CAUTION!
この作品は東方プロジェクトの二次創作です。
原作キャラが激しく崩壊しています。さらに二次創作設定を含みます!
これをみて危機感を覚えた方はもどるをくりっく!
この話は前編後編で構成されています(予定)
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「信仰が足りないと思うの」
開口一番、霊夢が魔理沙を縁側に呼んでの台詞がこれだった。
「そりゃ、大変だな」
「そう、大変なのよ」
ふーん、と適当に相槌を打ちながら、出された塩せんべいをばりばりと囓る魔理沙。
「信仰が足りないと、参拝客が減るわ」
「だろうな、じゃあありがたい御利益の神様に頼みこんでみるのはどうだ?」
「あんな俗っぽい神様に御利益なんて無いわ」
「そこまで解ってるなら何か別の方法を考えた方がいいだろうぜ」
どうでもよさげな魔理沙とは裏腹に霊夢の表情は沈痛な面持ちだ。
霊夢は「そりゃあ、わたしだってね・・・」と言葉をつなげる。
「こうして神社で毎日祈祷するだけでお金がふってくるなら毎日の様に祈り続けるわ。 神様感謝します、天神さま感謝しますってね・・・」
「おいおい、どうしたって言うんだよ。 さっきから暗いことばかり言って」
魔理沙の茶々を無視するように独白を続けていく。
「けど、現実は厳しいわ。 連日の異変で崩壊する神社、かさむ出費の山。 気付けば倉のめぼしい骨董品を売り払う内に倉の中はどうでもいいものしか残っていない・・・」
「ははぁ」
「そう遠くない内に博麗の経済は破綻するわ」
たしかに、先日起こった異変の地震で神社が倒壊したんだったか、 費用がどこから出ているのかと不思議に思っていたが。
霊夢がそこで「それでね、私考えたの」と付け足す。
「外の世界では、神社の家に生まれた巫女は、里の人間相手に「きゃばくら」という商売をするそうよ」
「まじか」
「えらく、まじよ」
魔理沙の頬がひくついた、まさかここまで思い詰めていたとは、 それほどに神社の経営状態が厳しいのだろうか?
しかし、とりあえずは霊夢のもごつく口元を見て、彼女が真剣であることを悟る。
今は腹を据えて話を聞こう。
これは、今日は大変な日になるかもしれない・・・。
この少し自分よりも大人びた少女の身の上話に冷や汗が吹き出る。
「・・・で?」
「なんでも『きゃばくら』っていうのは、夜中に神殿に集まってきた悩みを持つ人たちの悩みを聞いてあげるんですって、霊験あらたかな巫女の話を聞いて帰って行くとか」
「・・・」
「おそらく説法の一種だと思う、おまけに仕事中にお酒をのんでも神事の一種として許されるそうよ」
「・・・」
「かなり金になるらしいわ」
霊夢が目を輝かせる。
「・・・・ちなみに、その話誰から聞いたんだ? 霊夢」
「霖之助さんからよ、あの人けっこう外の世界に詳しいから。 やけに嬉しそうに話してくれたわ。神社の経済状態を嘆いていたら親切に教えてくれたの」
「・・・・ああ、そう・・・・」
「準備ができたら呼んでほしいとも言ってたわ、『考えてみる』っていったらやけに楽しそうにしててね」
霖之助が霊夢に酒の酌をさせて悦に入っている姿が目に浮かんだ。
とりあえず今度見かけたらあの馬鹿をマスタースパークで消し炭にしよう、魔理沙は密かに決意した。
「その話を聞いて私ようやく気付いたわ! 今の私に足りない物がわかったのよ!」
「え、 おまっ・・!? まさか本気で博麗の巫女が水商売を・・・!?」
「・・・はぁ? 何いってんの?」
「なんなんだよ、さっきから! とっとと本題に入りやがれ!」
「私に足りない物! それは・・・・カリスマよ!」
仄暗い神社の奥から! 『前編』
どうも霊夢の考えるところによると、自分の神社に参拝客が少ないのは自分のカリスマが足りなかったからだという。
そこで、巫女である自分が霊験あらたかな説法をできるようになれば参拝客が博麗の巫女様のありがたい説法を聴きにやってくるようになるだろう。
自然、賽銭箱も潤うし、場合によってはお布施も期待できるらしかった。
「・・・まぁ、霊夢に巫女らしさが備われば少しは参拝客も増えるかもな」
「でしょ!?」
「で、どうやってその巫女のカリスマとやらを磨くんだ?」
「私は神職の関係者を神殿に招いて幾晩百物語りをするつもりよ」
「なんで百物語で霊験あらたかな知識が身に付くんだよ?」
「気に入らないなら近況を話し合うだけでもかまわないわ、魔理沙あんたも来てもらうわよ」
それってただのパジャマパーティーじゃないのか? っていうかいつもの宴会とどう違う?
