Coolier - 新生・東方創想話

33kb探偵霧雨魔理沙「夜の境内裏で家政婦は見た(←死亡フラグ)殺人事件」

2010/10/30 23:24:31
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 夜の博麗神社の境内。普段は閑散としているそこに、二人の少女が立っていた。
 博麗霊夢と、射命丸文だ。ただ、霊夢のほうの様子はどこか異常だった。
 まるで刺身でも捌くようなサイズの包丁を持って、虚ろな目をしていた。

 「ごめんなさい……本当にごめんなさい」
 「ど、どういうことなんですか霊夢さん。落ち着いて話をしましょう」
 「いいえ、私はもう限界なの。あなたのやってきた仕打ちに、本当に限界」
 「げ、限界ってどういうことなんですか?私が何かしたなら謝ります!」
 「いいえ、結構よ。あれだけ散々色々やっておいて、もう弁解の言葉なんて聞きたくない……さようなら」

 ぐさり。

 「いってえええええええ!血出てますよ血!ちょ、ちょやばいやばい。
 これ死んじゃうから!あれ、もしかして私被害者ですか?
 嫌だ!まだ死にたくない!この事件をスクープにする……ま……で」

 霊夢は、射命丸の死んでいく姿を見ながら、幽霊のようにぼんやりとした表情で、逃げることもなくそこに立っていた。


 「魔理沙ー!魔理沙ー!」

 霧雨家の玄関先で、アリスが叫ぶ。
 しかし、家の主からの返事は帰ってこなかった。

 「魔理沙ー!魔理沙ー!」

 何度も叫び続けてみる。しかし、一向に返事は返ってこない。痺れを切らして、アリスはドアノブを回した。
 主の趣味で、この家の玄関には鍵が付いていない。アリスは、魔理沙の家の中へと入った。

 「ようアリス、よくやってきたな」
 「ええ、勝手に入らせて……ってきゃああああああああああ!」

 玄関先には、血まみれでうつ伏せに倒れている魔理沙が居た。
 アリスが魔理沙と目を合わせたとたん、しまったという顔になった。
 
 「うわー!間違えた。死体役の私が喋ったら駄目じゃん!
 ちょっとアリス、しょうがないから玄関から入りなおしてくれ」
 「入りなおしてくれじゃないわよ! 一体何のつもりなのか説明しなさい!」

 魔理沙が血まみれのまま起き上がる。
 そして、いたずらのばれた子供のような顔をして答える。

 「いや、鍵のかかってないドアを開いたら目の前に死体が!
 というよくある推理小説的なことをやりたかったわけなんだ」
 「で、死体が見つかって、それからどうするつもりだったよの」
 「もちろん、名探偵霧雨魔理沙が事件を解決するのだぜ」
 「あんた、死体じゃないのよ」
 「わかってないな、アリスは」

 ちっちっちっ、と指を振る魔理沙。

 「ありがちな推理小説を脱却することで人気が生まれる。
 つまり、私は死体=探偵という斬新な推理小説を思いついたのだ」
 「死体が動いてるってことは、殺人事件じゃないような」
 「でも、刺した犯人が居る以上そいつを探し出すのが私の仕事だぜ」

 アリスは、肩を落としてため息を吐く。魔理沙は、笑顔のままだった。
 二人の間にまるで缶詰の中のアジのような重苦しい沈黙が流れる。

 「ごめんくださーい!!!」
 その油っこい沈黙を打ち破るべく現れたのは、河城にとりであった。
 にとりは、川に流されている河童のような顔をしていた。

 「魔理沙!アリス!神社で……射命丸が……」
 「なんだと、詳しく聞かせてくれ」

 博麗神社に向かいつつにとりが語ったことには、こういうことだった。
 彼女が新製品の単三電池を単二電池として扱えるパックを持って神社に行ったとき、悲鳴が聞こえたので、慌てて駆けつけてみると、射命丸が刺されていた。
 そして、傍には返り血を浴びた霊夢が立っていた。射命丸の脈を取ってみると既に命が無かったので、慌てて魔理沙とアリスを呼びに来た。

 「アリス、行くしかないな」
 「ええ、そうね」
 「さあ、事件の予感だ!行くぞワトソン君」
 「ちょ、ちょっと待ってよ魔理沙。なんでそんなに気楽なのよ。
 射命丸が霊夢に殺されてしまったのよ?」

 あまりに暢気すぎる魔理沙を見かねてにとりが焦る。
 魔理沙は、それをまるで意に介せぬといった様子で、
 箒を空へと掲げて神様に向かって宣誓する様に言う。

 「この幻想郷には――」

 「この幻想郷には?」

 「どんなことでも可能にする賢者が居る」

 「つまり?」

 「要するに、紫が境界弄って生き返らせたり、永琳が薬を飲ませて生き返らせたりするに違いない」

 アリスはため息を吐いた。
 にとりは唖然とした。
 魔理沙は威風堂々とした。



 「うわ、心臓を突き刺されて一発、といった感じかしら」

 事件現場となった神社。
 アリスが、まだ血糊の乾いていない射命丸の死体を冷静に分析する。
 隣でにとりが頷いて同意する。

 「そうね、油断している隙に正面からブスリといった感じね。魔理沙はどう思う?」
 「おえええええ。……死体気持ち悪い」

 魔理沙は、盛大に吐いていた。顔をしかめる2人。

 「……とにかく、霊夢がやったってことは間違いないわね」
 「そうだね、そこはフォローできないよ」

 そう言って、神社の軒下に座っている霊夢を一瞥する。
 霊夢は、返り血のついた巫女服は着替えたらしく、綺麗な格好をしていた。
 そして、左から八雲紫、右から東風谷早苗に肩を抱きかかえられていた。
 霊夢は、罪悪感に押しつぶされそうになっているのか、真っ青な顔をしていた。
 紫が、霊夢へと語りかける。

