Coolier - 新生・東方創想話

あったかシチューをお届け魔理沙

2014/10/05 20:41:37
最終更新
サイズ
26.58KB
ページ数
1
閲覧数
5356
評価数
22/66
POINT
4230
Rate
12.70

分類タグ

 今日の魔理沙。
 夕飯にシチューを作っていたら、寸胴鍋一杯になっていた。

「……あれぇ?」

 なんと魔理沙本人も驚いている。気がついたらこうなっていた、としか言いようがない。
 そもそも最初は一人分しか作っていなかった。
 一人暮らしなのだから当たり前の分量だが、今日は少し手元が狂ったのか、味を濃く作ってしまった。
 魔理沙は失敗失敗、と水を足す。
 そしたら、味が薄くなってしまった。どうやら足し過ぎたらしい。
 あらら、と魔理沙はルーを足す。最近登場したルーは、小麦粉をバターで炒めて牛乳でのばす必要がなく、素の塊を入れるだけで済むので助かる。
 すると利便性を享受しすぎたのか、また味が濃くなってしまった。
 また水を足すついでに、鍋の縁ギリギリまでシチューが上がって来たので、大きな鍋に入れ替える。

 後は予想できる流れの通り。濃いから水、薄いからルーを繰り返す内に、とうとう寸胴鍋一杯にまで増量したのであった。

「……どうするかな」

 魔理沙は腕組みしてうーん、とうなる。
 幸い味の調整は上手くいったが、当然一人で食べきれる量ではない。
 そしてすぐにこう決断した。

「よし。たまにはおすそ分けってやつをやってみるか」

 そう呟くと、魔理沙はエプロンから外出着に着替え、大きなバスケットの中に寸胴鍋ごとシチューを投入した。


          ――◇――


「――さてと……まずはアリスん家あたりから、かな」

 まだほのかに明るい時刻の魔法の森を、箒とシチュー鍋入りバスケット片手に向かった先は、唯一のご近所であるアリス邸である。
 普段この人形遣いの家には紅茶やお菓子を貰いに行くことが大半だが、今日は逆に物をあげる日だ。
 魔理沙は玄関の前で、控えめにノックをする。

 ややあって少しだけ扉が開き、その隙間からそっと顔をのぞかせるのは金髪のショートヘアーと青い瞳。
 その瞳は余所行き用ともいうべき何の感情も無い目線だったが、扉の先が魔理沙と知るや、少し驚きに染まった。
 そして、扉が開かれる。アリスは不思議な生物を見るかのように眺めていた。

「なんだよ。召喚失敗した魔法生物を見る様な顔で」
「いえ。静かに手順を踏んで家に訪問する魔理沙が新鮮で」

 馬鹿にした風情ではなく本気で感心するアリスに、魔理沙は渋い顔をする。
 だが気を取り直して、魔理沙はバスケットを掲げてこう要件を告げる。

「今日は土産も持ってきたんだ。中に入れてくれないか」

 満面のスマイルでアリスに頼む魔理沙。
 そしてまた扉を素早く閉めて、隙間から伺う状態に戻るアリス。

「っておーい! 何でまた他人警戒モードになるんだよ!」
「……あまりに人が出来すぎている。あなた何者? 魔理沙をどうしたの?」
「ああそうかい。それじゃクローン魔理沙は母国の惑星に帰るぜ」

 完全にふて腐れて帰ろうとする魔理沙に、アリスは「冗談よ」と慌てて引き留める。
 まったく、都会派の冗談はよくわからん。そう魔理沙はアリス邸にお邪魔しながら、心中で一人ごちた。


 魔理沙はいつものリビングに通される。
 中はこざっぱりと掃除してあり、ガラス戸がはめ込まれた棚には飾り皿とドールがいくつも飾られていた。
 魔理沙はレースをあしらったテーブルクロスが覆うテーブルに、件のシチューを乗せる。

「まぁあれだ。作りすぎちゃったから、持ってきた。よかったら食べてくれ」
「へぇ、シチューね」

 アリスは中身を確認して、嬉しそうに呟いた。
 食事を必要としない体だが、アリスは洋食党で、特にシチューやグラタンの様なホワイトソース系の料理を好んで食べていた。
 また夕食の準備もされていないようで、魔理沙のおすそ分けは渡りに船といったベストタイミングだったのだろう。
 早速アリスは、数多いる働く人形の一体に皿とスプーンを二人分持ってこさせる。

「魔理沙も、どうせ食べていくでしょ」
「へへ、実は腹ペコなんだ。ありがたく頂くぜ」
「元は魔理沙のものだけどね」

 そう微笑みながら、アリスはお玉でシチューを二皿よそう。
 皿に盛られたシチューから複雑な軌道を描く湯気がふんわりと立ち上がり、乳製品の濃厚でコク深い匂いを届けた。
 具材はジャガイモ、ニンジン、玉ねぎといったスタンダードなお野菜と豚肉。そして魔理沙製らしくシメジがプラスされていた。

「ふぅん、中々美味しそうじゃない」
「当然だろ。久しぶりに作ってみたけど、腕は落ちていないぜ」
「どうだか。シチューもプリンも、食べてみないと出来は分からないわ」

 そう軽口の言い合いの様なトークをしつつ、二人は席に着く。
 そしてスプーンを手に取り、アリスはまず皿の中身をひと混ぜ。

(とろみ……良し。具材は……大きさがばらばらでイマイチだけど、バランスは悪くないわ)

 アリスはそう魔女の性なのかそういう性格なのか、ついシチューを批評する様に分析してしまった。
 貰い物なのに悪い癖だと思うが、当の送り主はもう一口二口とシチューをぱくついており「お、あんな作り方でもイケるもんだ」と謎の感想を漏らしていた。
 アリスもいただきますと挨拶をして、ぱくり、と一匙すくって口に運ぶ。

