天狗くじ。妖怪の山の天狗達が幻想郷全土で販売した宝くじである。
当選番号の発表は天狗の発行する新聞で行われ、もちろん『文々。新聞』にも掲載される。
三等500万円に魔理沙は当選した。
「嘘だろ……」
普段通りの朝ご飯の時間、コーヒーを飲みながら魔理沙は天狗くじの発表が今日だと思い出した。
今朝玄関先で拾ってきた『文々。新聞』は、読む気はなかったが丁度テーブルに置いてあった。
酔った勢いで買った天狗くじだが、もしかしたら数百円くらいは当たってるかもしれない。
なんて、安い気持ちで確認をしてみた。
天狗くじ三等の当選番号。
SG組 121314
魔理沙の買った天狗くじの番号。
SG組 121314
「やったァーッ、メルヘンだッ! ファンタジーだッ! 幻想郷は本当にあったんだッ!!
香霖へのツケを一括返済してさぁ~度肝を抜いてやろうかなぁ……うふふ、ふふ、うふふふふ」
魔理沙の脳内でファンファーレが鳴り響き、夜空(現実は朝だが)に大量の花火が上がった。
500万といえば大金だ。
現代の価値に換算すると500万にもなる。
幻想郷は現代であり、外の世界と通貨の価値が同じ方が解りやすいから、なんらおかしい点はないのである。
「さっそく換金に行くか! ええと、換金場所は……妖怪の山の麓に、妖怪銀行っていうのがあるのか。
朝ご飯なんか食べてる場合じゃないな、今なら文より速く飛べる気がするぜ!」
こうして当たりくじを握りしめた魔理沙は、残っていたコーヒーを一気飲みして舌に軽い火傷を負い、
椅子から転げ落ちて頭を打って悶えたりしてから、箒にまたがって妖怪の山に向かってかっ飛んだ。
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
「ルーミアだよー、お腹が空いたから通行料になにか食べ物を――」
「マスタースパーク!」
「ぴちゅーん」
「あたいは最強の妖精チルノ! この湖の上を通りたかったら私を倒し――」
「かめはめ波!」
「ぴちゅーん」
「リグルです! 一寸の虫にも五分の魂、虫の地位向上のため虫愛護団体に寄付を――」
「魔閃光!」
「ぴちゅーん」
「ここを通りたければ私ミスティアの屋台で値段三割増しの大特価八目鰻を――」
「ファイナルフラッシュ!」
「ぴちゅーん」
熱い心、面ボスで繋いでも、今は無駄だよ。邪魔する奴はスペルひとつでダウンさ。
金で鼓動、早くなる。私の鼓動、早くなる。
銀行求めさまよう箒、今、熱く燃えてる。すべてボムり、無残に飛び散るはずさ。
「ふぉおお~……今の私を止められる者がこの幻想郷にいようはずがなかろうなのだ……」
ああ、素晴らしきかな金銭欲。
お金を稼ぐのは善行だって映姫様が言ってた。
だから魔理沙の行いは閻魔のお墨付きの正しさなのは、疑いようのない事実。
「そう、これは正当防衛!! なぜなら宝くじが当たった者は、高確率でくじを紛失するッ。
これは一次創作二次創作を問わず今や常識! 私に近寄る奴は容赦しないぜー!
おう、あれに見えるは新聞に写真つきで載っていた妖怪銀行!
待っててねー、愛しい愛しい500万円ちゃ~ん。うふっ」
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
【森近霖之助の被害報告】
香霖堂の戸を開く者が客とは限らないという事実を霖之助は憂いていた。
いや、ある意味では客もしれない。ちゃんとツケを払ってくれるなら。
戸を開けて入ってきたのは、まさしくツケを払わない代表人物の一人、魔理沙だった。
「やっほー香霖」
「やあ魔理沙、今日はなにを強奪するつもりだい?」
「ツケを一括返済に来たぜ」
「エイプリルフールならとっくにすぎているよ。それとも本当に払ってくれるのかい? 30万円」
「ほい30万円」
ポンと手渡される。
なんだろう、この紙の束は。霖之助は不思議に思った。
河童脅威の技術力で見事な印刷がされたそれは、偽装不可能の通貨、お札によく似ていた。
『おふだ』ではなく『おさつ』だ。つまりお金だ。
しかも壱万と書かれた札が30枚ぴったしあった。
意味が解らない。
そこで霖之助は道具の名前と意図を知る能力を行使する。
名前、壱万円札。
意図、現金。
すべてを正しく理解した、しかし真実は時として虚構以上の被害をもたらす。
あまりの衝撃に霖之助の精神キャパシティは限界を突破し、自我の崩壊を選択したのだ。
「香霖? 寝ちまったのか? 仕方ない奴だなぁ。毛布くらいかけといてやるか」
「う~ん、ピンクのカバさんが東の空を飛んでいる~」
「なんの夢を見てるんだか、まったく」
森近霖之助、自我の崩壊から回復するまで三日三晩寝込む。
魔理沙の残金、470万円。
【パチュリー・ノーレッジの被害報告】
動かない図書館が動いた珍しい日であった。
本の虫であるパチュリーは小悪魔を連れて外出し、人里の本屋を訪れていた。
「たまにはこういうのもいいわね。図書館に置く価値がない低俗な本がいっぱいあるわ」
「あんまりたくさん買っても持ち切れませんよー。財布には2万円しか入ってませんし」
「特殊な魔導書を買おうって訳じゃないし、2万円もあれば十分買えるわ」
