霖之助「名前 スーパーファミコン 用途 遊戯用、と。」
僕は四角い物体を見ながらそう言った。
魔理沙「で、どうやって遊ぶんだ?」
霖之助「そこまでは。まぁこんぴゅーたの一種と見たね」
魔理沙「ガラクタじゃないか」
霖之助「そんなことない。外の世界はこんぴゅーたで動いているんだ」
魔理沙「これ動きそうにないぞ」
そこが難点である。
魔理沙「早苗に聞いた方が早いかな?」
霖之助「それが早いだろうね」
魔理沙「じゃあさ、一緒にいこう。」
そういいつつ彼女がすり寄ってくる。甘えている子猫のようだ。そう、彼女は僕に好意を寄せている・・・
・・・わけではなく、裏がある、こういうときは。
霖之助「魔理沙、今度は何したんだ」
魔理沙「!? 別に何でもないぜ!」
はぁ。一つため息をついた後に続ける。
霖之助「怒らないから正直にいいなさい。僕を守矢神社に連れて何させようとしたんだ?」
魔理沙が目をそらす。最初から怪しいとは思っていた。普通、彼女がモノを持ち込んだ時は開口一番金だ。
魔理沙「実はさ・・・前に山に行ったら神社に誰もいなくてさ、それで・・・がっ!!何で殴るんだよ!」
霖之助「もう分かったよ!全部!何もかも!」
魔理沙「じゃあ何が分かったんだよ!」
霖之助「そこで盗んだものを僕に売りつけたんだろ!で、返せと言われてるんだろ!」
魔理沙「盗んでない!借りてるだけだぜ!」
霖之助「借りたものを売ったっていうのか!」
魔理沙「それはぁ・・・」
今日という今日は簡単に許すわけにはいかない。
窃盗は犯罪ということを知るべきだ。
これを見逃せばそれこそ親父さんに申し訳が立たない。
一時間後。
霖之助「もういい。で、何を盗んだんだ。」
魔理沙「笑うなよ。」
霖之助「笑わないよ。ものすごく怒ってるよ。」
魔理沙「・・・ぐ。」
霖之助「聞こえない。」
魔理沙「化粧道具。」
はぁ。2度目の溜息だ。大方オシャレしようとして使い方が分からず売ってしまった。そんなところだろう。
霖之助「残念だが、もう人里の人間に売ってしまった。」
魔理沙「知ってるよ。その場にいたし。」
人里じゃなかったら盗んで取り返したんだろう。
霖之助「で、守矢はなんて。」
魔理沙「返せ。もしくは弁償。でなきゃ親父から請求する。」
なるほど。魔理沙の弱点を良く知っている。
流石の魔理沙も親にはばれたくないわけだ。
魔理沙「なぁコーリン、頼むよ。なんか代わりのものくらいあるだろう。」
霖之助「そんなこと言ってもね。」
魔理沙「お願いだ、一生のお願い。」
霖之助「何回目の一生だ」
魔理沙「今度こそ。何でもするから。」
早苗 「ごめんくださーい。」
魔理沙「げ。」
早苗 「あ。」
場が凍りつく。
早苗 「さて魔理沙さん。ご両親と仲直りする準備は整いましたか?」
嫌味たっぷりに言う。彼女にとってよほど大事なものだったんだろう。
で、魔理沙は沈黙だ。いや、何か喋っているが聞こえない。
というより今にも泣きそうだ。
霖之助「いらっしゃい。何かお求めで。」
早苗 「そうですね、だ・れ・か・さ・ん・の・せ・いで、お化粧道具がなくなってしまいまして。こちらにございますか。」
霖之助「それでしたらこちらにあるのはどうでしょう。」
魔理沙「あ、コーリン!!さっき無いって言ったじゃないか!」
霖之助「君に渡すものがないということだよ。」
早苗 「日頃の行い、というやつですね。」
魔理沙「・・・」
黙ってこちらに背を向ける。どうやら帰るつもりのようだ。
一言も発しないが顔は真っ青だ。
扉の前で少し立ち止まったが、そのまま飛んでしまった。
霖之助「あぁ、すみません。お気分を害してしまって。」
早苗 「いえいえお気になさらず。しかしこれは高過ぎるのではありませんか。」
霖之助「幻想郷で外のお化粧は貴重でして。」
早苗 「まぁ請求は霧雨商店にできますし。」
