強い妖怪というのは皆がその妖怪から離れていくため孤独になりやすい。はたから見れば孤高の存在に見えてしまっても仕方がないのだ。
分かりやすい例で言えばフラワーマスターこと風見幽香はその残忍な性格を含め太陽の畑には幽香と同等かそれ以上の力をもって居なければやられてしまうのは目に見えている。一人で優雅に向日葵の真ん中に立っている幽香を知らない人が見れば綺麗で美しいとさえ感じてしまうだろう。
弱い、例えば妖精などは集団で居たりするのが当たり前なのである。
では強くも弱くもない私はなんなのだろう。
「なんてね。上海に聞いても分かるわけないか」
私アリス・マーガトロイドはそう言った意味で言えば向き不向きが激しいのだ。特に魔理沙で言えば私の設置した人形ごと弾幕を弾幕で返してくるのである。
また妖夢のような接近戦が得意な人には罠が仕掛けられるから案外勝てたりする。
「そう言えばもうそろそろ夏も終わりね」
魔法の研究は集中力を極端に使う作業が多い。魔法使いなら誰もが使う「ヒ素」や「水銀」・・・。これらは魔法研究には欠かせないため身体に入り込まないようにしてはいるものの吸い込んだり、手に付いたりなどしてどうしても身体の中に入ってしまう。そんな作業の最中に集中力を切らしてしまえば言うまでもなく酷ければ死につながってしまう。
「この前は魔理沙や紫が宴会をすると言っていたけれどそれにも参加してないわね」
集中力を使う。イコール時間はあっと言う間に過ぎていく。作業が終われば疲れが出てそのまま寝てしまう。起きればまた研究。そして寝る。
「こんな作業ばっかりしてたら身体が固まっちゃう気がする・・・」
事実最近は肩こりや腰痛まで出てきた。このままじゃパチュリーみたいになっちゃうな。よし久しぶりに霊夢や魔理沙と弾幕勝負でもして身体を解そう。
簡単な身支度をして家を後にした。
博麗神社に向かっていると・・・
「あら?アリスじゃない」
「?・・・げっ」
幻想郷最強のスキマ妖怪。「八雲 紫」。正直あんまり好きじゃない。何を考えているのか分からないし。行動は突拍子もないし。
「いきなり「げっ」は無いと思うわよ」
「いや~まさか紫がここに居るとは思わなかったから」
「今日は霊夢の稽古の日だからその帰りよ」
「?」
隙間を使えばいいのに。
「アリスはどこに行く所だったの?」
「あぁ。最近身体動かしてなかったから霊夢達と弾幕勝負しようと思ってね」
「霊夢は今頃寝てると思うわよ」
クスクス笑いながら話しかけてくる。あれ?私紫と普通に話せてんじゃん。
「私と弾幕勝負でもする?」
「へっ?」
「そうね。アリス。あなたは私に一回でも攻撃が当てればあなたの勝ち。私はあなたを負けたって気持ちにさせたら勝ち。これでどう?」
「別に構わないけど・・・」
紫のことだから平等とか私にハンデをくれるなんて有り得ないように思うけど。
「ならスタートよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「アリスもしかして弱くなった?」
「私も驚いてる・・・」
内容とすれば私は紫の最初のスペルを躱せなかった。しかも一撃でダウンしてしまったのである。
「やっぱり疲れが残ってみたい。帰って寝てくるわ」
「夏の間姿を見なかったけどずっと家に居たの?」
「そうよ」
「・・・・はぁ。なら家に来なさい」
「えぇ・・・・えぇえ!?!?!?」
「ほら行くわよ」
「ちょ・・・きゃあ」
問答無用といった感じで隙間に押し込まれた。
「いたたた・・・ちょっと紫いきなり何すんのよ?!」
「身体のケアをしてあげるだけよ」
「はぁ?!」
「藍」
「はいなんでしょう?」
「アリスが客人で来たから失礼のないように」
「かしこまりました」
そういうと紫はどこかにいってしまった。
「それではアリスさん」
「え・・あ、はい」
「少々お待ちください。食事の支度をしてまいります」
「えぇ」
すると藍もどこかに行ってしまった。しかし流石藍。お茶と茶菓子が用意されていた。伊達に紫の式はしてないわね。
「・・・・」
よくよく紫の家の中を見てみると凄い立派な家に住んでいた。私なんて普通の一軒家なのに・・・。手入れもしっかりされてて貫禄のある家のようだ。こんなのも全部藍がやったりしてるんだろうか。
「お待たせ」
「あっ紫。その布団は何?」
「マッサージの時に使うのよ。はいうつ伏せになって」
言われるままに布団に横になった。それにしてもマッサージって誰がやるんだろ?