「せっかく買った本が魔理沙に盗まれないよう、注意しないとですね」
小悪魔が冗談交じりに言う。すると。
「呼んだか?」
大量の本を抱えた魔理沙が現れた。
ここは本屋なので、これが意味する事はひとつ。
「こんなにも堂々とした万引き、初めて見るわ」
「失敬な、万引きじゃないぜ」
「そうね、万引きなんて安い言葉で誤魔化してはいけないわね。窃盗という名前の犯罪行為よ。
一冊盗まれたらその損害を取り戻すために同じ本を十冊は売らねばならないそうね。
つまり500円の本を万引きされたら、店側の損害は500円ではなく5000円。
万引きという安い言葉で罪悪感を麻痺させた馬鹿の手によっていったい何軒の本屋が潰された事か……」
「なんの話をしてるんだ?」
「魔理沙の万引きを止めようとしているのよ」
「失敬な。ちゃんと買うぜ」
「え」
魔理沙は山積みの本をレジに持っていくと、財布から壱万円札の束を取り出して支払った。
本の中には値段の高いものがたくさんあり、金額は相当のものだった。
とても魔理沙に払える額ではない。しかし実際、札束を出して払っているのだ。
「ゴバッ」
ありえない光景にパチュリーは血を吐いた。
慌てて小悪魔が駆け寄り、倒れそうなパチュリーを支える。
「パチュリー様、しっかり!」
「ば、馬鹿な……喘息持ちのせいで病弱だと誤解されがちだけど、喘息以外に病気はないというのに……。
血を、吐くだなんて……喘息で血を吐いたりしないのは、リアル喘息持ちの作者もよく解っているはず……。
それなのになぜ……私は血を吐いているの……なにが起きたというの……」
「パチュリー様ー!!」
パチュリー・ノーレッジ、原因不明の吐血により三日三晩寝込む。
魔理沙の残金、465万円。
【アリス・マーガトロイドの被害報告】
人里を訪れたアリスは、ふと目についた人形屋に入ってみた。
はっきり言えば、なにも買うつもりはなかった。材料さえも。
どうせ自分が使っている物に比べれば、たいした物は置いてないだろう。
その想像は正しく、アリスから見れば不良品ばかりだった。
しかし拙い人形というのも味があり、未熟だった過去を思い出させる。
ひとつのビスクドールが目につき、予想外に出来がよく感心した。
値段も70万円と高く、納得できるだけの美しさと完成度だ。人間の人形職人もなかなか侮れない。
「なんだアリス、その人形が欲しいのか?」
ふいに声をかけられ、振り向くと魔理沙が笑みを浮かべていた。
「あなたがこんなお店に来るなんて、明日は雨かしら」
「アリスが見えたからさ。そうだな、普段色々と世話になってるし、それ買ってやるよ」
「……は?」
「すいませーん、この人形くださーい」
アリス・マーガトロイド、魔理沙に買ってもらった人形を箱ごと抱きしめて三日三晩引きこもる。
魔理沙の残金、395万円。
【上白沢慧音の被害報告】
「うむ、いい出来だ」
支払いを終えた慧音は満足そうにうなずいた。
老舗の呉服屋にて、慧音は高級な素材をふんだんに使ったパーティードレスを特注していたのだ。
「ふふふ、妹紅の驚く顔が目に浮かぶ。今度紅魔館で開かれる、人間と妖怪の交流パーティー……。
そこで妹紅は華となるのだ。もんぺ姿に見慣れた皆は驚くだろう、妹紅がどんなに美しいかを知って。
いやそれにしても実に素晴らしいドレスだ、主役であるレミリアの出番を奪ってしまいかねないな。
蛍雪の思いで貯めに貯めた貯金をはたいてのプレゼントだ……妹紅がどんなに喜ぶか!」
慧音が薔薇色の妄想をしていると、彼女に気づかずやって来た魔理沙が威勢よく注文した。
「へい! この店で一番上等なパーティードレスを見繕ってくれ、今度紅魔館でパーティーがあるんだ!」
「一番上等となりますと、100万円ほどしますが……」
「予算の範囲内だぜ!」
「ではまずサイズを測りますので、こちらにどうぞ」
「よろしく頼む」
自分に気づかず奥に入っていく魔理沙を見て、
慧音は自分が十数万もの大金をはたいたドレスが急にみすぼらしく思えてきた。
ああ、ダメだ、こんな情けないドレスを妹紅に着せては恥をかかせてしまう。
レミリアや輝夜に笑われてしまう。
頬を濡らしながら、渡せぬプレゼントを抱えて慧音は店を飛び出した。
上白沢慧音、プレゼントをしまいこんで三日三晩自宅に引きこもる。
魔理沙の残金、273万円。
【その他の被害報告】
「みょん!?」
魂魄妖夢、色々あって三日三晩寝込む。
「ゆかれいむが非ジャスティス!?」
八雲紫、色々あって三日三晩寝込む。
「YES! NEET LIFEッ」
蓬莱山輝夜、色々あって三日三晩引きこもる。
「自分探しの旅に出る、それが今の私にできる善行です」
四季映姫、色々あって三日三晩行方不明になる。
「現人神である私が魔理沙さんに……魔理沙さんにこんな、こんな、アアッ! ……ふぅ」
東風谷早苗、色々あって三日三晩信仰に走る。
魔理沙の残金、色々あって102万円。
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
散財……! 正気の沙汰とは思えない散財……!!
