。

「プリティでポナポナ! 【二人はプリポナ! Max Beat!!】なんです!」

二人を満足そうに見ている寅丸星が実にイイカオで言い放つ。

「ねえ、ご主人? ポナポナってなに?」

寅丸星は従者の質問を無視して続ける。

「幻想郷に危機が迫るとき、颯爽と現れる謎の美少女戦士二人組です!
それが【プリポナ】です!」

ナズーリンをビシッと指さす寅丸。

「ポナブラックの【天堂ナズミ】。
おっちょこちょいですが、運動神経抜群で、裏表のない明るく優しい娘です」

「理屈っぽくて、小生意気で、陰険な性犯罪者予備軍だけどねー」

てゐが混ぜっ返す。

「ポナホワイトの【涼原てゐこ】。
頭脳明晰ですがちょっと引っ込み思案、でも友達思いで綺麗な心の娘です」

「薄ら笑いを浮かべながらヒトの揚げ足を取ることに喜びを感じる救いようのない性格破綻者だがね」

今度はナズーリンが返す。

「もう! 二人とも、ちゃんと聞いてください! 
ここの【キャラ設定】はとっても大事なんですよ!?」

ぷんすか、うっかっかーっと怒っている演出家。



命蓮寺の一室。
数日後に開催される紅魔館の野外パーティーで、比較的新参の命蓮寺組に、余興の要請があった。
幻想郷にはやく溶け込むためにはそれもよろしかろうと、聖白蓮は承諾した。

寅丸星の発案で【正義のヒロイン】の寸劇をやろうとなったのはいいが、内容を聞き、衣装を見て、命連寺’sは尻込みした。

一輪、ムラサは『その衣装はちょっと……』
ぬえは『バカっぽいからイヤ!』
寺に縁のある多々良小傘でさえ『恥ずかしすぎるよぅ……』と拒否。
山彦その他の妖怪たちも首を左右に振るだけだった。

『なんだキミたち! 問答無用で出演決定の私の立場をどう思っているんだ!』

嫌がる面々に噛み付くナズーリン。

寅丸曰く。

『ナズーリンの可愛さ、かっこよさは、もっともっとアピールしなければいけません! 
ナズーリン、やってくれますよね?』

このヒト正気か? 
と思いつつも、嫌がれば本気で泣き出すだろう主人にナズーリンは逆らえない。
だが、これまでも主人の懇願に負けて致命的な痴態を晒してきた。
特に紅魔館は相性が悪い。
【快傑ナズーリン】は完全にスベッたし。
泣くほど恥ずかしかったし。
ホント、イヤだった。

ナズーリンが怒り出したところで寅丸が提案した。

『仕方ありません。あのヒトに頼んでみましょう』


因幡てゐだった。

ナズーリンとほぼ同じ背格好、並ぶとバランスが良い。

てゐは【友情出演】ということで寅丸の要請に応えた。
友情という割に、出演料として寅丸から栗ヨウカン6本をせしめていたが。



そして今に至る。
ふー、やれやれとやさぐれ気味のナズーリンが愛する主人を見る。
寅丸は体に大きな布を巻き付けて首から下を隠している。
薄化粧をして、髪は香油で妙な具合にツンツン立たせて。
なにか【仕込み】をしているのは間違いない。

集まった面々は、ナズーリンとてゐの恰好から、寅丸自身がどんな仕込みをしているのか、おおよその見当が付いている。
だが、今のところ誰も面倒くさがって突っ込まない。

【気は優しくてお淑やか、そのうえ美人で力持ち】
どこぞの魔法使いの友達の【よっちゃん】みたいに素敵な毘沙門天の代理だが、たまーに手が付けられないほど突っ走るのが玉に瑕。

ナズーリンは、このバカバカしい企画に全く乗り気ではないが、寅丸星の一生懸命を無碍にできない。
はーっと、息を吐き出し、仕方なしに大事な恋人にネタを振る。

「ご主人、私とてーゐ、小さな二人がチョロチョロ踊っても、インパクトが足りないんじゃないかな?」

よくぞ聞いてくれました、とばかりに寅丸が頷く。

「はい! そこで三人目の登場です! 
三人目は金か、黄色と決まっているようです!
僭越ではありますが、私がつとめさせていただきまっっすっ!!」

布を勢いよく剥ぎ取る。

「三人目の【プリポナ】! ポナ・シャイニータイガーーー!!!」

ナズーリンたちと同じような衣装だが生地は金色。 
だが、細いバンドゥブラは豊満な胸を半分も隠せず、ほとんどこぼしてしまっていて、全く頼りにならない。
スパッツは薄すぎて小さすぎる。
くるくる回ってポーズをとる度に、お尻の割れ具合やらなんやら、いろいろ形がくっきり見えちゃって完全にアウト。
もう、あちこちはちきれそうで満場一致で十八禁だ。

「おっおおおーーー!!」

いろいろ問題だらけではあるが、幻想郷屈指のセクシーダイナマイトの炸裂に観衆がどよめく。
そんな中、ナズーリンは比較的冷静に分析する。

(ふん、皆、全然分かっていないな。
胸や尻ばかりに目が行っているようだが、ご主人の素晴らしさはそこだけではないのさ。
鳩尾のあたりからおへそ、下腹部にかけてのラインの美しさ、そして何よりあの輝くように健康的で滑らかな肌つや! 
【シャイニー】とは良く言ったものだ。撫で回すだけでも悦楽御殿に行けそうだ。
まぁ、いずれあの全てが私のものになるのだがね、ふふふのふっ)

「まだそうと決まったわけじゃないんじゃない?」

「て、てーゐ! ヒトの妄想に突っ込むなよ! どんな能力だよ!?」

「なーんか、そんな顔してたからさー」

うぐっと、詰まったナズーリンだが、おかげで現実に引き戻された。

却下だ。 
今はかろうじて身内の前だが、恋人の危険な半裸を大勢に晒すのはダメだ、絶対ダメだ。
止めなければ。

(しかし、この人は恥ずかしがりのくせに、なんでこういうのには抵抗がないんだろう?)

「それがレイヤーってモンなんじゃない?」

「だから! てーゐ! ヒトの独白にまで突っ込むなよっ!」


騒ぎが小康に入った頃、聖白蓮が穏やかに告げる。

「少々刺激が強いようですね。 星、今回は別の物にしましょう。 ね?」

CEOに言われては仕方なし。

ショックのあまりぺたんと座り込み、見る見る萎れるシャイニータイガー。

ナズーリンは、やれやれ助かったと思いつつも、座って俯いたことにより発生した恋人のおへその微妙な埋まり具合を見ながら、これも大変色っぽいな、と満足していた。


結局、演目は寅丸星の槍の演武になった。





妖怪の山にある河城にとりの工房
霧雨魔理沙が左手首に装着した腕輪をしげしげ見ている。

「にとり、いいぜ、こりゃいいぜ!」

最終調整が終わり、正式に引き渡された魔道具【 八望手纏 】(はちぼうたまき)。
象牙色の太い腕輪。
程よい弾力があり、手首に馴染む。

パワーアップの手段を模索していた魔理沙は某ネズミ妖怪の助言を素直に聞き入れ、いくつか手を打っていた。
 
そのうちの一つ、実はこれまで本人は軽視していた星屑系の魔法の徹底強化。
しかし、取り組むに当たり、やっかいな問題があった。
大気中では不安定な【星成分】、それに威力・精度が大きく左右されるという、この魔法の基本性質による問題。

このままいたずらに星屑系スペルカードのヴァリエーションを増やすだけではダメだと思った魔理沙は、【星成分】の濃度、流れを制御することこそ威力底上げの近道だと断じた。

だが、戦闘中、自身の力だけで【星成分】を制御するのはかなり困難だった。
制御を補助するためのアイテムが欲しい。
そこで親しい河童のエンジニアに相談し、製作を依頼した。

命名は占い札の【星】が象徴する【たくさんの希望】から【八望】、【手纏】は古い言葉で腕輪を表すことから。

【八望手纏】(はちぼうたまき)は身につけた魔理沙自身の魔法力を元に、【星成分】に働きかける力場を発生させる。 
その力場によって、見える範囲の【星成分】を魔理沙の意思で自由に集散させることができ、その後に仕掛ける星屑系魔法の威力、密度、精度、速度を飛躍的に上げることが可能になる。

調整しながら編み出した新しいスペルカード。
 
魔符:【ブロードミルキーウェイ】ミルキーウェイの発展型だが、大星、小星の弾幕濃度が倍近くあり、ストレスタイプに近いほどの圧迫感を実現した。
 
爆符:【ポーラスターエクスプロージョン】大きめの星(北極星)を次々と打ち出し、それが一定距離で盛大に弾ける。
予測回避がしにくく、一定の安地が無いタイプ。

もっとたくさん作ろうとも思ったが、当面、この新しい二つのスペカを磨き上げることにした。


「いいぜ! これ! いいぜ! にとり、オマエ、やっぱスゴイな!」

特上の笑顔を真正面から向けられ、河城にとりはちょっと戸惑った。

にとりにしてみれば、ついこの間生まれたばかりの幼い人間の女。
輝くような生命力、無視することが困難な存在感、無邪気なのに、たまーに気ぃ遣い。
知ることに貪欲で、話は面白いし、一緒にいて飽きることが無い。
親愛の印だと言って、口づけされたこともあった。

自分の日常を引っ掻き回す騒々しくて不思議な娘。
種族としての魔法使いにでもならなければ、あっと言う間に寿命が尽きるだろう。
できるならば、長い生を選んで欲しい、たくさん遊んで欲しい。
友情、それ以上の感情は分からない、でも、それで十分。
にとりは魔理沙と一緒にいる時の空気が心地よかった。


