「おや?」
私 射命丸文が妖怪の山すそ、深い原生林の上空を飛んでいる時、木々の切れ目から覗いた地面に黒い点を発見した。
それはこの距離から見るとただの黒い点だが、私はすぐに地面へ降り立った。
「やっぱり」
その点は近づくと角ばった形になり、ついには地面に倒れ伏した鳥の姿となっていった。
真っ黒い羽に太いくちばし。妖怪の山に多く生息する鴉だ。
どうやら羽に怪我を負っているらしく、息はある様だがぐったりとしている。
救いの手を差し伸べるのは私の柄ではないが、動体視力の良い目で見つけてしまったものはしょうがない。
それに同胞のよしみだ。私はその鴉を腕に抱えると、私の家に向かって飛翔した。
――◇――
「文、いつの間に子供なんか作ったの?」
「違います」
私の家にふらふら遊びに来たはたてとお決まりのやり取りを終え、私は件の鴉を見ながら事情を説明する。
とりあえず傷は浅く、骨折などしていない様だったので救急箱の薬で治療してやった。
ただまだ意識が戻っておらず、籠の中に敷いた布に頭を乗せたままピクリともしない。
「元気無さそうね。怪我は大したことはないんでしょ?」
「その怪我が原因で餌をうまく取れなかったみたい。私が発見したのは、腹ペコで行き倒れた状態だったのよ」
「それでおにぎりと焼き魚をそばに置いているのね。てっきり弁当箱にその子を入れているのかと思った」
「その発想は無かったわ」
冗談はともかく、この子は餌を食べる気力も無いらしい。このままでは衰弱死だ。
うーん、と悩んでいると、はたてはこう提案した。
「砂糖水とか飲ませてあげたら。糖分摂れば少しは頭もハッキリするし、食欲のとっかかりにはなるわよ。
私もたまに、ご飯食べるのがしんどい時そうしているし」
「はたての食生活について小一時間取材したいけど、たしかに名案ね」
私は早速準備に取り掛かる。
コップに砂糖とぬるま湯を入れてかき混ぜる。そこにストローを挿しこむ。
水も飲めない様なので、口移しで与えるしかない。
私はストローで砂糖水を吸い込み、そのままストローの先端をくちばしの先端へ持って行く。
ピロリン、と電子音がする。はたてが直接写真を撮った時のシャッター音だ。
顔をあげると、はたてがこちらに向かって携帯端末を構えていた。
「何撮っているのよ」
「文の貴重な授乳シーン」
「だからこの子は私の子供じゃないし、そもそも乳ですらない」
まったく、はたてには命を救っているという緊張感がない。私もちらっと考えただけで、口には出さなかったというのに。
仕切り直し。私は再び砂糖水を吸って、くちばしの根元の隙間に2~3滴垂らす。
反応は、無い。
だめか、と思った瞬間、くちばしをモゴモゴ動かして水滴を飲み込んだ所作をした。
私とはたてに安堵の空気が流れる。というか、こういうシーンこそ撮影するべきだと思う。
後はとんとん拍子に回復していった。
砂糖水を飲んだ後の目には光が戻り、羽を動かさずに首だけの動作でおにぎりと魚をついばんでいた。
余程飢えていたのだろう。野生動物の警戒心を忘れた様に夢中で食べていた。
「あは、食べてる食べてる。これだけ食欲があれば大丈夫ね」
「ええ。これで昼食の一部を分けてあげた甲斐があるってもんですよ」
私も余裕が出てきて、しばらく休息させてから山に放鳥してやろうと計画した。
とその時、ご飯を一通り食べて落ち着いたのか、この子が口を開いた。
「カァー」
「あ、鳴いた」
はたてが小学生の様な状況説明をする。だがそれ以降は無言。
私も無言。
気まずい沈黙を破る様に、私ははたてに問いかける。
「……この子、今何て言ったのかしら?」
はたては無言で、私の視線から逃げる様にそっぽを向いた。
そう。いくら鴉天狗でも、鴉の鳴き声の意味は分からない。
私達は鴉の妖怪ではなく、鴉天狗という一つの別の種族だ。生まれた時から人語で意思疎通している。
ルーツをたどればご先祖は確かに鴉だが、それで鴉の鳴き声が理解できるのなら、人間はサルとお喋りできるということになる。
閑話休題。私は困ってはたてと相談する。
「まいったわね。全然言葉が通じないわ」
「まぁ、鴉の言葉は難易度も高いし」
はたての言葉に、私は頷く。
鴉の賢さは有名だが、実は群れの中で情報交換したり、相互にコミュニケーションをしたりしているらしい。つまり言語は存在する。
鴉天狗の中でも言語に通じている者は聞いて意味を理解できるらしいが、ほとんどは鴉の鳴き声はカァとしか聞こえていないだろう。
私も鴉を連れていたことがあったが、どちらかといえば飼っていたという表現が適当であり、私も大多数と同じく会話は出来ないのだ。
まぁとりあえず元気になったら拾った所に返そうと考えていたら、はたてがさっきの携帯をしゃかしゃかといじり始めた。
「何しているの?」
「ちょっと待って。こういう時に役立つアプリがあったから、今取得しているところ」
「……ああ、服とかに縫い付ける布飾りでしょ」
「それはアップリケ。文もスマホの仕組みくらい覚えてよ」