「まさか紫がやるわけないよね?」
「もちろん私よ」
ニヤニヤしながら返事が返ってきた。今日が命日なのかな私・・・。
「じゃ始めるわよ」
肩から、首、腰、足・・・痛くも何ともなくただ身体を触ってるだけだった。
「紫?マッサージの意味わかってる?」
紫は笑顔で返事したあと。
「身体全体ね」
「え?・・・いぃ~だだだだだだ!?!?!?!」
「首は前屈みになってるせいで固いし」
「いった~い!!」
「肩も、腰も、足も同じように凝ってるわ」
「ちょ・・ま。っ―――――!!」
「特に腰のここは坐骨神経痛になりかけてるからかなり痛いわよ」
「%&’#$(’&$%%$&”!!!!」
「大丈夫大丈夫。痛くなくなるわ。その内(笑)」
笑いじゃねーよ!このババァ!でも何だかこんな感覚どこか懐かしい?
30分間延々と紫のマッサージを受けた。
「足裏のここは内蔵、でここは子宮、便秘は・・・無いようね」
「ハァハァハァ・・・・」
「大分楽になってきたでしょ?」
「ハァ・・え?・・・えぇ」
最初は言葉にならない叫びをあげなら心の中で「このババァ絶対に殺してやる」とか考えてたけど。今はやってもらうところは程良く痛いだけであとは気持ちがいい。
「・・・ちゃんとやってくれたんだ」
「そりゃねぇ私も真面目と冗談の境界くらい持ってるわよ」
「あははは。紫って今まで怖いってイメージしかなかったけど結構優しいって分かってよかった」
「長年生きてるとそうなるのよ」
「なら今の紫と結婚出来たら幸せな家庭が出来るんじゃないの?」
「ん~それはまた別問題かしら」
「何で?」
「長年一人で生きてたら私みたいになるけど。一人の独自の世界を持っていると誰かが入った時のことが分からなくなるのよ」
「あ~分かんなくもないかな。私自身がそんな状況だし」
「魔法使いで寂しくないの?」
「そうねぇ。寂しくないって言ったら嘘になるけど。それでも一人じゃないから大丈夫」
そう言うと紫は今まで見せたことのないような優しい穏やかな顔で微笑んでえくれた。
「あぁ・・・そうか」
「?」
「何でもない」
お母さんみたいなんだ。色んな意味で紫はやっぱり最強なんだ。
「紫は一人は寂しくないの?」
「私はいつも一人よ」
紫の笑顔が引きつった。
「な、何で?ほ、ほら藍とかチェンとかいるじゃない。霊夢も魔理沙も。幽々子だっているじゃん」
「そうね・・・隙間なんて使え無くて最強なんて称号がなければ一人じゃなかったかもね」
「あ・・・」
紫は最強であり紫自身がその気になれば出来ない事の方が少ないのだ。そのためみんなが紫をどこかで特別視するのだ。最強の能力のため孤独になりそして特別視されるがため孤高の存在になるのだ。特別視しないのは少数なのかもしれない。
「最強って孤高の存在のようだけどね実は孤独と同じ。だからみんな私が特別のような目で見る。最初は寂しいのと同時に悲しかった・・・」
「霊夢は平等に見てくれるでしょ?」
「けどやっぱりね・・・ほら私幻想郷の結界を扱ってるでしょ?あの子は自分に出来ることと出来ないことを自覚してるから、私を上に見てるのよ」
「やっぱり紫の気持ち次第じゃない?」
「私の・・・気持ち?」
「ごちゃごちゃ考えずにさ「私もそこらの妖怪と一緒よ」って考えてみたら?紫だって最強って言っても妖怪に変わりはないでしょ?」
「・・・・」
紫は驚いたような顔をしたがすぐに笑顔になった。悪夢から開放されたような晴れ晴れとした顔だった。