 刹那、アリスの目が見開かれた。

「! 美味しい……」

 思わず口を押さえて感嘆の声を漏らすアリス。魔理沙もそれを聞いて「そうだろう」とご満悦だ。
 だがアリスの呟く美味しいのレベルは、魔理沙が考えている物より遥かに深かった。
 アリスは再び、今度は丹念にシチューを口に運ぶ。先程はニンジンと玉ねぎがスプーンに乗っていたが、ここではごろりとしたジャガイモをチョイスした。
 口腔内全てを駆使してジャガイモの食感を確かめ、同時にシチューのルーとの相性も確認する。

 やはり、格別だった。
 アリスには、自分も料理がそれなりにできる自負がある。その中でもシチューは好物なだけに、かなり得意の部類に入るメニューだった。
 ところが、このシチューはその自負を易々と超えた。

(ジャガイモが、煮崩れていない! 普通こんな風に煮込む料理なら、ジャガイモは角がグズグズになるはず。
 でもこのジャガイモは角もしっかりしていて、ホクホク感も生きている……
 ううん、ジャガイモだけじゃない。ニンジンは柔らかく風味豊かだし、玉ねぎの甘みがばっちり引き出されている。
 豚肉……ああ、なんてこと! このジューシーさ! まるで食べる直前までうま味のベールに守られていた様ね。
 そしてあえてシメジを加えるオリジナリティ……でもなぜこんなにルーと調和するの。
 ああ……美味しい。シチュー……うま……)

 このような絶賛の考察を、一口ごとに展開していたアリス。
 その目は感動から、徐々に恍惚のとろみを帯びてきた。

 だが次に来た感情は、貪欲なまでの探究心だ。

(……知りたい。どんな作り方をしたら、こんな美味しいシチューになるのかしら)

 新しい現象を発見した科学者の様に、好奇心に完全に捕まってしまった。
 こんな研究者肌でなければ魔女は務まらないだけに、たとえシチューでも一旦気になったら止まらない。
 アリスは魔理沙に尋ねる。

「魔理沙。すごく美味しいシチューだけど、これどうやって作ったの? 私も作ってみたいわ」

 至極自然な質問だったが、魔理沙は「んん?」とだけ呟いてバツの悪そうな苦笑いを浮かべる。
 そしてはぐらかす様な口調でこう答えた。

「どうって……別に普通だぜ。まぁいいじゃん、作り方とかさ」

 明らかに何かを隠している風情の魔理沙。
 普段これくらいの情報ならさらっと教えるのだが、今回は勝手が違う。

 アリスはちょっと神経質なきらいがあるぐらいの完璧主義者で、料理も然りなのだ。
 レシピを熟読し、調味料は薬品調合のごとく正確に量を測って加え、加熱などの時間は秒単位できっちり守って料理を遂行する。
 そんなアリスにとって、水とルーを交互に投入したシチューなんて考えられないだろう。
 しかもルーばっかり増量して具材が足りないため、苦肉の策で余りの野菜や肉を一旦別の鍋で炒めて、それをシチュー鍋に混ぜ込んでひと煮立ちさせるという荒業を魔理沙はやってしまったのだ。
 普段から魔理沙はアリスにこういう大雑把な点をちくちく指摘されてきているため、また説教されてはかなわない、と魔理沙は誤魔化したのだった。

 だが、アリスは違った捉え方をした。

(ふぅん……秘密ってわけね。この美味しさは、やっぱり新式の魔法かしら。
 どのみち、ただでは教えられない代物か……)

 顔見知りの魔女同士にだって教えられない、教えたくない研究成果は山ほどある。
 アリスは、そういう秘密を悟られたくない反応だと勘違いしたらしい。
 単に具材を後入れしたことで、煮込み過ぎによる味のぼやけが少なくなっていたことが結果的に美味しさに繋がっていただけなのだが、アリスは気づけなかった。

 そして、いつもはあまり詮索しない他人の秘密を、今回ばかりは解明してやろうという気がむらむらと湧いてきた。
 その為には、シチューのサンプルが必要だ。
 アリスは目の前の魔理沙に不自然に思われず、かつ一定量のサンプルを取得するため、人形遣いの名にふさわしい大胆で巧妙な手に出た。

「上海~、ちょっと来て」
「ハーイ」

 アリスは人差し指を振って上海人形を呼び出す。
 何だ何だと訝しがる魔理沙を尻目に、アリスはスプーンでシチューをすくった。
 そして次の瞬間

「上海、あーん」
「アーン」

 アリスは口を大きく開けて、上海にスプーンを差し出した。
 すると、上海は小さな口を目一杯開けて、シチューをぺろりと飲み込んだ。
 これには魔理沙も驚いた。

「え!? 上海って、ご飯食べられるのか?」
「……身近な有機物を摂取し、体を動かすエネルギーに変換するっていうプロセスを術式にして、上海に組み込んでみたの。
 ゆくゆくは、エネルギーが不足したら自分で食事して補給できる様にする予定だけど、これはその前段の実験。
 自律へのアプローチの一つだけど、どう?」
「おお~。上海も腹が減ったら、ご飯を食べる様になったのか。一丁前になったな」

 魔理沙が感心しながら頭を撫でてやると、上海は「キヤスクサワルナー!」と照れ隠しに腕をぶんぶん振る。
 アリスもそんなほのぼのとした光景を、微笑みを浮かべつつこう思いながら眺めていた。

(ごめんね上海。後でお腹の中を、ちょこっと覗かせてね)

