幻想郷の人里、ここで僕、森近 霖之助は手に剣を持ち人々から崇められている。
天候を操り、大地を操り、人間や妖怪の病気を不思議な力で体や心を癒し、
時には人里の外で
人間が妖怪に襲われている際に剣を翳し、あっという間に妖怪を追い払ったりもした。
そんな不思議な力を持った僕を、信仰する人間や妖怪が瞬く間に増えていった。
そう、僕はこの幻想郷で天下を取ったのだ。そしてこれからも天下は上がっていくだろう。そう思っていたとき、いきなり「ドーーン」という激しい音が聞こえ我に帰った。
ここは香霖堂、僕は布団の上にいる。なるほど夢だったのか、
理想と現実のギャップにいきなり離される事とはいつでも寂しい事である。
しかし夢で理想的な出来事を見る事は大変気分がいいことだ。
だが「ドーーン」という激しい音は理想じゃなく現実に起こった事らしい。
気にはなるが、今は現実より”理想”の方が気になるので再び寝る事にした。
深い眠りについたころ、僕を信仰する神社が出来ていて大勢の民が集まっていた。
そんな中で大勢の民がおびえながら僕に話をかけてきた。
「恐ろしい怪物が現れた、貴方様の力でそいつを退治してください」
なんでもその怪物は、8つの頭と8つの尾を持っている怪物らしい。
様々な妖怪もその怪物を退治しようと心みたが退治できなかった。
僕はその話に乗った、その怪物を倒し平穏を保ってみせる、と
大勢の民の歓声に迎えられる中、一際激しい「ドンドン」と言う音がした。
「霖之助さん今いる~?もちろん居るわよね」
「居ないわけないぜ」
目を覚ましたらそこはいつもの布団だった、また少し寂しい気分になった。
それにしても今夜は似たような音に邪魔される事が多い。
夢を邪魔されたことと、夜にたずねてくる事に対して、少し不機嫌な足取りでドアに向かった。
ドアを開け、目の前に立っていたいつもの2人は霊夢と魔理沙だ、
しかしこんな時間に来るのはいつもの事ではない。
「僕なら今居るよ、君達は今居ない方がよかったけどね」
「居るならなんでもいいわ、それより見てよこの石」
睡眠と夢を邪魔され、機嫌が悪かったがこの石を見て僕はいっきに気分が変わった。
「これは・・・月の石じゃないか!こんな珍しいものをどこで・・・」
「さっき凄い大きい音がしたでしょ?それで何か異変かな~と思って眠かったんだけど
駆けつけてみたら隕石が落ちただけだったのよ。それでその石を拾って眠気もさえち ゃったし、石が何なのか気になるから、霖之助さんに見せに行こうと思ったのよ」
「魔法の森の近くで落ちたんだぜ、折角いい理想を見てたのに邪魔されてしまったよ、
それで私も気になって音がしたところに行ってみたんだが、霊夢に先を越されてな、
珍しいものなら取っておけば良かったぜ」
「そうか、さっきの大きい音は隕石だったのか、それにしても”月の石”が隕石として
降ってくるなんて・・・」
「そんなに珍しいものだったのか、それなら月に行った時に石ころの2つや3つ
もって帰ってくれば良かったぜ」
「私は月から食べ物を持って帰ってきたけどね、もうお腹の中だけど」
「そういえば君達は月に行った事があるんだったね、何か隕石が落ちた
原因はわからないのかい?」
僕は興奮で気が動転していた、月であった事を今聞いても関係ないだろうに、
しかし僕は少しの不安と多くの好奇心が同時にある。
一番感情が高まっている状態だが時に会話にならない場合がある。
「あー?月に行った事を今聞いてどうするの?隕石が落ちてきた事とは
関係ないんじゃない?」
「そ、そうだな・・・今は関係ないか、じゃあ月の話はまた今度聞かせてもらうよ、
今は隕石の話だが、幻想郷に隕石が落ちたわけは・・・」
「そうだぜ、何で隕石が落ちたんだ?」
「これは僕の推測だが、まず幻想郷は結界の中にある、外の世界からの隕石が
結界を乗り越えて落ちてくると言う事は、ありえない事じゃないが、
確率的にはかなり低い・・・いやほぼありえないと言ってもいいだろう」
