見直しをしっかりしていない為おかしい場所があるかもしれません。
この話のアリスは皆に対して愛情を抱いている。が、霊夢へは愛を超越した(かもしれない)感情を持っています。
なおこのSSには一部に勇○王、ブレ○パワード、エ○ァ、D○Zのネタがあります(ほんのちょっとですが)
私は思う。
友達が多いのはとても楽しいことだと。
様々なタイプの子とそれぞれ違った話ができて楽しいから。
一緒にお茶したり、宴会でも楽しく盛り上がったり、悩み事を一緒に悩んだり、つまらないことで笑い合えるから。
私は思う。
友達が多いのはとても幸せなことだと。
友達がいないのはとても孤独で寂しくて悲しくて、私はそれを知っているから。
優しいお母さんが、明るい姉妹たちが、周りにいてくれたから今私はこうして笑っていられる。
でも、私は思う。
こんなことは贅沢な考えだと理解している。傲慢と言ってもいい。でも思わずにはいられない。
だから思う。
友達が多いのはとても疲れることだと。
…
「おーっす、アリス!遊びに来たぜ!」
勝手に勢いよく進入してきた女の子。
私のより色が濃くてふわふわの金色の髪の毛に、金色の瞳。私よりも1,2回りほど小さな古風な魔法使い。
霧雨魔理沙。仲のよい友人の1人。
彼女は見た目の愛らしさに凄まじい反比例で態度が粗雑である。
「…女の子らしくなんて言わないけど、せめてもう少し大人らしくノックの1つもできないの?」
「いいじゃないかそんなの。それに…」
でも粗雑なのは皮だけ。強がりのはりぼて。皮の中、その心中はというと。
「…好きな奴の家に1秒でも早くたどり着きたいじゃない…か」
誠に乙女な子である。
「そこよ。あんたがお子様なのは」
「え?」
さらに言うと。
「好きなら尚更気を使いなさい。そんなんじゃただでさえ高くもないあんたの株がどんどんと下がる一方ね」
「え…ええ!?あ、アリスってそんなに私のこと嫌ってたの…?」
「あら、自分が好かれていたとでも?」
「え…!?う、あうぅ…ありす…」
何時も能天気ににぱーっと生きているように見えるが、実際とても泣き虫でとっても甘えん坊で、
「…ふふ、そんな訳ないでしょ?」
「え…ほんとか?私のこと嫌いって思ってない?」
「勿論。もう、情けない顔ね。綺麗なお顔が台無しよ?」
「あ、ありす…」
とっっても可愛らしくて、
「…」
「どうしたのまり」
「さあ、アリス!今こそ!私たちはシンメトリカルドッキングするんだぜぱぁ!!」
「シャンハーイ」
「上海、あなた実は自律してる?命令してないもの」
とっっっても調子に乗りやすい子なのだ。
…
「さて、そろそろ時間ね。上海、蓬莱、来なさい」
「シャンハーイ」
「ホラーイ」
「ゴリアテー」
「悪いけどあなたはお留守番よ」
「…テー」
向かう先は紅魔館の地下に存在する大図書館。
目当ては魔道書の貸し出しと返却。及びお茶会。
「いらっしゃいアリス。今咲夜がティーセットを持ってきてくれてるわ」
「こんにちはパチュリー。私もお菓子持ってきたわ」
図書館の長。紫色の流れる髪に、深いラベンダー色の瞳。華奢な体で大きな椅子に腰掛ける生粋の魔女。
パチュリー・ノーレッジ。彼女もまた、友人。
「今日はチョコレートの盛り合わせ持ってきたの。丁度あなたも疲れたでしょう?妖怪だって糖分が不足すれば思考が低下するし」
「食事はいらない体とはいえ、あるに越したことはないわ。…あら、カトルカール、ショコランジュにレミントンとは…こんな凝るなんて、やっぱりあなた魔女らしくないわね」
「そりゃ結構」
「褒めてるのよ」
「そりゃどうも」
そう言って本に視線を落とす彼女。私も見繕ってきた本に視線を向ける。今でこそもう慣れたものだが、彼女の本好きは筋金入りだ。
だがしかし、彼女も魔理沙と同じで、普段は本以外無関心なように見えるがそうではない。
…視線を感じる。じーっと。これにももう慣れた。彼女はこれがばれていないと本当に思っているのか。心なしか視線に熱いものを感じる。うん。いい加減気づかせてあげないといけないと思う。
「…」
「…何かしら」
「えっ!!いやその!!」
目に見えて動揺する彼女。魔理沙と同じ。何時ものドライはやっぱりはりぼて、中身は乙女。歳など関係ない。
「ああ!そう、今日のお菓子もおいしいからお礼を言おうと」
「まだ口つけていないじゃない」
「あ…」
全く、彼女も可愛い。
「それにあなた何時も見てるじゃない?私のこと」
「…へ?」
「もしかしてばれてないとでも思った?」
瞬間、真っ赤になる顔。魔理沙といい彼女といい、解り安すぎる。
「あのそのっ違うのそんないやらしい意味じゃないのよただ」
「あらやだ、そんな目でみてたなんて」
「だから違う!…ただ、いつも綺麗だなって」
「…」
ただ一つ、魔理沙との違いは、ときたま反撃が帰ってくること。
「ありがとう、パチュリー」
