「第1回、幻想郷大モノマネ大会―!」
「いや、7人しかいないから」
冷静なツッコミを行う霊夢に対して、魔理沙は「細かい事は気にするな」と言わんばかりに親指をぐっと立ててウインクした。
その手には既に空になりかけた一升瓶が握られている。
今日も今日とて博麗神社で行われているどんちゃん騒ぎ。
その騒ぎの中心である霧雨魔理沙の突然の発案に、その場にいた全員が酒を楽しむ手を止めて注目した。
「皆さん、こんばんは。本日は幻想郷大モノマネ大会の模様をお伝えしていきます。実況は私、射命丸文。解説はお馴染み、博麗霊夢さんにお願いしています。霊夢さん、こんばんは」
「こんばんは……って何やらすのよ!」
早くもジャーナリスト魂が騒ぎ出したのか。
まるでどこぞのジョン・カビラのように実況を始める文に対して、霊夢はマイク代わりに手渡されたキノコを思い切り投げつけた。
これが弾幕だったなら一瞬でピチューンである。
「まぁまぁ、霊夢。こんなノリもたまには悪くないじゃん」
「そうそう、野暮は言いっこなしで行きましょう」
そう言って、紫と萃香は霊夢をなだめようとするが、霊夢は二人に振りかえりもしない。
こんなノリが『たまには』でない彼女にとっては、今の事態は面倒な事この上ない訳だが、それを彼女達に言っても無駄であると、霊夢は知っていた。
だからこそ彼女は、この宴の参加者の中では比較的まともである、メイド服の少女に加勢を求める。
「咲夜、アンタも何か言ってやりなさいよ」
「確かに面倒……」
「あら、面白そうじゃない。ねぇ、咲夜」
「もう超エキサイティンしてます」
嗚呼、このメイドは駄目だ……否、この主従は駄目だ。
モノマネ大会の期待から目を輝かせるレミリアと、そのレミリアに目を輝かせるメイドに、霊夢は心の底から深い溜息を吐いた。
結局、霊夢以外にこの催しを反対する者など、この場の何処にもいないのだ。
……霊夢も霊夢でいくら反対した所で無駄であると、始めから半ばあきらめていた訳だが。
そんな会場提供者の苦労などどこ吹く風。
魔理沙を始め宴の参加者達は、モノマネ大会を行う事を前提で話を進めて行く。
「よし、それじゃあトップバッターだが……」
「そりゃ、言いだしっぺの役目でしょ」
「頑張ってください、魔理沙さん」
流石は宴会の斬り込み隊長(自称)とでも言うべきか。
満場一致でトップバッターに指名される魔理沙。
人妖入り乱れる参加者達から送られる期待の視線に気を良くした魔理沙は、コホンと小さく咳ばらいをした後にその場に立ちあがる。
「じゃあ私だな。えー、エントリーナンバー1、霧雨魔理沙」
そして、彼女が選択したテーマは―――――
「グレイズしていたつもりが、最近出てきた下っ腹に被弾していた霊夢」
―――――細かすぎて伝わらない霊夢―――――
「……巨乳は辛いわ」
その一言に会場がどっと沸く。
「巨乳とか、何処をどう見たらそう思えるのよ……!」
「それ秋頃でしょ。確かにあの辺りの霊夢は少しふくよかだったわねぇ」
「あ、アンタ達ねぇ……」
ぷるぷるぷるぷる、そんな音が聞こえてきそうなほどに。
自分自身の、しかもそんな情けない部分を題材にされ、霊夢は顔を真っ赤にして震えている。
ギロッと恨めしそうな視線で魔理沙を睨みつけるが、当の本人はまたもや「細かい事は気にするな」スマイル。
それを見て今にも掴みかかりそうになる紅白巫女を、萃香は彼女の盃に酒を注ぐ事で諌めた。
「ほらほら、霊夢。あんまり怒ると幸せが逃げて行くよ」
「萃香……」
「笑う門には福来たる。私のモノマネを見て機嫌を直しなよ」
霊夢にニッと笑いかけると、萃香は自信満々に胸を張って立ち上がる。