だが、製作は思ったよりも手こずった。

【星成分ってなんなの?】 まずはそこからだった。

それ自体が捉えにくいモノであることから、成分濃度、分布状況を客観視するために観測・測定できる【モノ】が必要だった。
まずその装置作りから取りかからねばならなかった。

技術者としての挑戦心と、この娘の喜ぶ顔が見たいという想い。
努力のかいがあって、両方とも満たされ、かなった。
久しぶりの大仕事は、にとりにとっても大変満足のいくモノだった。

「にとりー! ホントありがとな!」

抱きつかれて頬にキスされた。

「う、うん、がんばってね、魔理沙」



魔理沙は手首につけた新アイテムと、首に掛かったペンダントを交互に見る。
首飾りの名は【八広華月柱】(やこうかげっちゅう)。
パチュリー・ノーレッジ作、月の精霊魔法を入念に封じた正八面体の薄紫色をした結晶。

パワーアップの手段のもう一つ、新しい魔道具の開発。

『八卦炉と同じくらい強力なアイテムが欲しいけど、無理だよなぁ』

パチュリーに魔道具の相談した折、つい、口に出た一言。

『なぜ無理と決め付けるの?』と珍しくいきり立ったインドア魔女。

『アナタが驚くような魔道具を作ってあげるわ』


しばらくして呼び出された朝、長袖、長ズボン、外出着のパチュリーが差し出したペンダント。
【八広華月柱】(やこうかげっちゅう)と名づけたらしい。

なんだかそわそわしているパチュリーが早口で言う。

『私、これからとても大事な用事があるの。手短に説明するけど、一回で覚えて』

今まで魔理沙が意識しなかった守備、防御。
月が司る【守り】を具現化したアイテム。
通常時に発動させれば、一瞬で自分の周囲をたくさんの三日月が覆う。
敵意ある攻撃に対しては、最も近くにある三日月がアクティヴアーマーのように弾け、かつ、破片が光弾となって反撃する。
光弾、実弾、呪法を問わず、不意打ちに対し問答無用で反撃する。

危険地帯をあちらこちらと浮き草のようにうろつき回る魔理沙にとっては、この上もなく頼もしい用心棒。

パワーチャージは月の光、一晩月の光に晒しておけば元通り。
その他、使い勝手の良さそうな特性をまくし立てるパチュリー。
何度も確認する魔理沙に動かない大図書館は癇癪を起こした。

『ああ、もう! サンドウィッチ作る時間が無くなっちゃう!』

泣き出しそうなパチュリーに魔理沙は怯んだ。
何をそんなに慌てているのか。
命名の由来を聞く隙もない。

『わ、わかった、大体わかったから』

『うー、もう間に合わない』

ぎりっと歯を鳴らし、魔理沙を睨みつけるパチュリー。

『この【八広華月柱】(やこうかげっちゅう)、使いこなしなさいよ! 絶対役に立つから! 
ナリは小さいけれど、私の最高傑作の一つなんだから!』

『あっああ、わかったぜ、大事にするよ』


なんだかエラい剣幕で渡されたパチュリーの自信作。
(ワタシが悪いのか?)
と思いつつも、自宅に持ち帰り色々と試してみる。

守備的アイテムとしては秀逸、スゴい代物だ。
スペカを編むのには少し手間取ったが、強力なモノができた。

月影符:【サテライトインターセプター】

たくさんの細長い三日月がゆっくりと多方向から飛んでくる【横線】の弾幕。 
じっとしていればすぐに囲まれてしまう。
対戦相手はこの三日月を攻撃しなければならない。
攻撃を受けた三日月は壊れはしないが、方向を変える。
右端を撃てば右に曲がり、左を撃てば左に。
真ん中を正確に撃ち続ければ、その場で止まっている。
三日月の向きを見定め、撃ち続け、安地を自分で作らなければならない。
相手の集中力をごっそり削り取る耐久弾幕だった。

新たに手に入れた二つの魔道具は期待以上の優れモノ。
友人たちの思いに応えるには結果が必要だ。

博麗霊夢に勝つのだ。

聖白蓮の厳しい指導を受け、身につけた身体強化魔法【天馬壱式】によって、戦闘時の機動力は飛躍的に向上した。
そして、マスタースパークの広角ヴァリエーション、恋想:【ランダムスパーク】もほぼ完成した。

そして終盤の切り札、輪操:【赤い靴のヨコハマドール】

アリス・マーガトロイドと一緒に作ったスペカ。
実はまだ使いこなせていない。
操作が繊細すぎるのだ。
霊夢との【弾幕ごっこ】にのぞむにあたり、投入するスペカの順番を組み立てた。
天才巫女の集中力を根気よく丹念に削いでいく。
そして最後はパワーで一気に押し切る。

この【赤い靴のヨコハマドール】は終盤のダメ押しに絶対に必要な札だった。
だが、難しすぎた。
人形が撃ち出す光弾の精度も、人形同士の連携もどうにもうまくいかない。
十回やって、一回うまくいくかどうかの精度ではとても実戦では使えない。

魔理沙は不器用ではない。
人間としてはかなり器用で勘も良い。
アリスが特別すぎるのだ。

次の対戦、勝算はある、かなりある。
これだけ準備した、これだけ努力した、そして、これだけたくさんの応援があるのだ。
だが唯一の不安要素はこの切り札を使いこなせない自分自身の未熟さだった。





紅魔館の野外パーティー。

いつものようにレミリアの気まぐれで開催されたパーティーは、陽が落ち始めてから広大な庭で行われた。 
今回最大の演し物が【博麗霊夢vs霧雨魔理沙の弾幕ごっこ】だからだ。

パチュリー・ノーレッジ謹製の魔法の外灯で昼間のように明るい。
それでも無粋な虫が寄ってこないのはリグル・ナイトバグを買収したから。

続々と到着する幻想郷の有名人たち。

命蓮寺からは聖、一村ぬえ、そしてナズ星。
今夜は通いで来ている妖怪たちに留守を預けてある。
聖白蓮が『留守をお願いします』と頭を下げれば、『命に代えましても!』と勇みたつ面々。
雲山が広域監視をしており、大事になる前に一輪に知らせが入る手はずになっている。
だから、まず問題はないだろうと主要メンバーがこぞって参加した。


陽が落ちかけた空、射命丸文と姫海棠はたてが飛んできた。

ほぼ左右対称の動きで旋回し、交差し、重なるようにきりもみし、ぱっと散開する。
時に速く、時にゆっくりと、二人が飛び交う。
沈みゆく陽を背景にした刺激的で優雅な空中舞踊。

やがて美翼美脚の二人が同時に着地した。
会場から拍手がおこる。
これだけでも十分に演し物と呼べる舞踊だった。

空を飛べるモノの多い幻想郷、それだからこそ分かる別格の飛翔。

『これが(空を飛ぶ)ってことなのね』

多くのモノが感嘆した。


「デスクー! こんばんわー! みなさんこんばんわー」

命蓮寺’sに駆け寄るはたて。
そんなはたてを取り囲みねぎらう一同。

「はたてさん! カッコよかったー!」

「あんまりスゴいからずっと、口、開いたままだったよー」

「今日のお二人の舞は生涯忘れないでしょう」

命蓮寺の広報係、というくらい馴染んでいる彼女を寺の皆は暖かく迎える。

ナズーリンが進み出て、柔らかい笑顔で言う。

「はたて君、素晴らしい飛翔だったよ。とても、とても綺麗だった」

「えへへへー、ありがとうございます。
実は結構、練習したんです。
私、最高速度は文にかないませんが、旋回精度や姿勢制御はどっこいなんですよー」

皆に誉められ、てれてれのはたて。



少しして、それぞれ勝手に会場をうろつきまわり始める招待客たち。

ナズーリンは、近くにいた山の神社の一行に挨拶をした。

ナズーリンが守矢の二柱と話し始めると、東風谷早苗は八坂神奈子の後ろに隠れてしまった。

「なんだい早苗、どうした? 彼女には、このあいだも会っただろう?」

「だって神奈子様、ネズミですよ?」

早苗の発言に顔を引きつらせた神奈子が、ナズーリンに詫びる。

「すまないね。まだまだ躾が足りないようだ」

「なに、かまわないさ いずれじっくりネズミの怖さを教えてあげよう」

にやっと早苗に笑いかける。

「ところで、あの地底の娘、パルスィはどうなったんだ?」

顛末を説明するナズーリン。
消滅の危機にあった水橋パルスィを気にかけていた神奈子。
橋姫は星熊勇儀の子を成す、というトンでもない目標を得て復活した。

「うーん、なんというか、途方もない結末だな。だが、結果は良しとするべきなんだろうな」

「あら、ワタシは【あり】だと思うよ」

土着神の頂点が割り込む。

「神同士だったら性別関係なしで出産、って割と普通だよ。
神奈子ったら、忘れちゃってるの?
一時、ワタシを孕ませようと頑張っていたじゃない」

「お、おい! 諏訪子! いい加減なことを言うな! そんなことしたことないだろう!?
早苗もいるんだぞ!? 教育上よろしくないことは法度だろう?」

あわてる神奈子に、にやつく諏訪子、目を剥いたまま固まっている早苗。

「冗談はさておき、そのテのことならワタシの知ってる限りの伝承を話してあげる。
今度、神社に遊びにおいでよ」

「そうだな、私も思い出してみよう。
それにオマエがあの時、鬼の大将に叩きつけた啖呵はとても小気味よかった。
オマエは勇気と知恵があって、そして優しい。 
歓迎するよ、いつでもおいで」