 そう、術式どうこうは全部出任せ。シチューは上海の胴体部分にただ溜まっていくだけだ。
 こうやって何回かあーんパクを繰り返せば、成分分析をするには充分なサンプルが採れる。
 魔女という種族に恥じない目的に真っ直ぐな行動力、かつバレたらまともな友達がいなくなるような所業であった。

 そんな真相を知ったらうすら寒くなる様な行為の分も含めて二人はシチューを食べ終えたが、寸胴にはまだまだ大量に残っていた。

「結構残っているなぁ……もっと違う所にも配ってくるか」
「あんまり遠くに行っちゃだめよ。遅い時間に訪ねたら、向こうも迷惑なんだからね」
「お前はお母さんか」

 お腹も一杯で研究資料も手に入れたアリスは、ノリが良かった。
 だが魔理沙はさして気にすることなく、再び箒とシチューを手に外へ出る。
 そしてシチューでたぷたぷの上海とアリスの見送りを受け、魔理沙は夕闇迫る大空へ飛び上がった。


          ――◇――


 飛び上がったはいいが、魔理沙は魔法の森の上空でどこに行くか決めあぐねていた。
 とりあえず人里方面に向かいながら適当な知り合いを思い浮かべていると、眼下の森が開けた場所に見知った妖精を発見した。
 しかもその姿は3つ。光の三妖精ことサニー・ルナ・スターの妖精トリオだ。
 何やらレジャーシートを広げてわいわいしている傍に、魔理沙はそっと降り立って声をかけた。

「よぉ、どうした? またいたずらの算段か?」
「あ、魔理沙さん」

 魔理沙に気づいたリーダー格のサニーが代表して返事をする。
 するとルナとスターもコクリとシートの上で会釈をした。
 三人が座っていたシートの真ん中には、やや大きめの水筒の様な入れ物が鎮座していた。

「んん、時間はずれのピクニックでもしているのか? それにしては水筒だけで食べ物が何もないっていうのは、ちょっと寂しいな」

 魔理沙は見た状況から類推し、思った通りの感想を呟く。
 だが、その言葉にサニーはにんまりと口元を笑みの形にした。

「やっぱり! 魔理沙さんも水筒に見えるのね!」
「え?」

 サニーの返答に魔理沙は困惑する。
 形は太い円筒形。表面は金属にペンキを塗った様な質感で、上部には別素材でパッチン留め付きのフタ。
 どう見たって水筒にしか見えないのだが、サニーはまるで新しいおもちゃの機能を説明するかの様に意気揚々と、その物体の正体を語り始めた。

「実はこれ、お弁当箱なの。ここのフタを開けて、この丸い箱を取り出すと」

 サニーは実際にフタを外して中身を取り出す。
 果たして水筒の中には、それにすっぽり入る円形の箱が三つ重なって入っていた。まるで素っ気ないマトリョーシカだ。
 それを全部引き出してシートに並べる。その内の一つを手に取り、フタを瓶詰めの様に回して開ける。
 その中身を見て、魔理沙も興味をそそられた声をあげる。

「おぉ! 味噌汁が入っている。とすると、そっちのはご飯か」
「そう! それとおかず。しかも魔法瓶と同じで、いつまでも温かいままなのよ!」

 サニーが自分の手柄の様に胸をそらしながら、残りの二つも開ける。片方は白飯、もう片方は色とりどりのおかずが詰められていた。
 しかも、魔理沙が触るとほんのり温かかった。

「なるほど。魔法瓶にご飯を詰め込むとは、うまい事考えたなぁ」

 魔理沙はご飯の温度も確かめ、自分も欲しいといった称賛の言葉を送る。
 だが誇らしげなサニーと対照的に、ルナとスターは浮かない顔だ。
 その理由は、げっそりといった風体のルナが愚痴り始めた。

「でも、その性能を試すのに空腹を我慢するのはツライわ」
「そうよ。折角美味しく作ったのに、冷めるまで待っていたら不味くなっちゃう」

 おそらく弁当の中身を拵えたスターも、ルナに追随して不満を漏らす。
 どうやらこの保温弁当箱を手に入れたはいいが、その能力の限界を探るため、弁当を目の前にずっと待ちぼうけをしていたらしい。
 その愚直なまでの姿を想像し、魔理沙は苦笑ついでにこんなことを提案した。

「そりゃあ、お腹が空いただろう。どうだ、丁度よくシチューを持ってきているんだ。よかったら食べないか?」
「「「シチュー!」」」

 そのメニューに、三妖精は目を輝かせる。
 妖精の味覚は、ふうきみそを好むような渋い一面もあるが、基本的には見た目相応の子供に近い。
 無論、シチューは好物のトップクラスに入るメニューだ。
 シートの端っこにお邪魔した魔理沙が鍋を開けると、めいめいが取り皿を持ち、はち切れんばかりの期待と笑顔でシチューを受け取った。
 そして全体にシチューが行き渡り、三妖精がパクリ、と口にする。

「ん~! おいしい!」
「味の濃さがちょうどいいね」
「あ、ジャガイモが煮崩れしていない。後から炒めて入れたのかしら」

 サニーは直感的な感想を述べ、ルナとスターも好評を伝える。魔理沙は満足げな笑みだ。
 ルナとスターがシチューに舌鼓を打つ中、サニーはご飯の器に手を伸ばした。
 するとルナは嫌そうに疑問の声をあげる。

「サニー、そのご飯をどうするの?」
「どうって……シチューをかけて食べるんだけど」
「やっぱり。まさかと思ったけど」

 まるで理解できないといった口調のルナに、サニーは逆に驚いた。

「何よ、そんなにおかしい?」
「だって、シチューって独立したメニューでしょ。合わせるにしたって、普通はパンよね。
 シチューはカレーと違うのよ。その食べ方はおかしいと思う」