「私が到着するのが早かったから、射命丸の命は助かるわ。
 でも、あなたのやったことは許されざることなのよ」
「そうですよ霊夢さん。なんでこんなことをしたんです!?」

 悲痛な叫び声を上げる早苗の言葉に、霊夢は黙って首を横に振った。
 紫は、ため息をついて言う。

 「さて、霊夢。あなたは罰を受けなければならない。
 貴方は博麗の巫女である以上殺すわけにはいかない。
 だから、しばらくは幻想郷であって幻想郷でない場所にある、孤独の牢獄で過ごしてもらうわ」

 そして、紫がスキマを開こうとしたその瞬間、

 「その判決、ちょーっと待ったー!」

 霧雨魔理沙の声が境内へと響いた。

 「名探偵霧雨魔理沙の推理によると、霊夢の自白は全て間違っている可能性があるぜ。
 第一発見者を疑えというのはあくまで推理小説の話であって、実際の殺人事件でそれを当てはめるのは
 あまりにも短絡的じゃないか?紫」
 「何を言ってるの?霊夢が私がやったといってるなら……」
 「いや、その理屈はおかしいぜ。ならば、
 今この瞬間アリスが『私がやりました』と言ったらそっちを採用するのか?」
 「だって、返り血が付いていたわ」
 「それがどうした。この幻想郷で血が流れることなんて珍しくないだろう。
 血を常食としてる奴も居るぐらいだ、どっかから持ってきてぶっかければいいだろう」
 「……呆れたわね。どういうつもりなの?」
 「どういうつもりもこういうつもりも無いぜ。ただ、私は……」

 魔理沙は、そこで一つ大きく息を吸い込んで言った。

 「このSSを33KBもたせられればそれで満足なんだ!」

 アリスは、絶叫した。

 「そこは霊夢を助けるためだとかじゃないわけ!?
 何その意味の判らない上にメタな目的!?」



 普通にやればたった5KBほどで終わる事件。
 それを33KBの目標を掲げて正々堂々と引き伸ばす名探偵。
 そいつの名は、33KB探偵霧雨魔理沙。
 次々と繰り出される推理にがんがん増える容疑者。
 果たして真犯人は見つかるのか見つからないのか!
 ……現在5KBです。


 「皆さん、最初から考え直してみましょう」

 急に探偵っぽい口調になって語りだす、自称名探偵霧雨魔理沙。
 彼女以外の全員の冷たいかつ白けた目線を完全にスルーして自らの推理を語りだす。

 「霊夢が射命丸を刺して、それをにとりが発見した。そうですね紫さん?」

 突然、指を突き立てられて反射でこくりとうなずく紫。
 魔理沙は、満足そうにうんうんと頷いて続ける。

 「しかし、それは本当ではなかった!
 真犯人はにとり、お前だ!」

 そう高らかに宣言をして、にとりに人差し指を突きつける魔理沙。

 「そもそも、単三電池を単二電池として扱えるパックなんて
 どうでもいい物を持って博麗神社に行くはずが無いぜ」
 「どうでもいい、だって? 私の発明を馬鹿にすると許さな――」

 そう言って、ポーチから件の発明品を取り出して、魔理沙に見せ付けようとするにとり。
 しかし、魔理沙は左手でそれを遮る。

 「確かにお前の発明品は役に立つ。だけどな、それは必要な奴が持ったときだけだ。
 残念ながら、博麗神社には電池で動く品物が無いんだよ!
 それなのに、どうしてそんなものを持ってきたか説明してみろよ、にとり!」

 矛盾を指摘されて、黙りこくってしまうにとり。
 魔理沙の見事な弁術により、納得しかける一同。
 しかし、早苗が挙手して言った。

 「はいはーい。私思うのですが、発明品が使えなかったところで
 霊夢さんが射命丸を殺したことには変わりないと思いますが。
 あとちなみにその発明品は外の世界では100円ほどで売ってあります」

 優等生ぶった話し方の風祝に指摘され、急にあたふたしだす魔理沙。発明品を100円扱いされて落ち込むにとり。
 魔理沙は、仰々しく「こほん」と空咳を一つして仰々しく反論し始めた。

 「いーや、にとりの言ったことに怪しい部分があるのだから、
 にとりが刺し殺して霊夢に罪を着せた可能性もゼロではない」
 「そんな理屈が通用すると思ってる?」
 「ああ、通用するね」
 「二人とも、そこまでにしなさい」

