早苗の高校時代

　幻想郷の皆と茶店でお茶をしていると、私が幻想入りする前の事を聞かれた。私は幻想入りする前は、こちらの世界で言うところの不真面目な寺子屋生だったと答えたのだが、それでいいから詳しくと言われたので、その話をすることにした。

　私は高校に居た頃、成績こそ優秀だったけど、真面目に授業に取り組んでいるわけではなかった。朝は部活の朝練に行く前、禊をし、神事を済まてからセーラー服に着替え学校に向かってたわ。授業中は仲良し女子と手紙の回し読みしてたり、居眠りして、先生に怒られてたわ。部活は陸上と水泳を掛け持ちしてたから、練習で毎日くたくたで、家に帰ったらすぐに神事を済ませてお風呂に入って寝てたわ。その頃の楽しみといえば、学校帰りとか休日に、クラスの仲良し女子や部活の先輩・同級生・後輩と一緒に街に行ってお洒落な洋服を買いに行ってたわ。ついでに映画を見に行ったり、喫茶店でお茶してたわ。ケーキとかパフェを頬張りながら、オシャレの話や、趣味の話、テレビとか雑誌の話題が多かったかしら。それ以外にも、友達の家で皆で寝泊まりしてゲームとかトランプして遊んでたわ。

　地区大会・県大会で優勝して、全国大会に出た時、全国ってこんなにすごいんだ、って驚いたわ。結果は散々だったけど。

　夏休みは、近くの滝からダイブしたり、湖で泳ぐこともあったし、皆で友達の家に泊まりに行ってたわ。ある子の提案で、皆でオカルト話をすることになったの。私は怪談話をして、皆をとびっきりの恐怖に誘うことが出来たわ。

　体育祭では、｢運動神経のイイ早苗さんだから｣って理由で、何かと私が駆りだされてたわ。部活対抗リレーで競泳水着で走るのは恥ずかしかったなぁ。その後普通に部活の練習もあったから、家に帰ったらもうヘトヘトで、8時には寝ちゃったわ。

　文化祭の時、クラスの出し物、部活の出し物で忙しかったわ。その後、私は仲良しグループの子の提案で、参加賞の映画のチケットと優勝者の景品の洋服店のクーポン券を目当てにミスコンに出ることになったの。私が優勝しちゃって｢早苗ってば優勝しちゃって～。私も早苗くらい胸があれば優勝できたのかなぁ～。｣なんて羨ましがられたなぁ。映画のチケットと洋服店のクーポン券を貰ったはいいけど、あの後、男子達からお付き合いをせがまれて大変だったわ。あの時、スクール水着でミスコンに出たのがいけなかったのかしら。

　クリスマス、仲良し女子や部活の先輩・同級生・後輩で、私の家で皆でプレゼントを持ってきてパーティしてたわ。宗教が違うとか、そんな事はどうでもいいのよ。ゼウス様だって日本では八百万の神の一人になっちゃうんだから。｢早苗ったらミスコンの時の男全部振っちゃって、虚しい彼女なし女の集まりに入るなんて。｣って言われたわ。

　正月と言えば、初詣。勿論うちの神社でよ。皆でお参りして、今年こそ彼氏できますように、とか、最高学府に行けますようにってお願いしてたらしいの。私は｢皆が幸せでありますように｣かしら。だって、友だちといる時が一番楽しい瞬間だもの。

先輩方を卒業式で見送ってたりするうちに、あっという間に時が過ぎて、私達が3年生になると、私以外は皆就職試験や進学で忙しくなっちゃって、皆で遊ぶ時間もどんどんなくなっていったわ。進路が安泰な私は｢皆の進路が安泰でありますように｣と願うことしかできなかったわ。その後、皆の進路が無事決まって安心したわ。

　卒業式の一週間前、私は遠い国へ引っ越す事を皆に継げることにした。幻想郷なんて言っても｢早苗ったらまたオカルト話始めちゃって｣とい言われるから、アメリカと告げることにした。卒業式の時、私は大泣きしちゃったの。だって、10年以上仲良くしてくれた幼馴染の子とも別れるんだもの。辛くて辛くて仕方なかったわ。とは言っても、年に2度くらい、幻想郷から向こうに`帰省'して、友達と一緒に遊ぶんだけどね。

　と、そんなところかしら。私はオシャレ好きで、オカルト好きな女子高校生ってだけね。

霊夢｢早苗みたいな寺子屋生活をしてればよかったわ～｣
魔理沙｢まあ私は早苗同様、不真面目な寺子屋生活をしてたZE!｣
咲夜｢魔理沙と早苗とでは、不真面目の度合いが違うわよ。｣
アリス｢早苗ちゃんに今度オシャレについて聞いてみたいわ。｣
妖夢｢私も高校って所、行ってみたいなぁ。｣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　END

初めまして。当方、他の作品のSSは書いてるのですが、東方のSSは初めてだったりします。
とりあえず、早苗が高校生という二次設定を元に書き上げました。
高校生ということで、部活してるかしてないか迷ったのですが、体育会系の部活を掛け持ちしている元気な女子高校生という設定にしました。