「そうね・・・。私もただの妖怪ね」
「紫は悩みとか絶対人に言わないでしょ?」
「え?ん~・・・確かに言わないわ」
「悩みは考えるだけで気分悪くなるし、一人じゃ解決しないもの。異変みたいにね。私みたいに悩みなんて無くしちゃえばいいのよ」
満面の笑みで答えると紫は微笑みを返してくれた。
「けど私は立場上悩みが尽きな・・・」
「私が居る」
紫の言葉を遮って言った。一人がダメなら二人で。二人がダメなら三人。
「紫は一人じゃない。藍もチェンも霊夢、魔理沙、幽々子、あなたを慕ってくれてる人は沢山居る。霊夢の稽古とか式を操ったり、幻想郷の結界を張ってみんなを守ってるんだから悩みとかはみんなに任せればいいの」
「私も年ね。アリスみたいな小娘に説教されるなんて。なら色々頼っちゃうけど大丈夫?」
「支えれるかは分からないわ。けど力にはなる!これは約束する!」
こんなに必死になれるのも多分私が普段とは違う紫を見たせいだ。何があっても自分の力で解決したり。多分プライドがあるんだ・・・。自分は最強。だから周りに頼っちゃいけない。馬鹿馬鹿しい。
「なら・・・」
紫が手を差し伸べてきた。
「よろしくアリス」
「任せてね紫」
「そう言えば・・・」
「どうかした?」
「藍がそろそろご飯作り終わってもいい頃なのに」
「言われれば・・・ん?」
襖の方で何かが動いてる。
ガラッ
「藍何をしているのかしら?」
「い、いえご飯の用意が出来たのでアリスさんを呼ぼうとしたら襖の向こうからアリスさんと紫様の色っぽい声がしたものですから・・・」
「・・・」
「・・・」
「よもやそのようなご関係にあるとは露にも思わなかったのでお邪魔かと思いもう一度来てみれば何やら真剣に話し合っておられたので」
「え?」
「・・・?」
「そしたら頼るとか、任せて力になるなど今後の事を言っているよう・・・」
「「違う!!!」」
恐らく艶っぽい声はマッサージ後半の事で私は大分気持ちよくなってきて、紫は疲れたか作業をしてたから・・・。で話し合いもなんでその部分だけ聞くのよ!!
藍の誤解を解くのに今日は一番疲れたかもしれない。けど・・・
「すみません紫様!では一周して付き合っているのですね?!」
「何で一周してるのよ!!違うの!だからアレは・・・!!!」
最近は一人で静かな所に居たからたまには・・・
「こんな騒がしいのも悪くないな」
孤高と孤独は似てる。けど孤高でも少なくとも紫は孤独ではない。ようは気持ちの持ち様って事。
後、最初の前書きは正直要らないと思います
これからもがんばってください。
「悩みは考えるだけで気分悪くなるし、一人じゃ解決しないもの。異変みたいにね。」
って台詞がすごい好き。
今後の作品も楽しみにしてます
いいことだ、もっとはやれ。いいえ流行ってください。
文章中でwを使用するのはいかがなものかと思います。
後文のルールを最初から守るべきです。
セリフと文に一行スペースを入れるなら全てに共通させるべきだと思いました。
内容はほんわかしてていいと思うのでもうちょっと読みやすくなることを期待します
ただ、頻繁に文章としておかしなところがあり、そこが残念です。
ただ少し文章に違和感があったためこの点数で
ゆかアリは新鮮だった。
こいう接点のなさそうな者同士の話っていいですね。
雰囲気はいいんですが所々に出てくる罵声はすこし合わないかな、と。
何はともあれゆかアリいいよね!