 白熱する二人の間に紫が割って入る。紫は、いつものニヒルな笑いを浮かべて言った。

 「魔理沙、そこまで言うのなら私を楽しませてみなさい。
 私が少しでも飽きたならすぐに霊夢は牢獄に送るわ」
 「ああわかってるさ。だが、証拠を集める時間を貰うぜ」

 そう堂々と言う魔理沙に、満足そうに笑う紫。
 魔理沙は、箒に跳び乗ると空の彼方へ飛び去って行った。


 「椛さん、あなたに質問があります」

 霧雨魔理沙は、犬走椛の家へと突撃取材を試みていた。
 椛は、まるで夫を失った未亡人のような哀愁を漂わせていた。
 魔理沙は、メモを取りながら椛へと質問をする。

 「椛さん、これは重要なことなので答えてください。
 なぜ射命丸文さんは博麗神社へと行っていたのですか?」
 「私にも……わかりません。
 ただ一つだけ言えるのは、霊夢さんの話をする時の文様の顔は、とても嬉しそうでした。
 だから、私聞いてみたのです。
 『文様は毎晩博麗神社に行ってるじゃないですか! 
 私と霊夢、どっちを選ぶのか答えてよ!』って。
 そしたら、文様は『そんなこともわからないぐらい滅茶苦茶にしてあげる』と仰って、
 そして、私の服を脱がせ始めて……」
 「はいストップ。探偵物でベッドシーンをやっていいのは探偵役か、殺される予定の奴だけだ」
 「まさか命を育む行為のせいで命が奪われてしまうなんて……」
 「微妙にうまいこと言ってて腹立つなおい! 女同士で子供は生まれねーよ!」

 頬を赤らめて自らと射命丸の絡みを語り始めた椛を魔理沙が手を振って遮る。
 椛は、顔を真っ赤にさせたまま悲しそうに吼えた。
 
 「え、じゃああの夜私と文様がベッドシーンを演じていなければ、
 文様は殺されなかったというのですか!?」
 「あー……そういうわけじゃないんだがな、めんどくせえ」
 
 「魔理沙!こんなところに居たの」

 魔理沙が首をかしげて思い悩んでいると、アリスが息を切らしてやってきた。

 「何の前フリもなしに飛んでいかないでよ。
 追いかけるほうの身にもなってよね。で、なんでこの犬の証言を取ってるの?」
 「ああ、そもそも何故射命丸は博麗神社にいたのかと思ってだな」
 「なるほど、確かにそれは気になるわね」
 「で、こいつからそれを聞き出そうと思ったのだが、どうにも要領を得なくてだ。でも犯人はわかったぜ」
 「本当に?」

 アリスが怪訝な表情をする。
 魔理沙は、勝ち誇ったような顔で言う。

 「犯人は、この犬走椛だ!」
 「えええ! 私ですか」

 「ああ、この椛が射命丸を殺した。
 動機は、射命丸の浮気だ。椛は、射命丸が霊夢と逢引をするために、
 毎晩博麗神社に行っていることに気づいていた。
 そして、射命丸からの愛情が欲しかったが、どうしても自分は霊夢に敵わないとがわかった。
 だから、射命丸を殺してしまったんだ」

 『文様、私は文様に振り向いて欲しいんです!ごめんなさい!』

 そう呟きながら、包丁を研ぐ椛のビジョンが魔理沙の脳内に展開される。

 「ちょっと待ってよ、それじゃ霊夢に罪を着せる意味は?」
 「ああ、自分の愛した女とそいつを奪った泥棒猫をまとめて始末するためさ。
 ……救われないね」
 「あの、魔理沙さん。ちょっと言いづらいのですが」

 一人だけクライマックスに入っている魔理沙に、
 おずおずと椛が切り出す。

 「実は、私はにとりさんと付き合っているのです。ぞっこんラブなのです。だから、文様とは体だけの関係だったのです」

 椛の、あまりにもどうしようもない告白に、魔理沙は懐かしいポーズでずっこけた。
 捜査は、振り出しに戻った。


 「次はどこに向かうのよ魔理沙」
 「次は、白玉楼に向かうことにする」
 「なんでまた?」
 「もしかしたらこの殺人事件が連続殺人事件かもしれない。そうすればあの辺りに被害者の魂が転がってないかなーと」
 「遺留品みたいに言わないでよ……」

 そんなどうでもいい且つくだらない会話をしているうちに、白玉楼へとたどり着いていた。
 
 「さーてと、証言集めと行きましょうか」
 「そうね……あれ? あそこに倒れてるのってもしかして」

 アリスが指差した方角を見てみると、ミスティアが雪の中に埋もれて倒れていた。
 魔理沙は、慌てて近寄ってミスティアを抱き起こした。

 「まったく、そんな所で倒れてたら殺人事件の死体と思われ――死んでる」
 「そ、そんな。本当にまた殺人事件が起こるなんて」
 「こ、こんな犯人がいるかもしれない幻想郷に居られるか! 私は外の世界へ逃げるぞ!」
 「ちょっと待ちなさいよ、殺人事件を追ってたのはあんたでしょうが! とりあえず、あの二人を呼んでくるわ」