「でも、ネズミ……」

早苗だけが顔を曇らせていた。



山の一行と別れたナズーリンに博麗霊夢が声をかける。

「こんにちは、ナズーリンさん」

普段では考えられないほど上品に微笑む幻想郷の裁定者。
周囲が【なにごとか】と見守る。

【ナズーリンさん】と呼ばれたことでいつもの小芝居が開幕する。

会釈をしたナズーリンがよそ行きの笑みを浮かべる。

「博麗の巫女様、なんとも奇遇なことですね。
このように賑やかな席にお出ましとは。
驚いてしまいました」

「私が宴席にいるとおかしいですか?」

「これは失敬、物静かで清楚な貴方様には似合わないのでは、と私の勝手な思いこみです」

「実は私、宴が好きですのよ」

「左様ですか。考えてみれば、神事と祭事、切り離せるものではありませんね。しかし……」

少し難しい顔をするナズーリン。

「そのように笑顔を振りまくのは感心しませんね、よろしくありません」

「まあ、なぜですの?」

本気できょとんとしている霊夢。

「今宵ここには幻想郷の美姫が数多く集っているようです。
皆、精一杯めかし込んで……
ですが、巫女様の笑顔の前ではそれも霞んだ果てに散ってしまいましょう。
懸命に飾り立てている皆があまりに気の毒です。
少し【手加減】をされるがよろしいかと。
それに……」

「それに?」

「その麗しい笑顔、独り占めなどとは恐れ多いですが、私も人並みに嫉妬をするのですよ?
どこぞの誰かが不埒な想いを抱いてしまうのではと、気が気ではありません」

そう言って少しだけ唇を噛むナズーリン。

霊夢はほんのり頬を赤らめる。

「ナズーリンさん、私、少し調子に乗っていたようです。
貴方を困らせるつもりなどありませんでしたのに」

「いえ、私のことなどお気になさいますな」

「浮かれ女のような振る舞いに怒っていらっしゃるのでしょう?」

「いえ、怒ってなどおりません」

「うそ、怒ってます、ナズーリンさん怒ってます」

悲しそうな表情を作る霊夢。

「誓ってそのようなことはございません」


なんだこのカユいやりとり。
聞いていた周囲の面子は喉のあたりをボリボリ掻きながら呆れている。
しかし芝居だと分かっていても、博麗霊夢にこんなことを言わせるとは。
この小さなネズミ妖怪、何者なのか。
あまりナズーリンを知らない連中は、心の中で要注意の札を貼り付けた。


一方、姫海棠はたては遅れてやって来た大物に捕まっていた。

「はたてさん? 最近のアナタの新聞、面白いわよ、頑張っているのね」

「はい、ありがとうございます!」

八意永琳の労いにかなり恐縮している。
天才薬師の書評は幻想郷で最も辛口と言われているから。

「とても興味深い考察記事が多いわ。
でも、もっと見聞を広めることを勧めるわね。

もし良ければ、アナタに紹介したいヒトがいるの。
なかなか広範な知識と良識を持っていて、とても深い思考をするヒトなの。
今日も来ているから紹介してあげましょうか?
きっと得るものが多いと思うわ」

八意永琳が言うのだがら一角の人物に間違いないだろう。
知識欲旺盛なはたては『是非お願いします』と答える。

はたての返答に満足そうに頷く永琳。

「ナズーリンと言うネズミ妖怪よ。
だけど、外見に惑わされないでね、立派なヒトなのよ」

【え?】

「命蓮寺の寅丸星の従者なのだけれど、優秀な頭脳を持っているわ。
なかなか底を見せないの。
皮肉屋で意地の悪い物言いをするくせに根は恥ずかしいほど善人なの。
そのあたりも可愛いのよ」

得々と弁ずる天才薬師だが、はたては大慌て。

「あ、あの、八意先生、ちょっとお待ちください!」

「なあに?」

「ナズーリンさん、ナズーリンデスクは私の師匠なんです。
最近の私の新聞、評価いただけるようになったのなら、それはナズーリンデスクのおかげなんです。
記者としての私を一から鍛えなおしてくれたのはデスクなんです!」

勢いに乗った姫海棠はたての言に驚いている永琳。

「そうだったの? じゃ、あの文果新報にも絡んでいるの?」

以前、射命丸文と共同で発行した【文果新報】は三号のみの号外扱いだったが、幻想郷で絶大な支持を受けた。

「絡むもなにも、あれはナズーリンデスクの発案です。
私と射命丸文に報道出版のなんたるかを改めて指導してくださったんです」

「そうだったの? 彼女、新聞のことは、一言も言わなかったのに」

「自分の功を誇る方ではありません。
デスクのほとんど全ては、主人である寅丸星さんのためにあります。
普段、デスクの本質は隠されています。
寅丸さんのために知徳体を磨き、鍛え上げてきた清廉誠心の士なんです!
ちょっとエッチですけど、そこも魅力です」

べた褒めとはこのことか。
だが、あの因幡てゐが【私の友達】と公言し、なんだかんだでとても大事にしている。
単に賢いだけでは、あの捻くれて老獪な妖怪ウサギの心は捉えられないだろう。
改めて考えると、これはすごいことなのかも知れない。

「ナズーリン……ますます興味が出てきたわ」

月に一度くらいしか永遠亭に遊びに来ないネズミの賢者。
永琳は次回のナズーリンの訪問を心待ちにした。



「寅丸、ナズーリン、お久しぶりね」

寅丸と合流していたナズーリンに、今宵の主、レミリア・スカーレットが妹と従者を伴い、挨拶してきた。

「レディ・スカーレット、本日はお招きをいただきありがとうございます」

自然な所作でレミリアの右手をとり、手の甲に接吻するナズーリン。 
こんな挨拶をされたのは初めての経験で、一瞬固まったレミリアだが、急いで取り繕う。

「【レディ】と呼ばれるのは何年ぶりかしらね?」

嘘であった。
レディなんて、生まれてこの方呼ばれたことはない。
貴族として生まれながらも、種族上、普通の社交界に入れるわけもなく、身近なもの達がちやほやするだけで【レディ】と呼ぶものなどいなかった。
辛苦の果てに当主に収まったものの、実は正式な社交の場での処し方をあまり知らないレミリアだった。


「真夜中の薔薇の君。
日の光あるところで衆目に晒すにはあまりにも危険な麗しさ。
どうか夜の世界だけで咲き誇ってくださることを切に望みます」

意味をつかみかねているレミリアにネズミの紳士が続ける。

「それがこの世の平安を保つことにつながります。
なぜなら、貴方を求めて繰り広げられる諍いを最小限にできるからです。

私は貴方の愛くるしい外見には惑わされません。
私の目に映っているのは、幻想郷で唯一の本物の淑女(レディ)です。

もう一度申し上げます。
私が幻想郷でレディ(淑女)と呼ぶのは貴方だけです。

失礼、卑俗な其れがしには他に気の利いたことが申せません」

そう言って深く腰を折る。

自分だけが本物のレディ(淑女)と言われ、鼓動が早くなるレミリア・スカーレット。
レディとして扱われることに本当は憧れていた。
茶番劇と分かっていても、これだけ丁寧に接されると心が激しく揺さぶられる。

「く、口がお上手なのね。
こ、今宵の宴、な、なにか不都合はないかしら? 
遠慮なくなんでも言って頂戴! なんでも!」

必死に動揺を隠そうと奮闘するレミリアにナズーリンが優しく微笑みかける。

「ありがとうございます、レディ。
不都合などございませんが、一つ気になっていることがあります」

「な、なにかしら?」

レミリアの胸元に視線を移したナズーリン。
真紅のバラを模った豪華な細工物が飾られている。

「素敵なブローチですね。よろしければ由来をお聞かせ願えませんか?」

にこっと笑うナズーリンに、明晰なレミリアはその意図に気づく。

「この世で一つの【レミリア・スカーレットのバラ】よ。大事な宝物なの」

「近くで拝見してもよろしゅうございますか?」

「え、ええ、どうぞ」

「ありがとうございます、では失礼いたします」

レミリアのそばに跪き、目線を胸元に合わせる。

「これは素晴らしい、仕事柄、あまたのお宝を見て参りましたが、これはすごい。

この繊細に重なった花弁は、貴方への募る想いの重なりを。
この華やかな煌めきは、貴方の輝きに対する憧れを。
この上品で力強い【赤】は、夜の王たる貴方への尊崇を。

なんという美しい具象なのでしょう。
【想い】を形にすることは、古来、困難な命題とされておりましたのに、ここに答えがあるとは。

これを贈った方が貴方へ抱いている憧憬、愛情が激しい波濤のように伝わってきます。
レディ・スカーレットがとても、そう、とても大事なのでしょう。

貴方が身につけることにより、どちらもひきたっている。
その方はこの効果を十分わかっているのでしょうね。

素晴らしい、本当に素晴らしい。
眺めるだけで幸せな夢に浸れます。
貴方が【宝物】と呼ぶにふさわしい極上の一品ですね」

レミリアの後方、真っ赤な顔で俯いているフランドール・スカーレット。

以前、レミリアから探し物を頼まれたナズーリン。
このバラがフランドールが自分の宝石羽根から作り出したものであることを知っている。
突き止めたのは他ならぬナズーリンだから。
そのことは秘密となったが、なんとかこの姉思いの妹に一声かけてやりたかったので、このような回りくどい物言いをした。