そんな様子を見ていた企画者である魔理沙は、次なる参加者の登場を拍手で歓迎した。
「よし、じゃあ二番手は決まりだな。エントリーナンバー2、伊吹萃香!」
そして、萃香が誇らしげに紡いだ言葉は――――
「炬燵の中でウトウトしていて、不意の来客に対応できない霊夢」
「……いってまえりました!」
再び、境内が笑いで包まれる。
「ぶははは! それさっきの霊夢じゃないか!」
「アレは傑作だったわねぇ」
「あ、あ、あ、アンタ達ねぇ……!」
今にも爆発しそうな霊夢だが、周囲はまるで気にしない。
否、そうやって真っ赤になって震えている霊夢を見て楽しんでいる。
人気者は辛いのである。
そんな標的になっている彼女の苦労などどこ吹く風。
例にもれず紅白巫女観賞を楽しんでいたレミリアは、次の発表者に自分の従者を指名した。
「咲夜、次は貴女がやりなさい」
「私、ですか? 余り自信はありませんがお嬢さまが言うのでしたら……」
「じゃ決定な。エントリーナンバー3、十六夜咲夜!」
次なるチャレンジャーである完全で瀟洒なメイドを魔理沙はポンと肩を叩いて称える。
一斉に集まる視線に少々戸惑っていた咲夜であったが、「かまわん、やれ」と言わんばかりの主の視線に意を決したように自分の選択した題材を口にする。
「巫女服を汚して、私のメイド服を着ている所を魔理沙に見られた時の霊夢」
「え、あの、これは違うのよ……! 別にそう言う訳じゃなくて、その、あの……」
友人にメイド服姿を見られて慌てふためく霊夢を咲夜はジェスチャーつきで再現する。
そして落ち着きを取り戻したようにキリッと一言。
「趣味です」
一瞬の沈黙が室内を包み込み――――
「言うに事欠いて趣味ですって! 趣味ですって……!」
すぐに爆笑の渦へと変わる。
「正直に服を汚したって言えばいいのに、どれだけテンパってるんですか!」
「や、やばい……お腹痛い……」
「うがーーーーーーー!」
ついに霊夢の頭がフジヤマヴォルケイノ。
巫女の顔も三度までなのかはいざ知らず、繰り返し自分をネタにされた巫女は、怒り狂ってその場に立ちあがった。
その表情には暢気さなど欠片も存在しない。
例えるならば金剛力士像のような。
睨みつけられただけで失神してしまいそうな恐怖の巫女が、調子に乗りすぎた少女達にお灸を据えるべく、荒々しくその一歩を踏み出した。
ガコン。
そして落ちた。
自分の足元にぽっかりと開いていたスキマに。
上半身だけが床から生えているその姿は何ともシュールな光景である。
顔が金剛力士像なのがまた、笑いを誘う。
「……これはどう言う事かしら?」
「あら、私はスキマを開いておいただけよ。貴女が勝手に落ちたんじゃない」
このスキマ妖怪、ワナワナと震えている少女を嘲笑うだけでは終わらない。
身動きのできない哀れな少女に対して、今が好機とばかりにすりすりと頬を擦り付ける。
「はーなーせーーーーーー!」
そんな紫をいくつかの視線が少しだけ羨ましそうに見つめていたのは、また別のお話。
兎にも角にも、紫によって霊夢は無効化された。
そうなってしまえば彼女達は最早、レールの無いぶらり暴走特急状態。
止める者の居なくなった彼女達のテンションはさらに加速していく。
「では次はこの不肖射命丸文が。とびっきりの霊夢さんをお見せしましょう」
「何でいつの間にか私限定になってるのよ!」
「細かい事はいいんだよ! エントリーナンバー4、射命丸文!」
「境内を掃除している途中で、突如思い立ったように箒に跨っちゃう霊夢さん」
その後も人妖達の悪ノリは収まる事を知らない。