む。何か軽く馬鹿にされた気がする。
よく分からないが、はたてはおそらくこの幻想郷でオーバーなテクノロジーを当たり前のように駆使する。
どうやったのかはともかく、はたては携帯をひっくり返し、取得したアプリとやらを私に見せてくれた。
「じゃーん。これが鴉語を人語にする『カラリンガル』よ。
これに向かってカァと鳴いてもらえば、たちどころに人語に翻訳してくれるわ」
「嘘ぉ?」
また胡散臭い物が出てきた。こんな板きれみたいな携帯で、何とかできるのだろうか。
私の疑念を余所に、はたては携帯をこの子にずいと突き出す。
「えーと、何か喋ってくださーい」
「……カァ?」
はたての雰囲気を察したのか、この子は一声適当に鳴く。
すると、しばらく間があり、ピロンと音がした。
どうやら翻訳結果が文章で表示されたらしく、はたてが読み上げる。
「『何これ?』だって」
「おお、文脈は通っている」
私は少し感心した。もしかしたら使えるかもしれない。
でもここで根本的な問題が一つ。
「これ、この子の言葉は分かるけど、私たちの言葉を鴉語に翻訳してくれないの?」
「あー……そういう機能は無いみたい」
「じゃあ会話は一方通行じゃない」
私はがっかりする。技術はすごいが、あまり意味が無い。
鴉語ねぇ……と思いを巡らせたところで、私はピンと思い出した。
私は書棚に向かうと、普段あまり出し入れしない棚の本を漁る。
舞い散るホコリに苦戦しながらも、私は目的のものを見つけ出した。
「あったあった。これこれ『明解 鴉語辞典 第六版』」
「随分ふっるい辞書ね」
はたてはかび臭い骨董品を見たような顔になる。
確かに古い革張りの辞書で、表紙はべろべろにめくれ、ページは端から順に黄ばんできている。
でもこの辞書は、日本語の単語とそれに対応する鴉語、さらにその発音記号まで列記されている。
いわば貴重な和鴉辞書だ。
「これの単語を拾って発音していけば、こっちから発信できるわよ」
「なるほど。でもいちいち煩わしいわね」
はたての感想ももっともな話だ。こちらが辞書を見ながらぶつ切りの単語を喋り、あちらは機械越しに返答する。
会話と言えるかは微妙だが、こうして意思疎通の道筋は整った。
「じゃあ、試しに」
私は辞書をぺらぺらめくり、手帳にカラス単語をメモする。
こほん、と咳払いを一つして、異文化交流の第一歩を踏み出す。
「カァ……カー、カー、射命丸文、カァカァ」
「! カァ、カーカーカァカァカーァ、カァカァ」
ピロンピロン、と電子音が連続で鳴る。
はたては画面を覗き込んで「おお」と感嘆する。
「さっきの文のが『私 名前 シャメマールアヤ です』って翻訳して、それに対する答えが『僕の名前はジャック・ド・ノワールです』だって」
「やった、通じた。っていうか名前カッコいいわね」
私は嬉しくなって何度も頷く。固有名詞は鴉の耳にはそう聞こえるのかやや洋風なテイストだが、意味は伝わる。
さらに私の鴉語まで翻訳するカラリンガルが、その正確さを証明した。
そうなると、鴉とお喋りという滅多にできない体験に好奇心がむくむく湧いてくる。
とりあえず、私は続けて交信することにした。
「えーと、あなたの家はどこですか、だから……
カァカァ、カァァ、カカカ、カァ?」
「……カァ?」
ん? 普通の質問したつもりだけど、ジャック君は怪訝そうに首を傾げた。
すると、はたての携帯画面でその真相が判明した。
『あなたは どうして 生きているのか?』
「おーい! 何これ、捉え方によってはむちゃくちゃ失礼だ!」
「って文が喋ったんでしょ!」
はたてが何てことをした、という勢いで私を糾弾する。
発音がまずかったのか、何とも物騒な意味になってしまったらしい。
それに対するジャック君の反応が『ハァ?』だったので、とりあえず謝ってさっきの発言を訂正しないといけない。
「ちょっと待って。えー、ごめんなさい、悪気は、無いのーだから。
カーカーカー! カァココココ、ガァ、カァカァ」
「……」
「……何かジャック君、不審者を見る様な目になってない?」
「そりゃそうよ」
はたてがこめかみを押さえて画面を見せる。翻訳内容はこうだ。
『許して でも 私は悪くない』
「見ず知らずの鴉天狗に悪口言われて、こんな態度取られたら私でも不審に思うわよ」
「あれー? おっかしいなぁ」
私は辞書とにらめっこして呻る。想像以上に発音がシビアらしく、意味が曲解されてしまう。
するとはたてはこう提案する。
「いきなり複雑な文章は難しいんじゃないの? 『食べて 休んで』ぐらいの簡単な話にしてみたら」
「それもそうね」
私ははたての案に乗り、そのまま喋ってみることにした。
今度は2単語しかない。そうそう変な意味にはならないだろう。
「カァーゴ、カァカァ」
「!」
瞬間、ジャック君の目が見開かれた。
そわそわと落ち着かなくなり、辺りをきょろきょろと見渡し始める。
何事かと思って手を伸ばすと、ジャック君はビクリと羽をすくませて、懸命に籠の中で後ずさる。
……あれ、私、またやっちゃいました?