そう思ったが、どうせ気まぐれだろうから黙っておいた。
「魔理沙は心当たりのある奴呼んできて、私は神事関係者を当たってくるわ」
「やれやれ、だせ」
「あ、それと霖之助さんもちゃんと呼んでおいてね」
「ああ、あいつなんか最近忙しいとかいってたからぜ? これないとは思うけど、まあ期待してろよ」
「そう、じゃあお願いね」
「おー」
博麗神社本殿、集まったのは霊夢と魔理沙 咲夜 アリス 早苗 萃香 妖夢 妹紅
とりあえず、人間に近そうという方面で百物語をすることになった。
「パジャマパーティーなんて楽しみですねー」
「早苗! 百物語だってば! 魔理沙ちゃんと蝋燭買ってきた?」
「ああ、香霖のやつ全部もっていけってさ」
「酒は~? 酒受けがないぞー」
「今日は宴会じゃないのよ!」
「あの、皆さんちゃんと百物語をですね・・」
「ねぇ魔理沙、 百物語なんて怖いから手握っててくれる?」
「いいけど、お前妖怪なのに怖いのか?」
「(たまのお暇、お嬢様からいただいたのにこんなのでよかったのかしら?)」
「早く始めろってんだ」
「じゃあ~、まずは好きな子のいいあいっこからー」
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現代神こと東風谷 早苗とは私のこと、 今ではすっかり幻想郷にもなじんで博麗主催のパジャマ怪談パーティーにお呼ばれするほど仲良くなりました。
夜通し怪談話をするわけですが、実は結構自信があったりします。
女学生時代はこういうの好きでしたから。 しかし、このメンツにどれだけ通用するだろう?
嬉しくて、色々考えては来たけど。 よくよく考えると『着信アリ』とかその手の現代機器ネタはわからないだろうしなぁ・・・。
「では、僭越ながら。このわたし魂魄 妖夢が頭をやらせてもらいます」
「おーやれやれ」
妹紅さんがなげやりに活(?)をとばしています。
「先陣なんだから、ちゃんと決めなさいよね妖夢」
「幽霊みたいなもんなんだから、さぞかし恐ろしい話しってるんだろうぜ」
「そうね、主を持つ者としても怪談の一つや二つのネタぐらいは必ずあるでしょうしね、期待してるわ」
「酒旨いー」
「きゃあ、魔理沙怖い!」
「まだ何もいってないぜ?」
ハードルガン上げされてる妖夢さんが涙目です。
もう許してあげてよ。
「で、では。 定番のみみなしほういちを・・・・」
「まぁいいか」
「で、ではあるところに」
「あ、蝋燭つけるの忘れてた。 ちょいたんまだぜ」
「・・・・・」
あ、妖夢さん。泣いてる。
それで話が耳やら舌やらをお化けにとられるところで蝋燭を一本消しました。
「まぁ、面白かったぜ」
「ああ、それなりには。 悪くなかったな」
「期待通りだわ」
「まぁ出だしとしては悪くなかったわよ妖夢」
「ZZZZZZZ」
「・・・ありがとう・・・・ございます・・・・」
「よ、妖夢さん! ほ、ほんと楽しかったわ!」
「・・・早苗さん、それ、フォローになってません・・・・」
うわぁ、なんかしょげてる妖夢さん かわいい・・・、ハグしたくなってきました・・。