「ちょっと待ってよ、外の世界からの隕石って事は、それって外の世界の
月の石って事?」
「ああ、僕の能力によるとそうみたいだ。それに幻想郷の物でないことを感じる」
「ほう、外の世界の隕石とは驚きだな、もっとも私は幻想郷に隕石が落ちてきた事が
今まであったかは知らないが。それにしてもこの月の石、中々良さそうな成分が
入ってそうだな、魔法の実験に使えるかもしれないぜ」
「あ、ちょっと!もっと丁寧に扱ってよ」
そう言うと霊夢から月の石を無理やり取った。魔理沙が興味を示したら強引に自分のものにしたがる。僕としても、この月の石は欲しいところだ、外の世界の物でも幻想郷の物でも月という存在自体に興味がある。
自分が知らない場所というのは誰だって興味をそそられるのは
当然だ、しかしこの2人は月に行ったことがある。
だからこそ、そのまま渡してしまうには惜しい、
だが霊夢は月の石を自分のものにしようとは考えてなさそうだ、
なら魔理沙を納得させて僕の物にするしかない。
「魔理沙、隕石とは宇宙に住んでる神様からの贈り物なんだ、それを霊夢から強引に
奪ったら君に宇宙の神様から天罰が下るかもしれないぞ。急に空から重い石が
落ちてきたりとか、なにかに吸い込まれてしまうとか」
「げげ、何だよそれ、縁起が悪いな大体宇宙に神様なんているのか?」
「そうね、私も宇宙に神様がいるなんて知らないわ霖之助さん、どういうこと?」
「星座というのがあるだろう?あれは宇宙にいる神様が誰でも見えるように
姿を変えたのが星座なんだよ。星座が見える日なんかは宇宙の神様が
宇宙を見守っているという象徴なんだ、もっとも日本の神様じゃない神様も
居るから霊夢が知らないのもわかるけどね」
「へぇ~、そうなのね、もっとも宇宙にいるんじゃ私も神様と話が出来ないわねぇ」
「そういえば、何で宇宙の神様は宇宙に住んでるんだ?
わざわざ宇宙に居なくても神社に住めばいいのに」
「神社に住んでいたというのが、そもそも間違えなんだよ、宇宙の神様は
自分で宇宙の一部を作っていったんだ。多くの外国の神様が宇宙の一部を
繋げていって出来たのが宇宙といわれているんだよ。それでそのまま
宇宙に住んでしまったわけさ」
「宇宙の一部を作ったですって?宇宙に住んでる神様は凄い力を持ってるわね~
日本の神様も凄いけど宇宙を作った事に比べると日本の神様は力が弱いわね」
「なに言ってるんだよ、日本の神様は数が多いんだぜ、なんせ八百万も居るんだぜ
質より量、魔法だって多くの質量が集まって初めて強力な魔法を撃てるんだ
だから数が多い方が強いに決まってるぜ」
「わかっただろ?とにかく宇宙の神様は宇宙を創造出来るくらい強い力を持っているん だよ、
きっと天罰も相当なものだろう、だからその隕石は僕が預かっておこう、魔理沙じゃ
その隕石は放って置いて忘れ去られるだけだろう、だから天罰がくだらないうちに
僕が預かってやるよ」
昔から子供への躾は、神様に失礼がないようにする事を教えておくというのが
一番子供が学習できる事だ、「物を粗末にすれば付喪神に襲われる」
「食べ物を粗末にすると豊穣神に祟られる」と昔から人間と神様は、
親と子のように教えあってきたのかもしれない、もっとも魔理沙に
その躾を聴くかどうかは賭けだろう。
「うう、なんだよ私だって大事に大事にそこらへんに置いとくぜ」
「大事に忘れるのね」
「宇宙の神様がくれた隕石にとって忘れてしまうという事が一番物にも神様にも悲しい 事なんだ魔理沙は大事に置いておいてもいつか忘れてしまうだろう?神様の物が付喪 神にでもなったら大変な事だ、強力な妖怪が生まれてしまうだろう。だから一番は、 隕石を大事にすることなんだ、
外の世界の人間も研究材料としてたが、さぞ大事にしたらしい」
僕が月の石を手に入れたら大事に飾っておくつもりだ、
飾るのとその辺に物を置いておくのは
わけが違う、飾って忘れられさえしなければ付喪神も生まれはしないだろう