霊夢が身動きできないのをいい事に、次々と彼女のモノマネを繰り出していく。
「夢の中で外の世界から侵略してきた無数の人参と戦っている霊夢」
先程の霊夢を落とした事で、味を占めたのか。
紫のスキマによる落下演出もついて、カオス空間は更なる広がりを見せていった。
「フィンガーボールの水を、スープと勘違いしてスプーンを使ってすする霊夢」
当の霊夢はと言えば、もう彼女達を止める事は諦めたのか、先程とは打って変わって大人しく埋まっている。
その事に対して若干の違和感を抱きながらも、お酒とその場の勢いに乗せられて、彼女達は次々と『細かすぎて伝わらない霊夢のモノマネ』を繰り出していったのだった。
魔理沙の発案により、モノマネ大会が始まってからおよそ半刻後。
「いやー、笑ったね!」
「本当、霊夢さんはネタに欠きませんねぇ」
一通りの発表を終え、少女達は笑顔で互いの健闘を称え合う。
どうやら、題材となった紅白巫女のプリチーさを皆で共有できたことに大満足な様子だ。
「魔理沙もたまには面白い事を考えつくわね」
「私の企画はいつでも面白いぜ?」
主催の魔理沙も、企画の大成功に喜びを隠せない。
得意げに言ってのけるその顔は、興奮でほのかに紅潮していた。
そんな宴もたけなわと言った様子の博麗神社。
俄かに漂う解散ムードを壊したのは、八雲紫の手を叩く音であった。
少女たちは弾かれたように音源である紫へとその顔を向ける。
「こらこら貴女達、もう終わった気になって居るようだけど……」
言いかけながら紫はちらりと地面に埋まっている少女へと視線を移す。
「まだ最後の一人が残っているでしょう?」
「っと、そうだったな」
紫の妖しげな視線に、魔理沙も思い出したようにポンと手を叩き、その顔をニィッと歪ませる。
こういった催し物は、最後はエースで締めると相場が決まっている物だ。
魔理沙はキノコをマイク代わりに手に取ると、舞台役者のように大仰に真打の名を呼んだ。
「シメは勿論コイツ! エントリーナンバー7、博麗霊夢!」
「待ってました―!」
わぁっと、神社を歓声が包み込む。
一度は散り散りになっていた視線が一斉に霊夢へと集中する。
先程から霊夢のモノマネばかりをしていた彼女達である。
その本人の舞台に注目が集まらない筈が無かった。
そんな彼女達の熱い視線に気を良くしたのだろうか。
ようやくスキマから開放されたその少女は満面の笑みを浮かべて、最後のお題(ラストワード)を宣言した。
「お前らの悪ふざけに冗談抜きでキレる霊夢」
「いや、7人しかいないから」
冷静なツッコミを行う霊夢に対して、魔理沙は「細かい事は気にするな」と言わんばかりに親指をぐっと立ててウインクした。
その手には既に空になりかけた一升瓶が握られている。
今日も今日とて博麗神社で行われているどんちゃん騒ぎ。
その騒ぎの中心である霧雨魔理沙の突然の発案に、その場にいた全員が酒を楽しむ手を止めて注目した。
「皆さん、こんばんは。本日は幻想郷大モノマネ大会の模様をお伝えしていきます。実況は私、射命丸文。解説はお馴染み、博麗霊夢さんにお願いしています。霊夢さん、こんばんは」
「こんばんは……って何やらすのよ!」
早くもジャーナリスト魂が騒ぎ出したのか。
まるでどこぞのジョン・カビラのように実況を始める文に対して、霊夢はマイク代わりに手渡されたキノコを思い切り投げつけた。
これが弾幕だったなら一瞬でピチューンである。
「まぁまぁ、霊夢。こんなノリもたまには悪くないじゃん」
「そうそう、野暮は言いっこなしで行きましょう」
そう言って、紫と萃香は霊夢をなだめようとするが、霊夢は二人に振りかえりもしない。