それを察したレミリアは後方にいた妹を前に出す。

「お褒めにあずかり光栄だわ。
そう、そう、我が妹、フランドール・スカーレットを紹介しましょう」

「あ、あの、わ、わたし、フランドール、す、すかれっと」

動転している妹姫を満面の笑みで包み込む千両役者。

「フランドール様、初めてお目もじつかまつります。 
ネズミの騎士、ナズーリンと申します。
お見知り置きをお願いします」

膝をついて大仰に礼をする。

そしてナズーリンはそれまでほとんど置物だった主人を引き合わせる。

「毘沙門天が認じし代行者、我が主人、寅丸星でございます」

「命蓮寺の寅丸星と申します。フランドールさん、よろしくお願いしますね」

フランドールは寅丸と話しながらも、ナズーリンが気になって仕方がないようだった。

別れ際、レミリアが精一杯上品に微笑んで二人に言う。

「今夜は楽しんでいらしてね」
 


吸血鬼の姉妹が言葉を交わす。

「お姉さま、あの【ネズミの騎士】様、とてもいい感じ。素敵な方ね」

「そうね、私もそう思うわ」

お世辞やおべんちゃら。
誠意云々の問題はもちろんだが、TPOを弁え、最小限に綺麗にまとめれば印象に残る。

『お世辞は嫌いだ』そう言うモノは多い。
これは見え透いた下手なお世辞が嫌いなのであって、タイミングと節度を弁えたお世辞はコミュニケーションの絶妙なスパイスになりうる。

ナズーリンの得意技の一つではあった。
だが、彼女は心底気に入らない相手に世辞を言ったことはこれまで一度もなかった。



レミリア達が去った後もその場に残っていた十六夜咲夜。

ナズーリンのそばまで歩み寄ったパーフェクトメイド。
寅丸にちらっと目線をやってからナズーリンに無言のまま微笑みかける。

そして、自分のスカートの裾を両手でつまみ、ゆっくりと引き上げ始めた。


大物に絡みっぱなしのナズーリンは会場の注目を集めたままだったので、このトンでもない余興に気づいた周囲が唖然としながらも見守る。

誰だゴクリっ! って!

徐々に上がっていく幕、一体どんな素敵なショウが始まるのか?

そして、光沢のある【白】が見えっ……! その瞬間、ぱっと手を離した。

あっ! と数人が声に出す。

もう終幕かい! アンコールは!?

意図を諮るように咲夜の顔を見上げるナズーリンに対し、パチッとウインク、口元に艶っぽい笑みをのせ、

「続きは、あ・と・で……」

ナズーリンだけに向けたささやきだったが、誰も聞き漏らさなかった。

意味ありげな流し目をくれつつ、もう一度殺人級のウインク。

そして鮮烈な印象を残して去っていった。


目撃した面々は、咲夜の間違えようのない【お誘い】(実際は間違っているのだが)を受けた新参のネズミ妖怪をめぐり、ひそひそひそひそ。

ナズーリンをほとんど知らない連中。
→(なんなの? あのネズミ!)

少しは知っている連中。
→(あれが噂のナズーリン、あの十六夜咲夜さえも攻略済みとは、やるわね!)

よく知っている連中。
→(えー!? 寅丸さんはどうするの?)

そしてこの場で唯一、状況をほぼ正確に理解している因幡てゐ。
→(ナズリン、またバカやったのね? 面倒見切れないわ)

そして寅丸星。

「私は演武の準備がありますから」

平坦すぎる声でナズーリンに背を向け、さっさと行ってしまった。



ナズーリンは泣き出しそうだった。

(咲夜どのおおおおおおおーーー!!!)

なんでこんなことになったんだ、と思いつつも心当たりがありすぎる。

先日のパチュリー、はたて絡みの件で、咲夜のお洒落な下着の入手ルート(外界からの)を教えてもらうことを報酬として申し出た。
もちろん、愛する主人に贈るためなのだが、びっくりさせようと、そしていらぬ誤解を受けぬようにと、

【ご主人、寅丸星には下着に関する話は一切しないで】と咲夜に念を押した。

今回の仕儀は真面目なメイド長がその約束を忠実に守った結果なのだろう。

【私の下着の購入ルートの件、お嬢様の許可をいただきました。『あとで』お教えいたしますね】

おそらく善意で、いち早く伝えようとしてくれた結果、このように大変微妙で危険なジェスチャーになったのだろう。

分かる、分かるし、ありがたい、けど最悪だ。

咲夜は自分のちょっとした言動がカタストロフ級の破壊力を持つと自覚していない。
残念な思い込みを【弾頭】に、素敵な気遣いを【推進力】に発射された十六夜ミサイルは、狙い違わず命中し、大爆発。
甚大な被害をもたらした。

致命傷を負ったナズーリン。
こうもたやすく自分を追いつめるとは。
彼女は天敵なのかもしれない。

周りを見渡すと、因幡てゐと目が合った。
いつものアイコンタクト。

【てーゐ、ど、どうしよう?】

【知らないわよ、バカ!】

最も頼りにしている相棒の返事は泣けるほどそっけなかった。



「あはははっははは!」

いまだざわつく会場に突然明るい笑い声が響く。

聞きなれない、いや、聞いたことのない声、その主はパチュリー・ノーレッジだった。

姫海棠はたてと話している。

「あはは! それじゃ全然足りないじゃないのー!」

「そうなんですよ、だから私、急いで取ってきたんです。
そしたら渡すもの間違っちゃって」

「はたてったらひどーい! あははは!」

「わざとじゃありませんよ。でも『これで構わん』って、おじさん、頭にかぶっちゃったんです」

「えー! なんなのそれ! ひはははは」

「そしたら 当の本人が戻ってきちゃったんですよ、タイミング悪く」

「ひっ! ひっ! はははは、は、ひーひーひー」

はたての胸にしがみついてプルプル震えながら笑っているパチュリー。
時折、けほっけほっとむせるその背中を軽くたたいているはたて。


皆が見ていた。呆然と。
誰が驚いていると言ったら、紅魔館の面々だった。
話の内容はさっぱりわからないが、あの低温乾燥魔女があんなに声を上げて笑うなんて。
レミリアでさえ初めて見た。
かなりびっくり。

会場が【世にも不思議な物語】を見守っている。
周囲の静けさにようやく気づいたパチュリー。
慌てて小さく咳払い、いつもの無表情をつくるが、なんせ真っ赤だった。

「はたて、あのミートローフ、私が作ったのよ。
中に味付けしたウズラの卵とインゲンが入っているの。
食べてご覧なさい」

いつもの口調できどって言ってみてもちょっと遅かった。

最近外出する機会の増えた大図書館には、必ずツインテールの鴉天狗が付き添っている。
【空橇】の目撃証言はかなり多い。



「よう! ナズーリン、久しぶりだな!」

ドッボドボに意気消沈しているナズーリンに霧雨魔理沙が声をかける。

「なんだキミか……」

「おい、霊夢やレミリアとずいぶん対応が違うじゃないか!」

「いや、まぁ、いろいろあって些かくたびれているんだ、勘弁してくれよ」

「そうなのか? でも今日は見ていてくれよ。
オマエのアドバイスはがっちり取り入れさせてもらったからな!」

寅丸星の懇願で魔理沙にパワーアップの手段をいくつか伝授したのは少し前のこと。
根は真っ直ぐな若い魔法使いは一つ一つ真面目に取り組んだようだ。

「ほう、期待していいんだね?」

「うん、完璧とはいかないが、全部が揃うまでじっとしているなんて性に合わないからな」

「まぁ、キミらしいな。 で、不安材料はなんなんだね?」

不安を見透かされたような気がして魔理沙はちょっと怯んだ。

「むっ…… オマエにはアドバイスをたくさんもらっているから話すけど、アリスと一緒に作ったスペカが問題なんだ。
かなり強力なカードなんだけど、未だに使いこなせないんだよ」

魔理沙が眉間に皺を寄せたまま話し始める。

************************

アイツに【魔道具】のこと相談したら、ワタシ用の【人形ベース・スペカ】を作るって言い出したんだ。
概要と言うか、デザインを聞いた段階で鳥肌が立ったぜ。
かなりスゴいスペカだった。

でも、人形を展開させた後、自分で操作しなけりゃ効果は薄いってことで、アリスほどしっかりしたものは無理だが、【魔法の糸】を繋いで操る訓練を始めたんだ。

この訓練がトンでもなくてな。
人形操作って、指先の感覚もそうだが、手のひら、手首の微妙な感覚、肘、肩、そう、結局全身をコントロールしなけりゃできないんだ。

まず基本ってことで、テーブルに置いたティーカップに米粒(炊く前の)を放り込めって言うんだ。
座ったままで米を一粒つまんで、テーブルの端にあるカップに、ひょいっと投げるだけなんだが、固いもの同士だから、弾かれてこぼれちゃうんだよな。
カップの壁面のイイ場所にぶつけないとおさまってくれない。

まぁ、何とかできるようになったよ。
そしたら次はカップが二つになった。
米粒も二つだ。
二つ同時につまんで、同時に放って入れるんだ。 
これは難しかった。
単なる集中力でクリアできるもんじゃないよ。
投げた軌道が事前にイメージできて、当たり前のように自然に手が動く、そうなるまでに結構時間がかかった。

そして次はなんだと思う?
そう、三個ずつだ。

『もう、無理だぜ!』って言ったら、アリスはカップを十個並べて、戸口近くまで離れたんだ。
米粒を入れた小皿に指先を突っ込んだと思ったら、その右手がテーブルに向かってぱっと開かれた。
しゃりりりーん、って音がしたら、十個のカップに米粒が一個ずつ入っていた。
なんか言おうとしたら今度は左手が開かれた、しゃりりりーん、カップの米粒は二個ずつになった。