 アリスは、慌てて白玉楼の中へと入って、妖夢と幽々子を呼んで来た。

 「これは、見事に死んでるわね……」
 「ですね、幽々子様」

 二人は、ある種感心するように頷きながら言った。
 魔理沙は、死体を抱き上げてしまった恐怖に半分青ざめていた。

 「どうやら、死因は頭部への打撃のようだぜ」
 「良く調べきれたわね、その死体恐怖症で」
 「抱き上げた時に傷跡が目に飛び込んできたんだよ。間違いなく夢に出る」
 「散々探偵やりたいって言っておきながら死体は駄目なのね……」
 「探偵から産婆に転職しようかなと考えてるぜ」
 「あの、お二人さん」

 幽々子が、二人の漫才におずおずと割り込んできた。
 
 「このかわいそうな小鳥ちゃんは、つまり殺されたってことなのよね? 一体誰が犯人なのかしら」
 「む、言われてみればそうだな」
 「魔理沙、ついでと言っては不謹慎だけど、こっちの事件を先に解決したほうがいいんじゃないかしら」

 至極真っ当な意見を述べるアリスに、魔理沙は腕を組んで考えながら言った。

 「うーん、まあ確かにその通りといえばその通りなんだけど……」
 「何よ。まさか死体を見てからやっぱり止めたくなったの?」
 「そういうわけじゃあないんだよ」
 「じゃあ、一体どういうわけなのよ」
 「そうだな、簡単に言うと『このSSが33kbで纏まらなくなるかもしれない』ってことなんだよ」
 「それは、それはそれは」

 まるで、空が落ちてくるのではないかと心配するような魔理沙の様子に、アリスは少し投げやり気味に相槌を打った。
 
 「だから、私はこの事件の推理をするのは非常に危険だと思う。だからやらない」
 「だけど、そんなのって傲慢じゃないかしら? 現にこうして、人が死んでるのよ」
 「あー、多分妖夢がやったんじゃないかな。『幽々子様の食料のため!』とか言って」
 
 突然自分に容疑をかけてきた魔理沙の言を、妖夢は手を振って否定した。
 
 「ちょっと待ってくださいよ! なんで私が殺したことになってるんですか!?」
 「いやまあ、ほらその刀とかでさ、ばしーんと」
 「そんな軽く言わないでくださいよ! そもそも、刀を使うなら切ったほうが早いじゃないですか」
 「ちっちっちっ、そこは素人の浅考えって奴だ。切り傷ならお前だってことが一発じゃないか」
 「ぐ、確かにそれはその通りですけど。私にはアリバイがあります! ついさっきまで、人里まで買出しに行ってたんですよ!」
 「うん、確かに妖夢は買い物に行ってたわ。私の食事のために」

 妖夢は、殺人事件の定番であるアリバイを語り始めた。
 アリスは、こういう時にアリバイを主張するのって犯人の役目だよね、と思ったが突っ込みは入れないことにした。
 魔理沙は、二人に向けて会心の微笑を浮かべた。

 「んー、残念だけどな。お前らのアリバイ主張には付き合ってる暇がないんだよ」
 「付き合ってる暇がない、ってそんなめちゃくちゃな」
 「滅茶苦茶って言うなら、そもそもこの幻想郷って言うのが滅茶苦茶でね。
 例えばお前のその半霊、自由自在に動かせるらしいじゃないか。自分とある程度独立させて」
 「ぐっ……」
 「つまりだな、お前らの主張するアリバイには全く意味がない。半霊にやらせれば解決だからな」
 「動機、はさっきのアレで納得しましょう。凶器は一体どうなってるのかしら」

 幽々子が、冷淡な口調で魔理沙の推理へと口を挟む。
 魔理沙は、そんな横槍にも動揺することなく話を続ける。

 「その腰につけている剣で充分だぜ」
 「無理よ。この夜雀と妖夢の身長差じゃ柄で殴って気絶させるのは無理」
 「それならば、鞘に刺したまま切り付ければ」
 「残念。今この子が着てる服には固定してあるのよ、鞘がね」

 アリスはそんな無茶な話が、と思って妖夢の腰の刀を引っ張ってみた。
 すると、確かに洋服へと固定されていた。
 多分、霊力か何かを使って今固定したに違いない。が、それを証明するのは不可能と言えるような状況だった。

 「さ、これでもまだこの子を犯人と言うのなら、多少暴力的な手段に訴えかけようかしらね」
 「あー、ちょっと待ってくれ……」

 魔理沙は、狼狽しながら白玉楼の庭を見渡した。
 だが、凶器になりそうなものはなく、一面に雪が降り積もっているばかりだった。
 
 「今必死にこじつけるために何か探してるんでしょうけど、お生憎様。生憎あるのは雪ばかりですわ」
 「雪……そうだ、雪だよ! お前はでっかい氷を用意してそれでミスティアを殴ったんだ!
  そして、その後で氷を削ってばらまけば凶器は完全に消滅する!」

 ほとんど苦し紛れともいえる魔理沙の抵抗に、幽々子は口元だけで笑った。
 
 「さ、戯言はそのぐらいにしてここを出て行きなさい。さもないと……」
 「もういいわよ」
 
 魔理沙を追い出そうと脅迫する幽々子の台詞を、突然誰かの声が遮った。
 その場に居た全員が声のするほうに振り向くと、そこにはチルノが立っていた。

 「二人とも、わかって議論していたんでしょ? あたいがやったってこと。
  二人があたいにどうしても自白して欲しくて、ずっと議論してたんだよね。
  あなた達の言うとおり、ミスティアはあたいが殺したわ。でも、殺すつもりは無かったんだ。
  別に、殺そうと思って殺したわけじゃないよ。大妖精のことを馬鹿にされて、少し頭に血が上ってしまったの。
  今は凄く反省してるし、どんな罰でも受けたいと思う。さあ、魔理沙。あたいを裁いてくれる人の元に連れて行って頂戴」


