「しっあわ~せは~あ~るいってこない、……幸せ…ボケェ!!」
「うわぁ!? いきなりどうしたんだよ霊夢!?」
楽しそうに歌っていた霊夢がいきなりキレた。
突然のことだったから私も魔理沙もびっくりしたわ。
「どうしたのよ霊夢? なにがあったの?」
「幸せなんてクソくらえじゃーっ!!」
「…いやいや、ワケわかんないぜ霊夢?」
「私はどうせ幸せになんかなれないわよ!」
「なんでそんなこと思うのよ?」
とりあえずなにか理由があるんだろう。
でなければ、いきなり暴れる意味がわからない。
「…私はどうせ貧乏巫女よ。幸せなんて来やしないわ」
「それは正解だな♪」
「ちょっと魔理沙!?」
「魔理沙は今から処刑だ!」
「なんでだよ!?」
「アンタが霊夢に余計なこと言うからでしょ?」
「アリス…? 余計なことってなにかしら?」
「へっ? いや、えーっと…、あはは…。謝りなさいよ魔理沙!!」
「私かよ! アリスこそ謝れよ!」
なんで私が。
先に言ったのは魔理沙のほうなのに。
でもまだ死にたくない。
「ご、ごめんなさい霊夢。ちょっと口が滑ったわ」
「お前のほうが酷過ぎるだろ!!」
「私はちゃんと謝ったもの。心の優しい霊夢なら許してくれるわよ」
「アリス…。お前霊夢をなんだと思ってるんだよ…」
「あら。ちゃんとお友達だと思ってるわ」
「……霊夢。私もすまなかったな」
よし。
これで霊夢もちょっとは落ち着くはず…って…
「…あのー、霊夢さん?」
「私は貧乏。かわいそうな巫女。こんな私は幸せにはなれない…」
「すげー鬱モードに突入してるんですけど!?」
「なんとかしなさいよ!」
「いやいや、さすがに私にもこれは…」
「友達でしょ!?」
「お前もだろ!!」
このままでは霊夢がマジで危ない。
なんとかしなければ。
「…えっと、霊夢?」
「私は貧乏。かわいそうな巫女。こんな私は幸せにはなれない…」
「そんなことないわ。少なくとも私は霊夢といられて幸せよ?」
「…アリス?」
「今のこの生活、結構気に入ってるのよ?」
これでどう?
ほら、魔理沙も早くなにか言いなさいよ。
「あ~…。私だって幸せだぜ? こんなライバルに出会えたんだからな!」
「…魔理沙?」
「それにお前の煎れてくれるお茶を飲んでるときも幸せだしな!」
ナイス魔理沙。
これで霊夢も立ち直るはず…って…
「…もしもーし、霊夢さん?」
「…ひっく、ふえぇぇ…うわあぁぁん、ありがとう二人とも~!」
「「えええっ!?」」
「そんな風に言ってくれると、私も幸せだったのかもしれない…」
「なんだよそれ…」
「泣くほどのことでもないでしょうに」
「いいじゃない…、」
まさか泣くとは思わなかったもんだから、びっくりしたわ。
でも霊夢の泣いたところは初めて見たかもしれない。
貴重だったわ。
「ほら、もう泣きやんだ?」
「…うん」
「よし! お茶でも飲もうぜ!」
「待ってなさい! 今最高においしいお茶を作ってきてあげるから!」
幻想郷は今日も平和です。
読んでてちょっと幸せになったお(´∀`)
あんさん女の子なのにギャグで攻めるのか・・・ありです!