幻想郷―――
とは言っても、この世界は皆様が知っている幻想郷とは少し違う世界。
友情と家族愛の溢れたこの世界で今回紹介致しますは、この世界でも一際異色の家族の、おかしくも心温まる物語―――
愛、そして団欒~博麗一家~
ここは博麗神社――
この神社に暮らす者達を第三者が見たとき、まさかその全員が家族だとは思わないかもしれない――
「あーっ!?チルノちゃん、それ私の魚ーっ!!」
「甘いな…大ちゃん。この世界じゃ強いやつが馬の目を見るって紫おばあちゃんが言ってた!!」
「そんなこと言ってないよ!!それに馬の目じゃなくて日の目でしょ!?」
「う…とにかく、この魚は強いやつのものよ!!」
「そーなのかー。じゃあこのおさかなはルーのだなー」
「あっ、こらっ!!ルー返せ。それはあたいのだ!!」
「やだー。これルーのー」
「だからそれ、私のだって…」
家族団欒の食卓とは誰が言ったのだろうか…
少なくともこの家族の食卓には無縁の言葉なのだろう。
怒号とお椀とおかずと……様々なものが飛び交う食卓を囲むこの家族こそ、今回のお話の主人公。博麗一家である。
先程から騒いでいる三人組こそ、この博麗一家の三つの宝である。
大妖精…12歳。思いやりのあるお姉さんだが、姉として多少(かなり)威厳が足りない。
チルノ…9歳。やんちゃ盛りの次女。三姉妹(物事)の中心。
ルーミア…6歳。末っ子ながら力は三姉妹の中で一番上。好奇心旺盛。
そしてこの三つの宝を見守る博麗一家の守護神。
霊夢…三児の母にして今なお現役の博麗の巫女。皆の頼れるお母さん。
魔理沙…霊夢の夫(?)にして、博麗一家の大黒柱(少なくとも収入源である)
「おーい、お前たちー。程々にしとかないと母さんがー、って聞いてないか……」
「……………」
守護神、もとい親の忠告を聞かずに騒ぐ子供たち。
魔理沙は隣で俯いている霊夢を見て、
(うーん……こりゃ、いよいよ爆発するか?)
と危惧した瞬間――
「うるさぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁいっ!!」
子供たちの騒ぎ以上の怒号にピタッと止まる子供たち。その顔はしまったという顔をしていた。が、時すでに遅し。
三人の目の前には鬼と化した霊夢が立っていた。
「三人とも、そこに座りなさい……」
「「「はいっ!?」」」
ピシッと並んで正座をする三人。その顔は同様にやってしまったという顔をしていた。
魔理沙は今月に入ってすでに何回も見慣れた光景に苦笑していた。
魔理沙自身は、騒がしい食卓は一向に構わないのだが霊夢はそういうのは認めない。口出ししようならこちらにまで矛先が向かってくる。
基本的に博麗家の教育は霊夢が一任していた。
魔理沙も名乗り出たが、霊夢から言わせると、あんたには子育ては向いてない。とのこと。
初めは魔理沙もそれを否定したが、時間が経つにつれ霊夢に任せて良かったと思えることも沢山あった。 目の前の霊夢がやっているように、魔理沙には子供のために心を鬼にできる自信がなかった。
霊夢はそれをも見抜いて自分から悪者になる役を買って出たのだ。
(ま……私のやることは今も昔も、霊夢を支えてやることか…)
気づけば、霊夢にしぼられた三人が畳の上で伸びていた。
「ははは、今日もこってりしぼられたなー」
三人の下に近づいてそれぞれ頭を撫でてやる。
「うぅ……なんで私まで……」
「くっそ~、いつかお母さんもあたいがぎゃふんと言わせてやる~」
「えぐっ……」
三人の様子を見て魔理沙は改めて、霊夢に感謝した。確かに、自分に同じことは出来ないと思った。
「お前ら、母さんが嫌いになっちまったか?」
「「「…………」」」
三人の顔をそれぞれ見据えて魔理沙は言い聞かせるように言った。
「母さんも、好きでお前らを怒ってるんじゃない。ただ、お前らのこれからとか、母さんはお前らが考えていないようなずっと先のことまで考えてんだ。」
「ずっと……先のこと?」
「あぁそうさ。お前らが大きくなって、大人になって、おばあちゃんになったとき、お前らが困らないように母さんは教えてるんだ。」
「だったら……怒る必要なんて、あたいだってもっと優しく……」
その言葉を聞いてあははと魔理沙は笑った。