 本気で引くルナに、サニーは反論する。

「そんなこと言ったって、美味しいからいいじゃない!
 そういうルナこそ、いつも目玉焼きやフライに醤油かけるでしょ。
 挙句にカレーにまで醤油かけて食べるなんて、何考えているの?」
「はぁ!? 醤油のどこが悪いのよ。さてはサニーはソース派?
 天ぷらも焼売もソースだし、こないだなんかソースかけご飯とか食べていたでしょ。やめてよみっともない」
「ああっ、ソースをバカにしたわねこの醤油中毒! 酢豚のパイナップル!」
「むき~! 言ったわねこの汁物をご飯にぶっかけマニア! 冷や汁喰らえ!」

 もう売り言葉に買い言葉。とうとう「こうなったら決闘よ!」「望むところ!」と上空で弾幕ごっこが始まってしまった。
 魔理沙はバツの悪そうな顔で、何故かのんきにお茶を飲むスターにひそひそと話しかける。

「あー……すまない。私のせいで、何か確執が生まれたみたいだな」
「ううん、大丈夫。むしろ大歓迎」

 スターの意味深な発言に、魔理沙は首をかしげる。
 するとスターはにこにこと笑みを崩さずにこう説明する。

「たまにあるの。好みの違いでああやって決闘することが。
 でも決闘で負けた方は素直に相手の好みを認めて、そっちに趣味を変更しちゃうのよ。
 例えば、昔あの二人は好きなサラダドレッシングの種類がバラバラだったんだけど、ああやって好みのぶつかり合いをして、一種類に統一されたの。
 ご飯担当の私としては、そうなってくれた方が助かるわ」

 その言葉に、魔理沙の顔がややひきつる。

「じゃあ……決闘が起きるのを見越して黙っていたのか?」
「ふふふ……魔理沙さんには感謝ね。
 シチューはご飯? いやパン! の乱と同時に、醤油ソース百年戦争も解決しそうだから」

 そう本当に助かったといった様子で語るスターに、魔理沙は「お、おう……」と愛想笑いで誤魔化すが、内心そのしたたかさに舌を巻いていた。
 三妖精の中で一番大人しそうに見えるが、もしかして一番老獪なのはスターかもしれない。
 今度弾幕ごっこをやる機会があったら、スターには気をつけよう。

 そう心に留め、魔理沙は余計なとばっちりを食わない様、スターに後を任せてそっとこの場から離れた。


 もう日も暮れ、すっかり暗くなってしまった。
 シチューは残り半分。こいつをやっつけてしまってから帰りたい。
 しかしこの時間帯ならどの家も夕食を取っているだろう。そんな中にシチューの差し入れは、正直ありがた迷惑かもしれない。
 魔理沙はそんなことを考えながら人里上空を旋回していると、ふと思い立った。

(そうだ。あそこなら一気に消化できる)

 そして魔理沙は方向転換。行先は東。
 人里のそのまた先、紅白の巫女が住まうあの神社だ。


          ――◇――


 博麗神社に降り立った魔理沙は、霊夢を探す。
 本堂の正面はがらんとしていた。こんな時間に霊夢が掃除している訳も、参拝者がいる訳でもないので当たり前だが。
 だいぶ軽くなった寸胴片手に、魔理沙は裏手に回る。

 ほとんどの障子戸の向こうは暗がりだったが、一つだけぼんやりと明りの灯る部屋があった。
 魔理沙は縁側に面したその部屋に上がり込むため、靴を脱いで縁側に上がり、障子に手をかける。

「霊夢~、いるよな~? 開けるぜ」

 呼びかけにも返事は無い。魔理沙は遠慮なく障子を開ける。


 そこで魔理沙が見たもの。


 それは、飢餓の恐ろしさと悲惨さを物語る霊夢の姿だった。


 霊夢は、ちゃぶ台の向こう側に寝転がっていた。
 いや、正確には仰向けに大の字になり、濁った眼で天井をただただ見つめていた。
 頬はこけ、唇はカサカサ。肌や髪の色つやも失せ、呼吸は微かに行っている様だ。
 ただ、その姿は幽鬼や死人を思わせる。あと数週間放って置いたら、完全に餓鬼と見間違う風体になる。そんな確信を抱かせた。

 そしてちゃぶ台の上には水の入った湯飲みと、大根の葉っぱが二枚。
 おそらく晩御飯の代わりに葉っぱを少しかじって水を飲み、そのまま体力温存のため寝ている、といった状況だ。
 そんな飢餓難民もかくやという切羽詰まった状況下で、魔理沙の発した言葉はこうだ。


「おーおー。だいぶキマッてるな、今日は」


 そう普段の調子で喋ると、慣れた様子で霊夢を抱き起す。

「ほら、しっかりして。座れるか」
「……ぁ……あう……」
「そっか、頑張れ頑張れ」

 最早言語さえ不明瞭な霊夢をきちんと座らせ、もといちゃぶ台に寄りかからせると、魔理沙は皿を取りに行く。
 年季の入った焼物の皿と木の匙を持って来ると、そこにやや冷えたシチューを盛る。
 そして霊夢の目の前に差し出した。