どうやらよほど怒っている、いや当然の感情か。
図書館の魔女のような広い心の持ち主はそう多くない。
霖之助「しかし、こういっては何ですが、彼女と両親の関係を考えますと、素直に弁済に応じるとは考えられません。ツケ払いというわけには・・・。」
早苗 「そうですね、ではこちらの小さいので・・・てコレ。えぇええええ!?」
霖之助「!? いかがなさいました?」
早苗 「だってこれ、スーファミじゃないですか!しかも初代!これいくらですか!?」
・・・・・・
霖之助「お客様もお目が高い。これほどの貴重品となりますとそうですね・・・。」
僕は慎重に考える。
僕にはこれの価値が分からない。
でも彼女には分かる。
さて、価値はいくらか。
霖之助「これほど。」
早苗 「え、これでいいんですか。」
・・・しまった。軽く前売った化粧道具の2倍だったんだが。
こんぴゅーたというのはそれほど価値があるものなのか。
霖之助「いや、えーとですね。」
早苗 「持ち合わせは・・・おぉ!ちょうど買えるじゃないですか!正に奇跡ですね!!」
霖之助「それはそれは、ははは。」
僕としたことが客に得させるとは。
いや、諦めたらそこで試合終了だ、外の世界の偉人がそんなことを言っていた気がする。
霖之助「ただ一つですね・・・」
早苗 「え、何か問題が!?」
霖之助「ええとですね、」
早苗 「分かってますよ、動作保障でしょう!分かってます!中古品はそういうものです!幻想郷も常識に捉われる時代が来てしまったのですね!」」
霖之助「ははは、お話が早くて助かります。が、そのぉ・・・」
早苗 「??? まだ何か?」
考えろ、考えるんだ霖之助!
もう時間がないぞ。
・
・・
・・・
ん、こういうのは、しかし、ああ、でも、いや、これしかない。
霖之助「ご相談というのはですね・・・魔理沙の件ですが。」
早苗 「はい?」
途端に声が数オクターブ下がる。
少し前の不機嫌に戻ったようだ。が、僕も商売人。虎穴に入る度胸くらい持ち合わせている。
霖之助「つまり、今回の価格にてお勉強させて頂くことを魔理沙の弁済の、」
早苗 「どうして香霖堂さんが出てくるんですか。」
僕はメガネを外す。損をして得を取る、という言葉は間違っている。
本当の商売人はしでかした損を得にすり替えるものだ。
霖之助「彼女の親父さんと私は特別なご縁がありまして。この店も親父さんの援助があって始めたものです。親父さんには返しても返しきれないほどの御恩がございます。」
横目でみると、彼女は神妙な顔をしている。いける。
霖之助「今でこそ、彼女と親父さんは疎遠。しかし彼女のこのような悪業の数々を耳にされれば心痛、察して有り余るものがございます。彼女のしたことは許されるものではありませんが、どうかこの霖之助めの恩返しの手助けをさせてくださいませんでしょうか。」
早苗 「香霖堂さん・・・。グスっ」
半分以上出任せだが、問題はない。事実と真実は違うのだ。彼女が僕の義理人情に感動する、それだけが重要だ。
早苗 「分かりました。香霖堂さん。今回の一件はあなたに免じて水に流しましょう。魔理沙さんにもそうお伝えください。」
霖之助「ありがとうございます。」
後は、長く語る必要はないだろう。支払手続き、梱包を行い、彼女は去って行った。しかし彼女は気づいたのだろうか。僕の田舎芝居の後で実質値段が5割増になっているのだが。
さて、今日は閉店だ。僕の見立てでは2日後が勝負どころだ。
2日後。
ちょうどお昼頃、やはり彼女はやってきた。
魔理沙「コーリン!!こいつら全部売ったらいくらになる!?」
霖之助「さぁ何とも。ただ化粧代にはならなさそうだね。」
魔理沙「そんなこと言わずにさ、コーリン頼むよ!!もう時間が、」
霖之助「魔理沙。」
魔理沙「なぁホントにお願いだ!頼む!」
霖之助「魔理沙。」
