Coolier - 新生・東方創想話

人形を作ろう

2010/03/11 01:51:58
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ある晴れた幻想郷の昼、搏麗神社の巫女、博麗霊夢は魔法の森へ向かって行た。
「え~と、確かこの辺だったはず・・。」
記憶を頼りに森をさまよう霊夢
「あ、やっと着いた着いた。」
森が少し切り開かれた場所に一つの小屋があった。そう魔法の森で住んでいるアリス・マーガドロイドの家だ。

二日前
「霊夢、ちょっと明後日なんだけど用事入ってる?」
「どうしたの急に。魔界にでも帰省するからそれまで留守頼むって?」
「誰も言ってないでしょ。そんな事。」
搏霊神社の縁側でお茶をすすっていると遊びに来たアリスが霊夢にそう言ってきた。
「もし暇なら家来ない?ちょっと3日後急遽人形がたくさんいる事になって人手が足りないのよ」
「明日からとりかかればいいじゃない」
「明日はちょっと用事があるのよ」
「それで明後日なのね」
お茶をすすりながら霊夢は答える。
(普段色々やってくれるしたまには恩返ししなきゃね・・・)
「どっかで人形劇でもやるの?まあいいわ。その代わりなんかお菓子でも出しなさいよ」
「抜かりないわね、クッキーぐらいなら焼いてあげるわ。じゃあ明後日の昼に宜しくね」
「ええ、分かったわ」