賞金500万円がほんの半日で102万……!! 使用金額398万円……!!
しかしこれは完全で瀟洒な計算の上での行動であった。
「この調子で残り102万も使い切ってやるッ!
こういう賞金はもらう前に駄目になるパターンと、もらってから駄目になるパターンがあるからな。
例えば高価なものをぶっ壊して弁償とか、病気の子供に出会って手術代を肩代わりみたいな!
だがしかし、そんな隙を与えない知的でクールな霧雨魔理沙は即効で使い切るぜ!
物に変えておけば安全だろうしなぁ~……ファハハハハハッ!! 人生面白すぎて涙が出そうッ。
もしも並行世界というものがあれば、間違いなく私はパラレル魔理沙の幸運を吸い取ってるぜー!」
完全で瀟洒な計算の上での行動とはいえ、やはり金は人を変える。
金銭感覚とともに常識感覚を壊した魔理沙の精神テンションは今、キャラ崩壊寸前であった。
「しかし困った、もうお金の使い道を思いつかない。
アレも買ったし、コレも買ったし、ソレも買ったし……そうだ、神社に行こう。
賽銭箱に札束を放り込んでやれば、霊夢は感動の有頂天に達し生涯最高の笑顔を魅せてくれるだろうッ!!」
賞金で新調したスカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ箒、略してスカタン箒をかっ飛ばす。
その速度は従来の箒の三倍、という訳ではないが三倍気分になれる爽快さがあった。
ああ、風と一体になって飛ぶとはなんと気持ちのいい事か。
いや、自分は今、風を追い越して飛んでいる!(気がする)
すなわち幻想郷最速の射命丸文を超えた!(と思う)
時代の風は霧雨魔理沙を選んだのだ!!(妄想)
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
神社に到着すると、境内を箒で掃除している霊夢の姿があった。
やって来た魔理沙に気づいて顔を上げ、微笑を浮かべる。
(ふふふ、その微笑を生涯最高の笑顔に変えてやるぜ)
軽やかに神社に舞い降りた魔法使い魔理沙は、ニタニタ笑顔で挨拶した。
「よう霊夢! 今日は最高にご機嫌な天気だな!」
「そう? 晴れてはいるけれど、普通に雲もあるわよ」
「細かい事を気にするな! 気にする奴は心が狭くてひもじい奴だ!」
「ひもじくて悪かったわね」
「ところでご機嫌なお賽銭箱は今日も大盛況か?」
「嫌味か」
怒った素振りを見せる霊夢の横を通り抜け、魔理沙は一直線に賽銭箱に向かった。
「ちょっと、イタズラとかしないでよ?」
賽銭箱に賽銭を入れない人間の筆頭である魔理沙に、霊夢は欠片ほども期待していないようだ。
だかからこそいいッ。
だからこそやりがいがあるッ。
魔理沙は意味深に賽銭箱の前に立ち止まり、霊夢は見張るように賽銭箱の横に立った。
ニヤリ、と。笑う魔理沙を見て霊夢は目を細めた。
「ふっ……ふふふっ、うふふふふっ……霊夢、これを喰らえ!」
懐から札束を取り出す魔理沙、その枚数実に百枚、100万円ジャスト!
その圧倒的威力が賽銭箱に叩き込まれようとした瞬間、その腕を霊夢の腕がガッシリと掴んだ。
「イタズラ禁止」
「フッ……解ってないようだな霊夢、これはオモチャのお札でも、偽札でもないんだぜ……?」
魔理沙の手を下げさせてから、霊夢は手を離した。
「見れば解る。一キロ先の百円玉と一円玉を見分ける私の眼力をナメてるの?」
そんな特殊能力を体得していたのかと魔理沙は感心する半面、物悲しい思いがした。
しかし、そんな能力も今日この時から不要と化すだろう。
この幸せを呼ぶ白い黒い魔法使い霧雨魔理沙さんによる友情サプライズによって。
「へへっ、銀行強盗してきた訳じゃないぜ。宝くじで当たったんだ」
「宝くじ? 天狗の?」
「あぶく銭は威勢よく使わなきゃな! 創作作品の宝くじの法則もあって、所持してるのは危険だし」
「なによそれ」
「とーもかく、この100万円は賽銭箱に放り込む。霊夢ッ、最高の笑顔を頼むぜー!」
今度こそと魔理沙は札束を賽銭箱に放り込んだが、入る直前、薙ぐような霊夢の腕が軽やかにキャッチした。
「いくら当たったか知らないけど、こんな使い方がありますか。頭を冷やしなさい」
「な、なにぃッ……!?」
まさかの行為ッ! 霊夢は100万円を突っ返したー!?