こんなノリが『たまには』でない彼女にとっては、今の事態は面倒な事この上ない訳だが、それを彼女達に言っても無駄であると、霊夢は知っていた。
だからこそ彼女は、この宴の参加者の中では比較的まともである、メイド服の少女に加勢を求める。
「咲夜、アンタも何か言ってやりなさいよ」
「確かに面倒……」
「あら、面白そうじゃない。ねぇ、咲夜」
「もう超エキサイティンしてます」
嗚呼、このメイドは駄目だ……否、この主従は駄目だ。
モノマネ大会の期待から目を輝かせるレミリアと、そのレミリアに目を輝かせるメイドに、霊夢は心の底から深い溜息を吐いた。
結局、霊夢以外にこの催しを反対する者など、この場の何処にもいないのだ。
……霊夢も霊夢でいくら反対した所で無駄であると、始めから半ばあきらめていた訳だが。
そんな会場提供者の苦労などどこ吹く風。
魔理沙を始め宴の参加者達は、モノマネ大会を行う事を前提で話を進めて行く。
「よし、それじゃあトップバッターだが……」
「そりゃ、言いだしっぺの役目でしょ」
「頑張ってください、魔理沙さん」
流石は宴会の斬り込み隊長(自称)とでも言うべきか。
満場一致でトップバッターに指名される魔理沙。
人妖入り乱れる参加者達から送られる期待の視線に気を良くした魔理沙は、コホンと小さく咳ばらいをした後にその場に立ちあがる。
「じゃあ私だな。えー、エントリーナンバー1、霧雨魔理沙」
そして、彼女が選択したテーマは―――――
「グレイズしていたつもりが、最近出てきた下っ腹に被弾していた霊夢」
―――――細かすぎて伝わらない霊夢―――――
「……巨乳は辛いわ」
その一言に会場がどっと沸く。
「巨乳とか、何処をどう見たらそう思えるのよ……!」
「それ秋頃でしょ。確かにあの辺りの霊夢は少しふくよかだったわねぇ」
「あ、アンタ達ねぇ……」
ぷるぷるぷるぷる、そんな音が聞こえてきそうなほどに。
自分自身の、しかもそんな情けない部分を題材にされ、霊夢は顔を真っ赤にして震えている。
ギロッと恨めしそうな視線で魔理沙を睨みつけるが、当の本人はまたもや「細かい事は気にするな」スマイル。
それを見て今にも掴みかかりそうになる紅白巫女を、萃香は彼女の盃に酒を注ぐ事で諌めた。
「ほらほら、霊夢。あんまり怒ると幸せが逃げて行くよ」
「萃香……」
「笑う門には福来たる。私のモノマネを見て機嫌を直しなよ」
霊夢にニッと笑いかけると、萃香は自信満々に胸を張って立ち上がる。
そんな様子を見ていた企画者である魔理沙は、次なる参加者の登場を拍手で歓迎した。
「よし、じゃあ二番手は決まりだな。エントリーナンバー2、伊吹萃香!」
そして、萃香が誇らしげに紡いだ言葉は――――
「炬燵の中でウトウトしていて、不意の来客に対応できない霊夢」
「……いってまえりました!」
再び、境内が笑いで包まれる。
「ぶははは! それさっきの霊夢じゃないか!」
「アレは傑作だったわねぇ」
「あ、あ、あ、アンタ達ねぇ……!」
今にも爆発しそうな霊夢だが、周囲はまるで気にしない。
否、そうやって真っ赤になって震えている霊夢を見て楽しんでいる。
人気者は辛いのである。
そんな標的になっている彼女の苦労などどこ吹く風。
例にもれず紅白巫女観賞を楽しんでいたレミリアは、次の発表者に自分の従者を指名した。
「咲夜、次は貴女がやりなさい」
「私、ですか? 余り自信はありませんがお嬢さまが言うのでしたら……」
「じゃ決定な。エントリーナンバー3、十六夜咲夜!」
次なるチャレンジャーである完全で瀟洒なメイドを魔理沙はポンと肩を叩いて称える。