「魔理沙、怖い~」
「おいアリス、次はお前の番だぜ? 怖いのは解るけど一応は話しないとな」
「えー」
「おい、そこの七色、いい加減にしろ」
「やれやれ、仕方ないわね」
しなを作っていた七色さんは座布団に座り直して「なににしようかなー」と思案。
「やっぱり人形の話なの?」
「そうね、そうするわ」
「これは、人形供養をやろうとした巫女のお話よ」
「なに? あてつけ?」
「おいおい、黙ってきけよ」
「幻想郷とは違う外の世界の神社のお話」
アリスさんは 自分の人形を一つ鞄から呼び出しました。
うわぁ・・・・あれ 市松人形だ・・・・。
「うわっ!? なんだよそれ!」
「小道具よ、小道具。 妖怪は人を怖がらせなくちゃね」
実はアリスさんやる気満々だったんですね。
その神社は有名な人形供養の神社でね、毎年決まった季節になると各地から集めた人形をおたきあげするの
巫女も霊験あるひとだった
人形が好きで、愛情持って供養していたわ
そのおたきあげの季節になる、少し前に。 彼女は他の人形寺から一体の人形を譲ってもらった
その人形寺の主人、その奥さんがかわいがっていた人形だったらしいわ
その奥さんは既に亡くなっていて、彼女も奥さんと知人だった
その人形を丁重に供養してほしいとの依頼で、彼女は人形を受け取ったの
彼女も亡き奥さんの供養と思って、丁寧に手入れして。 おたきあげする予定の人形を壇上に飾っておいたの
おたきあげの時期が来るまで巫女は何度も何度も、その人形の手入れに壇上の部屋に足を運んだわ
そしていつしかその巫女は
きれいな、人形を愛する内にこの人形を手放したくないと思い始めた
「・・・・」
霊夢さんがもの凄く気まずそうな顔をしてます。
彼女はとうとう、その季節のおたきあげに人形をならべなかった・・・
譲ってもらった人形寺の住職が
『あの人形は供養できたか?』
と心配そうにわざわざ訪ねて来たの
巫女は当然、『もちろん、供養した』と答えたわ
その日から、巫女は毎日入り浸っては、人形に語り始めた
『私のかわいいお人形さん、 心配しなくても貴方を燃やしたりなんかしないわ』
そう、彼女はその人形の美しさに取り憑かれていたの
アリスさんの声色は絶妙だった
また次のおたきあげが始まる時期になる
彼女はいつものように、寝床に座らせてある人形に
『私のかわいいお人形さん、 心配しなくても貴方をはなしたりなんかしないわ』
彼女は床に入って眠りについた
しばらくして。 ぎぃ ぎぃ と天井がきしむ音で巫女は目を覚ましたの
私たち、一同静かに聞いている周りで、 障子や天井が軋むように音を立て始めました
え!? どういう事?
アリスさんは手元の市松人形を操って空に浮かべます
こっち見てる
何?! 怖い!!
目を開けて 音のする方をみるとその供養するはずだった人形がつってあって
その巫女は訳がわからなくて、
『どうしたの?』
とつってある人形に話しかけたの
そしたらね・・・
その人形、ちょっと笑ってこういったの・・・
『離さないっていったのにいいいぃ!』
人形がしゃべった!?