正気か、正気なのかこの巫女は!!
YES! 正気だからこその行為なのだ。
「お金ってのは、とても大切なものなのよ。いくらあぶく銭だからって、粗末な使い方をしたら申し訳ないわ」
「粗末って、でも、お賽銭だぞ? 霊夢だってお賽銭に札束が入れば嬉しいだろ?」
「嬉しいけど、こういうのはなんか違う気がする。
あんただから言ってんのよ魔理沙。知らない人がそれを入れてくれるなら、喜ぶところだけど……。
その様子じゃ、もう幾らか使ってそうね。
それは持って帰って、二、三日くらい頭を冷やしてから、使い道を決めなさい」
こうして追い出された魔理沙は、真っ直ぐ自宅に帰ると、
残った102万円をテーブルの上に放ってから、ベッドに飛び込んだ。
霊夢の喜ぶ顔が見たかったけれど、本当の笑顔というものはお金で見れるものではないのではないか。
宝くじが当たったら、くじを紛失したり賞金が台無しになるパターンを回避しようと散財した。
しかしそんなパターンが実際に己に降りかかるかどうか、どうして解ろう?
大金が転がり込んだために冷静さを失い、大金を持ち続ける不安から逃れるために散財したのではないか?
いっぱい買い物をしすぎて、とても持ち切れないから自宅まで配送してくれるよう手配している。
それを、わざわざ届けてもらってまでキャンセルするのは申し訳ない。
使ってしまった分は仕方ない。もう取り戻せない。
まったく必要ない物ばかり買った訳でなし、とはいえ必要な物を買ったという訳でもなし。
この102万円は、どう使おうか。
ベッドから起き上がった魔理沙は、とりあえず2万円を財布に入れ、
残った100万円という札束を粗末な袋に入れて、ベッドの下に押し込んだ。
これで他のガラクタと混ざって、泥棒が入ってきてもどこにお金があるか解るまい。
100万円の使い道が思いつくまでこうしておこうと決めて、魔理沙は再びベッドに寝転んだ。
今なら、自分の精神テンションが尋常ではない領域で大暴れしていたと解る。
精神を落ち着かせてるための期間は、霊夢の言った通り必要なのだ。
お金は、本当に大切だから。
けれど、それ以上に大切なものがあるから。
(――このお金は、霊夢に関わりのある形で使いたいな)
ぼんやりとそんな事を考えながら、魔理沙はまぶたを閉じ、浅い眠りに落ちた。
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
魔理沙が帰ったので、霊夢は居間に戻り、部屋の隅に放ってあった『文々。新聞』を取ってきた。
「天狗くじか……そういえば、当選番号の発表は今日だっけ」
棚にしまってあった天狗くじも取ってくると、新聞に掲載された当選番号と見比べる。
「魔理沙はいくら当てたのかしら……100万以上なのは確実だけど、
金に目がくらんであんな風になるだなんて、まだまだ青いわねぇ。
世の中お金だけど、お金だけじゃないって理解してくれればいいんだけど」
とりあえず一番上、つまり一等賞から確認してみる霊夢。
天狗くじ一等の当選番号。
DQ組 838861
霊夢の買った天狗くじの番号。
DQ組 838861
一等の当選金額――1億円。
その瞬間ッ! 霊夢の精神テンションは有頂天を突破し大空に輝く太陽の領域に達し天照大神と握手ッ!!
「世の中お金ッ! それ以外は幻想ッ!!」
こうして魔理沙が100万円というささやかな幸せを大事にしまっている間に、
霊夢は神社を三倍の大きさに建て替えて内装も豪華にするよう大工に注文し、
さらに賞金を元手に大きな商売を始める準備を始めちゃったりもなんかして、
数年後には幻想郷一の大富豪として君臨しつつ金運の現人神として崇められたりしたそうです。
終わるのかー
当選番号の発表は天狗の発行する新聞で行われ、もちろん『文々。新聞』にも掲載される。
三等500万円に魔理沙は当選した。
「嘘だろ……」
普段通りの朝ご飯の時間、コーヒーを飲みながら魔理沙は天狗くじの発表が今日だと思い出した。
今朝玄関先で拾ってきた『文々。新聞』は、読む気はなかったが丁度テーブルに置いてあった。
酔った勢いで買った天狗くじだが、もしかしたら数百円くらいは当たってるかもしれない。
なんて、安い気持ちで確認をしてみた。
天狗くじ三等の当選番号。
SG組 121314
魔理沙の買った天狗くじの番号。
SG組 121314
「やったァーッ、メルヘンだッ! ファンタジーだッ! 幻想郷は本当にあったんだッ!!