「おーい、聞こえるか。これ食べて、意識をしっかり持つんだぜ」

 そう言って匙でシチューをすくって見せる魔理沙。
 すると、霊夢の目の色が変わった。

「……お、おお……あああ……」

 光の無かった瞳に、微かではあるが光が灯った。
 そして関節が節くれ立った両手で、皿の縁を撫でる。
 まるで現物を確かめて、夢ではないことを実感している様だった。

「ほら、ちゃんとあるだろ。はい、あーん」

 魔理沙はそんな霊夢の不憫な行動をさらりと流し、シチューをすくった匙を口元まで運んでやった。
 すると霊夢は、まるで原始の本能に従う様に無駄の無い動きでシチューにぱっくり食らいつく。
 だが口に入れたら、ゆっくり、ゆっくりと咀嚼する。一口一口を噛みしめる様に味わい、飲み込む。
 そして、霊夢は顔をくしゃりと崩してこう呟く。

「…………うめぇ」

 数十年ぶりに再会した肉親と交わす第一声に匹敵する、万感の思いと筆舌に尽くしがたい感動が織り交ざった一言だった。
 そして霊夢は泣いていた。
 悲しみでも、喜びでもない。栄養が行き渡り、生理現象の涙がぽろぽろとあふれ出ていた。

「なぁ、うまいだろ。久しぶりだけど、腕は落ちていないぜ。後は一人で食えるか?」

 その問いに返答は無かった。
 代わりに霊夢は匙を魔理沙からひったくると、猛烈な勢いでシチューをかっ込み始めた。
 匙の上げ下げももどかしいといった具合に、必死ですくい、運び、口に中にぽんぽん投入する。
 その食べる速さたるや、乾いたスポンジが水を吸い込む様だ。
 そして、霊夢は涙も拭かずに突然こう漏らす。

「……ありがてぇ」

 そう言って一口。そしてまた、連呼する。

「あ、ありがてぇ! ありがてぇ! ありがてぇよぉ……」

 そう泣きながら、久方ぶりのまともでいくらでも食べられる食事を堪能する霊夢。
 見た目だけは散々怒られた後にご飯を食べる子供だが、やっている態度はまるっきり冬場の零細農民だ。

「はいはい。お礼はいいから、さっさと食べな。おかわりもあるから」

 そんな霊夢を目の当たりにしても、魔理沙は至って平静だった。むしろやれやれといった雰囲気さえ漂わせている。
 これは魔理沙の神経が縄文杉の様に極太だからではなく、単に見慣れてしまったための所作であった。

 博麗 霊夢。またの名を、いつも紅白たまに赤貧の巫女。
 普段はそうでもないのだが、ときどき収支バランスが崩壊し、食料がすっからかんになることがある。
 さらにその時と宴会のオフシーズンが重なると、霊夢はこうなる。
 最早神社だけど教会にパンを貰いにいった方が良いレベルの困窮さだが、そんなタイミングで不思議と食料を持った友人や客人が現れる。
 最初この状態の霊夢を見た魔理沙は大層驚き、靴も履かずおんぶして病院に駆け込んだものだったが、今はこうして食べさせれば治ることを知っている。
 博麗の運と人望の良さが生かされているな、と魔理沙は苦笑する。

 そしてその後も霊夢はありがたやー、ありがたやーと食べ続け、結局寸胴が空になった。

「おぉ、さすが霊夢。綺麗に無くなったな」

 魔理沙が感心した様に呟き、食器類を流しに下げる。
 これでシチューがすべて消化でき、魔理沙は満足だ。
 さて、と魔理沙がちゃぶ台部屋に戻ると、そこには霊夢が床に突っ伏してすやすやと寝息を立てていた。
 よっぽど久しぶりの栄養補給に体が安心したのか、それとも省エネに努めたいのか。
 しかし表情はこれ以上なく柔和で至福を表していたので、魔理沙はくつくつと笑う。

「食ったら寝る、か。うらやましい性格しているぜ」

 そう言いつつも、魔理沙はせんべい布団を持ってきて、仰向けにずるりと引っ張って寝かせてやる。
 この調子なら早くいつもの霊夢に戻るだろう。
 毛布をかけて、魔理沙は外に出る。

 太陽はとっくに沈み、今の空は闇に場を譲っていた。
 そしてふと上空を見上げた魔理沙は、「おお」と呟く。

 秋晴れで雲一つない、空気の澄んだ夜空はまるで薄手のレース生地を光にかざした様な、明るく無数の星に彩られていた。
 幻想郷の東の果て、人家や喧騒の光も届かぬこの場所は星のわずかな輝きが本来の姿を取り戻す。
 その圧倒される程の星の量に、魔理沙はしばし見とれる。
 先ごろまで夕方に雨が降ることが多く、久方ぶりの星空ということもあって、それは今日一日で一番魔理沙の心に沁みついた。

「……シチューをちゃんと作っていたら、この光景は見られなかったな」

 そう独り言を呟くと、そのポジティブな思考につい爽やかな笑みを浮かべてしまう。
 自分が困っていたからといえ、今日は多くの人妖にシチューの恵みを与えた。
 そんな功徳に対して、神様がささやかな礼をしてくれたのではないか、と魔理沙はちらりと思う。

「少し、遠回りして帰ろうかな」

 そう魔理沙は決めて、夜想曲的な即興鼻歌を歌いながら月のシルエットに身を踊らせた。


          ――◇――


「――はいはーい、っと。なんだアリスか」

 シチューをおすそ分けしてから何日かして、自宅の玄関を開けた魔理沙は、その来客の様相を見て少し驚いた様に声をかけた。

「どうした? 目、隈がべったりだぞ」

 そんな心配そうな声音の魔理沙をよそに、玄関先のアリスはふっふっふとやけにマッドな笑みを浮かべていた。

「魔理沙……ごめんなさい。好奇心に勝てなかったの。
 私としたことがコクとまろやかさの解析に徹夜で取り組むこととなったけれど、ようやく全貌が掴めたのよ。
 さぁ、入れて頂戴。答え合わせをしましょう」
「お、おう」

