【その昔:どこかの森】
『アアアアアアアアアアアア!!』
消えていく
右腕が大きな、増悪の限りを込めたかの様な半人半竜の黒い異形が消えていく
名前は知らない 聞く暇もなく襲われ、撃退したのだから
「……」
自らが放った魔力の奔流の消え失せた跡には、大蛇が這った様に真っ直ぐ焼け抉れた地面
と
三日月と呼ぶにはボロボロの“弧”を先端に付けた、ボロボロの杖が残った
「……」
魔力を放ち、異形を焼き付くした、しかし杖だけは焼き残した女はそれに触れ、掴み、持ち上げ、月明かりにかざして吟味する
夜空の三日月は綺麗だった
「……もらっていくか」
彼女は手持ち無沙汰だった
Thanks Despair
『アアアアアアアアアアアア!!』
消えていく
右腕が大きな、増悪の限りを込めたかの様な半人半竜の黒い異形が消えていく
名前は知らない 聞く暇もなく襲われ、撃退したのだから
「……」
自らが放った魔力の奔流の消え失せた跡には、大蛇が這った様に真っ直ぐ焼け抉れた地面
と
三日月と呼ぶにはボロボロの“弧”を先端に付けた、ボロボロの杖が残った
「……」
魔力を放ち、異形を焼き付くした、しかし杖だけは焼き残した女はそれに触れ、掴み、持ち上げ、月明かりにかざして吟味する
夜空の三日月は綺麗だった
「……もらっていくか」
彼女は手持ち無沙汰だった
Thanks Despair