もう、怖すぎて。私は座布団をひっくり返して悲鳴を上げてしまいました。
アリスさんは人形を操るのを止めて、人形を手元に戻しました。
滅茶苦茶怖かった・・・・。
皆さんも半泣きです。
翌日、知人が巫女の寝室に入ると。 その巫女は首を吊ってしんでたそうよ。
そのお寺の奥さんは実は、住職の浮気を気に病んで首を吊ったというのが本当のはなし。
人の形をした物には 本当にいろんな物が宿るのね
これは、愛した人形に取り殺された人のお話よ。
蝋燭をひとつ消す
「そ、そう」
「「おお~」」
「まぁ、私の人形に演出を頼った感があったけどね」
アリスさんが苦笑する。
「面白くなってきたわ」
「次私なのに敷居をあげてくれたわね」
「・・・・(なんか、なっとくいかない)」
「むにゃ・・・・」
「それにしても、なんか無実の巫女が死んでるのが納得いかないわ!」
「そう? 別に同じ巫女でも早苗や霊夢がしんだわけじゃないわよ?」
「もう!」
「やるじゃんか、次は咲夜だな」
うわぁ・・・私の神社で人形供養もうできない・・・・、霊夢さんも同じ思いだろう。
なんか、青い顔してるなぁ。 供養するとしたらアリスさんの人形だろうし。
「では、次は私の番のようね」
完璧なる瀟洒メイド、咲夜さんが、名乗り出ました。
「ふふ、来たわね咲夜・・・」
「紅魔の狗、流石の貫禄だぜ」
「そう・・・ですね・・・・」
「偉そうな二つ名もってて、つまらん話だったら承知しないぞ?」
「ZZZZ・・・・ぉ・・・・」
「やーん、こわい!」
「熱い、くっつくな」
かっこいいアリスさんはもう何処にも居ませんでした。
「私は、怪談なんてしらないから・・・そうね、私が一番恐ろしくて、信じられなかった話をしましょうか?」
「「「「え・・・」」」」
「ZZZZ・・・」
なんと、 咲夜さんが恐ろしくて、信じられなかった話なんて・・・。
それは一体・・!?
その場にいた一座は息をのんで咲夜さんの言葉を待った。
端正な顔立ちが蝋燭にゆらゆらと陽炎のように揺れた。
そうして、咲夜さんはぽつりぽつりと話し始めたの・・・。
あれは、私がちょっと寝苦しかった夜だったわ・・・・
紅魔館は私の完全なるテリトリー、そこで私に分からないなんて事はない
ただ、あの夜は、静かなはずのお屋敷のなかで、変な音が聞こえたのよ
何の音かは分からなかったの
私は、不思議におもって ベッドから抜け出した・・・・
「へ、変な音って・・?」
魔理沙さんが、思ったことをそのまま口に出してます。
私はこのとき初めて魔理沙さんを「わかりやすくていい子だなぁ」って思いました
他の一同は(一名除いて)息をのんで話を聞いてます、かくゆう私も咲夜さんの体験談の展開に釘付けです
そう、その音は屋敷の奥から断続的に響いてくるの、まるで足跡みたいにね・・・
ぺちゃぺちゃ、 濡れた足みたいに、水音が響いてきたわ
廊下をみると、濡れた足跡がずっと廊下で続いてるの・・・・
どこまでもね
・・・え? これ本当に体験談なの? 正直私、この時点で布団に潜り込んで震えてますけど
私はどんどん、足跡を追ったわ、 この消灯時間に起きている妖精メイドはいない。 それが不思議でね? 今思えば止めておけば良かったわ・・・・
二階を降りても終わらない
ロビーを降りても音は鳴りやまないわ
月明かりはどんどん明るくなっていっていく
私が追うごとに足音は近づいていく、 そして私は 外の水場に出たの・・・
私も、おかしいと思って、その足跡の正体を追うのを止めようかって思ったときだった
足音がすぐそこで止まったの
・・・・ああ、水場は『出やすい』っていいますよねー。
もう、ききたくないなぁ・・・・。
私は、洗濯の水場に、小さな影を見つけたの
そこにいたのは、そう・・・・私のよく知る私の主、レミリア・スカーレット様 本人だったわ
「え、 おいおい、レミリアは何やってたんだよ!?」
「ちょっと! 魔理沙 黙ってて!」
魔理沙さんがぱしっと両手で口を覆いました。 かわいい。
あとでふにふにしたい。
当然、夜の支配者、 NO LIFE QUEEN 、私にはそのとき、あの紅い月夜の下、レミリア様が何をなさっているか、想像も出来なかったわ・・・・
したたる、液体。 吸血鬼の夜の秘密、紅い月・・・?