 アリスは寝不足なのか、魔理沙には訳の分からないことを並べ立てる。
 でも今のコイツは中に入れないとまずい、と感じた魔理沙は室内へ招き入れた。
 廊下を進む間、アリスは持参したバスケットを撫でながら「今まで食べたシチューの皿数を覚えているか……」などとブツブツ呟くのを聞かなかったことにして、魔理沙はこう話しかける。

「きょ、今日は千客万来だな。アリスの他にも、珍しい面々がもう集まっているぜ」
「へ?」

 アリスが素の声を上げると同時に、リビングの戸が開かれる。
 するとそこには、三妖精と霊夢が仲良く茶をすすっている光景が広がっていた。

「あら、アリスも来たの?」

 今日はやつれていない、相変わらずのんびりとした喋りの霊夢に、アリスはぽかんと口を開けて尋ねる。

「私も、って?」
「ああ、私達この前魔理沙からシチュー貰ったのよ。それでお返しを持ってきたら」
「私たちも偶然お返しを持ってきたってわけ!」

 そう三妖精の代表として、サニーが元気に説明する。
 よく見ると机の傍には風呂敷包みや、やけに大きい水筒の様な入れ物が置いてあった。
 おそらく霊夢もアリスの手にあるバスケットを見て、その類の用事であると推測したに違いない。

 アリスは「ああ」と状況を飲み込んで頭を抱える。
 推測通り、バスケットにはあの日から夢中になってコピーした『魔理沙パーフェクトシチュー 試作品』がしっかり入っていた。
 だがアリスは魔理沙が極秘にしておきたい代物と勘違いしているゆえに、こんな大人数の前でうかつに出せないと悩む。

 だが、なんと魔理沙は平然と中身を出した。

「おお、あったかい。中身は、えっ?」
「ちょ! 魔理沙!」

 勝手に荷物を開けたことと、機密を無防備にばらす魔理沙を窘める言葉を発するアリスだが、対する魔理沙は目をぱちくりとした。
 そして

「ふ……あっはっははは!」

 額に手を当て、こりゃあ参ったと言わんばかりに大笑い。
 勿論中身は陶器の蓋付き深皿に入ったシチューだが、アリスは途端狼狽する。
 まさか見た目でちゃちな紛い物だと見破られたのかと、魔女のプライドが心中で警鐘を鳴らす。
 だが、何だ何だと近寄ってきた一同も、アリスのシチューを見て「あ~あ」と納得しきりだ。
 独り置いてけぼりのアリスに、霊夢が説明する。

「あなた……そこまで皆と迎合する必要はないでしょうに」
「えっ?」

 本日二度目の無意識な疑問符に、霊夢は風呂敷を解いて中身を見せる。

 中には両手鍋に入った牛乳仕立ての野菜入りスープ。そう、シチューが入っていた。
 するとスターも水筒容器から三つの小容器を取り出す。
 中身は風合いや香りが微妙に異なるシチューが入っていた。

 呆気にとられるアリスの背後で、ようやく落ち着いた魔理沙が補足説明する。

「はぁ~。こないだのお返しは嬉しいけど、まさかみーんなシチュー持って来るなんてな。
 多く作りすぎちゃったから配ったのに、また多く集めてどうするんだ」

 そこまで状況整理してまたおかしみがこみ上げてきたのか、クククと含み笑いをする魔理沙。

「まぁ、いいじゃない。久しぶりにシチューを食べたら、作ってみたくなっちゃったんだから。
 たまには他人のシチューを食べてみるのも一興よ」

 細かいことを気にしない霊夢が、自分の鍋から皿によそう。
 具は一般的だが、とにかく粘度がゆるい。まるでチャウダーの様にシャバシャバなのが霊夢流らしい。

「そうそう。私たちも作ってみたから、食べてみて」

 一方の三妖精たちもそれぞれ一つずつ容器を手に取る。
 どうやら各自が手作りしたものを詰め合わせたらしい。
 この雰囲気にアリスもふぅ、とため息を吐き、とうとう自らのシチューを皆に見せた。
 それは具やルー、色と香り、質感に至るまでまるであの日おすそ分けされたシチューをそのままそっくり持ってきた様な、完璧な再現品だった。
 しかしそんなことは周りの者達はおろか魔理沙にすら判別がつくわけもなく、シメジが入った美味しそうなシチュー、という感想だった。

「おお。じゃあやるか。シチューパーティー!」
「「「いただきまーす!」」」

 そして互いが互いのシチューを交換し合い、賑やかに晩餐が始まった。

「じゃ、まずはアリスのから……おお、美味しい。私好みの味だ」
「当然でしょ。魔理沙の作ったシチューと同じなんだから」
「ん?」
「あ、なんでも無いわ……」
「霊夢さんのシチュー……これシチュー?」
「失敬ね。味はちゃんとシチューでしょ」
「私はよくご飯が汁を吸いそうだから好き! そうだ魔理沙さん、ご飯あります?」
「ふふん、あるぜ。かけて食うんだろ」
「あ、私もください」
「お? ルナもその食べ方にするのか?」
「だって、試してみたら結構美味しかったから」
「そうか、そっちに統一されたんだな……」
「あ、シメジシチューいけるわね。おかわりっと」
「魔理沙。あの妖精達、なんでご飯を一緒に食べているの? 不自然じゃない」
「アリス、世界は広い。好みは千差万別だぜ」
「ふーん」
「スター、そこの醤油とって」
「はいサニー」
「ありがとう」
「……シチューに醤油かけるのもありなの?」
「そうか、好みをトレードしたんだな……」
「あ、このシチュー隠し味に味噌入れたのかしら。おかわりっと」
「すごい霊夢さん! スターの一工夫を一口で見破った!」
「へぇ、料理が上手なのね」
「アリスさん、ですよね。アリスさんのシチューも美味しいです」
「あら、ありがとう。黒髪の妖精さん」
「具が煮崩れしていないから、魔理沙さんみたいに具を後から入れたんですか?」
「……え!?」
「ご飯おかわりっと」