魔理沙「これなんかすごいぞ。たぶんこんぴゅーたってやつだろ!なぁ!?」
霖之助「魔理沙!!」
一喝する。
霖之助「魔理沙。手短にいう。もう焦る必要はない。弁済のほうは僕で工面しておいた。」
魔理沙「え。」
霖之助「ただし勘違いしないように。僕は貸しただけだからな。とは言っても君に支払能力があるとは思えない。当分、そうだね、少なくともこれくらいの時間は労働奉仕してもらうよ。」
魔理沙「な、なんで・・・。」
霖之助「おいおい、僕が融資した額に比べたらこれでもお友達価格だよ。」
魔理沙「そうじゃなくて、何でそこまでしてくれるんだよ!!」
ふぅ。僕はメガネをはずす。本気モードだ。
ここからが重要だ。
霖之助「言ってただろ、一生のお願いだ、て。君の一生はもう信用ならないが、一定期間だけは信用してあげようと思ってね。」
魔理沙「コーリン・・・。」
霖之助「ただし。もうこんなこと二度としてはダメだよ。今回のは本当に大サービ、むぐっ」
唇に何か、いや、何かではないだろう、見まごうことなく彼女のそれだ。
魔理沙「あ、ありが・・・ごめん。」
霖之助「あ、いや。」
そっちがそんな態度だとこっちもやりにくい。
まぁやりにくくとも商売はキッチリさせてもらうが。
霖之助「ま、まぁアレだ。この前のも含めて今回のガラクタもタダで、いや当分の間はタダで引き取らせてもらうよ。で、君は炊事洗濯掃除、なんでもやってもらう。いいね。」
魔理沙「了解だぜ!!」
久しぶりにいい商売ができた。
魔理沙が商品を卸しに来た。
早苗が買った。
金額は外の化粧道具の3倍。
そして今の交渉で原価はゼロ。
更に彼女の労働奉仕。
で・・・。
先ほどの感触を思い出す。
うん、これでこそ商売人というものだ。
後日談
諏訪子「早苗っ!!」
早苗 「はいぃぃっ!!」
諏訪子「全く。またこんな無駄遣いして!」
早苗 「しかし、諏訪子様。スーファミですよ。」
諏訪子「幻想郷にTVがないのにどうやってやるのよ。」
早苗 「それは・・・。」
諏訪子「しかもこんなに払って。うちも結構苦しいのよ!」
早苗 「うぅぅぅ・・・。」
諏訪子「当分の間、お小遣い無し!!いいね!」
早苗 「うぅぅ、どうしてこうなった。」
僕は四角い物体を見ながらそう言った。
魔理沙「で、どうやって遊ぶんだ?」
霖之助「そこまでは。まぁこんぴゅーたの一種と見たね」
魔理沙「ガラクタじゃないか」
霖之助「そんなことない。外の世界はこんぴゅーたで動いているんだ」
魔理沙「これ動きそうにないぞ」
そこが難点である。
魔理沙「早苗に聞いた方が早いかな?」
霖之助「それが早いだろうね」
魔理沙「じゃあさ、一緒にいこう。」
そういいつつ彼女がすり寄ってくる。甘えている子猫のようだ。そう、彼女は僕に好意を寄せている・・・
・・・わけではなく、裏がある、こういうときは。
霖之助「魔理沙、今度は何したんだ」
魔理沙「!? 別に何でもないぜ!」
はぁ。一つため息をついた後に続ける。
霖之助「怒らないから正直にいいなさい。僕を守矢神社に連れて何させようとしたんだ?」
魔理沙が目をそらす。最初から怪しいとは思っていた。普通、彼女がモノを持ち込んだ時は開口一番金だ。
魔理沙「実はさ・・・前に山に行ったら神社に誰もいなくてさ、それで・・・がっ!!何で殴るんだよ!」
霖之助「もう分かったよ!全部!何もかも!」
魔理沙「じゃあ何が分かったんだよ!」
霖之助「そこで盗んだものを僕に売りつけたんだろ!で、返せと言われてるんだろ!」
魔理沙「盗んでない!借りてるだけだぜ!」
霖之助「借りたものを売ったっていうのか!」
魔理沙「それはぁ・・・」
今日という今日は簡単に許すわけにはいかない。
窃盗は犯罪ということを知るべきだ。
これを見逃せばそれこそ親父さんに申し訳が立たない。
一時間後。