一斉に集まる視線に少々戸惑っていた咲夜であったが、「かまわん、やれ」と言わんばかりの主の視線に意を決したように自分の選択した題材を口にする。
「巫女服を汚して、私のメイド服を着ている所を魔理沙に見られた時の霊夢」
「え、あの、これは違うのよ……! 別にそう言う訳じゃなくて、その、あの……」
友人にメイド服姿を見られて慌てふためく霊夢を咲夜はジェスチャーつきで再現する。
そして落ち着きを取り戻したようにキリッと一言。
「趣味です」
一瞬の沈黙が室内を包み込み――――
「言うに事欠いて趣味ですって! 趣味ですって……!」
すぐに爆笑の渦へと変わる。
「正直に服を汚したって言えばいいのに、どれだけテンパってるんですか!」
「や、やばい……お腹痛い……」
「うがーーーーーーー!」
ついに霊夢の頭がフジヤマヴォルケイノ。
巫女の顔も三度までなのかはいざ知らず、繰り返し自分をネタにされた巫女は、怒り狂ってその場に立ちあがった。
その表情には暢気さなど欠片も存在しない。
例えるならば金剛力士像のような。
睨みつけられただけで失神してしまいそうな恐怖の巫女が、調子に乗りすぎた少女達にお灸を据えるべく、荒々しくその一歩を踏み出した。
ガコン。
そして落ちた。
自分の足元にぽっかりと開いていたスキマに。
上半身だけが床から生えているその姿は何ともシュールな光景である。
顔が金剛力士像なのがまた、笑いを誘う。
「……これはどう言う事かしら?」
「あら、私はスキマを開いておいただけよ。貴女が勝手に落ちたんじゃない」
このスキマ妖怪、ワナワナと震えている少女を嘲笑うだけでは終わらない。
身動きのできない哀れな少女に対して、今が好機とばかりにすりすりと頬を擦り付ける。
「はーなーせーーーーーー!」
そんな紫をいくつかの視線が少しだけ羨ましそうに見つめていたのは、また別のお話。
兎にも角にも、紫によって霊夢は無効化された。
そうなってしまえば彼女達は最早、レールの無いぶらり暴走特急状態。
止める者の居なくなった彼女達のテンションはさらに加速していく。
「では次はこの不肖射命丸文が。とびっきりの霊夢さんをお見せしましょう」
「何でいつの間にか私限定になってるのよ!」
「細かい事はいいんだよ! エントリーナンバー4、射命丸文!」
「境内を掃除している途中で、突如思い立ったように箒に跨っちゃう霊夢さん」
その後も人妖達の悪ノリは収まる事を知らない。
霊夢が身動きできないのをいい事に、次々と彼女のモノマネを繰り出していく。
「夢の中で外の世界から侵略してきた無数の人参と戦っている霊夢」
先程の霊夢を落とした事で、味を占めたのか。
紫のスキマによる落下演出もついて、カオス空間は更なる広がりを見せていった。
「フィンガーボールの水を、スープと勘違いしてスプーンを使ってすする霊夢」
当の霊夢はと言えば、もう彼女達を止める事は諦めたのか、先程とは打って変わって大人しく埋まっている。
その事に対して若干の違和感を抱きながらも、お酒とその場の勢いに乗せられて、彼女達は次々と『細かすぎて伝わらない霊夢のモノマネ』を繰り出していったのだった。
魔理沙の発案により、モノマネ大会が始まってからおよそ半刻後。
「いやー、笑ったね!」
「本当、霊夢さんはネタに欠きませんねぇ」
一通りの発表を終え、少女達は笑顔で互いの健闘を称え合う。
どうやら、題材となった紅白巫女のプリチーさを皆で共有できたことに大満足な様子だ。
「魔理沙もたまには面白い事を考えつくわね」
「私の企画はいつでも面白いぜ?」
主催の魔理沙も、企画の大成功に喜びを隠せない。
得意げに言ってのけるその顔は、興奮でほのかに紅潮していた。
