魔理沙が結婚するそうだ
いつかは分からないが、近々
どうやら、お見合い結婚という物らしい。
霧雨の親父さんも結構厳しい者なんだな
だが、僕にはあまり関係の無い話しだ
結婚相手は、家事全般優秀の主夫だそうだ。
ならば、僕はもう魔理沙にとってお払い箱に違いない。
これで魔理沙も僕の店に来なくなるだろう。
少しさびしいが、これで魔理沙は幸せになる。
友達の幸せと言う物は自分にも幸せが来る。
だが、今はそんな幸せが来なかった。
理由は、魔理沙はあまり心底嬉しそうじゃなかったからだ。
『どうしたんだ?明日の結婚式、緊張するのか?』
僕は冗談混じりでそう言った。
だが、そんなささやかな質問も返してくれなかった。
『明日は沢山お祝いしないとな。』
僕はそう言って笑顔で魔理沙に話しかけたのだが、
魔理沙は嬉しそうじゃない笑顔を僕に返した
正直、重い空気が全体に広がった
頭が痛くなってきたが、僕はお祝いをどうするか悩んでいた。
というよりも、なぜいつも物を勝手に借りていっている魔理沙にお祝いなどしなくてはいけないのだ。
だが、それで僕は良いお祝いを思いついた
『なら魔理沙、お祝いは借りている物を全てあげると言うのはどうだ?』
僕はそう言うと、
『要らねーよそんなの』
とあっさり返された
おかしいな?喜ぶと思ったのだが
だが、僕の努力が報われたのか
魔理沙は、ついに僕に質問をしてきた。
『香霖…………』
魔理沙はか細い声でこう言った
『私が嫁いだら…………さみしい?』
魔理沙がそう言うと、僕はその質問に答えた
『まぁ、元々客が来ない所だしね』
そう言った後、魔理沙はさらに質問をした
『私が結婚するのって、複雑な気持ちか?』
魔理沙がそう質問をした時、僕はありのまま返答した
『どうしてだい?結婚するんだろう?幸せならそれでいいじゃないか』
魔理沙は、その言葉を聞いた後、しばらく俯いたまま動かなかったが、
しばらくしたら、椅子から立ち上がり僕の店から出ていった。
なぜ、あんなにも嬉しそうな顔じゃないのか。
僕はそんな事知る由も無い。
僕は、翌日の魔理沙の結婚式ではやる事がある。
なので、今日は早く寝ることにした。
結婚式当日、
幻想郷のほとんどの人がその結婚式に釘つけとなっていた。
だが、相変わらず魔理沙は暗い表情のままだった。
主夫である夫は、一体何が不満なのか魔理沙の為に必死に努力しているが、
魔理沙は何も答える事は無かった。
そして、ついに式が始まった。
式の流れとしてはこうだ。
まず、神父、いや女性だから神母だろうか。
その人がまず聖書を読み、
その次に誓いを言いあって
そして口づけをするのだそうだ。
『あなたは、この女性を永遠に愛する事を誓いますか?』
神母がそう言うと、男は
『誓います』
と言った。
そして、次に神母は魔理沙の方を向き
『それでは貴女は、この男を永遠に支えていく事を誓いますか?』
そう言った後、魔理沙は言うのに時間がかかったそうだ。
だが、しばらくして観念したかもように言い始めた。
『誓いま………』
だが、あと一文字と言う所で
僕はタイミングが悪い時に来てしまったらしい。
僕は、大きな結婚式の扉を開けた。
ウエディングドレス姿の魔理沙は、僕の方を見ると
『あ………………』
と待っていたかのように声を出し、涙を流した。
僕は、魔理沙の夫の顔を見た。
確かに、第一印象は優しい夫として良い印象を受けている
だが、一つだけ足りないところがあるような気がした。
僕は、その夫の所に駆け着いた
夫は、少し怯んでいた。
霊夢は、僕の方を見ていた。
そうだ。僕のやらなければいけない事
僕は、魔理沙の夫に花束を渡した。
霊夢はそれを見て、かなり驚愕の顔をしていたが、
その次に僕は、自分の声を大きくする道具
【マイク】と言う物をつかみ、こう語った。
『魔理沙、君はこれから幸せになっていく。』
そう言った後、魔理沙は少し悲しそうな顔をした
嬉しそうでなかった理由、それは
『魔理沙の婿さんになる人へ、君は魔理沙を本当に守れますか?』
そう言った後、夫は何の迷いも無く
『守ります』
と言った。
さらに、僕は続けた
『妖怪に食われそうになっても、地獄に落ちそうになっても、ずっと守っていく事を誓いますか?』
そう言うと、夫の親族が少し騒がしくなった。
だが、男はそれでも負けるもんかと
『誓います』
と言った。
僕は男に笑顔を送った。
『それを聞けば安心だ。』
そう言った後、男は僕の顔を見た
『魔理沙、この人は君を守る事ができる。ずっと君を守ってくれるだろう。だから、安心して二人で、』
その後、僕は少し息を吸い込んで
『幸せにな』
その言葉を送った後、魔理沙はほとんど泣き顔になっていた
その後、僕は腹にキックを喰らわれ、教会の壁に激突した。
僕は腹を押さえてもだえたが、魔理沙は堂々と僕の前に立ち、こう叫んだ
『お前に言われなくなって絶対幸せになるんだからな!!なるんだからな――――――!!!』
そう言った後、魔理沙は子供のように泣き叫び、そして、僕は笑った。
その後、皆も笑い、魔理沙も笑った。
こうして、魔理沙の結婚式は終わった。
その日を境に、魔理沙は香霖堂には来なくなった
だけれども、面白くなかったので魔理沙に切り替えたのです。
誤植報告ありがとうございます。
直しましたので、安心してください。
これの分岐版、もうすぐ出しますのでもうしばらくお待ちください