【これが出来たら次の段階よ】って言われてちょっと泣いたぜ。

ワタシ、自分では結構、器用な方だと思っていたんだけど、アリスのアレは次元が違う。

えっちらおっちら、オマケしてもらいながら段階を上げていったんだけど、時間がないのと、ワタシの力不足で、どうにも細かいところでボロが出るんだ。

このスペカ、最悪の場合、本来の一割くらいしか効果が出ないぜ。

**************************

珍しく弱気な魔理沙だが、それだけ自分を冷静に精確に見られるようになったということか。

「そのカードが100%発動すれば勝機があるんだね?」

「ああ、いくら霊夢でも新しいスペカの連続投入で集中力が限界を超えるはずだ。
トドメは新型のマスタースパークだけど、その直前に使うアリスの【赤い靴のヨコハマドール】が霊夢の集中力を完全に涸れさせる段取りなんだが、うーん」

「だが、ここまできたらやるしかない、ってところだね」

「ああ、そういうことだな」

そろそろ余興が始まる時間だった。



余興の司会進行をする紅美鈴が寅丸星を呼び出す。

「続いてはー、命蓮寺からの参加です!
毘沙門天の代理、寅丸星さんの槍の演武でぇーっす!!」

灰色の武闘着に着替えた寅丸星が槍を携え、御影石を敷き詰めた舞台に立つ。

基本の型はそこそこに、槍と自身の回転を多めに取り入れた独自の演武。
実戦的ではないが、演し物として、見せ場作りのための派手な組み立て。

初めのうちは槍が風を切る音が、 ビュッ! ビュッ! と小気味よく聞こえていたが、やがて回転速度が上がっていくと、その音は高く乾いた金属音に変わる。 
もはや目で追うことが困難になる。
そもそも槍が見えない。
ちょっとした竜巻を作れそうな風の流れを、逆の回転や、反対の風向きを作ろことで相殺していく。

美しく見事な演武だが、それなりの重量物があり得ないほどの速度で動いている。

『怖い……』

誰の呟きだったか。

一旦動きを止めた寅丸に向かって、ムラサ船長が数十個の小石を放り投げる。

爆竹が鳴るような勢いで次々と繰り出される穂先。
小石は一つも落ちてこない。
粉よりも細かく砕かれた小石は煙となって漂っていた。

状況を理解しようとする観客の反応を待たず、腰だめの基本形で気を溜め始める武神の代理。

そして裂帛の気合 「バカーーーーーーーーーーーーッ!!!」

六合大槍でいう突きの型、【扎】(チャー)が湖の方角へ突き出された。
その一撃に込めた十分な気迫は、目に見えるほどの塊となって飛んでいった。
その塊に引っ張られた空気が、元に戻ろうと会場を激しくかき回す。
なんと凄まじい一招か。


「命蓮寺の寅丸星! 演武を終わります!!」

そして終了の合図とばかりに槍の石付きを床に打ちつける。
 
皆、てっきり、ガーン! とか ビシーィッ!! とか床石が派手にひび割れると思ったが、

【ずっ】 鈍い音。

一尺ほど御影石の床に刺さっていた。
ヒビ一つなく。

どれほどの力で突けばこうなるのか。

緊張している会場。
歓声も拍手もない。

寅丸は険しい表情のまま俯き気味で動かない。
しゅうしゅうと音がするほどの闘気が彼女を取り巻いており、収まる気配がない。

舞台に上がっていったのは聖白蓮。
ゆっくりと寅丸に歩み寄り、軽く抱きしめた。
聖の方が頭一つ近く低いのに、その姿は全てを包み込むように大きく見えた。

寅丸の闘気が消えていく。
聖白蓮の体の中に吸い込まれていく。

憎しみも諍いも苦しみも、全てを受け入れ、許してくれそうな柔らかく穏やかな存在。
見るモノ全てが命蓮寺の住職に大いなる母性を感じ取った。

表情が和らぎ、恥ずかしそうにし始めた寅丸を連れ、退場する。
ここでようやく拍手喝采が巻き起こった。


有力者が集まるこの宴席を、招待されてもいない多くの妖怪や、物の怪の類が遠巻きに注目していた。
そして震え上がった。
多少腕に覚えがある程度で太刀打ちできるレベルではない。

最近やけに人妖の集まる寺、命蓮寺。
ちょっかいを出してやろうともくろんでいた、タチの悪い連中は、

【命蓮寺にはトンでもない武者がいるぞ】

【近寄るまいぞ】

あの槍、かすっただけでも存在が霧散してしまうだろう。

逆に、これまで虐待されていたモノ、行き場のないモノ、そして 迷いのあるモノたちは、命蓮寺に行けば救われるのではないかと、希望を灯した。

悪意を退け、救いを求めるモノを集わせる。 
まことに堂々たる武神の顕現。
普段の【柔】とは異なった武神の代理、寅丸星の【剛】の体現であった。
そして好対照をなした聖白蓮の【慈愛】。
幻想郷の妖たちに命蓮寺の存在を強烈に印象づけた。



「ねぇ、さっきの【バカーーーーッ】は誰のことなのかな?」

ナズーリンが相方の妖怪ウサギに問う。

「気配りのヘタクソなどっかのバカネズミのことでしょ? ふんっ」

吐いて捨てる因幡てゐ。

「て、て、てーゐ」

「ああ、もう、寅丸さんのことだとホント、情けないんだから」

腕にすがり付いてくる【通称:賢将】をうんざりと見やる太古のウサギ妖。



「まあー、すごいわねー。とーっても強そう。
妖夢とどちらが強いかしらー?」

西行寺幽々子が魂魄妖夢に問いかける。

「幽々子さま、もしかしたら私、勝てないかもしれません」

「そうなのー?」

妖夢の実力は剣道でいえば高段者クラスだが、いかんせん、実戦経験が少なかった。
彼我の実力差を正確に測る【目】の修養が足りていなかった。



八雲紫が寅丸星を見つめている。

気づいたのはてゐ。

「ナズリン! しっかりしなさいよ! ちょっと気になる事があるから!」

グズグズのナズリーンを小声で叱咤する。

「あのスキマ妖怪、寅丸さんのことをしゃべっているわ」

【スキマ妖怪】と聞いて、一瞬でその目に知性の輝きが戻った賢将。

「・・・・・・教えてくれ」

かなり離れた位置、口元を扇子で覆いながら八雲藍に話しかけている。

純粋な聴覚のみで聞き取っているてゐが気づかれる心配は少ない。


『あのコ、やっぱりいいわー』

『紫様、あきらめていなかったんですか?』

『あきらめる、なんて言ったことないわよ』

『しかし、あの尼僧の下、毘沙門天の加護もありますから、無理ですよ』

『すぐに、ってわけではないし、気長に待つとするわ、【黄】の名は空けておきましょう』


てゐの盗聴内容を聞いて軽く舌打ちするナズーリン。

「まだあきらめていない、ってことか」

首をかしげる妖怪ウサギに小声で説明する。

****************************

八雲紫は、妖獣だった頃の寅丸を自分の【式】にしようと狙っていたらしい。
稀に見る優秀な妖獣、一歩違いで聖白蓮に持って行かれたのだろう。

ナズーリンの推測の裏づけは、自分が従者として赴任した時から時折感じていた【覗き目】の存在。
正体は分からなかったが、聖が封印されたあたりから、目の存在に気づく頻度が上がった。
今思えば、不安定になった星を取り込む機会を狙っていたのかもしれない。
だが、この元妖獣は崩れなかった。
ナズーリンはもてる力の限りを尽くし、寅丸星を支え続けた。

幻想郷に来て確認できた【覗き目】の正体と、【式】である妖獣、八雲藍の存在。
そして今のてゐの情報、全てが繋がった。

八雲紫は寅丸星を【式】にするつもりなのだ。

****************************

「スキマが開くとき、独特の波動があるんだ」

「あー、あの、ちょっと、ちりちりする感じのこと?」

「なんだ、分かっているんじゃないか」

「そりゃね。
たまに【覗かれている】感じがするときには、決まってあのちりちりがあるからねー」

この大年増のウサギ妖怪の感知能力は並ではない。
だが、気づいていても知らんぷり、そうやって面倒なことを避けて生き抜いてきた。


「八雲紫との対決か。 
まぁ、幻想郷にいる限り避けては通れない課題だね」

「ワタシは巻き込まないでよ?」

「つれないことを言うなよ。
私の【対八雲紫作戦】ではキミはかなり重要な役どころだよ?」

「だから巻き込まないでって!」

「しかし、ご主人を狙うとはいい度胸じゃないか。
我々の力を見せつけてやろうよ、【プリポナ】の力を!」

「ちょーっと! 我々ってなによ! ワタシを巻き込まないでって言ったじゃん!
あんな怪獣とやり合うつもりなんかないよー!」

「ヤツは寅丸星に我々が付いていることを知らないんだ。
甘く見ているんだ、後悔させてやろう」

「だーかーらー、ワタシ、関係ないって!」

耳をぺたんと折りたたみ、いやいやをするウサギ妖。

「現時点での八雲紫攻略方法を聞いてくれ」

「聞きたくなーい! やだよー!」

「寅丸星が失われたら私は生きてはいられないんだ、いいから聞けよ。
なーに、運が悪けりゃ死ぬだけさ」

「う、う、なんでこうなるのー?」

「まぁ、最悪でもキミは助かる、もし私が死んだらご主人のことは頼む。
真面目な話、てーゐ、キミに託す。
【神格】を得るまで見守ってやって欲しい」

それまでてゐは、くねくね首を振りながら、ふざけ半分で応対していたが、ピタっと止まり、ゆっくりとナズーリンに向き直る。

「ナズリン、笑えないよ。 
今までで一番つまらない話だわ。 
そんなの絶対イヤだからね」

見たことのない険しい表情。

「今度【死んだら】って言ったら、引っ叩くからね!」



お互い少し頭を冷やした。
軽くわびたナズーリンが、改めててゐに作戦を話す。

この二人のささやきは、ちょっとした合図と目配せ、隠語を交え、かつ、消音の呪法を使っているのでこんな場でももれる心配はない。

「ナズリン、アナタの言う【もしかしたら西行寺の娘は】のところが間違っていたら、大変なことになっちゃうよ?」

「まぁ、そうだね、だが、八雲紫と仲がよいのは間違いなさそうだからね。
今日のご主人の演武で、きっかけは向こうからやってくるさ。 
それから先はその時に考えるとするよ」