「そりゃな、チルノ。母さんは心配してるから怒るんだ。」
「え……?」
「チルノが大人になった時恥をかかないように、皆に認めてもらえるようになってほしいから。母さんはお前に嫌われてもいいとさえ思ってるんだ。」
「嫌われても……?」
「あぁ、だから今怒るんだ。お前らが同じ失敗をしないようにな。」
チルノと大妖精は話の意味が分かったのか、俯いている。
ルーミアは頭の上に?マークを浮かべている。その様子を見た魔理沙はルーミアを抱き上げた。
「ははっ。ルーにはまだ難しかったか」
「んー……?」
難しい顔をしたルーミアが唸った。
「ま、ルーは母さんを嫌いにならないでくれよ?それさえ分かってくれりゃいいさ。」
「んー?ルーはおかあさんだいすきだぞー?」
「おう!それでいいさ。」
ルーミアに笑い返した後、俯いたままの大妖精とチルノに向き直った。
「ほら、お前らも母さんが嫌いじゃなかったら謝ってこい。」
二人の背中をぽんぽんと叩いた。促された二人は台所に向かった。
「ほら、ルーも母さんにごめんなさい言ってこい。」
肩に乗せていたルーミアも降ろして台所に向かわせた。
誰もいなくなった居間に一人残った魔理沙は、つくづく霊夢には頭が上がらない思いでいっぱいだった。
「「「お母さん、ごめんなさいっ!!」」」
夕飯の後片付けをしていた霊夢は不意にそんな言葉をかけられた。振り返ると、三人が揃えて頭を下げていた。
「私たち、お母さんのこと嫌いになったりしないから!!だから…」
「………」
霊夢は三人の前まで近づいて、膝を付いた。
「……頭を上げて。」
三人は恐る恐る顔を上げた。
「……反省してる?」
そう聞いた途端に、三人が揃って首を振った。
「そう…じゃあ、許してあげるけど…分かってるわね?」
その言葉は大妖精とチルノには分かったようだ。一人、?マークのルーミアがいたが。
「うん、分かったんならよろしい………お母さんの方こそごめんね?ちょっと言い過ぎちゃった」
霊夢が笑うと、チルノと大妖精は霊夢に抱きついた。
ルーミアも一息遅れて霊夢に抱きついた。
三人の我が子を抱きしめながら霊夢はこの後のことを考えていた。
(後で魔理沙にもお礼を言わないとね………)
~了~
タイトルやら後書きやら…
タイトルは変えて、後書きも言い訳みたいな書き方はしない方が良いよマジで
まぁ、頑張れ
周りからどれだけ批判されても、どれだけ駄作に見えようとも本人は胸を張って作品うpすべきだよ。
逆に自信持てないような作品ならうpすべきじゃない。
自信持てない作品にアドバイスがほしい場合にもあまり自信ないことを表に出すべきじゃない。
すべきとかすべきじゃないとかずっと言ってるけどがんばってください。
贅沢を言うなら、もっと読みごたえある位のボリュームが欲しかった。もっと、こうドロドロしたような話も悪くないかなぁと。
文章はちゃんとしてると思ったので、自信持って頑張って下さい。
紫お●あちゃんはネタとして十分ワロタし、全体的に見て全然悪くないのに、作者自身の作品否定で一気に冷めて台無しになるじゃないか。
題名と、後書きを考え直したらまともな作品になる、と言っておきます。
それが直ったら、その時に、また点数を入れに来ます。
新人さんですから最初は不安かもしれません。でも、最初なんだから巧く出来なくて当たり前です。
でも、こういった作品は読んでてホッとするし、こうした人がこれからどう伸びていくのかが楽しみだったりもします。
幾つかアドバイスを
まず、ボリュームがもう少し欲しいかな、と感じました。
そして、その為に、もうちょっと状況の描写を膨らませるといいかな、少し状況描写が淡々とし過ぎている印象を受けました。原因は「~した」と、過去形ばかりを連続的に使っている箇所が多いからかな、とも考えられます。
三人称視点の状況描写も報告に徹するのではなく、もっと体言止めや、その他の技法を使って、生き生きと描いてみてください。
その技法は、他の作者さん達の作品を読んで、研究して、そこから盗むといいです。
というわけで、今回はこの点数で。
新人さんなんですから、まだまだ伸びる余地が十分にあるので頑張って下さい。
次回作があるなら、楽しみに待っています。
因みにワタクシは本作品でのシリーズものを期待していたりします。