香霖へのツケを一括返済してさぁ~度肝を抜いてやろうかなぁ……うふふ、ふふ、うふふふふ」
魔理沙の脳内でファンファーレが鳴り響き、夜空(現実は朝だが)に大量の花火が上がった。
500万といえば大金だ。
現代の価値に換算すると500万にもなる。
幻想郷は現代であり、外の世界と通貨の価値が同じ方が解りやすいから、なんらおかしい点はないのである。
「さっそく換金に行くか! ええと、換金場所は……妖怪の山の麓に、妖怪銀行っていうのがあるのか。
朝ご飯なんか食べてる場合じゃないな、今なら文より速く飛べる気がするぜ!」
こうして当たりくじを握りしめた魔理沙は、残っていたコーヒーを一気飲みして舌に軽い火傷を負い、
椅子から転げ落ちて頭を打って悶えたりしてから、箒にまたがって妖怪の山に向かってかっ飛んだ。
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
「ルーミアだよー、お腹が空いたから通行料になにか食べ物を――」
「マスタースパーク!」
「ぴちゅーん」
「あたいは最強の妖精チルノ! この湖の上を通りたかったら私を倒し――」
「かめはめ波!」
「ぴちゅーん」
「リグルです! 一寸の虫にも五分の魂、虫の地位向上のため虫愛護団体に寄付を――」
「魔閃光!」
「ぴちゅーん」
「ここを通りたければ私ミスティアの屋台で値段三割増しの大特価八目鰻を――」
「ファイナルフラッシュ!」
「ぴちゅーん」
熱い心、面ボスで繋いでも、今は無駄だよ。邪魔する奴はスペルひとつでダウンさ。
金で鼓動、早くなる。私の鼓動、早くなる。
銀行求めさまよう箒、今、熱く燃えてる。すべてボムり、無残に飛び散るはずさ。
「ふぉおお~……今の私を止められる者がこの幻想郷にいようはずがなかろうなのだ……」
ああ、素晴らしきかな金銭欲。
お金を稼ぐのは善行だって映姫様が言ってた。
だから魔理沙の行いは閻魔のお墨付きの正しさなのは、疑いようのない事実。
「そう、これは正当防衛!! なぜなら宝くじが当たった者は、高確率でくじを紛失するッ。
これは一次創作二次創作を問わず今や常識! 私に近寄る奴は容赦しないぜー!
おう、あれに見えるは新聞に写真つきで載っていた妖怪銀行!
待っててねー、愛しい愛しい500万円ちゃ~ん。うふっ」
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
【森近霖之助の被害報告】
香霖堂の戸を開く者が客とは限らないという事実を霖之助は憂いていた。
いや、ある意味では客もしれない。ちゃんとツケを払ってくれるなら。
戸を開けて入ってきたのは、まさしくツケを払わない代表人物の一人、魔理沙だった。
「やっほー香霖」
「やあ魔理沙、今日はなにを強奪するつもりだい?」
「ツケを一括返済に来たぜ」
「エイプリルフールならとっくにすぎているよ。それとも本当に払ってくれるのかい? 30万円」
「ほい30万円」
ポンと手渡される。
なんだろう、この紙の束は。霖之助は不思議に思った。
河童脅威の技術力で見事な印刷がされたそれは、偽装不可能の通貨、お札によく似ていた。
『おふだ』ではなく『おさつ』だ。つまりお金だ。
しかも壱万と書かれた札が30枚ぴったしあった。
意味が解らない。
そこで霖之助は道具の名前と意図を知る能力を行使する。
名前、壱万円札。
意図、現金。
すべてを正しく理解した、しかし真実は時として虚構以上の被害をもたらす。
あまりの衝撃に霖之助の精神キャパシティは限界を突破し、自我の崩壊を選択したのだ。
「香霖? 寝ちまったのか? 仕方ない奴だなぁ。毛布くらいかけといてやるか」
「う~ん、ピンクのカバさんが東の空を飛んでいる~」
「なんの夢を見てるんだか、まったく」
森近霖之助、自我の崩壊から回復するまで三日三晩寝込む。
魔理沙の残金、470万円。
【パチュリー・ノーレッジの被害報告】
動かない図書館が動いた珍しい日であった。
本の虫であるパチュリーは小悪魔を連れて外出し、人里の本屋を訪れていた。
「たまにはこういうのもいいわね。図書館に置く価値がない低俗な本がいっぱいあるわ」
「あんまりたくさん買っても持ち切れませんよー。財布には2万円しか入ってませんし」
「特殊な魔導書を買おうって訳じゃないし、2万円もあれば十分買えるわ」
「せっかく買った本が魔理沙に盗まれないよう、注意しないとですね」
小悪魔が冗談交じりに言う。すると。
「呼んだか?」
大量の本を抱えた魔理沙が現れた。
ここは本屋なので、これが意味する事はひとつ。
「こんなにも堂々とした万引き、初めて見るわ」
「失敬な、万引きじゃないぜ」