霖之助「もういい。で、何を盗んだんだ。」
魔理沙「笑うなよ。」
霖之助「笑わないよ。ものすごく怒ってるよ。」
魔理沙「・・・ぐ。」
霖之助「聞こえない。」
魔理沙「化粧道具。」
はぁ。2度目の溜息だ。大方オシャレしようとして使い方が分からず売ってしまった。そんなところだろう。
霖之助「残念だが、もう人里の人間に売ってしまった。」
魔理沙「知ってるよ。その場にいたし。」
人里じゃなかったら盗んで取り返したんだろう。
霖之助「で、守矢はなんて。」
魔理沙「返せ。もしくは弁償。でなきゃ親父から請求する。」
なるほど。魔理沙の弱点を良く知っている。
流石の魔理沙も親にはばれたくないわけだ。
魔理沙「なぁコーリン、頼むよ。なんか代わりのものくらいあるだろう。」
霖之助「そんなこと言ってもね。」
魔理沙「お願いだ、一生のお願い。」
霖之助「何回目の一生だ」
魔理沙「今度こそ。何でもするから。」
早苗 「ごめんくださーい。」
魔理沙「げ。」
早苗 「あ。」
場が凍りつく。
早苗 「さて魔理沙さん。ご両親と仲直りする準備は整いましたか?」
嫌味たっぷりに言う。彼女にとってよほど大事なものだったんだろう。
で、魔理沙は沈黙だ。いや、何か喋っているが聞こえない。
というより今にも泣きそうだ。
霖之助「いらっしゃい。何かお求めで。」
早苗 「そうですね、だ・れ・か・さ・ん・の・せ・いで、お化粧道具がなくなってしまいまして。こちらにございますか。」
霖之助「それでしたらこちらにあるのはどうでしょう。」
魔理沙「あ、コーリン!!さっき無いって言ったじゃないか!」
霖之助「君に渡すものがないということだよ。」
早苗 「日頃の行い、というやつですね。」
魔理沙「・・・」
黙ってこちらに背を向ける。どうやら帰るつもりのようだ。
一言も発しないが顔は真っ青だ。
扉の前で少し立ち止まったが、そのまま飛んでしまった。
霖之助「あぁ、すみません。お気分を害してしまって。」
早苗 「いえいえお気になさらず。しかしこれは高過ぎるのではありませんか。」
霖之助「幻想郷で外のお化粧は貴重でして。」
早苗 「まぁ請求は霧雨商店にできますし。」
どうやらよほど怒っている、いや当然の感情か。
図書館の魔女のような広い心の持ち主はそう多くない。
霖之助「しかし、こういっては何ですが、彼女と両親の関係を考えますと、素直に弁済に応じるとは考えられません。ツケ払いというわけには・・・。」
早苗 「そうですね、ではこちらの小さいので・・・てコレ。えぇええええ!?」
霖之助「!? いかがなさいました?」
早苗 「だってこれ、スーファミじゃないですか!しかも初代!これいくらですか!?」
・・・・・・
霖之助「お客様もお目が高い。これほどの貴重品となりますとそうですね・・・。」
僕は慎重に考える。
僕にはこれの価値が分からない。
でも彼女には分かる。
さて、価値はいくらか。
霖之助「これほど。」
早苗 「え、これでいいんですか。」
・・・しまった。軽く前売った化粧道具の2倍だったんだが。
こんぴゅーたというのはそれほど価値があるものなのか。
霖之助「いや、えーとですね。」
早苗 「持ち合わせは・・・おぉ!ちょうど買えるじゃないですか!正に奇跡ですね!!」
霖之助「それはそれは、ははは。」
僕としたことが客に得させるとは。
いや、諦めたらそこで試合終了だ、外の世界の偉人がそんなことを言っていた気がする。
霖之助「ただ一つですね・・・」
早苗 「え、何か問題が!?」
霖之助「ええとですね、」
早苗 「分かってますよ、動作保障でしょう!分かってます!中古品はそういうものです!幻想郷も常識に捉われる時代が来てしまったのですね!」」
霖之助「ははは、お話が早くて助かります。が、そのぉ・・・」
早苗 「??? まだ何か?」
考えろ、考えるんだ霖之助!