もしかして、これってマジでやばい話なんじゃ・・・?
思いつくのは、イヤな想像ばかり。
咲夜さんの、虚ろな瞳。
ふふふ・・・
ゆがんだ笑み、苦しそうで、それでいて楽しくて溜まらないと、含み笑い。
ホントにききたくない!
本気で身の危険を感じました。
レミリアさまが、そこで何をしていたと思う・・・?
「・・・・」
「・・・え・・・」
妹紅さんがびっしりと額に汗を貼り付けていました。
霊夢さん、魔理沙さんは、あの吸血鬼さんと仲がよかったはずですが流石に黙り込んでいました
妖夢さんはちょっと放心してます
レミリアさまが、その手に何を持っていたと思う・・・?
「お、おい! そ、そんな話やめようぜ?」
声を少し怒らせて、震える声で魔理沙さんが止めに入ります
あァハハハはははははハ!!!
突然の喜声。
私は、ぞくりと、はっきりと分かるほどに背筋が鳴りました。
「咲夜!」
霊夢さんが目を見開いて・・・、突然の豹変に驚いたのでしょうか、それとも、落ち着かせたかったのかな?
もう、だれもどうすることも出来ません。
そして、
咲夜さんの心の闇はすぐに私たちに伝わりました。
「お嬢様が 黒のパンティだったのよおおおおおオオオオオオオオオオおおおおおおお!!!!」
「・・・え」
え?
「・・・ぱ、ぁ・・?」
一同は一体何が起きたのかきっと分かっていないと思います。
私も何が起きたのか全く分かってません。
え? 黒のパンティ?
咲夜さんは絶叫したかと思うと、その場で膝に頭を収納して肩を震わせて号泣しだしました。
「きっと! きっと! 男なのよ! いつもは白のドロワ! それが正常なの! なのに、お嬢様、私と目を合わせないで・・・・
あんなに下着を・・・濡らして! きっとそのか弱い指を男の!! あのちいさいあんよ」
「あー!! 待て待て待て待て!! 何の話だ!!」
妹紅さんがすかさずタイムをかけます、 ナイスタイミングとしか言いようが在りませんでした。
「だから! お嬢様がしょじ」
「やめろ! それは怪談じゃねぇ! Y談だぜ!」
「私! 信じられないのよ!」
「信じたくないのは私たちの方よ! あんた馬鹿!?」
ええ、瀟洒なメイドの幻想を完全に打ち破られました。
「え? オチは!? レミリアさんはどうなったんです? 何がおきたんですか?!」
「お前は黙ってろ 木瓜庭師!」
「!?」
「あー、もう! なんなんだってんだ、このオチは・・・」
「じゃあ、貴女! お嬢様が何をなさっていたのか説明できるの!?」
頬を震わせて激昂する咲夜さん。
それって、どうもこうも・・・そんなアダルティーな展開じゃなくて結論は。
「お前、そりゃ、夜中のおもら・・・」
「あー、次よ次!!」
「ちょっと! まだ話はおわt」
「次! 妹紅だぜ!」
「はぁ・・・、なーんか、なんだよこれ、一気に下がったよなぁ・・・・」
「ZZZZ」
頭をぼりぼりとかいて一座を見渡しています。
「あー じゃあ、私も実は体験談なんだよ」
「エロいの?」
「ちがうよ! 怪談しにきてんだよ! 誰がするかそんな話!」
ですよね、 これなら私でも十分いける気がしてきました! ハードルガン下げ!