「あああもうなんで私がこんな恥ずかしい目に!アリス、あなたの責任よ!罰としてあなたは今すぐ私とダブルリバイバルしなさばっ!?…むきゅー」
「ホラーイ」
「うーん、あなたまで勝手に飛び出して。やっぱり自律?」
でも基本的には彼女と同じで調子に乗りやすい性質なのだ。
…
「あらアリスいらっしゃい…それとパチュリー様、お休みになられるのなら寝室で寝られた方が疲れが取れますよ」
「あ、咲夜」
「ごふ…あの人形の出力侮れないわ…こ、小悪魔…」
「は、はい」
小悪魔に担がれてパチュリーが出て行く際に丁度一人のメイドが部屋に入ってきた。
月の光を映したような銀髪に、時折見せる深紅の瞳。銀製の懐中時計を腰に吊るし、手には盆に乗った真珠製のティーセット。
十六夜咲夜。彼女もまた、私と親しい女の子。
「パチュリー様がまた何かやらかしたのね」
「まあ、ね。あの子ももう少し落ち着けば威厳も出てくるのに」
「本ばっかり読んでるから100歳超えても初心なままなのね」
「まるで耳年増って言ってるみたいね」
「いやですわ、ここはわかっても言わないのがマナーです」
咲夜と話をしてると何だか時間を忘れてしまう。多分、彼女が会話術に長けているだけでなく、単純に話の波長が合うのだろう。
言葉のキャッチボールがなかなか成立しづらいこの世界にとって彼女の存在は一種の癒しのような気がする。
「どうしたのアリス。じっとこっち見て」
「語彙サロンってありかしら」
「…胡散臭いことこの上ないわね」
「よねー」
どれくらいだろうか。ふと窓の外を見ると、もう太陽が傾き始めていた。あっという間。まるで咲夜の世界にいるようだった。
「そんな訳ないじゃない。あなたとの時間をそんな短縮などするものですか」
「あら、嬉しいこといってくれるわ」
「またくるでしょう?」
「ええ。あ、咲夜にも、はい」
そう言って咲夜に皆の分のチョコが入ったバケットを手渡す。
「あ…、お嬢様がたはともかく、私まで頂いていいの?」
「うん。咲夜の入れる紅茶は何時もおいしいから。お礼ってわけじゃないけど」
「…あ、ありがとう」
「なぁに?照れちゃった?」
そっぽを向いて顔を伏せてしまう咲夜。赤くなった顔を隠したつもりだろうが、そのりんごのような耳を隠さなければ説得力のかけらもない。
「見送りはいいわ。じゃあね」
「あ、アリス。…またのお越しをお待ちしております」
そう言って複雑そうに赤らめた顔がとても可愛かったので、部屋を出る前に小さくつぶやかれた言葉は聞かなかったことにした。
「あ、今日こそアリスにポタラ合体しようって言おうとしたのに…」
…
「おや?あれは…」
紅魔館から自宅に帰ってみると、玄関の前に膝を抱えて座っている見慣れた少女が一人。
「あ、アリスさん!出かけてらしたんですね」
「あなたが自分からこんなところまで来るなんて珍しいわね、早苗」
輝くエメラルドを連想させる翠髪に、栗色に光る瞳。青と白の巫女服に身を包んだ少女。
東風谷早苗。以前、巨人の異変の際に親しくなった女の子である。
「どうしたのこんな時間に」
「はい。あの、この間お人形の作り方についてお教えしてくれたことがありましたよね」
「ああ、あのとき」
以前早苗をお茶会に招待した際に、部屋の人形をとても気に入ったらしくぜひ自分も作ってみたいと頼まれ教えたのだが、それがどうかしたのだろうか。
「こ、これ…どうぞ」
「ん?」
そういって包み紙を渡される。器用にリボンをはずし、中身を取り出してみると、それは何と。
「私…の人形?」
「はい!頑張って作ったんですよ!どうでしょうか」
よく見ると所々布ズレがあり、縫いつけも目が粗く綿も配分が少々おかしい人形だった。出来を職人の目から採点するなら39点程度だろう。しかし…。彼女の指先を盗み見るといくつも絆創膏が貼っており、目の下には不慣れな化粧では誤魔化しきれていないくまが。
夜中まで針と布に苦戦している彼女が容易に想像できた。
「ええ。技術点は39点」
「が、がーん!赤点じゃないですか…」
「でも、あなたのこの人形への思い入れは100点満点。人形師の私にはわかる、この子は幸せよ」
「あ、アリスさん…」
「嬉しいわ。ありがとう、早苗」
「喜んでいただけて…私も嬉しいです」
うっすらと涙ぐむ早苗。うん。他の皆もこの子ぐらいピュアになればい
「ア、アリスさん!今なら私たちシンクロ率400%の壁を越えれそうな気がしばぁ!!」
「今の感動を返せ」
「シャンハーイ!」
「ホラーイ!」
うんまあ、人形に込められた気持ちはありがたく頂くけど。
…
「では、またお会いしましょうアリスさん!今度はうちの神社にどうぞー!」
「ええ、気をつけてねー!」
色々あって帰っていく早苗。ふうやっと家に帰れる。そう思ってドアノブに手を掛けはっとした。
「何…この匂いは」
どうやら我が家から漏れているよう。…焼き魚の香り?