もう時間がないぞ。
・
・・
・・・
ん、こういうのは、しかし、ああ、でも、いや、これしかない。
霖之助「ご相談というのはですね・・・魔理沙の件ですが。」
早苗 「はい?」
途端に声が数オクターブ下がる。
少し前の不機嫌に戻ったようだ。が、僕も商売人。虎穴に入る度胸くらい持ち合わせている。
霖之助「つまり、今回の価格にてお勉強させて頂くことを魔理沙の弁済の、」
早苗 「どうして香霖堂さんが出てくるんですか。」
僕はメガネを外す。損をして得を取る、という言葉は間違っている。
本当の商売人はしでかした損を得にすり替えるものだ。
霖之助「彼女の親父さんと私は特別なご縁がありまして。この店も親父さんの援助があって始めたものです。親父さんには返しても返しきれないほどの御恩がございます。」
横目でみると、彼女は神妙な顔をしている。いける。
霖之助「今でこそ、彼女と親父さんは疎遠。しかし彼女のこのような悪業の数々を耳にされれば心痛、察して有り余るものがございます。彼女のしたことは許されるものではありませんが、どうかこの霖之助めの恩返しの手助けをさせてくださいませんでしょうか。」
早苗 「香霖堂さん・・・。グスっ」
半分以上出任せだが、問題はない。事実と真実は違うのだ。彼女が僕の義理人情に感動する、それだけが重要だ。
早苗 「分かりました。香霖堂さん。今回の一件はあなたに免じて水に流しましょう。魔理沙さんにもそうお伝えください。」
霖之助「ありがとうございます。」
後は、長く語る必要はないだろう。支払手続き、梱包を行い、彼女は去って行った。しかし彼女は気づいたのだろうか。僕の田舎芝居の後で実質値段が5割増になっているのだが。
さて、今日は閉店だ。僕の見立てでは2日後が勝負どころだ。
2日後。
ちょうどお昼頃、やはり彼女はやってきた。
魔理沙「コーリン!!こいつら全部売ったらいくらになる!?」
霖之助「さぁ何とも。ただ化粧代にはならなさそうだね。」
魔理沙「そんなこと言わずにさ、コーリン頼むよ!!もう時間が、」
霖之助「魔理沙。」
魔理沙「なぁホントにお願いだ!頼む!」
霖之助「魔理沙。」
魔理沙「これなんかすごいぞ。たぶんこんぴゅーたってやつだろ!なぁ!?」
霖之助「魔理沙!!」
一喝する。
霖之助「魔理沙。手短にいう。もう焦る必要はない。弁済のほうは僕で工面しておいた。」
魔理沙「え。」
霖之助「ただし勘違いしないように。僕は貸しただけだからな。とは言っても君に支払能力があるとは思えない。当分、そうだね、少なくともこれくらいの時間は労働奉仕してもらうよ。」
魔理沙「な、なんで・・・。」
霖之助「おいおい、僕が融資した額に比べたらこれでもお友達価格だよ。」
魔理沙「そうじゃなくて、何でそこまでしてくれるんだよ!!」
ふぅ。僕はメガネをはずす。本気モードだ。
ここからが重要だ。
霖之助「言ってただろ、一生のお願いだ、て。君の一生はもう信用ならないが、一定期間だけは信用してあげようと思ってね。」
魔理沙「コーリン・・・。」
霖之助「ただし。もうこんなこと二度としてはダメだよ。今回のは本当に大サービ、むぐっ」
唇に何か、いや、何かではないだろう、見まごうことなく彼女のそれだ。
魔理沙「あ、ありが・・・ごめん。」
霖之助「あ、いや。」
そっちがそんな態度だとこっちもやりにくい。
まぁやりにくくとも商売はキッチリさせてもらうが。
霖之助「ま、まぁアレだ。この前のも含めて今回のガラクタもタダで、いや当分の間はタダで引き取らせてもらうよ。で、君は炊事洗濯掃除、なんでもやってもらう。いいね。」
魔理沙「了解だぜ!!」
久しぶりにいい商売ができた。
魔理沙が商品を卸しに来た。
早苗が買った。
金額は外の化粧道具の3倍。
そして今の交渉で原価はゼロ。
更に彼女の労働奉仕。
で・・・。
先ほどの感触を思い出す。
うん、これでこそ商売人というものだ。
後日談
諏訪子「早苗っ!!」
早苗 「はいぃぃっ!!」
諏訪子「全く。またこんな無駄遣いして!」
早苗 「しかし、諏訪子様。スーファミですよ。」
諏訪子「幻想郷にTVがないのにどうやってやるのよ。」
早苗 「それは・・・。」
諏訪子「しかもこんなに払って。うちも結構苦しいのよ!」
早苗 「うぅぅぅ・・・。」
諏訪子「当分の間、お小遣い無し!!いいね!」
早苗 「うぅぅ、どうしてこうなった。」
面白いソフトなら未だに手元においている人間は少ないくない
うまい事幻想入りしてくれるかな?
面白かったです
まあ値段の五割増しはあとで気づいたら信用なくすからどうかしらんが
懐かしい……。
それにしても早苗が得をしていないwww