「どうして私が怒られなくちゃいけないのよ!壊した魔理沙が悪いんでしょ!?」
「こんな所に置いておくアリスが悪いんだぜ!」
「自分のこと棚に上げてよく言うわねえ、もう知らない、出てって!」
「言われなくても出てくぜ、じゃあな!」
『バタンッ!!』
玄関の扉が乱暴に閉められる。またやってしまった、とため息をつきながらアリスはうなだれた。
(どうしていつもいつもこうなっちゃうのかしら・・・)
喧嘩の原因は単純だった。アリスは人形を手入れしていたのだが、トイレに行きたくて立ち上がった。
その際に、人形を椅子の上に置いておいたのだ。アリスがトイレに行っている間に魔理沙が来た。
勝手に入ってくるのはいつものことなので、そこは特に問題ではなかった。問題はここからだ。
アリスが不用意に置いた人形の上から、魔理沙は確認もせず座ってしまった。
そのせいで人形が壊れてしまったのだ。結果からいうと、どっちもどっちなのであった。
この自分の無駄な所で気が強いのを直したいと常々思っているアリスなのだが、
どうも中々うまくいかないらしい。一人で抱え込んでも仕方ないと思い、アリスはある場所へ向かった。
アリスや魔理沙が住む魔法の森から少し離れた、寂れた場所。博麗神社はそこにあった。
神社の前を少女が掃除していた。そこにアリスは降り立った。
「あら、珍しいお客さんね」
「こんにちは、霊夢」
「明日は雨が降るかしら、アリス?」
「たまには来たっていいじゃないの」
「ふふっ、冗談よ、何もないけど上がって」
霊夢は掃除を中断し、アリスを部屋へと招いた。霊夢が奥でお茶の用意をしている間、アリスは考えた。
(どうやって言い出そうかしら、単刀直入に相談したほうがいいわよね)
アリスの性格上、悩み事があっても中々直接は言い出しにくいのである。
霊夢がお茶とお茶菓子を持ってきたと同時に、アリスは少々緊張してしまった。
「ありがとう、気を遣わせたわね」
「いいえ・・・で、どうしたの?何か相談でもあるんじゃないの?」
「えっ?」
「貴女の顔に書いてあるわよ?」
本当に勘が鋭い巫女である。これも異変解決の賜物なのだろうか。
とにかく霊夢からこういわれた以上話は早かった。アリスは先刻の出来事を霊夢に話した。
「んー、どっちもどっちね」
「ええ、それは解ってはいるのだけれど・・・」
「お互い謝れば済む話じゃない」
「そ、それは出来ないわっ!」
「あー、そうみたいね、貴女も魔理沙もプライド高いものね」
「べ、別にそんなんじゃ・・・」
これではまるで弁解しにきただけである。一息ついて、アリスは冷静に霊夢に相談を続けた。
「それで、やはり謝るしか方法は無いのかしら・・・?」
「そうとも限らないわよ?」
「え?どういうこと?」
「んー、そうねぇ・・・今すぐ帰った方がいいかしらね」
「・・・話が見えないわよ」
「まあまあ、私を信じること、それが今の貴女に出来る善行よ」
「・・・なーに?その台詞」
「とあるお偉い方の台詞よ」
「まあいいわ、これで上手くいったらお礼でも考えてあげようかしら」
「それはもうお賽銭で」
「はいはい、それは気が向いたらね」
「ふふっ、ありがと」
「じゃあお茶ありがとうね、また来るわ」
そう告げると、アリスは縁側からすたっと降り立ち、魔法の森へと飛んでいった。
「・・・魔理沙もアリスも似たもの同士よねえ、行動まで同じなんて」
霊夢はそう呟きながら、残ったお茶を飲み終えて神社の前の掃除を再開した。
アリスは飛びながら考えていた。
(霊夢の言っていたことはよく解らないけど、やっぱり謝った方がいいわよね・・・)
そんなことを考えているうちに自分の家が見えてきた。すると、玄関の前に人影が見えた。
誰だろう、と確認してみたら、他でもない魔理沙であった。今会うのは気が引けたが、好都合でもあった。
自分の気が変わらないうちに謝ってしまおう。そう決心していた。
そして魔理沙の後ろに降り立った。
「おーい、アリスー、開けてくれよー・・・」
「私はこっちよ、魔理沙」
「あっ、アリス・・・どこに行ってたんだ?」
「どこだっていいじゃない」
途端に無言の状態になった。これは気まずい。どうにかしなければ。
とにかく謝らなければいけないと、アリスは必死だった。
(もういいわ、当たって砕けろ、よ)
『魔理沙、さっきはごめんなさい!』
『アリス、さっきは悪かったぜ!』
「・・・え?」
「アリス・・・今なんて?」
あろうことかお互い同じ台詞を並べたのであった。アリスも魔理沙も一瞬理解が遅れた。
そして状況を把握した二人は、思わず失笑してしまった。
「あはは、アリス、顔真っ赤だぜ」
「魔理沙だって、ふふふ・・・」
そう言いながら、既に二人とも状況を理解していた。もう問題は解決していたのだった。
「お茶でも飲んでく?」
「ああ、美味いお茶菓子もよろしくな」
「もう、全く・・・ふふっ」