今だに肩を震わせる咲夜さんを無視して妹紅さんは ちょっとやけくそ気味に語り始めました。
かわいいので 咲夜さんを抱きしめたい。
あー、 あれは私が不老不死になった時のはなしでな
まだ妖怪とか魑魅魍魎がうようよ居たときだったよ
とりあえず、これは私のよく知ってる友達の話だ
「あんたの体験談じゃないの?」
と、ちょっと剽軽な言葉使いの霊夢さん。
「あー、悪いな。 まぁ、半分私の体験談だけど・・・・私の話の方がいいか?」
「ま、良いわ 話してよ」
私、それと輝夜、 まぁ他にもここら辺には長生きなやつは山ほど居るが、 そいつも私と同じくらい長生きしてるやつなんだよ
多分 今も生きてると思う
「へぇ、 それで友達てこと?」
「まぁ、そんなところだな」
それでだ、 そいつはちょっとしたきっかけから私と知り合ったんだが、 そのときはそいつはまだ普通の人間だったんだ
それでな、これまたちょっとしたことで私の不老不死のことを知ったんだよ。
そいつとはわりかし、仲がよくてさ
まぁ、すぐにうち解けててな
そんで、そいつ私の死なない躯のこと知ったらな
嬉しそうに「俺もそんな躯になりたい」ときたんだ
「へー、今も昔もかわらないんだな?」
「ん? なんだよ魔理沙 お前、 不老不死になりたいのか?」
「興味はあるぜ? 魔法の研究も好きなだけ出来るかもだしな?」
妹紅さんは「あっそう」と興味があるのかないのかわからない態度でした。
それでだ、 私は蓬莱の薬はもうなくなってたんだけど、似たようなモノはもってたんだよ
妹紅さんは「こんなの」と手で輪っかを作ってジェスチャーして見せた。
「へぇ? そんなものも在るんですか? 妹紅さんがつくったのですか?」
真面目な妖夢さんは律儀に質問。
妹紅さんは「まあね」とかるく応えます。
男にそれをみせたらな、そりゃもう喜んでよ 私にくれくれと五月蝿くねだるんだ
最初は適当に流してやったんだけど、 いろいろ厄介ごとになりそうでな、 そいつが乱暴者だったんで私もいい加減馬鹿らしくなってそいつをくれてやることにしたんだ
あいつ、あれがよっぽどほしかったんだな
「・・・というより、 貴女なんでそんなモノ作ってたの? 貴女既に不老不死だったんでしょ?」
「ああ」
「いらないじゃないの」
咲夜さんが至極当然の事を聞きました。
私も全く同じ事考えてました。
「もしかしたら、不老不死を調べてるウチに、私も死ねる方法が見つかるんじゃないかと思ってな」
「・・・・」
「・・・も、妹紅さん・・・」
妖夢さんがすっごく悲しそうな顔してました。
みんなもそうだったかもしれません。
「話を続けるよ」
それで、そいつがこれを使ってからそいつは全然歳も取らなくなったし、病気もしなくなったんだよ これが
それでさ、 そいつ結構凄い奴らしくて、 頭が良い上に、 結構偉い奴でさ、 まぁ私もそれを知ってたまげたんだ
そいつが、凄い有名人になってそこら辺大騒ぎさ
そいつも、遠くでみてたら幸せそうでね、
ああ、こういうのもアリなんだなって実感してたんだ
それで私はまぁ そこら辺をぶらぶらしてて暮らしてたよ
魔理沙さんが「ふーん」と頷いた。
んで、まぁだいぶたってさ、
ああー わたしはいつもどおりぶらぶらしてたんだよ
それで、そいつの噂もあんまり聞かなくなってきてね
そうだなぁ・・・・ 400年ぐらいだったかなぁ・・・? どうだっけ?
それで、なんとさ!
私がそいつのことを、もうほとんど忘れかけてたときにさ、 そいつが私にまた会いに来たんだよ!
そりゃもう、私も吃驚さ、懐かしくてさ!
そんで私が、
久しぶり
って、声かけたらさ
そいつ、 私になんて言ったと思う?