「そうね、万引きなんて安い言葉で誤魔化してはいけないわね。窃盗という名前の犯罪行為よ。
一冊盗まれたらその損害を取り戻すために同じ本を十冊は売らねばならないそうね。
つまり500円の本を万引きされたら、店側の損害は500円ではなく5000円。
万引きという安い言葉で罪悪感を麻痺させた馬鹿の手によっていったい何軒の本屋が潰された事か……」
「なんの話をしてるんだ?」
「魔理沙の万引きを止めようとしているのよ」
「失敬な。ちゃんと買うぜ」
「え」
魔理沙は山積みの本をレジに持っていくと、財布から壱万円札の束を取り出して支払った。
本の中には値段の高いものがたくさんあり、金額は相当のものだった。
とても魔理沙に払える額ではない。しかし実際、札束を出して払っているのだ。
「ゴバッ」
ありえない光景にパチュリーは血を吐いた。
慌てて小悪魔が駆け寄り、倒れそうなパチュリーを支える。
「パチュリー様、しっかり!」
「ば、馬鹿な……喘息持ちのせいで病弱だと誤解されがちだけど、喘息以外に病気はないというのに……。
血を、吐くだなんて……喘息で血を吐いたりしないのは、リアル喘息持ちの作者もよく解っているはず……。
それなのになぜ……私は血を吐いているの……なにが起きたというの……」
「パチュリー様ー!!」
パチュリー・ノーレッジ、原因不明の吐血により三日三晩寝込む。
魔理沙の残金、465万円。
【アリス・マーガトロイドの被害報告】
人里を訪れたアリスは、ふと目についた人形屋に入ってみた。
はっきり言えば、なにも買うつもりはなかった。材料さえも。
どうせ自分が使っている物に比べれば、たいした物は置いてないだろう。
その想像は正しく、アリスから見れば不良品ばかりだった。
しかし拙い人形というのも味があり、未熟だった過去を思い出させる。
ひとつのビスクドールが目につき、予想外に出来がよく感心した。
値段も70万円と高く、納得できるだけの美しさと完成度だ。人間の人形職人もなかなか侮れない。
「なんだアリス、その人形が欲しいのか?」
ふいに声をかけられ、振り向くと魔理沙が笑みを浮かべていた。
「あなたがこんなお店に来るなんて、明日は雨かしら」
「アリスが見えたからさ。そうだな、普段色々と世話になってるし、それ買ってやるよ」
「……は?」
「すいませーん、この人形くださーい」
アリス・マーガトロイド、魔理沙に買ってもらった人形を箱ごと抱きしめて三日三晩引きこもる。
魔理沙の残金、395万円。
【上白沢慧音の被害報告】
「うむ、いい出来だ」
支払いを終えた慧音は満足そうにうなずいた。
老舗の呉服屋にて、慧音は高級な素材をふんだんに使ったパーティードレスを特注していたのだ。
「ふふふ、妹紅の驚く顔が目に浮かぶ。今度紅魔館で開かれる、人間と妖怪の交流パーティー……。
そこで妹紅は華となるのだ。もんぺ姿に見慣れた皆は驚くだろう、妹紅がどんなに美しいかを知って。
いやそれにしても実に素晴らしいドレスだ、主役であるレミリアの出番を奪ってしまいかねないな。
蛍雪の思いで貯めに貯めた貯金をはたいてのプレゼントだ……妹紅がどんなに喜ぶか!」
慧音が薔薇色の妄想をしていると、彼女に気づかずやって来た魔理沙が威勢よく注文した。
「へい! この店で一番上等なパーティードレスを見繕ってくれ、今度紅魔館でパーティーがあるんだ!」
「一番上等となりますと、100万円ほどしますが……」
「予算の範囲内だぜ!」
「ではまずサイズを測りますので、こちらにどうぞ」
「よろしく頼む」
自分に気づかず奥に入っていく魔理沙を見て、
慧音は自分が十数万もの大金をはたいたドレスが急にみすぼらしく思えてきた。
ああ、ダメだ、こんな情けないドレスを妹紅に着せては恥をかかせてしまう。
レミリアや輝夜に笑われてしまう。
頬を濡らしながら、渡せぬプレゼントを抱えて慧音は店を飛び出した。
上白沢慧音、プレゼントをしまいこんで三日三晩自宅に引きこもる。
魔理沙の残金、273万円。
【その他の被害報告】
「みょん!?」
魂魄妖夢、色々あって三日三晩寝込む。
「ゆかれいむが非ジャスティス!?」
八雲紫、色々あって三日三晩寝込む。
「YES! NEET LIFEッ」
蓬莱山輝夜、色々あって三日三晩引きこもる。
「自分探しの旅に出る、それが今の私にできる善行です」
四季映姫、色々あって三日三晩行方不明になる。
「現人神である私が魔理沙さんに……魔理沙さんにこんな、こんな、アアッ! ……ふぅ」
東風谷早苗、色々あって三日三晩信仰に走る。
魔理沙の残金、色々あって102万円。
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
散財……! 正気の沙汰とは思えない散財……!!