大胆な仮説に基づく危険な作戦。
慎重な因幡てゐにすれば、乗れる話ではない。
今までずっと、危ない橋は避けてきたのだから。
だが、親友と心に決めたネズミ妖怪が命を賭して臨もうとしている。
その時がくれば乗るしかないか。
打算と欺瞞まみれで生きてきたズルウサギは、目の前のバカネズミの悲願にとことん付き合う決意を固めた。





帽子を取って、聖白蓮に抱きつく魔理沙。

「いってくるね」

「魔理沙、頑張って」

いよいよメインイベント。
祖母とも慕う恩師に挨拶をした若い魔女が箒に乗って浮かび上がっていった。

それを見上げていたアリス・マーガトロイドに話しかける聖。

「アリスさん? あなた、アリスさんでしょ?」

問われた人形遣いは大魔法使いを認めたもののすぐに目を逸らした。

「ええ、そうだけど」

「貴方が小さかった頃、アチラで会っているんだけど、覚えていらっしゃらないかしら?」

ニコニコを話しかける聖白蓮にアリスは戸惑っている。

「そ、そうだったかしら」

「随分と大きくなられて……魔界の方は成長が早いのかしら?」

「あ、あの、私、ちょっと、用事があるから」

逃げるように去ってしまった若い魔法使いの後姿を少し惜しげに見送っていた大魔法使い。

「聖、今の話、もう少し聞かせてくれないか?」

命蓮寺の首席参謀ナズーリンがいつの間にか隣にいた。

偶々魔法使い二人の会話(かなり一方的な)を耳にしていたナズーリンは、内容に惹かれた。


聖曰く、魔界でお世話になった神様がいて、娘がたくさんいたとのこと。
そのうちの一人がアリス。
当時と今の外見の差に成長を見て取ったが、経過時間の割りに【はやい】育ちが気になったと。
自分を避けているように思えたのは、昔を知られたくないからかも、と。

そして、魔界に攻め込んできた巫女と魔法使いたちとの戦いの伝聞。

顎に手を当てて少し首をひねっていたナズーリンが、ゆっくりと頷いた。

(なるほどね……そういうことか)



博麗霊夢vs霧雨魔理沙の弾幕ごっこが始まった。

スペカは、お互いボム込みの八枚持ち、したがって最長で八回の表裏の攻防がある。
基本は攻め手が宣言した弾幕を受け手がかわしきれば攻守交替する。
防御側の時にボムでスペカを使ってしまえば、攻めの回数が一回減ることになる。

霊夢の先攻で開幕。
【天馬壱式】で機動力を上げた魔理沙はかなりの余裕を持ってかわしきった。

魔理沙の攻撃。
いきなり新作スペカを投入。 
魔符:【ブロードミルキーウェイ】

いつもの【ミルキーウェイ】に慣れていた霊夢は対応を誤り、早くもボムらなければならなくなった。
【夢想封印】で打ち消す。
一枚目の防御に出された大技札に観客はどよめく。

その後の巫女の攻撃をボムを使わずにかわしきる魔法使い、全てのスペカを攻撃に使うつもり。

中盤戦、爆符:【ポーラスターエクスプロージョン】をしのいだ霊夢の顔に汗が伝う。
かなり気力を消耗させられた。

続いて月影符:【サテライトインターセプター】が宣言される。
これまでの魔理沙にはなかったタイプのしつこい耐久弾幕に、二枚目、そして最後の【夢想封印】を使わざるを得なかった霊夢。
スペカの尽きた巫女は残り二回の攻撃をかわしきって、引き分けに持ち込むしかなくなった。

霊夢は今回の弾幕ごっこ、決して手を抜いていない。
大技である【夢想封印】を三枚も用意していたのだから。
観客は魔理沙の見事な回避運動と新作スペカに驚いていたが、霊夢の真剣さにも感心していた。

いよいよ問題のスペカ。

輪操:【赤い靴のヨコハマドール】を宣言する魔理沙。

その名の通り、赤い靴を履いたかわいらしい人形が十体、魔法使いの周りを輪になって踊り始める。

一体が輪をはずれ、弧を描きながら霊夢に接近、光弾を撒き散らす。
そのままの軌道で魔理沙の下へ戻っていくが、すぐに二体目が同じように曲線運動で迫って来ていた。
そして、三体目、四対目が次々と弾を放っては元の輪に戻る。

いわゆる【車懸りの陣】
順番に敵に攻撃をしかけ離脱して各個に連続して攻撃を繰り返す戦法。
本来であれば、まとめて一気に兵力を集中し叩き付けた方が早く戦局を決することが出来るので、大軍同士の合戦では、わざわざ兵力を分散・逐次投入しなければならないこのやり方はナンセンス。

だが、この戦法は自分より少ない兵力の敵に対して時間稼ぎをしながらジワジワと削っていくという、限定的な特殊戦ではそれなりに有効。
まさしくスペカ戦がそれにあたる。

十体の攻撃が終ったところで少し間が空く。

二周目がスタート。
一周目は等間隔で飛んできた人形達に緩急が加わる。
タイミングをずらしながら、霊夢の回避場所に向かっていやらしく光弾を詰めていく。

『すごい……』

また誰かの呟きだったが、間違いなく観客の総意だった。

これにはさしもの天才巫女も苦しんだ。
二周目をしのいだ彼女は肩で息をしていた。

だが、カードの効果は継続中。
終わりではなかった。
三周目があると理解した霊夢の顔が歪む。

『ま、まだ来るの?』

巫女の体から力が抜け落ちた。

観客の中、目の良いモノたちは霊夢の様子を見て取り、【勝負あった】と判断した。
魔理沙の最後のカードはおそらくマスタースパーク。
今回、あえて一度も使っていない彼女の代名詞ともいえる得意技。
これまでのスペカの練り込み具合からして、とっておきの新型マスタースパークだろう。
霊夢はすでに限界を超えている。

勝負あり、と見えた。





「この勝負、ワタシの負けだ!」

【赤い靴のヨコハマドール】の三周目を前に敗北を宣言したのは霧雨魔理沙だった。

どう見ても勝者は魔理沙だった。
会場中が疑念と無得心に満ちていく。

最も驚いている博麗霊夢に片手をあげて合図した魔法使いは、会場を見渡しながらゆっくり降下してきた。

せわしなく動いていた視線が止まった先には、飛び去るアリス・マーガトロイドがいた。
追いかける魔理沙。


片方が途中退場してしまってウヤムヤになってしまった勝負。
ざわついている会場、司会進行の美鈴にレミリアが目配せをする。
実は結構機転の利く万能型妖怪が声を張り上げる。

「会場の皆様! ありがとうございました! 本日のエキシビション・マッチはこれにて終了です!
幻想郷屈指の弾幕使い二人による、模範演技はいかがでしたでしょうか!?
十分にお楽しみいただけたと思います!!
 
さて、お酒も料理もまだまだございます、どうぞごゆっくりとご歓談くださーーい!!」

勝負の結果に言及せず、あくまで【エキシビション】ということで押し通した超門番は力ずくで余興の会を閉めた。



「ナズリン、どういうこと?」

因幡てゐが尋ねてきた。

「確証はないけど、おそらく最後の人形スペカに【反則】があったんだろうね」

「反則?」

「事前に魔理沙が言っていたことが確かなら、本来、あれほどのコントロールは無理だったんじゃないかな。
でも、あの人形の動き、見事だったろう? 
まるでアリス・マーガトロイドが操っていたかのように」

そこまで聞いたてゐは合点がいった。
文字通り【裏で糸を引いて】いたのだろう。 
ならば明らかに反則だ。

「それで文句を言うために追っかけたのねー」

「さて、それはどうか分からないよ?」

相方の軽い否定に今度は合点がいかない妖怪ウサギだった。



逃げるアリス、追う魔理沙。

「待てよ! アリス! 待てったら!」

幻想郷の特急魔女から逃げ切れるわけもなく、あっさり前方に回りこまれる。
止む無く停止するアリス。
俯いたまま何も言わない。

「アリス、ごめんな」

驚く人形遣い。
真剣勝負に水を差され、怒っているはず、謝るとしたら自分のはずだ。

「なんで!? なんで魔理沙が謝るのよ! 悪いのは私でしょ!」

カウンターカット(逆ギレ)気味に怒鳴ってしまった。

アリスの【糸】に気付いてしまった魔理沙。

「ワタシのコントロール不足を、補ってくれようとしたんだろ? 
オマエにそこまでさせてしまったのはワタシの努力が足りなかったからだ。 
だから、ごめん」

「うそ! 怒っているんでしょ!? バカなことをしてしまったんだから!」

「アリス、オマエがワタシのためにどれほど一生懸命、力を貸してくれたか、それが分からないほどバカじゃないつもりだぜ」



『霊夢に勝ちたいんだ』

実は真っ直ぐな人間の魔女はその想いを真っ直ぐに語ってくれた。

アリスは悔しかった。
にとりやパチュリーの魔道具はとても素晴らしかった。
そして、魔理沙の役に立った。
聖白蓮が伝授した身体強化魔法は、博麗霊夢の猛攻をボムなしでしのがせた。
だが、自分のスペカは不完全だった。 
焦った。

魔理沙が『こいつはスゴいぜ! これがワタシの切り札だ!』と賞賛してくれたのに。
操作の訓練、要求が高かったことは理解していたが、なにせ時間がなかった。
成功率一割にしかならなかった。
もしこのカードのせいで彼女が負けたら?