 一旦神社に戻り、残っていた3人に事情を話してチルノの身柄を渡して、魔理沙とアリスは次なる証拠を求めて飛び立っていた。
 どうやら、次は永遠亭の方へと向かうらしい。

 「ふう、ついに一つの事件が終わりを迎えたな」
 「何言ってるのよ。あんた最後の最後まで妖夢が犯人って主張して、
  終いには『霊夢を殺したのはお前だな? こっちの事件に皆が気を取られるのを利用して霊夢を殺したんだ! そうに違いない!』
  とかなんとか意味不明なことばかり言ってたじゃない」
 「あー、確かに言われてみれば霊夢殺しはチルノのほうかもしれないな。一人殺したならどうせ二人、ということで」
 「あんたと話してるとだんだん人間の尊厳的なものを失っていくような気がするわ……」
 「そういえば」

 魔理沙は、ふと思いついたように真面目な声になった。
 
 「アリス、霊夢の動機って一体何なんだ?」
 「何よ、急に真面目な口調になって」
 「さっきのチルノのときに、あいつの自白を聞いてて思ったんだよ。
  霊夢は、思い付きとかその場の勢いとかで人を殺すような奴だったっけ、ってな」
 
 魔理沙の突然の探偵らしい発言に、アリスは首をかしげた。

 「確かに言われてみれば」
 「色恋沙汰、ってのもあいつに限っては多分ない。そりゃゼロとは言い切れないけど、あいつなら殺して終わらせないとは思う。
  金銭沙汰、ってのは考えられないこともないけど、多分あいつは『足るを知ってる』奴だからな」
 「じゃあ、一体なんだっていうのよ」
 「それがわからないし、思いつかないから困ってるんだよ」
 「そもそも、最初の話に戻るけど。なんで天狗が殺されなければなかったのかしら?」
 「ん、それはつまりどういうことだってばよ」
 「急に変な話し方しないでよ……。だから、なんで霊夢に殺されるにしても天狗だったのかしら、と思って」
 「他にもっと殺されるべき奴がいると?」
 「饅頭を平気で盗むあんたとかね」
 「余計なお世話だぜ」

 じゃあ逆によ、とアリスは魔理沙に問いかける。

 「かっこよく言うと『発想を逆転させる』って奴なんだけど、『霊夢が射命丸を殺すならどういう理由』かしら?」
 
 アリスの奇抜だが逆にある種王道とも言える発想に、魔理沙はうーんと黙りこくった。

 「なるほど、チェス板を引っくり返すって奴だな」
 「出典は違うけどそういうことね。射命丸が既に殺されちゃってる以上そっちを類推したほうが早いかと思って」
 「あ、一ついいのが思い浮かんだぜ。射命丸が何か霊夢のまずい写真を撮ったんだよ。だから、口止めのために」
 「ふむ、あんたにしては至極全うとも言えるような意見が来たわね」
 「多分こう、他の人に見られたら真っ赤になって死ぬような感じの写真だぜ。一人で致してる場面とか」
 「あんた、そういう下劣な発想しかできないのね」
 「ま、現実には良くあること、って奴だな」

 不意に一筋の風がひゅう、と二人の前を吹き抜けた。
 魔理沙が、大げさに震えながら寒がった。

 「ううさみー、めっきり吹く風も冬めいてきたな」
 「そうね、暫くは小春日和が続いていたからそろそろ、とは思ってたんだけど」
 「え? 今は秋から冬にかけての時期だぜ」
 「……なんでもないわ」
 「それにしても、今の風。もしかして射命丸のぼうれ――」

 魔理沙が、不謹慎なジョークを言おうとしたその瞬間。
 アリスの体が思いっきり吹き飛んだ。アリスは、そのまま大樹に激突して意識を失った。
 
 「おいおい、風の悪戯にしちゃあちょっと度が過ぎるんじゃないか」
 「悪戯? 馬鹿にされては困りますね。私は本気なのですよ」
 
 つむじ風が一瞬待ったかと思うと、突然目の前に一人の少女が姿を現した。
 魔理沙は、目の前の少女の姿に目を丸くした。

 「お前、射命丸……いや、霊夢か?」
 「お父さんは霊夢、お母さんは射命丸。私こそが博麗の素敵な巫女、あやれいむよ」
 「なるほどなるほど、確かにそのネーミングセンスは両親譲りだな。んで、その博麗の隠し子さんが何の用だ」

 あやれいむと名乗った少女は、腕を組み天狗の如くニヒルに笑った。
 
 「うふふ、霧雨魔理沙。私が貴方の前に姿を現したのは言うまでもないわ。
 このSSをこの時点で終わらせてしまう、そのためにやってきたのよ!」
 「な、なんだと!? 正気か?」
 「正気も何も、当然の話じゃない。ここでこのSSを終わらせてしまえば、事件は永遠に解決しない。そして、霊夢が幽閉されて私の目的は果たされる」
 「そうか、つまりはお前が黒幕ってわけだな。射命丸を殺したのはお前なんだな!」