そうして二人は笑いながら家の中へ入っていった。
「こんな所に置いておくアリスが悪いんだぜ!」
「自分のこと棚に上げてよく言うわねえ、もう知らない、出てって!」
「言われなくても出てくぜ、じゃあな!」
『バタンッ!!』
玄関の扉が乱暴に閉められる。またやってしまった、とため息をつきながらアリスはうなだれた。
(どうしていつもいつもこうなっちゃうのかしら・・・)
喧嘩の原因は単純だった。アリスは人形を手入れしていたのだが、トイレに行きたくて立ち上がった。
その際に、人形を椅子の上に置いておいたのだ。アリスがトイレに行っている間に魔理沙が来た。
勝手に入ってくるのはいつものことなので、そこは特に問題ではなかった。問題はここからだ。
アリスが不用意に置いた人形の上から、魔理沙は確認もせず座ってしまった。
そのせいで人形が壊れてしまったのだ。結果からいうと、どっちもどっちなのであった。
この自分の無駄な所で気が強いのを直したいと常々思っているアリスなのだが、
どうも中々うまくいかないらしい。一人で抱え込んでも仕方ないと思い、アリスはある場所へ向かった。
アリスや魔理沙が住む魔法の森から少し離れた、寂れた場所。博麗神社はそこにあった。
神社の前を少女が掃除していた。そこにアリスは降り立った。
「あら、珍しいお客さんね」
「こんにちは、霊夢」
「明日は雨が降るかしら、アリス?」
「たまには来たっていいじゃないの」
「ふふっ、冗談よ、何もないけど上がって」
霊夢は掃除を中断し、アリスを部屋へと招いた。霊夢が奥でお茶の用意をしている間、アリスは考えた。
(どうやって言い出そうかしら、単刀直入に相談したほうがいいわよね)
アリスの性格上、悩み事があっても中々直接は言い出しにくいのである。
霊夢がお茶とお茶菓子を持ってきたと同時に、アリスは少々緊張してしまった。
「ありがとう、気を遣わせたわね」
「いいえ・・・で、どうしたの?何か相談でもあるんじゃないの?」
「えっ?」
「貴女の顔に書いてあるわよ?」
本当に勘が鋭い巫女である。これも異変解決の賜物なのだろうか。
とにかく霊夢からこういわれた以上話は早かった。アリスは先刻の出来事を霊夢に話した。
「んー、どっちもどっちね」
「ええ、それは解ってはいるのだけれど・・・」
「お互い謝れば済む話じゃない」
「そ、それは出来ないわっ!」
「あー、そうみたいね、貴女も魔理沙もプライド高いものね」
「べ、別にそんなんじゃ・・・」
これではまるで弁解しにきただけである。一息ついて、アリスは冷静に霊夢に相談を続けた。
「それで、やはり謝るしか方法は無いのかしら・・・?」
「そうとも限らないわよ?」
「え?どういうこと?」
「んー、そうねぇ・・・今すぐ帰った方がいいかしらね」
「・・・話が見えないわよ」
「まあまあ、私を信じること、それが今の貴女に出来る善行よ」
「・・・なーに?その台詞」
「とあるお偉い方の台詞よ」
「まあいいわ、これで上手くいったらお礼でも考えてあげようかしら」
「それはもうお賽銭で」
「はいはい、それは気が向いたらね」
「ふふっ、ありがと」
「じゃあお茶ありがとうね、また来るわ」
そう告げると、アリスは縁側からすたっと降り立ち、魔法の森へと飛んでいった。
「・・・魔理沙もアリスも似たもの同士よねえ、行動まで同じなんて」
霊夢はそう呟きながら、残ったお茶を飲み終えて神社の前の掃除を再開した。
アリスは飛びながら考えていた。
(霊夢の言っていたことはよく解らないけど、やっぱり謝った方がいいわよね・・・)
そんなことを考えているうちに自分の家が見えてきた。すると、玄関の前に人影が見えた。
誰だろう、と確認してみたら、他でもない魔理沙であった。今会うのは気が引けたが、好都合でもあった。
自分の気が変わらないうちに謝ってしまおう。そう決心していた。
そして魔理沙の後ろに降り立った。
「おーい、アリスー、開けてくれよー・・・」
「私はこっちよ、魔理沙」
「あっ、アリス・・・どこに行ってたんだ?」
「どこだっていいじゃない」
途端に無言の状態になった。これは気まずい。どうにかしなければ。
とにかく謝らなければいけないと、アリスは必死だった。
(もういいわ、当たって砕けろ、よ)
『魔理沙、さっきはごめんなさい!』
『アリス、さっきは悪かったぜ!』
「・・・え?」
「アリス・・・今なんて?」
あろうことかお互い同じ台詞を並べたのであった。アリスも魔理沙も一瞬理解が遅れた。
そして状況を把握した二人は、思わず失笑してしまった。
「あはは、アリス、顔真っ赤だぜ」
「魔理沙だって、ふふふ・・・」
そう言いながら、既に二人とも状況を理解していた。もう問題は解決していたのだった。
「お茶でも飲んでく?」
「ああ、美味いお茶菓子もよろしくな」
「もう、全く・・・ふふっ」
そうして二人は笑いながら家の中へ入っていった。
まりさ視点はよはよ