「……またやっちゃったわね、文」
はたてが見せた翻訳内容に、私はどっと汗をかく。
『最後の晩餐 永眠』
「えええ! そんな馬鹿な!」
「あーあ。もうこの子、完全に文のこと敵扱いよ」
はたての言葉がむなしく響く。
さっきの文脈も含めて、これはどう考えても私がこれからジャック君の息の根を止めるようにしか聞こえない。
最早ジャック君は怪我を押してでも、逃げ道を探そうとしている様だ。
「ああもう! 自分は味方です、っていう意味の単語ない?」
「もうあんまり喋らない方がいいんじゃ……」
「だめよ。それじゃいつまで経っても誤解が解けないわ」
もう後には引けない。
とりあえず怯えるジャック君を安心させるような一言を言っておかないと、ストレスで傷や食欲に影響を及ぼしかねない。
私は一生懸命ページをめくり、安心、味方、仲間、平和といった争いを避ける単語を抽出する。
何が通じるか分からないので、とにかく全部言ってみよう。
もはやただの単語の羅列だが、変に文章を作ってまた誤解されるよりはマシだろう。
いざ、南無三!
「カァカ カーカカカァ カー アーアー カーア カァ!」
果たして結果は……私は携帯を見る。
『覚悟はいいか テメェの翼にお別れのキスをしな』
そしてジャック君は飛び立った。
「ぎゃー! 違、待って! 危ないから、傷とか室内で飛行とか!」
私は大慌てでジャック君をなだめる。
だがジャック君はまだ満足に動けない体で必死に羽ばたき、この場から逃げようと努力する。
だがそんなヘロヘロで碌に飛べるはずもなく、室内の家具や調度品にぶつかり、どんどん散らかって行く。
それを止めようと私が追いかけると、ジャック君がまた逃げ出して原稿が舞い上がるという恐慌の悪循環に陥った。
「……適当な単語の羅列を未熟な発音で喋ったらこの文章になったって、どれだけ奇跡なのよ。
しかも今までで一番流暢だし」
そうちゃっかり机の下に避難したはたてが、一周回って感心した様に呟く。
そんなしっちゃかめっちゃかの自宅に、騒動を治める火消し役がやって来た。
「文さん。犬走です。回覧板をお持ちしました」
そう引き戸を開けて入ってきたのは、哨戒天狗の椛だ。
椛はドタバタと走り回る私とカラスを見て、目を丸くした。
私は椛に訴える。
「椛! この子、怪我しているんだけど暴れちゃって、落ち着かせるのを手伝ってください!」
私はほとんど藁をもつかむ思い、極端に言えばその場の勢いで協力を頼んだ。
すると椛は状況を理解したのか、部屋の中に入ってくる。
そして予想の上をゆく解決法を披露した。
「カァカァカァ?」
突然鴉の鳴き真似をする椛。
すると、暴れていたジャック君がピタリと止まり、椛の方を向いた。
椛はジャック君の意識がこちらに向いたのを見て、さらにこう続ける。
「カー、カァカァカァ。カーカーアー、カァ?」
「カァ! カーアーアーアー! ガァガァ!」
「カー……カァカカアーアーカァ、カーカーアアァ」
そのままジャック君と矢継ぎ早に、鳴き声のやり取りをする椛。
そんな。私は信じられない思いではたてに携帯を見せてもらう。
『どうしました?』
『怪我をしているようですね。そんなに暴れると体に良くありませんよ?』
『聞いてください! この人達僕のことを殺すつもりなんです! 助けてください!』
『本当ですか でもこちらの方は、そんなことをする人ではありませんよ』
以下、こんな調子で椛とジャック君の会話がつつがなく続いて行く。
私達二人はあんぐりと口を開けていた。
「椛、鴉語喋れるの?」
「私も初耳です。こんな特技があったとは」
まさか白狼天狗の椛が、こんなに鴉語ペラペラだと誰が想像できただろう。
呆然と佇んでいると、話し合いがまとまったらしく、ジャック君はだいぶ落ち着きを取り戻していた。
そしてさっきまでの取り乱し方が嘘の様に、また籠へ戻ってきた。
「文さん、あまり誤解を招く様な発言は控えてください。この子、本気で取って食われるかと思っていたそうですよ」
そう私に軽く説教する椛。だが私はそれに構わず椛に質問する。
「椛、貴女カラス語が喋れるの?」
「え、ええ。そんなに上手くありませんが」
いや、私達より断然上手だから。そんなツッコミをぐっと抑え、さらに聞く。
「いったいどこで鴉語を覚えたの?」
「ああ、これは習っているんです。
鴉には哨戒で補い切れない侵入者の情報を聞いたり、いざとなれば迎撃の補助をしてもらったりすることもあるので、鴉語ができると便利なんですよ」
そういえば山の異変の時、滝のそばでは椛の他に鴉も弾幕を放っていたっけ、と私は回想する。
でも、この話で重要なのはそこではない。
習う、ってどこで?