 魔理沙が指を突きつけながら叫ぶと、あやれいむは意地の悪い笑顔を浮かべた。

 「いーえ、それは霊夢が自分の意思でやったことよ。私のやったことと言えば、
 カメラで霊夢の恥ずかしい写真を撮って、それを脅迫の手紙と共に置いておく。これを一週間スパンで繰り返しただけに過ぎないわ。
 生憎、未来からやってきたお陰で、大体どうすればどうなるかの予想は付いたしね」
 「それはお前がやったことって言えるんじゃないか? 黒幕さんよぉ」
 「ま、第三者から見ればそうとも言えるんじゃないかしら?」
 「それじゃあなんで、射命丸を殺させたんだ?」

 魔理沙は、怒りの表情であやれいむを問いただした。
 あやれいむは、飄々とした口調で答える。

 「別に、私の母親だったからってわけじゃないわよ? タダ単に、一番引っ掛けやすそうだっただけ。
 ……おっと、ここで長話をしていてはこのSSが33kbに達してしまうわ。それじゃ、ここでお別れね」
 「ここで私を倒したところで、このSSが終わるとは限らないぜ? このSS、三人称だからな」
 「はっ、笑わせる! そんなくっだらない脅しが通用するとは思わないことね。幻想郷最速の速度を生かして視点が変わるたびに全員殺すわ」
 「それじゃ」

 魔理沙は、ふてぶてしさのこもった目線を投げかけた。
 
 「尚更、私がここで死ねないじゃないか! 恋符『マスタースパーク』!」

 八卦炉より放出された七色のレーザーが、魔理沙の視界を一瞬にして明るくした。
 レーザーの放出が止むと、そこにはただ草の焦げた後だけが残っていた。

 「ふう、推理物でバトルシーンをやるのは私の趣味じゃなかったんだが、まあいい」
 
 魔理沙は、寂しそうにそう呟いて、気絶したアリスの元へ向かおうとした。
 その時だった、魔理沙は自分のお腹の辺りが妙に暖かいのを感じた。
 疑問に思って自分の体を見下ろすと、あやれいむが笑顔で手刀を差し込んでいた。

 「油断大敵、というか。まあ、どんまいって奴よね」

 あやれいむは、茶目っ気のある笑顔で言った。
 
 「あ、あああああああああああああ」

 魔理沙は、真っ赤に薄れていく意識の中で思った。
 ここは、「なんじゃこりゃああああ!!」と叫んで倒れれば格好良かったのにな、と。




 「さて、アリス。次は貴方の番。という奴よ」

 アリスがばら撒いた人形の発する弾幕をものともせずに、あやれいむはアリスとの距離を詰めてくる。
 彼女は、必死に弾幕を途切れさせないようにしながら逃げ続けた。

 「ああもう! なんでそんなに速いのよ! もしかしてあんた射命丸の子供か何か?」
 「ま、まさにその通りなんですけどねー」
 「何よ? 霊夢って実は男だったの? ああもう、帰ってからやることが増えちゃったじゃないの!」
 「帰ってから? 残念ながらあなたの冒険はここでゲームオーバーって奴ですよ」 
 「うるさいわね、人の発言を勝手に死亡フラグにしないで頂戴よ!」

 アリスは、自らを奮い立たせるように叫びながら弾幕を展開していた。
 しかし、その努力もむなしく全て交わされてしまい、ついには「弾切れ」となってしまった。
 あやれいむは、アリスの首元に手をかけながら言った。

 「探偵ごっこ、楽しかったですか?」
 「ふん、まあ楽しかったといえば、それなりに」
 「それなら良かったですね。後悔なく死ねて」
 「あんたも一回どうかしら? 探偵役、一度やると病みつきになるかもよ」
 「そうですねえ、そこまで言うのなら考えておきましょうか。どんな事件が良いですか」
 「そうねえ、あんたにぴったりなのは……」

 アリスは、急にすがすがしいような顔になった。
 
 「死体=探偵役っていう斬新な殺人事件は如何かしら?」

 彼女の台詞を言い切った瞬間に、あやれいむの体が背後から発せられたレーザーで吹き飛んだ。
 アリスは、レーザーの発生源のほうへと声を掛けた。

 「遅かったじゃないの、死体役さん」
 「まあな、一番出てきて格好良いタイミングを狙ってたんでね」
 「私、名演技だったでしょ?」
 「嘘付け、お前どう見ても普通に満身創痍じゃねーか」
 「私はまだ本気出してないだけ」
 「死ぬ間際まで本気を出さないんだったらいつ本気出すんだぜ……」
 「死んだら本気出すわ」

 吹っ飛ばされたあやれいむが、二人の間に割って入るように声を上げる。
 
 「くそ、おかしいじゃないか! 魔理沙、あんたは死んだはずじゃ!」
 「はあ? 死体偽造トリックとか古臭いトリックに引っかかるほうが悪い。本当に未来から来たのかお前は」
 「どう見ても血があんなに沢山出て……」
 「血糊だよ、ち・の・り! ぶっちゃけ死体ごっこしてた時に呼び出されたから、入れっぱなしだっただけだけどな」
 「畜生、まだだ! まだ私は戦える」
 