「あらあら、楽しそうな話をしているわね」
「!?」背筋がぞっとした、この声はと思い後ろをみたら案の定、八雲紫だった。
こんな夜遅くに人の話を盗み聞きしてたなんて不気味だ。
「紫じゃないの、こんな時に現れるって事は、もしかして隕石が幻想郷に落ちたのって
あんたの仕業?」
「外の世界の夜の景色を見てたら空から隕石が落ちてくるのが見えまして、
外の世界に隕石をプレゼントするなんてもったいないと思ったので
空の境界を弄って幻想郷にプレゼントしましたの。
気に入ってくれたかしら?」
そういうと満面の笑みを全員に向けてきた、不気味だ
「じゃあ宇宙の神様のプレゼントを紫が横取りして私達にプレゼントしたってわけか
ロマンが一気になくなったぜ」
「あんたねぇ・・・異変かと思ったじゃないの、次異変があったらあんたの仕業にするわよ」
そんな二人の言葉を無視して紫は僕の方に不気味な笑顔を向けて喋った。
「あなたならそのプレゼント大事にしてくれるかしら?私にとっては貴重じゃなくとも
あなた達には貴重なはずよ」
「いや・・・僕は・・・」
貴重な隕石とはいえ別のところに送られるのを紫が送り返したものだ
僕は石を眺めて楽しもうと思ったのに、魔理沙の言うようにロマンがなくなった
「そう、残念ねじゃあこれは、私が貰っておく事にしますわ」
そういうと空間の境目を作りその中へ紫は消えていった。
結果的に紫には、睡眠をじゃまされ夢じゃまをされロマンを壊されて散々だ、
ふっと興奮が抜けて真夜中な事を思い出し眠くなってしまった。
「結局なんだったのよ・・・なんか眠くなってきたわ、もう帰るわね。」
「折角いいものを手に入れたと思ったんだがなぁ・・・私も帰るぜ」
そういうと2人は帰っていった。眠くて重い足取りを運び寝床についた。
このまますぐ眠れるだろう、そしたら夢をまた見るかもしれない、
月の石のロマンは無くなったが、夢の中での理想はまた見えるだろう、
本当のロマンとは、夢の中、つまり自分の思っている中にあるのかもしれない。
そう考え、いつのまにか心地よく眠ってしまった。
天候を操り、大地を操り、人間や妖怪の病気を不思議な力で体や心を癒し、
時には人里の外で
人間が妖怪に襲われている際に剣を翳し、あっという間に妖怪を追い払ったりもした。
そんな不思議な力を持った僕を、信仰する人間や妖怪が瞬く間に増えていった。
そう、僕はこの幻想郷で天下を取ったのだ。そしてこれからも天下は上がっていくだろう。そう思っていたとき、いきなり「ドーーン」という激しい音が聞こえ我に帰った。
ここは香霖堂、僕は布団の上にいる。なるほど夢だったのか、
理想と現実のギャップにいきなり離される事とはいつでも寂しい事である。
しかし夢で理想的な出来事を見る事は大変気分がいいことだ。
だが「ドーーン」という激しい音は理想じゃなく現実に起こった事らしい。
気にはなるが、今は現実より”理想”の方が気になるので再び寝る事にした。
深い眠りについたころ、僕を信仰する神社が出来ていて大勢の民が集まっていた。
そんな中で大勢の民がおびえながら僕に話をかけてきた。
「恐ろしい怪物が現れた、貴方様の力でそいつを退治してください」
なんでもその怪物は、8つの頭と8つの尾を持っている怪物らしい。
様々な妖怪もその怪物を退治しようと心みたが退治できなかった。
僕はその話に乗った、その怪物を倒し平穏を保ってみせる、と
大勢の民の歓声に迎えられる中、一際激しい「ドンドン」と言う音がした。
「霖之助さん今いる~?もちろん居るわよね」
「居ないわけないぜ」
目を覚ましたらそこはいつもの布団だった、また少し寂しい気分になった。
それにしても今夜は似たような音に邪魔される事が多い。
夢を邪魔されたことと、夜にたずねてくる事に対して、少し不機嫌な足取りでドアに向かった。
ドアを開け、目の前に立っていたいつもの2人は霊夢と魔理沙だ、