「しかし、私に人形なんて作れるのかしら?」
家に近づきながらも霊夢は言う。無理もない。人形は触った事はあるものの
作った事などあるはずもない。
コンコン
「アリスー。来たわよ~」
ドアを叩き依頼者の名前を呼ぶ。すると扉の向こうから声がした
「ちょっと待って、今行く」
ガチャ
「いらっしゃい霊夢。さあ中に入って。クッキーと紅茶、用意してあるわ」
「気がきくじゃない。まずは腹ごしらえね」
アリスの言葉に機嫌を良くした霊夢はアリスの後に続き家に入った。
「あ、魔理沙・・」
「よ! なんだ霊夢、手伝いに来たのか。まあ人数多い方が楽だしな」
「え・・まあ、そう・・ね」
「?」
「霊夢どうしたの?とりあえず椅子に座って。お茶にしましょ」
「ええ・・・」
すこし不満げに思う霊夢
(頼んだのって私だけじゃなかったんだ・・)
胸になにか靄がかかる・・。
口にはできない言葉を胸にしまい椅子に座る霊夢
「・・・・それで私が酒の勢いでついつい早苗の胸をわしづかみしてさー。その時の神奈子の顔ときたら・・」
「あんたはどこでも変わらないわね」
「魔理沙らしいわ」
こうしてしばしの間談笑が続いた。そして幾分か時は過ぎアリスは腰を上げた。
「そろそろ人形作りに取りかかりましょ。部屋は用意してあるからこっちに来て」
「ん? ああ」
「ええ」
アリスの一言で3人は椅子から立ちあがりアリスが人形を作るために用意をした部屋へ向かう。
その部屋には裁縫セットと生地、それと大きいソファー小さいソファー、小さな長方形の机があった。
「ここで手伝ってもらうわ」
「用意までしてるとは」
「結構本格的ね、てっきり魔法で作ってるかと思ったわ。」
「魔法を使うのは完成した後よ。それより始めるわよ。いい?」
「「いいわよ(ぜ)」」
「最初はまずどれくらいの人形を作るか思い浮かべてそれにあった大きさの布を・・」
アリスが本格的に説明を始める。
「・・まあ最初の説明はこれぐらいでいいわ。お願いね。」
こうして簡単な説明を受けた霊夢と魔理沙は人形を作り始める。
「ここを・・・こうか!」
順調に人形を作り始める魔理沙。
一方霊夢は・・。
「なかなか難しいわね・・。え~と、ここに糸を通して・・・こうして・・」
「あ、霊夢そこはそういう縫い方じゃなくて・・」
「え?違うの・・痛!」
「大丈夫?」
「おいおい、大丈夫か?ここは並縫いじゃないぜ?」
「何でもいいじゃない!要は縫えばいいんでしょ?」
「駄目よ。人形がほつれ易くなっちゃうから。面倒だと思うけどお願い。」
「しょうがないわね・・」
ぶつくさ言いながらも言われたとおりに作業にとりかかる霊夢。
「それにしても魔理沙は順調ね。昔何かやってたの?」
「ん?いや、趣味でちょっとな」
「へ~、ちょっと意外だわ」
順調な魔理沙と最早いくつか人形を作っているアリスは話しながら作業をし始めた。
一つ一つが困難な霊夢は話に入れる暇など無く、靄が濃くなっていく。
そして少し時間が経ち
「こんな感じだろ!」
遂に魔理沙が人形を作り上げた。それはアリスが愛用している上海人形に似ていた。
「ええ、凄いわ魔理沙、私が作ったのと変わらない!」
「手先は器用だぜ☆霊夢はどうだ?」
「な・・、ま、まだよ・・」
「ああ、そこか、そこはまず裏返してだな・・・」
「魔理沙、私が教えるからあなたはもう一つお願い。まだ足りないんだから。
霊夢ここはね・・」
「・・・うん」
こうして時間が経ち、日が沈み始めるころ・・。
「これだけあれば十分ね、二人とも、有難う」
「やっと終わったか~」
「・・・・」
また靄が濃くなっていく。そしてそれと共に何か悔しい感情が芽生えた。
人形作りがやっと終了した。
「しかし、あたしはこんなにも器用だったんだな。こんなにも出来たぜ。」
魔理沙が作ったのは小さな袋にいっぱいの人形。
その人形が入った袋を自慢げに持ち上げる。
一方霊夢が作ったのは数えるほどの数だった。
「・・・。」
「霊夢はこういうの苦手みたいだな、まあ得手不得手なんてあるのはしょうがないぜ。まあ私と比べちゃしょうがないな!」
「!?」
この言葉が引き金になり、
「魔理沙!  霊夢。ありがとね。おかげで・・」
芽生えた感情が歪な表現方法をとり爆発した。
「・・るさい」
「え?」
「うるさいのよ!」
「霊夢・・・」
「おい、どういしたんだよ?」
「どうせ私はまともに頼まれた事一つまともに出来やしないわよ!」
「そんな事な・・」
「だから魔理沙を呼んだんでしょ!?私一人では力不足だと見込んで、そうなんでしょ!?」
「おい霊夢、あたしは・・」
「実際そうだったしね!結局・・私は・・・アリスの役には立てれないのよ!」
そう言い放つと霊夢はアリスの家を飛び出した。
「霊夢!」
アリスは追いかけようとしたが、霊夢の姿はもう見えなかった。
「・・・とりあえず片づけよう・・」
「ええ・・」
二人は使わなかった布や裁縫道具を片づける事にした。
その途中アリスは見つけた。
霊夢が座っていた場所に強い力で握りしめられていた布を・・。


翌日 搏麗神社
「・・・・はぁ。まさに恩をあだで返すだったわ」
昨日の事に対して後悔している霊夢。無気力に畳に寝転がって溜息をついてばかりいる。
「アリスと魔理沙に謝らなきゃ・・でもどうやって謝ろう・・。
それにアリスは今日はなんか用事あるみたいだし・・」
独り言をつぶやきながらやはり畳に寝転がっている霊夢。
「・・・・よし!」
一息気合いを入れて霊夢は起きあがる。
そして裁縫箱を取り出し作業に取り掛かった・・。