 そう叫ぶとあやれいむは勢い良く飛び上がり、魔理沙のほうへと全力で駆け寄った。
 魔理沙は、その場から動かずに思い切り箒を野球選手のようにスイングした。
 結果、見事にあやれいむは箒にホームランされ、思い切り背中からしたたかに地面に体を打ちつけた。

 「バカだなあ、お前必ずまっすぐ向かってくるんだから。幾ら速くてもタイミングさえ掴めりゃ100%当たるっての」
 「くそ、負けてたまるか! 私は――あれ?」
 「おっと、なんでお前は自分が地面に叩きつけられたかわかってないのかよ? 私のコントロールの良さを舐めるな」
 「……さっきアリスが展開していた人形のワイヤー!」
 「そういうこと。それじゃ、まあお疲れ様と言うことで」
 「か、絡まって取れないよおおおぉぉぉ!」
 「はいはい、可愛いらしいお姉さん達からのお仕置きの時間よ。注力『トリップワイヤー』!」

 可愛らしい悲鳴が、魔法の森全土へと響いた。


 「そもそも、よ。変だと思わなかったの? 射命丸が死んだのならこの子の存在が消滅してないとおかしいじゃないの」
 「まあ、その辺は諸説あるけど。言われてみればその通りだよな」
 
 アリスの魔力に焼かれて飛べなくなったあやれいむをおんぶして、魔理沙は博麗神社への道を歩く。
 あやれいむは、頬を膨らませて答えた。

 「……確かめたかったの。生まれついたときから『博麗の子供は、妖怪との子供だ』って言われ続けて。
 ずっと飛び続けていたら、あるとき結界と私の速度のコンボで過去にいけるってことに気付いて。
 そして、どうせならここの世界でお父さんを殺してしまえば、私の存在はなかったことになるんじゃないかな、と思って。
 でも、結局私がいなくならなかったってことは、本当の良心じゃなかったのかも」
 「あ、でもDNAの一部と一部を取り出して掛け合わせて作られたって可能性もあるぜ、またはにとりが変なマシンを作るかもしれない」 
 「確かに、あんたのいう通りかもしれない……なんで殺しちゃったんだろ」
 「まったく、若い身空でそこまで自暴自棄になるもんじゃないぜー?」
 「魔法使いになるために家出したあんたが言えることじゃないわよね……」 
 「おっと、そいつは禁句だ」
 
 あやれいむが、少し怯えたような声で聞く。
 魔理沙は、笑って答えた。

 「んー、まあとりあえず紫の元に行って全部洗いざらい吐いてもらって、それから考えるかな」
 「痛いのもやだ。怖いのもやだ」
 「私も嫌だ。正直どてっ腹を魔法で必死にガードするなんて経験二度としたくない」
 「……ごめんなさい」
 「まあ子供の頃は結構色々な無茶をやらかすような感じだから、そこは大目に見よう」
 「でも、私はお母さんを殺してしまったから」
 「あ、その点に関しては多分問題ない」

 魔理沙がそう言うや否や、3人の元へと一陣の風が飛んできた。
 
 「『名探偵霧雨魔理沙、見事二つの殺人事件を解決する!』。今回の見出しはこれに決まりですよね!」
 「おっと、死体役の射命丸じゃないか。どうだ? 自分が事件のネタにされる気分は」
 「鏡の中の自分に『誰だ?』と話しかけるような気分ですかね。決して良い気分じゃあないですよ」
 「どうやって生き返ったんだ? もしかして蓬莱の薬でも飲んだか」
 「まあ、簡潔に言うならば『無かった事にしてもらいました』」
 
 射命丸は、そう言って大げさに笑った。
 魔理沙は、だろ?というような笑みをあやれいむに向けた。
 彼女の頬に、少しだけ柔らかな笑顔が生まれた。
 

 それでもって、残りの2kbちょっと間を持たせるために、今回の後日談を語らせてもらう。
 私達は、あやれいむを連れて紫の元へ行き今日一日何があったかを聞かせた。
 それを聞いた紫は、「あらお疲れ様」とだけ行って、あやれいむを連れて何処かへ行ってしまった。
 私が説明中に何度もフォローしておいたから多分悪いようにはされてない、と信じたい。
 霊夢は、無事に生き返った射命丸と感動のご対面を果たして、お互いに濃厚なキスシーンを見せてくれた。
 いやはや、死が二人を分かつまで、っていうのはこの幻想郷だと重みのある言葉だな、と思った。
 あ、そういやミスティアのほうもちゃんと生き返ってバカルテットは再結成したらしい。
 もしかしたら子供が生まれてクインテットになるかもしれない、とミスティアは笑顔で言っていた。
 私がきっちりと事件を解いていなければ、もう少し彼女らの人間関係はよじれていただろうということを考えると、
 勝手な気まぐれながらも、探偵役をやることを名乗り出てよかったな、と思う。

 そして、私はまだ死体役の研究を続けている。
 今回の手柄によっていつ探偵の仕事の依頼が来るかわからないからだ。
 出来る限りの思考実験をやって、推理には望むべきだ、と私は思う。私努力キャラだし。