 その場の全員があちこちで話し合うため混沌としてきたが、それでも笑顔が絶えない楽しい食事会だ。
 そしてアリスの事を不気味だと感じていた三妖精が少しずつアリスと会話し始め、自然と魔理沙の頬も緩む。
 シチューのおすそ分けから始まった小さな幸せは、また寄り集まって大きな幸せとして魔理沙に還元された。

 夕暮れが迫りセピア色に染まる幻想郷は、最近とみに気温が低くなった。
 シチューが美味しい、そんなちょっとの幸せを噛みしめられる季節がまたやって来たのであった。


          【終】
・博麗神社のシチュー
 鶏肉、人参、玉ねぎ、青菜が入っているホワイトシチュー。味噌汁並みに粘度が緩いことが大きな特徴。
「あんまり濃い奴だと、のどに引っかかる感じが嫌なのよ。だから決してルーをケチっているわけじゃないからね!」

・霧雨さん家のシチュー
 豚肉使用のホワイトシチュー。具は一般的なものに、シメジやマイタケなどキノコを追加するのが好み。昔はルーを小麦粉から作っていた。
「合うよな、キノコ。たまにカボチャとかトウモロコシなんかも入れるぜ」

・紅魔館のシチュー
 牛肉をふんだんに使用したビーフシチュー。野菜とすね肉をブイヨンでじっくり煮込み、トマトピューレをたっぷり加えたレミリア好みの一品である。
「ただし、グリンピースを入れると一日口を利いていただけないので、充分注意していますわ……」

・守矢神社のシチュー
 テーブルビートとタマネギ、ニンジン、キャベツ、牛肉などの材料を炒めてから、スープでじっくり煮込んで作る。仕上げにサワークリームを添えていただきます。
「……早苗、これはシチューじゃなくてボルシチだ」
「え!?」


遅ればせながら、作品集200達成おめでとうございます。がま口です。
めっきり秋らしくなりましたね。夕方の気温もぐっと低くなり、そんな日は温かいものが食べたい! という気持ちを盛り込みました。
皆様も好みは様々おありかと存じますが、是非オリジナルシチューで小さな幸せを堪能できることを祈っております。

シチューは丼ごはんにかける派、がま口でした。
がま口
[email protected]
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.2120簡易評価
1.90名前が無い程度の能力削除
ふと肌寒さを感じる夜にはシチューが美味しく感じられますよね。
そしてご飯にシチューをかけるのは私も好きです、更にケチャップやチーズもかけちゃいますが。
しかし、シチューの素がない場合は小麦粉で作るのですねぇ、知らなかった…。調味料の少ない幻想郷は洋食大変そうだ。
2.90奇声を発する程度の能力削除
シチュー食べたくなる
3.100名前が無い程度の能力削除
今日の夕飯がシチューだった自分には、まさにタイムリーなお話でしたw
ちなみに我が家のシチューは、ニンジン・玉ねぎ・ジャガイモ・鶏肉の入ったコンソメシチューが定番ですね。
それにご飯を入れて食べるのが好きです。勿論シチューにパンを浸して食べるのも好きですが…
4.90名前が無い程度の能力削除
自分はご飯にシチューは掛けないでけど一緒に食べる派だな
5.90絶望を司る程度の能力削除
寝る前に読むんじゃなかったよチキショー!
7.100非現実世界に棲む者削除
私はシチューにパンを浸して食べます。ホワイトが一番好みです。
心温まる作品でした。
9.100金細工師削除
ホワイトシチューは鶏肉だろう?
こんな時間にお腹空いてきた…
飯テロだ!謝罪と補償とシチューを要求する!
11.90名前が無い程度の能力削除
たしか原作では三妖精とアリスは初対面から結構打ち解けてたと思ったけれど、そこだけが少し気になりました
12.100名前が無い程度の能力削除
食べ物系のSSってどの作品も霊夢の扱い酷いですよねw
普段クスリともしない自分ですが、霊夢のくだりは盛大に笑わしていただきました。
13.100お嬢様削除
このサニーは私か。
シチューは家庭の味って感じで好きです。三妖精達がみんな大好きなのも納得って感じですね。これからの季節にピッタリのあったかいお話でした。
20.100名前が無い程度の能力削除
シチューにはしょうゆでしょ。でも塩もいいし何もかけないのもいいし……お腹空きました。
愛されまりかーさんはもっと作り過ぎるべき。そうするべき。
23.100名前が無い程度の能力削除
シチューの恋しい季節になりましたね。
うちにもシチュー持ってきてくれないかな魔理沙。
25.100名前が無い程度の能力削除
霊夢がシチューをがっつくシーンでギンを想起せずにはいられなかった
三妖精と日常物は相性抜群だと思う
28.100名前が無い程度の能力削除
楽しかったです
34.100名前が無い程度の能力削除
いやぁ、あったかいですねぇ
寒い日はこんなシチューを皆と一緒に食べたいものです
43.無評価がま口削除
皆様、ご感想ありがとうございます。
意外にシチューをご飯と合わせる方が多く、驚きましたが自分が少数派でないことに喜びも感じております。
それでは、遅ればせながらお返事をしたいと思います。

