Coolier - 新生・東方創想話

中華の拳

2008/06/15 03:11:00
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※中国の能力と北○の拳をしっていたら、たぶん誰もが思いつくネタです

 この物語はフィクションで、実際の人物、団体名等は関係ないと思って読んだほうがいい時もあります(特にこーりん)

 あと、作中の毛玉は普通に喋ります。 ご注意ください。



























                       幻想郷歴199X年    幻想郷は何かの炎につつまれた!!







                            海は元々なかったけど、水は涸れ、地は裂け…





                              あらゆる生命体が絶滅したかにみえた…





                                       だが…





                                  わりとみんな生きていた!!





           人や妖怪や妖精や毛玉その他もろもろの心は荒み、幻想郷は暴力が支配する混沌の世と化していた!!







「ヒャッハ~~!水だ~!」

「ヒャッホー!食料もタップリあるぜ!」

「やっぱりコーリンについてきて良かったぜ!」

「こんないい思いができるしな!ヒャッハッハッハッハ!」





これはそんな悪党どもの一団

暴力で善人を苦しめる者たちだ

そこに、一体の毛玉が慌てた様子で近づく





「コ、コーリン!」

「なんだ?」

「て、偵察隊のやつらが! な、なにものかに!!」

「なにィ!?」





向かった先には大量の毛が散らばっていた

それを見て愕然とする悪党の親玉、コーリン





「だ…だれだ! だれがこんなことを!!

Kのメンバーと知ってのことか~~~~~~っ!!」

「コーリン!! まだ息がある!!」

「どうした!? 何があったんだ!?」

「ちゅ… ちゅうごく…」

「ちゅうごく?」




そう言い残して散る毛玉




(いっ、一体なにが… そしてちゅうごくとは…?) 





-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------





「み… 水…」




荒野を歩く一人の女性の姿があった

そして、水を求めて目に映った村まで歩を進める




「み… 水… 

コッペパン水無しはさすがに無謀だった… 死ぬ…」




いきなり物語が終わりそうである




「うわっ!!」




村の半ばまで進んだところで足もとから罠が飛び出し、女性は敢え無く捕まってしまった。




「み… 水を…

ホントに… ヤバイ…」




その言葉を最後に、気を失ってしまった。




-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------





「村長がお帰りになるまで牢に入っていてもらおうか」

「う…」

「あははっ!まただれかバカな真似したんだ」




牢には先客がいた。それはどことなく頭の弱そうな妖精だった。




「フラン。水でもやっておけ」




その言葉を受けて、フランという少女が水を持ってやってきた。

女性はそれを、涙を流しながら飲み干す。




「いや~~~!ホントに助かった!ホントに死ぬかと思った!ありがとうございます!

ぶしつけで申し訳ないんですがもう一杯もらえませんか!?」




フランと呼ばれた少女は驚いた様子だったが、頷くとすぐに水を汲みに行った。




「ねぇねぇ」

「ん?」




話しかけてきたのは先客の妖精だった。




「あんたもこの村にある『さいきょーの証』を狙ってきたの?」

「最強の証…? なんなの、それ?」

「えー! 知らないの!?

じゃああんたこの村になにしにきたのよ?」

「いやぁ、普通に迷ってきただけなんだけど」

「ふ~ん。 じゃあ運がなかったんだね」

「どういうこと?」

「今この村は『さいきょーの証』を守るためにものすごい防衛たいせーをしいてるんだって。

あんたはそれにまき込まれちゃったんだね」

「…ねぇ、ひとつ気になったんだけど聞いてもいい?」

「なによ?」

「ホントにそんなのあるの?」

「あるに決まってんじゃん!

なんたってこのあたいを捕まえるほどの村なんだし、ないなんて考えられないよ」

「そ、そう…」

「それに、あたいの友達が言ってたんだもん。まちがいないよ!」

「その友達ってどんな子?」

「ん~と、ニンジンのペンダントしてるウサギの妖怪で、てゐって名前なの!」

「そう… その子があるって言ってたの?」

「うん!」

(どうしよう… この子、とても頭がかわいそうだ… 純粋すぎる…

あれ?なんでだろう? なぜか涙が止まらない…

とりあえず『てゐ』って子には気をつけるようにしよう)

「あれ?どうして泣いてるの?」

「ううん、何でもないの。 お願いだから気にしないで」

「ヘンなの。 ところであたいはチルノっていうんだ!