するとその質問をする前に「そういえば」と椛が持ってきた回覧板の紙束をめくり始める。
そして、一枚のチラシをつかみ出した。
「これです。哨戒部主催の講座なので、割と安く受講できるんですよ」
そのチラシには、こう書いてあった。
『鴉語実用講座 受講生募集のお知らせ
職務等でカラス語を理解し会話したい方向けの講座を開催します。
入門編の6ヶ月コースから、上級は3年コースまで。
受講を希望される方はこちらへ連絡を』
そして以下に連絡先が記されている。
つまり椛は、仕事場の教育講座で覚えたってこと!?
「珍しいですね。こんな人気の講座に空きが出るなんて。
ご興味があれば、参加されてはいかがですか? 鴉天狗の方でも参加は可能だと思いますよ」
そうあっけらかんと話す椛。
私とはたては顔を見合わせた。
――◇――
あれからジャック君は全快し、無事ねぐらへ帰って行った。
ちなみにジャック君のねぐらの場所は椛に聞いてもらい、ちゃんと送り届けてあげた。
あのドタバタから数日、私の生活に少し変化があった。
「――では教科書13ページ。繰り返して言ってください。
カァカァカァ? カー、カァ、アホーアホー」
「「「カァカァ、カーガァ? カー、カァ、アホーアホー」」」
「はい。このカァカァカァ? は語尾を上げると疑問文で『あれはリンゴですか?』という意味です。
それに対していいえと言う意味のカーがきて、次が否定文です。
つまり『いいえ、あれは下駄箱です』という内容ですね」
私はそんな講師の話を聞き、時折教科書を音読して、勉強ノートにメモを取る。
あれから定期的に鴉語教室に通うようになったのだ。
はたても同じ教室に通い、カラリンガルと自分の鴉語を比べたりして楽しんでいる様だ。
鴉語を習って思ったことは、私の世界が広がったということ。
鴉のネットワークは想像以上に広大で、取材や事件の情報集めに大いに役立ちそうた。
きっかけは鴉を救ったことだが、改めて自分の知らない事を学ぶという機会に恵まれた。
それは長く生きる私達にとって、貴重な経験となるだろう。
鴉語をマスターしたら、まずあのジャック君に取材してみようかしら。
教室からの帰り道、そんなことを思いながら滝のそばを通りかかると、椛が装備を整えて出動するところだった。
「あやや。椛、何か事件ですか?」
「あ、いえ。上流で堰の杭が抜けかかっているって蛇に聞いたもので、それで様子をうかがいに行こうかと」
「ああそうですか、気を付けて……蛇?」
私は強烈に気になった一言をおうむ返し尋ねる。
すると椛は、それが当たり前であるかの様にこう言った。
「ええ。蛇も何かと情報通なので、結構話を聞きますよ。
蛇語は熊や狼の言葉と違って分かりづらいですけど、何とか意味は分かるので。それでは」
そう言ってしゅたたたと駆けて行ってしまった椛。
私は決心した。
ジャック君より先に、椛に何ヶ種族語喋れるのか取材するのが先だ、と。
【カー カァ カー】 『終』
私 射命丸文が妖怪の山すそ、深い原生林の上空を飛んでいる時、木々の切れ目から覗いた地面に黒い点を発見した。
それはこの距離から見るとただの黒い点だが、私はすぐに地面へ降り立った。
「やっぱり」
その点は近づくと角ばった形になり、ついには地面に倒れ伏した鳥の姿となっていった。
真っ黒い羽に太いくちばし。妖怪の山に多く生息する鴉だ。
どうやら羽に怪我を負っているらしく、息はある様だがぐったりとしている。
救いの手を差し伸べるのは私の柄ではないが、動体視力の良い目で見つけてしまったものはしょうがない。
それに同胞のよしみだ。私はその鴉を腕に抱えると、私の家に向かって飛翔した。
――◇――
「文、いつの間に子供なんか作ったの?」
「違います」
私の家にふらふら遊びに来たはたてとお決まりのやり取りを終え、私は件の鴉を見ながら事情を説明する。
とりあえず傷は浅く、骨折などしていない様だったので救急箱の薬で治療してやった。
ただまだ意識が戻っておらず、籠の中に敷いた布に頭を乗せたままピクリともしない。
「元気無さそうね。怪我は大したことはないんでしょ?」
「その怪我が原因で餌をうまく取れなかったみたい。私が発見したのは、腹ペコで行き倒れた状態だったのよ」
「それでおにぎりと焼き魚をそばに置いているのね。てっきり弁当箱にその子を入れているのかと思った」
「その発想は無かったわ」
冗談はともかく、この子は餌を食べる気力も無いらしい。このままでは衰弱死だ。
うーん、と悩んでいると、はたてはこう提案した。
「砂糖水とか飲ませてあげたら。糖分摂れば少しは頭もハッキリするし、食欲のとっかかりにはなるわよ。
私もたまに、ご飯食べるのがしんどい時そうしているし」