そして日が暮れ始めたころ
「よし出来た!そろそろアリス帰ってきてるかしら・・」
霊夢は一日使って出来上がった物を
「霊夢さーーーーーん!!!」
「?」
霊夢を呼ぶ声が聞こえた。それは外からだった。
外を見ると一つの影がこちらに近づいてくる。
「文?」
文と呼ばれる人影は搏霊神社の庭のすぐ近くで急ブレーキをし、何事も無かったように庭に降り立った。
「そうです!清く正しく射命丸文です!それより今から行きますよ!」
「え?行くってどこへ?」
「紅魔館です!」
「紅魔館?なんで?え、ちょ、」
霊夢は強制的に文に連れてかれた。しかし、作ったものは手放さず持っていた。



「連れてきました!」
「あんた、もうちょっと人の事考え・・・え?」
文が降り立ったのは紅魔館の大広間のバルコニーだった。
そして大広間にはアリス、魔理沙、他の幻想郷の霊夢と関わりがある人、妖怪、幽霊などがいた。
「ようやく主役の登場か!」
魔理沙は酒を片手霊夢に近づきにそういう。
「主役?どういう事よ?」
「忘れたの霊夢?今日は・・」
アリスはやさしく微笑み話す
「あなたの誕生日よ」
「あ・・・・」
「そんなことより宴だー!」
主役が来た事により誕生日会と言う名の宴が始まった。
「それでは私はレミリアさんに取材をしに行ってきます!何故霊夢さんの為に紅魔館を使わせたのか、真実を確かめに!これは記事になりそう~♪」
文がいなくなりバルコニーには2人が残された。
「あ~昨日は悪かったな。お前の気持ち考えずに」
魔理沙が調子悪そうに頭を掻きながら話す。
「え、いや、私が勝手に癇癪起こしてだけだし・・」
「あたしは呼ばれた訳じゃないんだ」
「!?」
「たまたまアリスから借りてたものを返しに来てたんだ。それでクッキー焼いてる途中だったから食ってから帰ろうとしていたんだ。
そしたらなら人形作るっていうからおもしろそうだと思ってな・・・」
「そうだったの・・・」
「ああ、だからアリスはお前だけを呼んでたんだ。だからアリスにそう怒るなよ?」
「怒るも何も私のただの勘違いじゃない!」
霊夢は顔を真っ赤にしてしゃがみこむ。顔のほてり冷めた後アリスを探す
アリスはどこだろう・・アリスは遠くで咲夜に中に何か入った袋を渡していた。
「あれは人形だ。昨日作ったな」
「人形を?どうして?」
「フランのおもちゃだってさ。あれからあたしとアリスの魔法で頑丈にした人形をフランのおもちゃとしてやるんだとさ」
「それで人形が・・。でもなんで急に人形をフランに?」
「レミリアがただで紅魔館を貸す訳無いだろ?人形との交換条件だよ。相当困ってたらしいからな。フランのおもちゃに。」
魔理沙は笑いながら説明した。
ふと霊夢の脳裏にアリスの言葉がよみがえる・・

「明日はちょっと用事があるのよ。」

あれはレミリアと交渉しに行ったんだ・・。
「アリス・・・」
遠くで他の妖怪たちと話してるアリスを見てつぶやく。
「主催者様に感謝しとけよ」
魔理沙はそれだけ言い残して立ち去ろうとした。
「魔理沙!」
「なんだ?」
「今度、お茶、御馳走するわ。」
「いつものよりマシなもの頼むぜ。」
そう言うと魔理沙は宴の輪の中に入って行った。


「・・・・・。」
「どうしたの、貴女が主役よ?」
「アリス・・。」
魔理沙との会話を終えてからしばらく一人バルコニーでいた霊夢にアリスは声をかけた。
「昨日はご免ね。勝手に飛び出して。」
「ううん。私たちも貴女の事考えずにいたんだもの、お互い様って事にしない?」
「そうね。」
二人して笑ってしまった。
「そうだ、これ・・・」
霊夢はアリスに持ってきた袋を差し出す。
「一日かかってこれだけど・・。」
「これは・・人形? わたしの?」
「うん。昨日教えてもらった事教えてもらったから折角だったし・・」
「有難う!嬉しいわ!それから・・」
「ん?」
「誕生日、おめでとう!」
(´-ω-`;)ゞポリポリ・・・・右も左もわからないのに書かせて頂きました。ご指導、ご鞭撻、ご感想お待ちしておりますm(_ _)m
香具施
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コメント