そんな宴もたけなわと言った様子の博麗神社。
俄かに漂う解散ムードを壊したのは、八雲紫の手を叩く音であった。
少女たちは弾かれたように音源である紫へとその顔を向ける。
「こらこら貴女達、もう終わった気になって居るようだけど……」
言いかけながら紫はちらりと地面に埋まっている少女へと視線を移す。
「まだ最後の一人が残っているでしょう?」
「っと、そうだったな」
紫の妖しげな視線に、魔理沙も思い出したようにポンと手を叩き、その顔をニィッと歪ませる。
こういった催し物は、最後はエースで締めると相場が決まっている物だ。
魔理沙はキノコをマイク代わりに手に取ると、舞台役者のように大仰に真打の名を呼んだ。
「シメは勿論コイツ! エントリーナンバー7、博麗霊夢!」
「待ってました―!」
わぁっと、神社を歓声が包み込む。
一度は散り散りになっていた視線が一斉に霊夢へと集中する。
先程から霊夢のモノマネばかりをしていた彼女達である。
その本人の舞台に注目が集まらない筈が無かった。
そんな彼女達の熱い視線に気を良くしたのだろうか。
ようやくスキマから開放されたその少女は満面の笑みを浮かべて、最後のお題(ラストワード)を宣言した。
「お前らの悪ふざけに冗談抜きでキレる霊夢」
てか魔理沙ドンマイwww
本当に細かすぎるwwwww
だがいいぞ、もっとやr(ムソーフーイン
だが何故箒にまたがった霊夢を描写しない!
「縁側でお茶を飲んでたら茶柱を見つけてちょっと嬉しそうに笑う霊夢」
伝わるwww
あと、れいむかわいい
細かすぎるけど、ばっちり伝わってくるし、霊夢が可愛いし、もう最高でした。
そして魔理沙乙www
細かすぎるのに分かってしまうwwwwwwwwwww
なんで「紫を『お母さん』と呼んじゃって、赤面しながら誤魔化そうとする霊夢」がないんだよ?!
i | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ |
| i 、ヽ_ヽ、_i , / `__,;―'彡-i |
i ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' / .|
iイ | |' ;'(( ,;/ '~ ゛  ̄`;)" c ミ i.
.i i.| ' ,|| i| ._ _-i ||:i | r-、 ヽ、 / / / | _|_ ― // ̄7l l _|_
丿 `| (( _゛_i__`' (( ; ノ// i |ヽi. _/| _/| / | | ― / \/ | ―――
/ i || i` - -、` i ノノ 'i /ヽ | ヽ | | / | 丿 _/ / 丿
'ノ .. i )) '--、_`7 (( , 'i ノノ ヽ
ノ Y `-- " )) ノ ""i ヽ
ノヽ、 ノノ _/ i \
/ヽ ヽヽ、___,;//--'";;" ,/ヽ、 ヾヽ
やべぇwww
これはキレる
後日、彼女らの姿を見た者はいない・・・
しかし可愛いなww
笑ったwwww
魔理沙に合掌っ!!(チーン
あー腹筋痛がったwww
趣味です(キリッ の威力が半端ないです。
吹いたwwww
文句無しの満点っす
被害者の心からの冥福をお祈りします。
こういうssがあると元気でるわー
しかしハナから逃げる手があって悪ノリしてた妖怪共、実に悪質であるw
魔理沙は仕方ないね
まさか箒にまたいでいる間に捕まえられたのか?w
…と思ったら、いきなり某旅団の筋肉バカのように紫に噛み付く霊夢
霊夢「てめぇら倒すのに、上半身が動けば十分だ」
腹痛いww