しかしこんな時間に来るのはいつもの事ではない。
「僕なら今居るよ、君達は今居ない方がよかったけどね」
「居るならなんでもいいわ、それより見てよこの石」
睡眠と夢を邪魔され、機嫌が悪かったがこの石を見て僕はいっきに気分が変わった。
「これは・・・月の石じゃないか!こんな珍しいものをどこで・・・」
「さっき凄い大きい音がしたでしょ?それで何か異変かな~と思って眠かったんだけど
駆けつけてみたら隕石が落ちただけだったのよ。それでその石を拾って眠気もさえち ゃったし、石が何なのか気になるから、霖之助さんに見せに行こうと思ったのよ」
「魔法の森の近くで落ちたんだぜ、折角いい理想を見てたのに邪魔されてしまったよ、
それで私も気になって音がしたところに行ってみたんだが、霊夢に先を越されてな、
珍しいものなら取っておけば良かったぜ」
「そうか、さっきの大きい音は隕石だったのか、それにしても”月の石”が隕石として
降ってくるなんて・・・」
「そんなに珍しいものだったのか、それなら月に行った時に石ころの2つや3つ
もって帰ってくれば良かったぜ」
「私は月から食べ物を持って帰ってきたけどね、もうお腹の中だけど」
「そういえば君達は月に行った事があるんだったね、何か隕石が落ちた
原因はわからないのかい?」
僕は興奮で気が動転していた、月であった事を今聞いても関係ないだろうに、
しかし僕は少しの不安と多くの好奇心が同時にある。
一番感情が高まっている状態だが時に会話にならない場合がある。
「あー?月に行った事を今聞いてどうするの?隕石が落ちてきた事とは
関係ないんじゃない?」
「そ、そうだな・・・今は関係ないか、じゃあ月の話はまた今度聞かせてもらうよ、
今は隕石の話だが、幻想郷に隕石が落ちたわけは・・・」
「そうだぜ、何で隕石が落ちたんだ?」
「これは僕の推測だが、まず幻想郷は結界の中にある、外の世界からの隕石が
結界を乗り越えて落ちてくると言う事は、ありえない事じゃないが、
確率的にはかなり低い・・・いやほぼありえないと言ってもいいだろう」
「ちょっと待ってよ、外の世界からの隕石って事は、それって外の世界の
月の石って事?」
「ああ、僕の能力によるとそうみたいだ。それに幻想郷の物でないことを感じる」
「ほう、外の世界の隕石とは驚きだな、もっとも私は幻想郷に隕石が落ちてきた事が
今まであったかは知らないが。それにしてもこの月の石、中々良さそうな成分が
入ってそうだな、魔法の実験に使えるかもしれないぜ」
「あ、ちょっと!もっと丁寧に扱ってよ」
そう言うと霊夢から月の石を無理やり取った。魔理沙が興味を示したら強引に自分のものにしたがる。僕としても、この月の石は欲しいところだ、外の世界の物でも幻想郷の物でも月という存在自体に興味がある。
自分が知らない場所というのは誰だって興味をそそられるのは
当然だ、しかしこの2人は月に行ったことがある。
だからこそ、そのまま渡してしまうには惜しい、
だが霊夢は月の石を自分のものにしようとは考えてなさそうだ、
なら魔理沙を納得させて僕の物にするしかない。
「魔理沙、隕石とは宇宙に住んでる神様からの贈り物なんだ、それを霊夢から強引に
奪ったら君に宇宙の神様から天罰が下るかもしれないぞ。急に空から重い石が
落ちてきたりとか、なにかに吸い込まれてしまうとか」
「げげ、何だよそれ、縁起が悪いな大体宇宙に神様なんているのか?」
「そうね、私も宇宙に神様がいるなんて知らないわ霖之助さん、どういうこと?」
「星座というのがあるだろう?あれは宇宙にいる神様が誰でも見えるように
姿を変えたのが星座なんだよ。星座が見える日なんかは宇宙の神様が
宇宙を見守っているという象徴なんだ、もっとも日本の神様じゃない神様も
居るから霊夢が知らないのもわかるけどね」
「へぇ~、そうなのね、もっとも宇宙にいるんじゃ私も神様と話が出来ないわねぇ」
「そういえば、何で宇宙の神様は宇宙に住んでるんだ?