あんたの名前は?」

「え?あ、あぁ、私は紅 美鈴っていう名前なの」

「ほんめいりん? ヘンな名前。 それに覚えにくいよ。

そうだ! あたいが覚えやすいあだ名付けてあげる!

え~とね、ちゅうご「じゃあメイって呼んでね!」」

「うん! それだったら覚えられる!」

(危なかった… 中国を回避できた…)




話がひと段落したところで、先ほどの少女が水をもってやってきた。

そして、美鈴はそれをものすごい勢いで飲み干す




「いや~、ホントに助かったわ! どうもありがとうね」




にこやかにお礼を言うと、少女ははにかんだ様に笑顔を見せた。




「私は紅 美鈴っていうの。 メイって呼んでね

あなたのお名前は?」

「……………」

「どうしたの?」

「あぁ、そいつはフランっていうらしいけど、話せないんだって。

なんか最近までどこかにゆーへーされてたらしいよ。

そのショックで口がきけないってさ」

「そうなの…」

「……………」

「つらい…?」




美鈴の問いに、気丈にも首を横に振るフランを見て、メーリンの心が痛む。




「そう…」

(この幼い瞳はたくさんの地獄を見てきただろうに…

こんな小さい子を幽閉するなんて…!

それにしてもこの子、誰かに似てるような気がするんですが?)




そうして、美鈴はおもむろにフランに手を伸ばす。

彼女はそれを見て少し怯えてしまったのだが…




「だいじょうぶ… 怖がらないで?」




その言葉を聞いて安心したのか、身を任せることにした。




「……………!!」




突然のことに、彼女は驚いてしまった。

フランが驚くのも無理はない。美鈴に牢屋越しに抱きしめられたのだから。




「無理しなくていいのよ? 辛い時は泣いたっていいんだから…」




美鈴の言葉はまるで心に染み込むようで、フランの瞳からは自然と涙がこぼれた。

彼女の胸は暖かく、フランはまるでゆり籠に揺られているような気分になった。




「よしよし… もう大丈夫… もう辛くないからね?

今から私が、しゃべれるように おまじないをしてあげる」

「?」




そう言ってフランから離れ、彼女のこめかみの辺りに指先を触れると、そのまま軽く力を入れた。




「なにしてんのさ?」

「ただのおまじないよ。

本当に話せるようになるかはこの子しだい…

心の叫びが言葉を誘うのよ」

「ふ~ん? よくわかんないや。

…ねぇねぇメイ」

「どうしたの、チルノちゃん?」

「その… あたいも、抱きしめてほしいな…」

「ふふ… 甘えん坊さんね。

おやすいご用よ」

「うん!」




するとフランが美鈴の服の裾を引っ張っていた。




「フランちゃんも?」

「…………」




顔を少し赤くして、フランが控えめに頷いた。




「それじゃあ二人ともこっちにいらっしゃい」




二人は満面の笑みで美鈴に飛びついた。

そうしてしばらくの間、荒廃した世紀末を思わせないほど、穏やかな時間が過ぎていった…




それを打ち破ったのは、空気の読めない村人だった。




「立て! 村長がお帰りになられた!」




そして美鈴は腕を掴まれて、有無を言わさず連れて行かれてしまった。

その先には、なんか五重塔の上の方みたいな帽子をかぶった女性が待ち受けていた。




(変な帽子… この人が村長なの? 何か不安だなぁ…)

「あなたはどこに行くのだ?」

「あてはありません…」

「慧音村長… もしコーリンの仲間だったら…」

「そうだな… Kの刺青があるはずだ。

すまないが、体を調べさせてもらうぞ」




そうして慧音と二人で、他の人から見られないように壁際まで移動する。

とてもいい人だった。




(変な帽子って言ってごめんなさい…)




しばらくすると、慧音に突如異変が起きる。




「!!」

「どうしたんですか!? 慧音村長!?」

「い、いや… 何でもない。 気にするな」

「は、はぁ…」




そうして慧音は美鈴にふり返り、こう呟いた。




「すまなかった… まさか下着をつk「それ以上言わないでください!!」…すまない」




すると突然、地響きのような音が村全体に響き渡った。




「なんだ!? いったいどうした!?」

「慧音村長ぉーー!! 大変です! コーリンが! Kのやつらが!!」

「なんだと!? くそっ!こうしてはいられない!!