「はたての食生活について小一時間取材したいけど、たしかに名案ね」
私は早速準備に取り掛かる。
コップに砂糖とぬるま湯を入れてかき混ぜる。そこにストローを挿しこむ。
水も飲めない様なので、口移しで与えるしかない。
私はストローで砂糖水を吸い込み、そのままストローの先端をくちばしの先端へ持って行く。
ピロリン、と電子音がする。はたてが直接写真を撮った時のシャッター音だ。
顔をあげると、はたてがこちらに向かって携帯端末を構えていた。
「何撮っているのよ」
「文の貴重な授乳シーン」
「だからこの子は私の子供じゃないし、そもそも乳ですらない」
まったく、はたてには命を救っているという緊張感がない。私もちらっと考えただけで、口には出さなかったというのに。
仕切り直し。私は再び砂糖水を吸って、くちばしの根元の隙間に2~3滴垂らす。
反応は、無い。
だめか、と思った瞬間、くちばしをモゴモゴ動かして水滴を飲み込んだ所作をした。
私とはたてに安堵の空気が流れる。というか、こういうシーンこそ撮影するべきだと思う。
後はとんとん拍子に回復していった。
砂糖水を飲んだ後の目には光が戻り、羽を動かさずに首だけの動作でおにぎりと魚をついばんでいた。
余程飢えていたのだろう。野生動物の警戒心を忘れた様に夢中で食べていた。
「あは、食べてる食べてる。これだけ食欲があれば大丈夫ね」
「ええ。これで昼食の一部を分けてあげた甲斐があるってもんですよ」
私も余裕が出てきて、しばらく休息させてから山に放鳥してやろうと計画した。
とその時、ご飯を一通り食べて落ち着いたのか、この子が口を開いた。
「カァー」
「あ、鳴いた」
はたてが小学生の様な状況説明をする。だがそれ以降は無言。
私も無言。
気まずい沈黙を破る様に、私ははたてに問いかける。
「……この子、今何て言ったのかしら?」
はたては無言で、私の視線から逃げる様にそっぽを向いた。
そう。いくら鴉天狗でも、鴉の鳴き声の意味は分からない。
私達は鴉の妖怪ではなく、鴉天狗という一つの別の種族だ。生まれた時から人語で意思疎通している。
ルーツをたどればご先祖は確かに鴉だが、それで鴉の鳴き声が理解できるのなら、人間はサルとお喋りできるということになる。
閑話休題。私は困ってはたてと相談する。
「まいったわね。全然言葉が通じないわ」
「まぁ、鴉の言葉は難易度も高いし」
はたての言葉に、私は頷く。
鴉の賢さは有名だが、実は群れの中で情報交換したり、相互にコミュニケーションをしたりしているらしい。つまり言語は存在する。
鴉天狗の中でも言語に通じている者は聞いて意味を理解できるらしいが、ほとんどは鴉の鳴き声はカァとしか聞こえていないだろう。
私も鴉を連れていたことがあったが、どちらかといえば飼っていたという表現が適当であり、私も大多数と同じく会話は出来ないのだ。
まぁとりあえず元気になったら拾った所に返そうと考えていたら、はたてがさっきの携帯をしゃかしゃかといじり始めた。
「何しているの?」
「ちょっと待って。こういう時に役立つアプリがあったから、今取得しているところ」
「……ああ、服とかに縫い付ける布飾りでしょ」
「それはアップリケ。文もスマホの仕組みくらい覚えてよ」
む。何か軽く馬鹿にされた気がする。
よく分からないが、はたてはおそらくこの幻想郷でオーバーなテクノロジーを当たり前のように駆使する。
どうやったのかはともかく、はたては携帯をひっくり返し、取得したアプリとやらを私に見せてくれた。
「じゃーん。これが鴉語を人語にする『カラリンガル』よ。
これに向かってカァと鳴いてもらえば、たちどころに人語に翻訳してくれるわ」
「嘘ぉ?」
また胡散臭い物が出てきた。こんな板きれみたいな携帯で、何とかできるのだろうか。
私の疑念を余所に、はたては携帯をこの子にずいと突き出す。
「えーと、何か喋ってくださーい」
「……カァ?」
はたての雰囲気を察したのか、この子は一声適当に鳴く。
すると、しばらく間があり、ピロンと音がした。
どうやら翻訳結果が文章で表示されたらしく、はたてが読み上げる。
「『何これ?』だって」
「おお、文脈は通っている」
私は少し感心した。もしかしたら使えるかもしれない。
でもここで根本的な問題が一つ。
「これ、この子の言葉は分かるけど、私たちの言葉を鴉語に翻訳してくれないの?」
「あー……そういう機能は無いみたい」
「じゃあ会話は一方通行じゃない」
私はがっかりする。技術はすごいが、あまり意味が無い。
鴉語ねぇ……と思いを巡らせたところで、私はピンと思い出した。
私は書棚に向かうと、普段あまり出し入れしない棚の本を漁る。