わざわざ宇宙に居なくても神社に住めばいいのに」
「神社に住んでいたというのが、そもそも間違えなんだよ、宇宙の神様は
自分で宇宙の一部を作っていったんだ。多くの外国の神様が宇宙の一部を
繋げていって出来たのが宇宙といわれているんだよ。それでそのまま
宇宙に住んでしまったわけさ」
「宇宙の一部を作ったですって?宇宙に住んでる神様は凄い力を持ってるわね~
日本の神様も凄いけど宇宙を作った事に比べると日本の神様は力が弱いわね」
「なに言ってるんだよ、日本の神様は数が多いんだぜ、なんせ八百万も居るんだぜ
質より量、魔法だって多くの質量が集まって初めて強力な魔法を撃てるんだ
だから数が多い方が強いに決まってるぜ」
「わかっただろ?とにかく宇宙の神様は宇宙を創造出来るくらい強い力を持っているん だよ、
きっと天罰も相当なものだろう、だからその隕石は僕が預かっておこう、魔理沙じゃ
その隕石は放って置いて忘れ去られるだけだろう、だから天罰がくだらないうちに
僕が預かってやるよ」
昔から子供への躾は、神様に失礼がないようにする事を教えておくというのが
一番子供が学習できる事だ、「物を粗末にすれば付喪神に襲われる」
「食べ物を粗末にすると豊穣神に祟られる」と昔から人間と神様は、
親と子のように教えあってきたのかもしれない、もっとも魔理沙に
その躾を聴くかどうかは賭けだろう。
「うう、なんだよ私だって大事に大事にそこらへんに置いとくぜ」
「大事に忘れるのね」
「宇宙の神様がくれた隕石にとって忘れてしまうという事が一番物にも神様にも悲しい 事なんだ魔理沙は大事に置いておいてもいつか忘れてしまうだろう?神様の物が付喪 神にでもなったら大変な事だ、強力な妖怪が生まれてしまうだろう。だから一番は、 隕石を大事にすることなんだ、
外の世界の人間も研究材料としてたが、さぞ大事にしたらしい」
僕が月の石を手に入れたら大事に飾っておくつもりだ、
飾るのとその辺に物を置いておくのは
わけが違う、飾って忘れられさえしなければ付喪神も生まれはしないだろう
「あらあら、楽しそうな話をしているわね」
「!?」背筋がぞっとした、この声はと思い後ろをみたら案の定、八雲紫だった。
こんな夜遅くに人の話を盗み聞きしてたなんて不気味だ。
「紫じゃないの、こんな時に現れるって事は、もしかして隕石が幻想郷に落ちたのって
あんたの仕業?」
「外の世界の夜の景色を見てたら空から隕石が落ちてくるのが見えまして、
外の世界に隕石をプレゼントするなんてもったいないと思ったので
空の境界を弄って幻想郷にプレゼントしましたの。
気に入ってくれたかしら?」
そういうと満面の笑みを全員に向けてきた、不気味だ
「じゃあ宇宙の神様のプレゼントを紫が横取りして私達にプレゼントしたってわけか
ロマンが一気になくなったぜ」
「あんたねぇ・・・異変かと思ったじゃないの、次異変があったらあんたの仕業にするわよ」
そんな二人の言葉を無視して紫は僕の方に不気味な笑顔を向けて喋った。
「あなたならそのプレゼント大事にしてくれるかしら?私にとっては貴重じゃなくとも
あなた達には貴重なはずよ」
「いや・・・僕は・・・」
貴重な隕石とはいえ別のところに送られるのを紫が送り返したものだ
僕は石を眺めて楽しもうと思ったのに、魔理沙の言うようにロマンがなくなった
「そう、残念ねじゃあこれは、私が貰っておく事にしますわ」
そういうと空間の境目を作りその中へ紫は消えていった。
結果的に紫には、睡眠をじゃまされ夢じゃまをされロマンを壊されて散々だ、
ふっと興奮が抜けて真夜中な事を思い出し眠くなってしまった。
「結局なんだったのよ・・・なんか眠くなってきたわ、もう帰るわね。」
「折角いいものを手に入れたと思ったんだがなぁ・・・私も帰るぜ」
そういうと2人は帰っていった。眠くて重い足取りを運び寝床についた。
このまますぐ眠れるだろう、そしたら夢をまた見るかもしれない、
月の石のロマンは無くなったが、夢の中での理想はまた見えるだろう、
本当のロマンとは、夢の中、つまり自分の思っている中にあるのかもしれない。
そう考え、いつのまにか心地よく眠ってしまった。