賞金500万円がほんの半日で102万……!! 使用金額398万円……!!
しかしこれは完全で瀟洒な計算の上での行動であった。
「この調子で残り102万も使い切ってやるッ!
こういう賞金はもらう前に駄目になるパターンと、もらってから駄目になるパターンがあるからな。
例えば高価なものをぶっ壊して弁償とか、病気の子供に出会って手術代を肩代わりみたいな!
だがしかし、そんな隙を与えない知的でクールな霧雨魔理沙は即効で使い切るぜ!
物に変えておけば安全だろうしなぁ~……ファハハハハハッ!! 人生面白すぎて涙が出そうッ。
もしも並行世界というものがあれば、間違いなく私はパラレル魔理沙の幸運を吸い取ってるぜー!」
完全で瀟洒な計算の上での行動とはいえ、やはり金は人を変える。
金銭感覚とともに常識感覚を壊した魔理沙の精神テンションは今、キャラ崩壊寸前であった。
「しかし困った、もうお金の使い道を思いつかない。
アレも買ったし、コレも買ったし、ソレも買ったし……そうだ、神社に行こう。
賽銭箱に札束を放り込んでやれば、霊夢は感動の有頂天に達し生涯最高の笑顔を魅せてくれるだろうッ!!」
賞金で新調したスカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ箒、略してスカタン箒をかっ飛ばす。
その速度は従来の箒の三倍、という訳ではないが三倍気分になれる爽快さがあった。
ああ、風と一体になって飛ぶとはなんと気持ちのいい事か。
いや、自分は今、風を追い越して飛んでいる!(気がする)
すなわち幻想郷最速の射命丸文を超えた!(と思う)
時代の風は霧雨魔理沙を選んだのだ!!(妄想)
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
神社に到着すると、境内を箒で掃除している霊夢の姿があった。
やって来た魔理沙に気づいて顔を上げ、微笑を浮かべる。
(ふふふ、その微笑を生涯最高の笑顔に変えてやるぜ)
軽やかに神社に舞い降りた魔法使い魔理沙は、ニタニタ笑顔で挨拶した。
「よう霊夢! 今日は最高にご機嫌な天気だな!」
「そう? 晴れてはいるけれど、普通に雲もあるわよ」
「細かい事を気にするな! 気にする奴は心が狭くてひもじい奴だ!」
「ひもじくて悪かったわね」
「ところでご機嫌なお賽銭箱は今日も大盛況か?」
「嫌味か」
怒った素振りを見せる霊夢の横を通り抜け、魔理沙は一直線に賽銭箱に向かった。
「ちょっと、イタズラとかしないでよ?」
賽銭箱に賽銭を入れない人間の筆頭である魔理沙に、霊夢は欠片ほども期待していないようだ。
だかからこそいいッ。
だからこそやりがいがあるッ。
魔理沙は意味深に賽銭箱の前に立ち止まり、霊夢は見張るように賽銭箱の横に立った。
ニヤリ、と。笑う魔理沙を見て霊夢は目を細めた。
「ふっ……ふふふっ、うふふふふっ……霊夢、これを喰らえ!」
懐から札束を取り出す魔理沙、その枚数実に百枚、100万円ジャスト!
その圧倒的威力が賽銭箱に叩き込まれようとした瞬間、その腕を霊夢の腕がガッシリと掴んだ。
「イタズラ禁止」
「フッ……解ってないようだな霊夢、これはオモチャのお札でも、偽札でもないんだぜ……?」
魔理沙の手を下げさせてから、霊夢は手を離した。
「見れば解る。一キロ先の百円玉と一円玉を見分ける私の眼力をナメてるの?」
そんな特殊能力を体得していたのかと魔理沙は感心する半面、物悲しい思いがした。
しかし、そんな能力も今日この時から不要と化すだろう。
この幸せを呼ぶ白い黒い魔法使い霧雨魔理沙さんによる友情サプライズによって。
「へへっ、銀行強盗してきた訳じゃないぜ。宝くじで当たったんだ」
「宝くじ? 天狗の?」
「あぶく銭は威勢よく使わなきゃな! 創作作品の宝くじの法則もあって、所持してるのは危険だし」
「なによそれ」
「とーもかく、この100万円は賽銭箱に放り込む。霊夢ッ、最高の笑顔を頼むぜー!」
今度こそと魔理沙は札束を賽銭箱に放り込んだが、入る直前、薙ぐような霊夢の腕が軽やかにキャッチした。
「いくら当たったか知らないけど、こんな使い方がありますか。頭を冷やしなさい」
「な、なにぃッ……!?」
まさかの行為ッ! 霊夢は100万円を突っ返したー!?