そう思うとじっとしていられなかった。
普段よりうんと細くした魔法の糸を【ヨコハマドール】に伸ばしていた。



出会いは魔界。
ガサツで意地悪な人間の魔女にコテンパンにやられた。
しばらくして姿を偽り、修行と称して幻想郷へやってきた。
修行は本当だが、もう一つの目的は霧雨魔理沙だった。

捻くれモノのくせに傍若無人、そして圧倒的なパワーを無遠慮に振り回す。
自分の正体にも気がつかない。
再会後はしばらくいがみ合いが続いた。

なんでこんなヤツが気になるのか。
当時、【好きか】と聞かれれば、即座に【大嫌い】と答えただろう。

復讐したいのか、強さの秘密を知りたいのか、それとも友達になりたいのか。
自分でもわからない。

なのにいつの間にか一緒にいることが多くなっていた。

実は努力家、実は寂しがり、実は結構気を遣う。
そして日を追うごとに存在の輝きを増していく【ただの人間の若い魔女】。

今、【好きか】と聞かれれば、考えた末【よくわからない】と答えるだろう。
単純に魔理沙と一緒にいたいと思っている。
愛情とか恋情とか、よくわからない。
今回も、魔理沙の役に立ちたかった、ただそれだけだった。



「アリス、このスペカ、やっぱりスゴいぜ。
ワタシ、絶対にモノにしたいんだ。
頼む、たまにで良いから、これからも付き合ってくれよ。 なっ?」

曇りのない金色の瞳で見つめられ、少しだけ鼓動が早くなる。

「い、いいわよ。 でも、優しくはしないからね。
あ、魔理沙、貴女、疲れてない? 
ウチで休んでいきなさいよ、お茶くらい出すわ」

「おう、助かるぜ。
実は【天馬壱式】はかなり疲れるんだ、正直ヘトヘトだぜ」

ニカッと笑った魔理沙がアリスの手を取り、箒の後ろに導く。

二人乗りの魔法の箒は、ゆっくりと森へ向かっていった。





「アリスさんは魔理沙さんより年下なんですか?」

先のパーティーから十日後、寅丸星は私室でナズーリンの話を聞いていた。
あの日以来、すこぶる機嫌の悪かった主人を血の滲むような努力でなだめすかし、ようやく今に至る。

「ああ、聖の話とこれまでの彼女の行動を鑑みると、そう結論が出るね」

本日届いた目的の品、渡す前に軽く小ネタを振ったナズーリン。

「何らかの魔法で成長を促進させたのだと思うが、実年齢は【少女】といって良いだろう。

積極的に魔理沙にプレッシャーをかけるでもなく、自分から告白するでもなく、ヤキモチもムラがある。
ただまとわりついているように見えたので、おかしいなと思っていたんだよ。
だが、これで納得した。
本人の感情は未だ【恋愛】にまで育っていないのだろう。 
これからだよ、霧雨魔理沙争奪戦は」

「なんですか、その言い方って、少し不謹慎じゃありませんか?」

少し怒ったフリをする寅丸、機嫌は悪くなさそうだ。

「いやいや、これから面白くなりそうだね。 
まぁ、彼女にはそれだけの輝きがあるし」

主人の機嫌を確認した従者は、本題に移る。

「ところでご主人、今日は私からの贈り物を受け取っていただきたい」

そういって綺麗にラッピングされた包みを三つ差し出す。

「私にですか? まぁまぁ、ありがとうございます」

丁寧に包みを解いていく寅丸、出てきたのはブラとショーツのセット。

「えっと、ナズ? これって……?」

「レミリアどのの伝で入手した外界の下着だよ」

クリーム色の上品な柄のデザインランジェリー、縁は控えめなレースで飾られている。

あのパーティーの日、咲夜から渡された分厚い【カタログ】に掲載されていた各種下着類。
トンでもないセクシーランジェリーも数多くあり、ナズーリンは迷った。
だが、最後は自分が見て楽しむことより、愛する主人のため、着心地、幸福感を優先した。
したがって、トップレスブラや、クロッチオープンはあきらめた。

ブラはクォーターカップ。
フルカップは隠しすぎ、ハーフカップは危険すぎ、クォーターに絞った。
寅丸のバージス(バストの底面形状)は間隔が広めなので、カップボリュームの割りに突出度は強調されない。
まろやか型なのだ
寸法、形状を熟知しているナズーリンは意外に完全フィットするサイズの種類が少ないことに閉口した。

ショーツも大人しめにした。
ローライズは止めて、はき込み丈を長くとったタイプ、お腹が冷えてはいけない。 
脚ぐりにレギューラーカットを選んだ理由は、寅丸は十分に脚が長いので、ハイレッグの必要を感じないからだ。
そして実用重視でクロッチ素材にも十分こだわった。

色柄違いで三組。

勝負下着にもなるし、ちょっとしたおしゃれ気分も満たしてくれるだろう、渾身のチョイスだった。


「あの、これって?」

同じ質問を繰り返す寅丸に説明を始めるネズミの従者。

最近の下着がらみのもろもろは全てこのためだったと。
誤解を解いて理解し、許して欲しいと。
貴女に素敵な下着を身に着けて欲しかったと。
自分の想いは揺らいだことは一度もないと。

「だから星、着て見せて。 私に見せて」

にっこり笑うナズーリン。

元々、誰よりも何よりも自分よりも信用しているナズーリン。
ここまで説かれればさすがに寅丸も分かる。
この贈り物も、とても上等な品だ、純粋に嬉しい。

でも、今回は随分と振り回された。 
ヤキモキさせられた。
なんだか素直になれない。

「うーん、どうしようかしらー?」

ちょっと意地悪したくなった。

だが、早くも下着姿を想像してテンパり始めたエロリストは簡単にキレた。

「えええーーー!!! なんで!?
なんでそんな意地悪いうのー!?」

「い、意地悪じゃありませんよ、多分、ええ」

「うーー! よーし! それなら私にも考えがある!」

一転、悪堕ち顔になったナズーリン。

「【シャイニータイガー】が本来の力を奪われ、ぬめぬめした軟体動物の触手に絡めとられている!
コスチュームの隙間から次々差し込まれるイヤらしい触手がうねうねと蠢く!
必死に抵抗するが、徐々に蹂躙され、脱力し、恍惚の表情を浮かべ堕ちていく【シャイニータイガー】!」

「な、なんですかそれは!?」

「この妄想を今夜のオカズにするが、それでもよろしいかーー!?」

「う、うかーっ! アナタ、いったい、なにいってるんですかー!!」

ドタバタと揉み合うバカップル。

その後、寅丸星がデザインランジェリーを着て見せたかどうかは秘密。




時間がかかりました。オリジナルスペカ、やるもんじゃありませんね。参りました。
今回はいつにも増して勝手設定を投入しています。
スペカ戦、かなり勝手な解釈ですが、こうだったら面白いかなーと。
原作のセリフを見るとアリスはなんだか【幼い】なと感じてしまいます。
八雲紫がラスボスってわけではないんですが。
パーティーや宴会って無理なくたくさんのキャラを出せるんですが、これまでの伏線回収に追いまくられ、
とッ散らかってしまいます。

お読みくださり感謝でございます。
ご意見、ご感想、ご指摘をいただけますと、励みになります。

※2011/07/07 加筆修正をいたしました。
紅川寅丸
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コメント



0.1900簡易評価
2.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです
次回が気になる!
3.100名前が無い程度の能力削除
いいねぇ、ナズ星もマリアリもナイスです。
5.100奇声を発する程度の能力削除
キャラが生き生きとしていて面白かったです
11.100名前が無い程度の能力削除
相変わらずのナズ星に僕満足!
それにしても咲夜さん、最早ナズーリンにとって這い寄る地雷と化してないかw
17.80名前が無い程度の能力削除
うん
22.100名前が無い程度の能力削除
この話そのものも面白かったですし、連続している物語の間のインターミッションとして捉えても面白かったです。
また次回、楽しみにしています。
23.100名前が無い程度の能力削除
タイトルが全然本筋じゃない件w
自分は氏のオリ設定結構好きよ、これからも我が道を突き進んでほしいね
25.100名前が無い程度の能力削除
相変わらずな霊夢とナズのやりとり…すごい好きです…
てゐかわいすぎだろぉ…
28.100名前が無い程度の能力削除
あなたの作品が大好きですw
30.100名前が無い程度の能力削除
う~ん素敵。
色々とキてますな~

アリススキーな自分としてはテンションだだ上がりw

新型マスパが出なかったのがちょっと残念だったかなぁ~

ともあれ御馳走様でした。
31.100お嬢様・冥途蝶・超門番削除
なんだか幻想郷がだんだんネズミーなランドになっていく様な気がする・ww 前に門さんが言ってた
けど霊夢がおもしろい!w アホだぁ!て思いながら読んでるww 次回も楽しみだね。 お嬢様
今回は星さんハズレ引いちゃいましたね。怒ってる姿がとてもいいです。お忙しいでしょうけど次回も
楽しみにしています。                               冥途蝶
霊夢さんいいですねぇww わりとレディっぽい一面もありながらガサツな人だからハマるんでしょう
ね。「んなこたぁ、わーってんのよ」!!                      超門番
32.無評価紅川寅丸削除
2番様:
 ありがとうございます。次回は早苗と○○のニッチなカップリング?の予定です。