1番様
これからの季節は特にシチューが美味しいですね。
醤油以外にもそんなトッピングがあるとは……チーズが美味しそうです。
小麦粉のルーは今や絶滅危惧の手法ですが、どうしてもルーが無い時代用になるかもしれませんね。

奇声を発する程度の能力様
どうしても食べ物系のお話はそれを食べたくなってしまいますね。不思議。

3番様
おお、まさにタイムリー(笑)
コンソメシチューもよく食べます。ただどちらかといえば我が家ではスープという括りでした。
パンに浸すのもいいですね! 想像したらよだれが……

4番様
わかります。そちらのタイプの方も知り合いにいますから。

絶望を司る程度の能力様
ごめんなさーい!! お手数ですが、そちらでシチュー調達していただけると幸いです。

非現実世界に棲む者様
私もホワイトが好きです。ほっこりして頂けたなら幸いです。

金細工師様
我が家では豚肉だったなぁ……でも鶏肉も美味しそうですね!
そしてまずはゴメンナサイ! シチューは……お手数ですが、そちらで調達して頂けると幸いです(土下座)

11番様
確かに、最後は「仲良くしよう」って言っていましたね。ギスギスしたまま終わったと解釈していました。
ご指摘ありがとうございました。

12番様
いやぁ、別所で「やつれいむ」なる霊夢を見てから、どうも霊夢はこのイメージで固定されてしまいまして(笑)
しかし大笑いしていただけたのなら幸いです。

お嬢様様
ご感想、ありがとうございます。
サニーと同じ趣味ですか。ということは、ソースかけご飯も!?
シチューは肉じゃがと同じくらい各家庭で結構食べ方が違うようで、だからこそ懐かしさや温かさが演出できるのかもしれませんね。
あと余談ですが、お嬢様の敬称は↑の形式でいいですかね……「様様」って二重に(汗)

20番様
どんな調味料でもOKとは、シチューの不思議な包容力です。
そしてまりかーさんは万物に功徳のシチューを与える聖母マリサに……なんちて(笑)

23番様
そんな季節が、私は大好きです。
魔理沙さんがシチューを持ってきてくれたら、私はバケツ一杯でも食べますよ!

25番様
元ネタが分からないのですが、この霊夢と同じ食べ方をするキャラクターが別所にいるのですか……大丈夫かな、そのキャラクターさん。
実は初めてガッツリと扱った三妖精さんですが、うまくハマった様でよかったです。

28番様
お気に召された様で幸いです。

34番様
全くです。寒い日も、仲間とご飯が一緒なら乗り切れそうですね。

当然のごとくビーフシチューも皿盛のご飯にかけたら、見た目がカレーで軽く笑ったがま口でした。
47.90名前が無い程度の能力削除
「……あれぇ?」の魔理沙と、隙間から伺いながら「あなた何者? 魔理沙をどうしたの?」とか言う他人警戒モードのアリス可愛い。
シチューの作りすぎから始まり、無理なく読みやすく日常の世界が広がっていると思いました。霊夢は相変わらず餓えてるなあw そしてアリスは斜め上にキマッちゃったなあw

母親がかなりのキノコ好きなので、たいていシメジは入ってて、他にはエノキや、たまにエリンギなんかも入ってました。
しかしシチューとは基本鶏肉ではなかったのか……! そしてシチュー丼……グラタンみたいなものと考えればあるいは?
49.無評価がま口削除
47番様
ご感想ありがとうございます。
マリアリをお褒め頂いて嬉しいです。日常系のジャンルが好きなので、この路線をもっと書いていけたらなぁ、と思っています。
そしてここにも家庭の差が! キノコは美味しいですよね。
シチュー丼は……単に皿盛が面倒なので手近な丼で食べている次第です(苦笑)
50.90名前が無い程度の能力削除
決め手は普通の魔法使いの、大過剰ではない普通にほどよい火力。
上海人形の腹に仕込まれていたのが、まさに胃袋という仕組みには感心いたしました。

シチューごはん、リゾットみたいなもんですかねぇ。
52.80sumo削除
シチューいいよね。
53.無評価がま口削除
50番様
上海のお腹、実はこういう時のためにタッパー内蔵! という設定も考えたのですが、あまりにも荒唐無稽なので却下した次第です。
シチューごはんは、リゾットというより洋風中華丼ですかね。何か矛盾する例えですけど(笑)

sumo様
ええ、私も大好物です。
56.1003削除
冬と言ったらシチュー! 冬のシチューほど幸せになれるものはなかなか無いですよね。
このSSも、そんな冬のシチューのように暖かくなれるものでした。
何かもう、理屈とかそういうのをぜーんぶ放り出して、
幸せな気持ちで、笑顔のまま読みたいSSです。
61.無評価がま口削除
3様
いつもご感想ありがとうございます。
家に帰ってきて、シチューがあると顔がほころぶ。そんなイメージを共感できて嬉しいです。
ささやかですが幸せもおすそ分けできたなら、作者としてとても満足です。
63.100名前が無い程度の能力削除
具を後入れしただけと気付いたアリスの「……え!?」がかわそかわいいここのアリスの貪欲さとか取り繕い方が人間味出てて好き面白かったです。
64.無評価がま口削除
63番様
アリスは賢いけど、その賢さゆえに空回りしちゃう系女子だと思います(キッパリ)
しかし冷血ではなくむしろ人間臭いアリスさんが好きなので、その様に描写できてよかったです。
66.100あやりん削除
ええのう
67.無評価がま口削除
あやりん様
ありがとうございます。ええですなぁ。
71.100名前が無い程度の能力削除
シチューは至高
アリスさんすらも絶賛する魔理沙のシチュー、めちゃくちゃ食べたい……そして通常のアリスさんのシチューも食べたい(欲張り)