舞い散るホコリに苦戦しながらも、私は目的のものを見つけ出した。
「あったあった。これこれ『明解 鴉語辞典 第六版』」
「随分ふっるい辞書ね」
はたてはかび臭い骨董品を見たような顔になる。
確かに古い革張りの辞書で、表紙はべろべろにめくれ、ページは端から順に黄ばんできている。
でもこの辞書は、日本語の単語とそれに対応する鴉語、さらにその発音記号まで列記されている。
いわば貴重な和鴉辞書だ。
「これの単語を拾って発音していけば、こっちから発信できるわよ」
「なるほど。でもいちいち煩わしいわね」
はたての感想ももっともな話だ。こちらが辞書を見ながらぶつ切りの単語を喋り、あちらは機械越しに返答する。
会話と言えるかは微妙だが、こうして意思疎通の道筋は整った。
「じゃあ、試しに」
私は辞書をぺらぺらめくり、手帳にカラス単語をメモする。
こほん、と咳払いを一つして、異文化交流の第一歩を踏み出す。
「カァ……カー、カー、射命丸文、カァカァ」
「! カァ、カーカーカァカァカーァ、カァカァ」
ピロンピロン、と電子音が連続で鳴る。
はたては画面を覗き込んで「おお」と感嘆する。
「さっきの文のが『私 名前 シャメマールアヤ です』って翻訳して、それに対する答えが『僕の名前はジャック・ド・ノワールです』だって」
「やった、通じた。っていうか名前カッコいいわね」
私は嬉しくなって何度も頷く。固有名詞は鴉の耳にはそう聞こえるのかやや洋風なテイストだが、意味は伝わる。
さらに私の鴉語まで翻訳するカラリンガルが、その正確さを証明した。
そうなると、鴉とお喋りという滅多にできない体験に好奇心がむくむく湧いてくる。
とりあえず、私は続けて交信することにした。
「えーと、あなたの家はどこですか、だから……
カァカァ、カァァ、カカカ、カァ?」
「……カァ?」
ん? 普通の質問したつもりだけど、ジャック君は怪訝そうに首を傾げた。
すると、はたての携帯画面でその真相が判明した。
『あなたは どうして 生きているのか?』
「おーい! 何これ、捉え方によってはむちゃくちゃ失礼だ!」
「って文が喋ったんでしょ!」
はたてが何てことをした、という勢いで私を糾弾する。
発音がまずかったのか、何とも物騒な意味になってしまったらしい。
それに対するジャック君の反応が『ハァ?』だったので、とりあえず謝ってさっきの発言を訂正しないといけない。
「ちょっと待って。えー、ごめんなさい、悪気は、無いのーだから。
カーカーカー! カァココココ、ガァ、カァカァ」
「……」
「……何かジャック君、不審者を見る様な目になってない?」
「そりゃそうよ」
はたてがこめかみを押さえて画面を見せる。翻訳内容はこうだ。
『許して でも 私は悪くない』
「見ず知らずの鴉天狗に悪口言われて、こんな態度取られたら私でも不審に思うわよ」
「あれー? おっかしいなぁ」
私は辞書とにらめっこして呻る。想像以上に発音がシビアらしく、意味が曲解されてしまう。
するとはたてはこう提案する。
「いきなり複雑な文章は難しいんじゃないの? 『食べて 休んで』ぐらいの簡単な話にしてみたら」
「それもそうね」
私ははたての案に乗り、そのまま喋ってみることにした。
今度は2単語しかない。そうそう変な意味にはならないだろう。
「カァーゴ、カァカァ」
「!」
瞬間、ジャック君の目が見開かれた。
そわそわと落ち着かなくなり、辺りをきょろきょろと見渡し始める。
何事かと思って手を伸ばすと、ジャック君はビクリと羽をすくませて、懸命に籠の中で後ずさる。
……あれ、私、またやっちゃいました?
「……またやっちゃったわね、文」
はたてが見せた翻訳内容に、私はどっと汗をかく。
『最後の晩餐 永眠』
「えええ! そんな馬鹿な!」
「あーあ。もうこの子、完全に文のこと敵扱いよ」
はたての言葉がむなしく響く。
さっきの文脈も含めて、これはどう考えても私がこれからジャック君の息の根を止めるようにしか聞こえない。
最早ジャック君は怪我を押してでも、逃げ道を探そうとしている様だ。
「ああもう! 自分は味方です、っていう意味の単語ない?」
「もうあんまり喋らない方がいいんじゃ……」
「だめよ。それじゃいつまで経っても誤解が解けないわ」
もう後には引けない。
とりあえず怯えるジャック君を安心させるような一言を言っておかないと、ストレスで傷や食欲に影響を及ぼしかねない。
私は一生懸命ページをめくり、安心、味方、仲間、平和といった争いを避ける単語を抽出する。
何が通じるか分からないので、とにかく全部言ってみよう。
もはやただの単語の羅列だが、変に文章を作ってまた誤解されるよりはマシだろう。
いざ、南無三!