妹紅さんが「へへっ」と剽軽に笑って見せて、身を少し乗り出した。
・・・みんな、多分予想出来ていたと思う。
魔理沙さんはぐっと 俯いてました。
きっと、さっき自分が言った興味の話を思い出して居るんだと思います。
そいつさ、開口一番にこれさ!
殺してくれ
だってよ!
妹紅さんはけたけた、本当に陽気に笑いました。
本当に、私たちと普段話す時となんにも変わりませんでした。
それでさ、わたしは まあ私がそんなの無理なんだから無理な事なんてわかってたんだ、だから
無理だ
って言ったらさ、そいつ、あろう事か、あんなにうれしそうだったのに
私のこと悪魔よばわりだよ?
魔理沙さんは口元を ぎゅっ と噛みしめるように、 咲夜さんも、霊夢さんも、妖夢さんも、
みんな誰も笑いませんでした。
アリスさんは、それほど気にはしてないみたいでしたが、
髪をなぶってちょっと居心地が悪そうでした。
笑ってるのは、 妹紅さんだけ。
「ZZZZZ」
ひとりは寝ていました。
そいつ、本当に必死だったんで、 私も乱暴されそうになったから怖くなって 逃げようとしたら
もみ合ってるウチに凄い高い場所から落ちてね
ああ、 そこ私の隠れ家だったんだけどね
そんで まぁ見ての通り私は助かったんだよ
けど、そいつ ちょっとひどいことになっちゃって、私も慌てて直そうとしたんだけど結局もとに戻らずじまいさ
んで そいつそこから全然動けなくなってね、 最初は私が世話してたんだけど
だんだんそいつの言ってることとか考えがわからなくなってさ、 だんだん静かになって、そいつとうとうなんにもしゃべらなくなったんだよ
私もすることっていったら、そのぐらいっだったから、ちょっと私も寂しかったな
まぁ生きてはいたのかな? たまに動くんだけど 私もいつまでもそこにいてもしかたないんでね
まぁ そうこうしてるうちに幻想郷にたどり着いたんだ
今日、あいつの事思い出したから、たまに話してやらないとかわいそうかなって思って、話してみたんだけどね
妹紅さんがふっ と蝋燭を吹き消した。
「・・・・」
とんでもなく重い空気です。誰一人何にも言えません。
「・・・あれ? この話駄目だったか?」
「コメントしづらいぜ」
「えーと、その・・・」
さしもの霊夢さんも言葉が出ないみたいです。
「どうだ!? 魔理沙 、不老不死になりたいか?」
妹紅さんがぐいっと膝を引き寄せて魔理沙さんににじり寄ります。
「ない! もうない!」
「あははは! そっか! じゃあやめときなよ!」
妹紅さんはけらけらとまた面白そうに笑いました。
「ちょ、ちょっと 妹紅? 流石に不謹慎でしょ、 その人 かわいそうじゃないのよ!」
「え?」
「え、ええ・・・私も今のはどうかと思うわ・・・・」
流石の咲夜さんも眉をひそめました。
私も絶対にそんな目に遭いたくないし・・・・、 こんな座興で話していいものじゃありませんよ!
「ああ、 いや、 これ作り話だし」
「ええ!?」
「いや、 あれ? いまの結構受けた?!」
「受けてませんよ! ドン引きです!」
私も流石にこれはもの申します!
「いやっはっはっはっは!」
「もー!」
「なんだよそれ!」
頭をかきながら、豪快に笑う妹紅さん。
・・・・
けど、 本当はどっちだったのかな・・・?
重い
もこたんがいたので俺は満足しました。
前作は私には合わなかったんですが、今回は私の好みかもしれません。
この後どんなオチが待っているのか気になります。
続きに期待。
ひゃほおおお 嬉!
修正の指摘も只今行います。
では、いろいろ後でこっそり上げておきますねー
落ちはあまり期待しないで)汗;
では
後編を待ちます
しかし「私」が誰か分かりにくすぎる
・・・「私」・・?
よろしければ、どんなことなのか教えてもらえないでしょうか?
ぴんとこなくて・・・、すいません
後編行ってくる