意を決して中に入るとそこには…
「あ、お帰りアリス」
「あ、うんただいま霊夢…ってなんであんたがいんのよ」
フリルの付いた大きなリボン(私特製)。目を奪われるような艶の滑らかな黒髪に、吸い込まれるような漆黒の瞳。
博麗霊夢。私にとって特別な人。友人?恋人?もっと深い感じがする。
コイツは魔理沙に負けず劣らずガサツだが、何故かそう感じさせない気品がある。何故か。
「何でとは失礼な。おなかをすかせて帰ってきたアリスにせっかく手料理を振舞ってあげようとしたのに」
「本音は?」
「あんたと一緒にすごしたかっただけ」
「素直でよろしい」
なんだろうか。他の子たちとは違う感覚。咲夜といるときとはまた違う癒しの感覚。躊躇なく羽を伸ばせる安心感。
「なによもう。だらしない顔」
「いいじゃない。何だか今日は疲れたんだから」
「じゃあ座って待ってなさいって。後は味噌汁だけだからすぐにできるわ」
「はーい」
霊夢の作るお味噌汁は何故かとてもおいしい。これだけはお母さんを凌いでいると思う。
「代わりにお酌してよね」
「心得ておりますだんなさま」
「結構々々」
何だか警戒心すらも置き去りだ。…これってもう夫婦でよくないかなんて思ったのは私だけだろうか。
「あは、何だか私ら夫婦みたいね」
「…そうね」
しばらくすると、よく焼けた焼き魚と味噌汁にご飯、漬物(霊夢の持参品)が並べられる。一汁一菜。魔界にはあまりない形態だ。
『いただきます』
「…おいしい」
「当たり前よ」
「やっぱり和食は霊夢ね」
「あらアリスだって洋食はとても上手いわよ?特にオムライスとか。卵2つ使ったふわふわの」
「人間の女の子なんだから卵は1日1っこにしないとだめよ」
「迷信でしょあんなの」
渋い趣味の癖して好きな洋食はオムライスと子供っぽい。そんなところも可愛いと思う。
『ごちそうさま』
「あ、食器は片付けるわ。霊夢はくつろいでて?上海、蓬莱。霊夢にヴィンテージを」
人形たちにワインを持ってくるように指示するが、
「ハーイ…」
「ラーイ…」
何故か渋く決めながら私の両肩をポンと叩いてさっさと退出してしまう二体。…反抗期?
「ははーん」
「なによ」
「まるで自律して空気を読んだかのような仕草!…アリス!これは神の啓示よ!今夜こそ私たちふぁいなるふゅーじょんよ!」
「…とりあえずそのフレーズはやってるのかしら。というか意味解ってる?」
「どうなのよ」
「…望むとこよ」
…
草木も眠る丑三つ時。
月明かりに照らされすやすやと眠る霊夢の頭を優しくなでながら、私は思う。
友達が多いのはとても大変なのだと。
でも、私は思う。なんと言おうがやっぱり、
友達が多いのはとても幸せなことだと。
…ちなみに後日、いつの間にか我が家に加わっていた人形について霊夢に激しく追及されたのは言うまでもない。
ぜひとも我が家に来て欲しいメイドさんが出来上がりそうです。
…そういえば吸血鬼姉妹の姿が見えないけど気のせいかな?
あと、気になった点を一つ。自立じゃなくて自律かな、と
>>奇声を発する(ry in レイアリLOVE!さま
原点に還って世界平和です!
>>2さま
時間を止めて飛ばすはナイフ装備の人形。正に殺人ドールズウォーですね。
>>3さま
ウチの子達は自重を全く知りません。ちなみに霊夢はほかにギガフュージョンも使えるそうで…。
>>頭文字Kさま
あの時は咲夜さんの陰謀により2人ともアリスの来訪に気づいていませんでした。
…嘘ですごめんなさい普通に忘れてまし…ピチューン!