「カァカ カーカカカァ カー アーアー カーア カァ!」
果たして結果は……私は携帯を見る。
『覚悟はいいか テメェの翼にお別れのキスをしな』
そしてジャック君は飛び立った。
「ぎゃー! 違、待って! 危ないから、傷とか室内で飛行とか!」
私は大慌てでジャック君をなだめる。
だがジャック君はまだ満足に動けない体で必死に羽ばたき、この場から逃げようと努力する。
だがそんなヘロヘロで碌に飛べるはずもなく、室内の家具や調度品にぶつかり、どんどん散らかって行く。
それを止めようと私が追いかけると、ジャック君がまた逃げ出して原稿が舞い上がるという恐慌の悪循環に陥った。
「……適当な単語の羅列を未熟な発音で喋ったらこの文章になったって、どれだけ奇跡なのよ。
しかも今までで一番流暢だし」
そうちゃっかり机の下に避難したはたてが、一周回って感心した様に呟く。
そんなしっちゃかめっちゃかの自宅に、騒動を治める火消し役がやって来た。
「文さん。犬走です。回覧板をお持ちしました」
そう引き戸を開けて入ってきたのは、哨戒天狗の椛だ。
椛はドタバタと走り回る私とカラスを見て、目を丸くした。
私は椛に訴える。
「椛! この子、怪我しているんだけど暴れちゃって、落ち着かせるのを手伝ってください!」
私はほとんど藁をもつかむ思い、極端に言えばその場の勢いで協力を頼んだ。
すると椛は状況を理解したのか、部屋の中に入ってくる。
そして予想の上をゆく解決法を披露した。
「カァカァカァ?」
突然鴉の鳴き真似をする椛。
すると、暴れていたジャック君がピタリと止まり、椛の方を向いた。
椛はジャック君の意識がこちらに向いたのを見て、さらにこう続ける。
「カー、カァカァカァ。カーカーアー、カァ?」
「カァ! カーアーアーアー! ガァガァ!」
「カー……カァカカアーアーカァ、カーカーアアァ」
そのままジャック君と矢継ぎ早に、鳴き声のやり取りをする椛。
そんな。私は信じられない思いではたてに携帯を見せてもらう。
『どうしました?』
『怪我をしているようですね。そんなに暴れると体に良くありませんよ?』
『聞いてください! この人達僕のことを殺すつもりなんです! 助けてください!』
『本当ですか でもこちらの方は、そんなことをする人ではありませんよ』
以下、こんな調子で椛とジャック君の会話がつつがなく続いて行く。
私達二人はあんぐりと口を開けていた。
「椛、鴉語喋れるの?」
「私も初耳です。こんな特技があったとは」
まさか白狼天狗の椛が、こんなに鴉語ペラペラだと誰が想像できただろう。
呆然と佇んでいると、話し合いがまとまったらしく、ジャック君はだいぶ落ち着きを取り戻していた。
そしてさっきまでの取り乱し方が嘘の様に、また籠へ戻ってきた。
「文さん、あまり誤解を招く様な発言は控えてください。この子、本気で取って食われるかと思っていたそうですよ」
そう私に軽く説教する椛。だが私はそれに構わず椛に質問する。
「椛、貴女カラス語が喋れるの?」
「え、ええ。そんなに上手くありませんが」
いや、私達より断然上手だから。そんなツッコミをぐっと抑え、さらに聞く。
「いったいどこで鴉語を覚えたの?」
「ああ、これは習っているんです。
鴉には哨戒で補い切れない侵入者の情報を聞いたり、いざとなれば迎撃の補助をしてもらったりすることもあるので、鴉語ができると便利なんですよ」
そういえば山の異変の時、滝のそばでは椛の他に鴉も弾幕を放っていたっけ、と私は回想する。
でも、この話で重要なのはそこではない。
習う、ってどこで?
するとその質問をする前に「そういえば」と椛が持ってきた回覧板の紙束をめくり始める。
そして、一枚のチラシをつかみ出した。
「これです。哨戒部主催の講座なので、割と安く受講できるんですよ」
そのチラシには、こう書いてあった。
『鴉語実用講座 受講生募集のお知らせ
職務等でカラス語を理解し会話したい方向けの講座を開催します。
入門編の6ヶ月コースから、上級は3年コースまで。
受講を希望される方はこちらへ連絡を』
そして以下に連絡先が記されている。
つまり椛は、仕事場の教育講座で覚えたってこと!?