 「とりあえず、死体役になった二人からも意見を聞くことが出来たし、私自身も殺人事件を経験できた。これを利用してまた殺人事件を考える」
 「正直言って、あんたも全然懲りないわね」
 「というわけでさー、次は『実は事件が起きたのが全て私の夢だったので、完全な密室が成功した』っていう探偵物をやろうと思うんだぜ」 
 「何それ、悪趣味にも程があると思うんだけど……」
 「そして、私は最後に上位世界に行くことで『超探偵キリサメ・マリーサXX』となるのだ」
 「なんというか、そこはかとなくダサいわね」
 「えええ、じゃあこんなのはどうかな? 『読者がSSをスクロールした時の移動エネルギーによって殺人の仕掛けが作動。つまり犯人は読者』」
 「いったいどうやって、SSをスクロールしたエネルギーで人を殺すのよ!」
 「そりゃあ、SSのスクロールって言うエネルギーは大きいからな。このSSを読んでる読者が100人居れば100sss(SSスクロール)分のパワーだ」
 「なんか『新しい単位』みたいな感じになってきたわね……」
 「あ、すでに幾つかは実用段階だぜ。





















 ほら、今スクロールしたエネルギーでアリスのスカートがめくれた」
 「えええええええええ!? って本当に捲れてるじゃないの!! この変態!!!」
 
 アリスの鉄拳制裁が私の腹へと叩き込まれる。私は、あまりの痛みに床へと転がった。
 アリスは、怒り身を震わせながら部屋の外へと出て行った。

 「ずっと転がって死体役でもなんでもやってればいいじゃないの! このバカ!」
 「うあー、待ってくれよアリスー」

 まるで今にも死にそうな声を出しながら、私は思った。
 やはり、殺人事件の死体役は他の誰かに任せるのが一番だなあ、と。
やあ、こんばんは。らすねーるです。お久しぶりですね。
今回は、春組一斉投下と言うことで、色々やらかしながらとりあえずこんな私の悪趣味全開のお話が誕生しました。
元ネタはかの名作(迷作?)ドラマ33分探偵ですね。
知り合いから「33kb探偵」って面白いんじゃない?というアイデアを貰って約一年経ってついに完成しました。kb数の調整に死ぬほど苦労しました。
基本的には、元のbyte数をnとすると1.1nぐらいになるようです、覚えておくとどっかで役立つかもしれません。
とりま、私の読んだことある推理物へのオマージュを目一杯詰め込んでるので気付いた人はにやりとしてください。
テーマは「秋」ということなんですが、自分でアイデア出してなんかすごい無視してる感がありますけど、
秋の夜長はミステリー、ということでここは一つ。全然ミステリーしてないけどな!
次は、「ロス:タイム ライフ」をモチーフにして「貴方の寿命は残り●●kbです」みたいなのをやってもいいかもしれませんわ。
それでは、また御機嫌よう。
らすねーる
@gmail.com
http://twitter.com/Lacenaire_ssw
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コメント



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4.70SAS削除
読んでいて楽しかった。

ところで、あやもみじも生まれるんですかね?
7.90名前が無い程度の能力削除
33分探偵か!
8.100名前が無い程度の能力削除
ちくしょう、笑っちまったww
こういうの大好きだわ
11.90奇声を発する程度の能力削除
ちょくちょく笑ったwww面白かったですww
15.100名前が無い程度の能力削除
なかなかメタいwwwwwwww
16.90名前が無い程度の能力削除
これは面白い
18.100名前が無い程度の能力削除
個人的には、春組の中であんたが一番だ。
19.80コチドリ削除
33kb探偵という発想と、それを作品として結実させた苦労には素直に拍手。
ただ、それが枷となって物語に少々切れ味が欠けているかな、というのが個人的な感想です。

読者による100sssによって殺人の仕掛けが発動、ですか。ならば、
読者による100bbb(ブラウザ・バックor罵声)によって作品が爆死ってのは如何でしょう。
さすがに悪趣味が過ぎますか。

それでは最後にハロウィンにちなみまして、トリックオアトリート?
トリート。ちょっとエッチなこの作品には浜松銘菓うなぎパイを進呈。
23.90ぺ・四潤削除
元ネタがわからないので申し訳ないですが、探偵物にありがちなパターンでいちいち笑わせてもらいました。勝手にベラベラ自供するチルノとか大好き。あと、まさかのあやれいむで声出して笑ったww
ところでアリスのスカートが捲れたのが見えないんですけどどういうことなんでしょう?
27.90mthy削除
いやぁ、面白かったですww
>>次々と繰り出される推理にがんがん増える容疑者。
>>「こ、こんな犯人がいるかもしれない幻想郷に居られるか! 私は外の世界へ逃げるぞ!」
これは、声出して笑いましたww
オマージュも嬉しかったです。
SSスクロールとかどんな発想だよ、あんたは天才か…!

あと、
>>結界と私の速度のコンボで未来にいける
これ、もしかして「未来→過去」でしょうか?
29.80名前が無い程度の能力削除
33分探偵なら無駄な伏線とか高度な合成とか入れて欲しかったです
30.80名前が無い程度の能力削除
最後の一行は『不気味で素朴なry』かしら

それにしても本当に33kbで収まってることに感動。
惜しむらくは「なんやかんやは……なんやかんやです!」が無かったこと。
36.70名前が無い程度の能力削除
>本当の良心じゃなかったのかも
両親かな