0.1550簡易評価
4.90名前が無い程度の能力削除
霊夢とアリスのこのほんわかした関係はええのう
続きplz
10.90名前が無い程度の能力削除
是非レイアリを書き続けて頂きたい。

表現とかその辺の技術的な所は分かりませんが
文章作法的なものは、調べればすぐ分かると思うので、次回の成長に期待。
11.60名前が無い程度の能力削除
場面転換やキャラの心情変化が急過ぎて、ちょっとついていけませんでした。
もう少し地の文を活かして描写してみてはどうでしょうか。
あと三点リーダの使い方等は知識として覚えておいて損はないかと。

レイアリは大好物ですので、是非もっと書いて欲しいですね。
12.100名前が無い程度の能力削除
 レイアリイズマイジャスティス!
 人形作り手伝いのストーリーが面白かったです。

 恐縮ですが、一つ気になった点は、字下げや、句読法、鉤括弧、感嘆符、…と・などの用途が、少し文章を読みにくくさせてしまっていることです。
○例
「実際そうだったしね!結局・・私は・・・アリスの役には立てれないのよ!」
→「実際そうだったでしょう! 結局……私は……、アリスの役には立てれていないのよ!」
 ・(中黒、中点)は、「アリス・マーガトロイド」や「レミリア・スカーレット」のように人名に。
 …(三点リーダー、点々)は、無言や語尾の余韻表現で、使用するときは2つ続けます。
「!」や「?」を使った後に文章が続く場合は、1字空白を。
 あと、鉤括弧の文末の「。」は、SSでは省略するのが一般的らしいです。統一を。
○例2
搏霊神社の縁側でお茶をすすっていると遊びに来たアリスが霊夢にそう言ってきた。
→ 霊夢が神社の縁側でお茶をすすっていると、遊びに来たアリスが霊夢にそう言ってきた。
 このように、主語・読点のない場合、読み手にちょっと混乱を与えるかもしれません。主語・読点を少し入れるだけで、誰が、誰に、どのように行動したのか、読み手の頭にすっと入りやすいかも。
○その他誤字・誤用
・搏霊神社→博麗神社
・アリス・マーガドロイド→アリス・マーガトロイド
・向かって行た→向かっていた or 向かっていく
・森をさまよう霊夢→森をさまよう霊夢。(句読点)
・恩をあだで返すだったわ
 →恩をあだで返すようだったわ or 『恩をあだで返す』だったわ(比喩表現)
・一方霊夢が→一方、霊夢が(接続詞)

私も精進している身なのに、長文で偉そうなことを言って申し訳ありません。
お互いがんばりましょう!
17.100名前が無い程度の能力削除
是即恋慕「博麗人形」也
19.100木風削除
拝見させて頂きましたb
ほんわかしてるレイアリですね^^

これからも頑張って下さい♪
20.100奇声を発する程度の能力削除
霊アリは素晴らしいものだ!!!

もっと広がれ霊アリの輪!!!
32.80ずわいがに削除
これは「レイアリ」というよりもまだ友情が際立ちますね。いや、良い意味で。

不器用さ故に感じる劣等感……わかる、わかるぞ霊夢ぅッ!
37.70名前が無い程度の能力削除
「あたし」魔理沙がちょっときになりましたが、
全体的にはよかったと思います。
40.100名前が無い程度の能力削除
劣等感を感じちゃう霊夢可愛い
47.90非現実世界に棲む者削除
うん、良いねこういうの。私好みです。