「珍しいですね。こんな人気の講座に空きが出るなんて。
ご興味があれば、参加されてはいかがですか? 鴉天狗の方でも参加は可能だと思いますよ」
そうあっけらかんと話す椛。
私とはたては顔を見合わせた。
――◇――
あれからジャック君は全快し、無事ねぐらへ帰って行った。
ちなみにジャック君のねぐらの場所は椛に聞いてもらい、ちゃんと送り届けてあげた。
あのドタバタから数日、私の生活に少し変化があった。
「――では教科書13ページ。繰り返して言ってください。
カァカァカァ? カー、カァ、アホーアホー」
「「「カァカァ、カーガァ? カー、カァ、アホーアホー」」」
「はい。このカァカァカァ? は語尾を上げると疑問文で『あれはリンゴですか?』という意味です。
それに対していいえと言う意味のカーがきて、次が否定文です。
つまり『いいえ、あれは下駄箱です』という内容ですね」
私はそんな講師の話を聞き、時折教科書を音読して、勉強ノートにメモを取る。
あれから定期的に鴉語教室に通うようになったのだ。
はたても同じ教室に通い、カラリンガルと自分の鴉語を比べたりして楽しんでいる様だ。
鴉語を習って思ったことは、私の世界が広がったということ。
鴉のネットワークは想像以上に広大で、取材や事件の情報集めに大いに役立ちそうた。
きっかけは鴉を救ったことだが、改めて自分の知らない事を学ぶという機会に恵まれた。
それは長く生きる私達にとって、貴重な経験となるだろう。
鴉語をマスターしたら、まずあのジャック君に取材してみようかしら。
教室からの帰り道、そんなことを思いながら滝のそばを通りかかると、椛が装備を整えて出動するところだった。
「あやや。椛、何か事件ですか?」
「あ、いえ。上流で堰の杭が抜けかかっているって蛇に聞いたもので、それで様子をうかがいに行こうかと」
「ああそうですか、気を付けて……蛇?」
私は強烈に気になった一言をおうむ返し尋ねる。
すると椛は、それが当たり前であるかの様にこう言った。
「ええ。蛇も何かと情報通なので、結構話を聞きますよ。
蛇語は熊や狼の言葉と違って分かりづらいですけど、何とか意味は分かるので。それでは」
そう言ってしゅたたたと駆けて行ってしまった椛。
私は決心した。
ジャック君より先に、椛に何ヶ種族語喋れるのか取材するのが先だ、と。
【カー カァ カー】 『終』
とは言えかなり笑わせて貰いましたので80点です。
面白かったです。カラスの言葉がわからない鴉天狗という発想がすごいと思いました。
カアカァー、カァ。
ことごとく物騒な烏語を放ってしまった文が面白すぎました。
確かにカラスは、明らかに会話してますよね
近場でカラスの声聞いたと思ったら、結構遠くから応答の声が聞こえて、それにまた近場のカラスが答える
割りと珍しくない光景です
確かに椛は色々なスキルに熟達していてもおかしくはないかもですw
あらら、すいません。その設定情報は知りませんでした。
でも笑っていただけたのなら幸いです。
2番様
私も椛はそのイメージです。仕事に必要だから覚えたけど、特に仕事以外では活用しなさそうですね。
奇声を発する程度の能力様
いつもご感想ありがとうございます。
5番様
最後は講習会の回し者みたいになってしまいました(汗)
でも椛に聴耳頭巾はかぶってほしい。だってどう考えても可愛いと思うから(キッパリ)
ばかのひ様
分かってはいるのですが、鴉ってたまに本当に『アホー』って鳴くんですよ。あれどんな意味なのでしょうね?
絶望を司る程度の能力様
ありがとうございます。椛さんの意外な特技、まだまだ発掘中です。
あと発想を褒められるのが私はとても嬉しいので、少し照れます。
12番様
とても丁寧なご感想で、恐縮してしまいます。しかし冒頭の唐突なエアロ・スミスは何の関係が……
ともかく、コメントありがとうございました。
13番様
いつも拙作を読んでくださっている上、お褒めの言葉をいただき誠に嬉しいです。
ありがとうございます。
名無し様
さらに適当な鳴き声で混ざってみると、反応が返ってきて焦ったり。鴉語も解読されればかなり面白そうですね。
15番様
カーカーカァ カーカー カァ(お辞儀)
大根屋様
発想を褒めていただき誠にありがとうございます。
現場の方は、意外なスキルを体得しているというイメージです。
21番様
ありがとうございます。
インコに喋りかけても、完全無視されたことがあるがま口でした。
さくっと読める感じが良いです。
動物と会話は憧れます。
「あれはリンゴですか?」に対する答えが「いいえ、あれは下駄箱です」……。
外国語テキストあるあるの謎会話ですね……。
いつもご感想ありがとうございます。
ヘンテコ発想とサクサク読後感が売りのがま口をよろしくお願いいたします。
とーなす様
聴耳頭巾もそうですが、動物とコミュニケーションが取れる道具は意外と需要がありそうですね。
そしてテキスト謎会話を拾ってくださってありがとうございます。
あの独特な謎会話だけで本が作れちゃうので侮りがたいです。
そういえば、あの魔法使いさんも蛇語ができましたね。
でも椛の場合は、やっぱり教習で覚えたんじゃないかなぁ、と思います(汗)
特にRの発音が難しい! できる人はすごいと思います。