正気か、正気なのかこの巫女は!!
YES! 正気だからこその行為なのだ。
「お金ってのは、とても大切なものなのよ。いくらあぶく銭だからって、粗末な使い方をしたら申し訳ないわ」
「粗末って、でも、お賽銭だぞ? 霊夢だってお賽銭に札束が入れば嬉しいだろ?」
「嬉しいけど、こういうのはなんか違う気がする。
あんただから言ってんのよ魔理沙。知らない人がそれを入れてくれるなら、喜ぶところだけど……。
その様子じゃ、もう幾らか使ってそうね。
それは持って帰って、二、三日くらい頭を冷やしてから、使い道を決めなさい」
こうして追い出された魔理沙は、真っ直ぐ自宅に帰ると、
残った102万円をテーブルの上に放ってから、ベッドに飛び込んだ。
霊夢の喜ぶ顔が見たかったけれど、本当の笑顔というものはお金で見れるものではないのではないか。
宝くじが当たったら、くじを紛失したり賞金が台無しになるパターンを回避しようと散財した。
しかしそんなパターンが実際に己に降りかかるかどうか、どうして解ろう?
大金が転がり込んだために冷静さを失い、大金を持ち続ける不安から逃れるために散財したのではないか?
いっぱい買い物をしすぎて、とても持ち切れないから自宅まで配送してくれるよう手配している。
それを、わざわざ届けてもらってまでキャンセルするのは申し訳ない。
使ってしまった分は仕方ない。もう取り戻せない。
まったく必要ない物ばかり買った訳でなし、とはいえ必要な物を買ったという訳でもなし。
この102万円は、どう使おうか。
ベッドから起き上がった魔理沙は、とりあえず2万円を財布に入れ、
残った100万円という札束を粗末な袋に入れて、ベッドの下に押し込んだ。
これで他のガラクタと混ざって、泥棒が入ってきてもどこにお金があるか解るまい。
100万円の使い道が思いつくまでこうしておこうと決めて、魔理沙は再びベッドに寝転んだ。
今なら、自分の精神テンションが尋常ではない領域で大暴れしていたと解る。
精神を落ち着かせてるための期間は、霊夢の言った通り必要なのだ。
お金は、本当に大切だから。
けれど、それ以上に大切なものがあるから。
(――このお金は、霊夢に関わりのある形で使いたいな)
ぼんやりとそんな事を考えながら、魔理沙はまぶたを閉じ、浅い眠りに落ちた。
◆◇◆◇◆¥¥¥¥¥◆◇◆◇◆
魔理沙が帰ったので、霊夢は居間に戻り、部屋の隅に放ってあった『文々。新聞』を取ってきた。
「天狗くじか……そういえば、当選番号の発表は今日だっけ」
棚にしまってあった天狗くじも取ってくると、新聞に掲載された当選番号と見比べる。
「魔理沙はいくら当てたのかしら……100万以上なのは確実だけど、
金に目がくらんであんな風になるだなんて、まだまだ青いわねぇ。
世の中お金だけど、お金だけじゃないって理解してくれればいいんだけど」
とりあえず一番上、つまり一等賞から確認してみる霊夢。
天狗くじ一等の当選番号。
DQ組 838861
霊夢の買った天狗くじの番号。
DQ組 838861
一等の当選金額――1億円。
その瞬間ッ! 霊夢の精神テンションは有頂天を突破し大空に輝く太陽の領域に達し天照大神と握手ッ!!
「世の中お金ッ! それ以外は幻想ッ!!」
こうして魔理沙が100万円というささやかな幸せを大事にしまっている間に、
霊夢は神社を三倍の大きさに建て替えて内装も豪華にするよう大工に注文し、
さらに賞金を元手に大きな商売を始める準備を始めちゃったりもなんかして、
数年後には幻想郷一の大富豪として君臨しつつ金運の現人神として崇められたりしたそうです。
終わるのかー
史上最高に綺麗な霊夢を見れたと思ったのにwwwwww
にしても面白かった。。
>現代の価値に換算すると500万にもなる。
このくだりは必要か?必要なのか?!
でも笑っちまったのさ~
>お見せ
お店
でも、同じ作者さんの魔理沙の幸せな姿が見られて嬉しくなりました。
これで腫れもひけばいい。
しゅーるだ
慧音ーー!! プレゼントは気持ちだー!! 笑う奴こそ恥なんだ!!!
しかしジョジョと言えば「その宝くじ本当に貴方が買ったんですか?」って絶対銀行で言われてそうだなww
「病気の子供に出会って手術台を肩代わりみたいな!」魔理沙が四つん這いになって背中に子供を乗せてる光景がwwww
こういうのって、なんか、笑顔になれるお話ですよね!
ちなみに俺もジョジョ四部でホントに賞金手に入れたのには興奮しました。そういうフラグクラッシャーもアリですよねw
何人かの被害報告がとても気になります。