3番様:
 ありがとうございます。マリアリはまだまだ幼いCP(勝手設定)ですが、結構大事にしてます。

奇声様:
 毎度ありがとうございます。キャラ評をいただけ、恐縮です。
 入れ込みすぎかな、とも思うのですが、こんな調子でやってまいります。

11番様:
 ごっつあんです! 紅川設定の咲夜は幻想郷一のイイ女です。今後もちょこちょこ出したいです。
 そしてナズーリンを困らせます。

17番様:
 えーと、どうも。

22番様:
 一話完結を目指しながら、いつも引っ張ってしまいます。
 でも、それを勘弁してくださる方がおいでなら、こんな感じで続けてまいります。
 次回は早苗絡みか、いまだ登場させていないあの大物とナズの対決、実はまとまっていません(笑)。
 察するに、過去作もお読みいただいているのですね。ホントありがとうございます。

23番様:
 あたたたっ、タイトル、ダメなんすよ。いつも困ってるんです。
 センスねーなーって言われます。助けてください。(実は本気で毎回困っています)
 オリ設定、原作テキストやセリフ、書籍をそれなりに読んで世界観が壊れないスレスレのラインで
 組み立てているつもりです。
 お気に召していただいたのなら幸いです。 ありがとうございます。

25番様:
 ありがとうございます。やはり霊夢は損害感(あ、打ち間違えたけど面白いから残します)存在感、
 がありますよね。霊夢メインの話は今後の課題です。
 困った。てゐが気に入り始めています。唯一、本来のナズーリンに付き合える存在です。
 恋人と親友。選ばなければならなくなったらナズはどうするのでしょう?

28番様:
 「あなたが大好きです」咲夜なら、そう勘違いしそうです。
 大好きと言われて燃えないわけにはいきますまい。
 やれるところまでやってみましょう!! ありがとうございます!

30番様:
 器用なアリスって例えば? こんな形もありかなと。
 いろいろとアンバランス、でも素敵な娘。私もアリスが好きです。
 スペカ戦、いかがだったでしょうか? 「ランダムスパーク」はいつか炸裂させましょう。
 拙作、ナズーリンのマスタースパーク! の後編なのかもしれません。ありがとうございました。

お嬢様様:
 ありがとうございます。大物と絡みすぎですよね。たかがネズミ妖怪のくせに。
 でも、私のSSはナズーリンと言うキャラがいなければ存在しなかったと思います。
 空想上のキャラクターが人生を変えるって、ホントあるんだなぁ。
冥途長様:
 ありがとうございます。星は理想の人物の一人です。
 結構先の話でナズーリンがガッタガタに壊れるんですが、その時も支えるのは星ですね。
 会社、クビを宣告されーの、辞表を出しーの、辞めさせるな運動起きーの、慰留されーの、
 ドタバタしながらも残りーの、まぁ、ちょっとだけ忙しかったです(テヘッ)。
 でも、待っててくれるヒトがいるから、オジサン投稿、頑張っちゃうからね!(アハハハ)
超門番様;
 今回、お名前、一回だけ使わせてもらっちゃいましたー!
 霊夢、いかがでした? でも、チカラ入れたのはレミリアのところだったりします。
 よく覚えてくれてるなー、ホントありがとうございます。
34.100名前が無い程度の能力削除
まさか前回の伏線からあんなことをしでかしてくれるなんて…相変わらず咲夜さんが面白くて好きです。
外出時はファッショナブルでデンジャラスなのにお仕事中は白!流石瀟洒。

はたパチェが仲が良くなっていて嬉しいです。このコンビ最っ高です。
二人っきりのときのパチェさんはいつもこのテンションなんでしょうか。
サンドウィッチの時にもあんなに乙女なパチェさんがいたんですね。御馳走様です。

今回はいっぱい人が出てきて盛りだくさんでしたねー。
次回も楽しみにしています。
35.100名前が無い程度の能力削除
なんてけしからんメイド長。
許して欲しければ後もう5㎝スカートを上げてみやがれお願いします。

私生活も色々と大変な様ですがどうかご無事で。
作品楽しみにしてます。
36.無評価紅川寅丸削除
34番様:
 おっとー! 咲夜の下着の嗜好、チェック済みとは恐れ入ります!
 はたパチェの小ネタも拾ってくださっている! 涙でそう……
 見てくれている人がいるんだ…… 超、ありがとうございます。

35番様:
 十六夜ミサイルは今後も炸裂します。
 私事をこぼしてしまい、申し訳ありません。
 ここで言うことではないですよね。反省しております。
 でも、お気にかけていただき、感謝です。
 お気遣いは、作品で応えます。頑張りますね。
39.100名前が無い程度の能力削除
これはある意味タイトル詐欺かもしれないw
ナズの性格好きだわー
同じようにレミリアに対してご機嫌を取るナズを書いた事があるのにあなたの方が圧倒的に上手い上に褒められるレミィ可愛いっ…!くやしいっ…!ビクンビクン
40.無評価紅川寅丸削除
39番様:
 タイトル、いつも悩んでいるんです。
 お暇な時に拙作を検索して並べてみてください。
 目を覆いたくなるようなセンスです。
 ホントどうにかしたいです。
 レミリアの件、ご謙遜込みでも、ジェラシーのシャワーを浴びさせていただきました。
 き、き、きもちいいいーー(笑)
 いや、まじめな話、そう言っていただけると、力を入れたかいがございます。
 ありがとうございます。
42.100ぺ・四潤削除
おお、今までの話の集大成みたいな感じでなんだかわくわくしてきました。
霊夢とのやり取りはナズーリンを知らない者から見たらさぞかし大物に見えたことでしょう。そして霊夢を見てよく喉を掻き毟る人が出なかったなとww
咲夜さん凶悪すぎる。きっとナズーリンにとって最強かつ永遠の敵となるに違いない。
星ちゃんカッコイイのに……カッコいいのに……「バカーーーーーーーーーーーーッ!!!」ってwww
やはり社交会でのナズーリンは凄い。完全に幻想郷の皆のナズーリンを見る目が変わったことでしょう。そのあとのプリポナがなければwww
っていうかプリポナどうなったんですかー!!また黒歴史を作って星ちゃんに抱かれてぐしぐし泣いてるナズーリンはどうしたんですかー!なんか私のパソコンでは見えないですよ!

あとアリスマジすげぇ
あとまさかの超門番で噴いたww
43.無評価紅川寅丸削除
ぺ・四潤様:
 霊夢とナズは先の話でがっちり絡む予定です。
 このとらえどころのない主人公はナズにとっても大きな関門ですから。

 咲夜、このシーンを書くための作品だったのかもしれませんww

 星は強いんです。温和な性格ですから他を傷つけるための技を習得するにあたっては葛藤があったはずです。
 でも、武神から認められたほど才能があったんです。 悩んだ末に一生懸命、鍛錬したんだと思います。
 先の話になっていまいますが、星と勇儀がタッグを組んでフルパワーの肉弾戦で多数の敵を【ナントカ無双】のように打ちのめします。
 (あ、だいぶ先なんですが)

 ナズーリンはあくまで星のために力を振るいます。
 あのナズーリンが【ご主人】と呼ぶ寅丸星はただモノではないはず、と。
 愛する星の地位を護るためにあらゆる力を行使します、それがナズーリンの生き方ですから。

 プリポナ、拙サイトで絵師が動画を作成中です(多分)。いつになるか分かりませんが期待してください。
 (シャイニー・タイガーはカットしますがww)

 アリスは器用、でも器用さってどんなかなと考えた時、ちょっとシックな表現にしてみました。
 超門番様、なんだかいつもツボにはまるご指摘をいただいているので、おもわず……
54.100名前が無い程度の能力削除
 魔理沙と霊夢のスペルカード戦が燃えました!今回は霊夢が一方的に押されていたので、次戦うときは霊夢の対抗作に期待したいです。もしかしたら、天性の勘で新スペルにもすぐ慣れてしまうのかもしれませんが……。もちろん、ヨコハマドールを完璧に使いこなす魔理沙にも期待です!
 あと、ナズーリンはあんな恥ずかしいセリフをよくアドリブで言えますね。しかもスラスラと。自分だったら間近で聞いだけで羞恥死しますよ。体は小さいといえど、伊達に千年生きてないってことでしょうか。



誤字報告
ナズーリンのセリフ
「卑俗な其れがしには」 其れがし→某
55.無評価紅川寅丸削除
54番さま
 ありがとうございます。
 実は霊夢と魔理沙の緩やかな成長を描けたらな、と思っています。
 この二人とナズーリンがどのように絡むか? これが根っこのテーマですね。
 某、ご指摘ありがとうございます、でも例によって直せません(トホホ)。
61.100ナルスフ削除
ナズーリンが大々的に謎の人物として有名になってきましたね〜
そして相変わらずな咲夜さん(笑)
魔理沙の成長が詳しく描かれていてよかったです。
しかしほんと魔理沙イケメン。争奪戦も大変そうです。
しかし何よりはたてとパチュさんがすごい仲良さげなのがなにか嬉しかったです(笑)
63.無評価紅川寅丸削除
ナルスフ様:
 ありがとうございます。
 咲夜さん、どうしましょう? どんどん妙な方向へ歩いて行っちゃいます。