フラン!お前もいっしょに来て戦うんだ!!」

「……………!」




決意を秘めた瞳でフランが頷く。

そして美鈴に目を向けると、牢のカギを渡して名残惜しそうに去っていった。




「フランちゃん…」

「おお~! カギじゃんか!!

やったね!! これで出られるよ!!」

「そうね… ねぇチルノちゃん。 コーリンってどんな奴か知ってる?」

「え~とね、たしか暴力をふるって食糧とか水をうばう悪党だって聞いたよ

あ!後ね、ようじょにいたずらするのが好きなへんたいだって!」

「いたずらするの!?」

「そう聞いたよ? ねぇメイ、へんたいって何?」

(今の話が本当なら… フランちゃんが危ない!!)

「ねぇメイ、ってどうしたの? こわい顔して」




とりあえずチルノを無視して、美鈴は鉄格子をつかむ。

そしていとも簡単に牢を破壊してしまった!




「わぁ! メイすご~い!! あれ?メイどこ行くの?

ねぇメイ、へんたいって何なの~? ねぇってば、メーーーイ!」




ひとまずチルノを置いて、美鈴は出口まで駆け抜けた。

でもチルノは美鈴になついたようで、ちゃんとついて来ている。




「!!」




そして外に出ると、なんとフランが悪党に捕らえられていた。




「抵抗をやめろーーー!

さもなくばこの幼女にいたずらするぞーーーっ!!」

(あれがコーリン… 聞いた通りの変態のようね)

「食料だ! ありったけの食料を持ってこい!! あと幼女!!」

「くっ! 下劣なやつだ!!」

「慧音村長! かまうことはない、戦いましょう!」

「待て! 迂闊なことを言うとファンに殺されるぞ!!」

「うっ! し、失礼しました!!」

(あの人たちなんか言ってるけど気にしてられない!

早くフランちゃんを助けないと!!)

「!!」




近寄ろうとする美鈴を、フランが目にした。

しゃべれないことがここまで辛いことになるとは彼女は夢にも思わなかった。

美鈴を止められない自分がもどかしい。その感情でフランの心は満ち溢れた。




『あとはこの子しだい…』




牢屋での美鈴の言葉が思い返される。




『心の叫びが言葉を誘うのよ…』




「メ………」

「あぁん?」

「メーーーーーーーーーーーーーイ!! 

来ちゃダメーーーーーーーーーーーーーーー!!」

「!! しゃべった!? フランが!!」




その時、事情を知るすべての者に衝撃が走った!




『心の叫び…』




(フランちゃん… 頑張ったね…)

「しゃ、しゃべった… さっきのメイのおまじないが効いたの…?

メイってなに者なの?」




「メーーーーーイ! 逃げてーーーーーーー!!」

「うるさいぞ! 幼女とはいえ容赦はしねぇぞ!!」




(今行くからね… フランちゃん…)

「あ… メ、メイ…」




美鈴は静かな闘志を燃やしコーリンの前へ歩んでいった。




「!?」

「メイ…」

「なんだぁてめぇは!」 「おーーっ!?」 「こらぁーーーー!」




その前に三体の毛玉が現れるが、彼女は動じない。




「…どきなさい」




一瞬硬直する毛玉たちだったが、すぐに復活する。




「いい度胸してるじゃねぇか!!」 「ピチューンさせてやる~~~っ!」

「ていや!」




向かってくる毛玉を軽く蹴り躱し、彼女は鮮やかにコーリンの面前に躍り出た。

いまだ毛玉たちは健在だ。




「ん…? ふ、ふざけやがって!!」




再び襲いかかろうとしたその時!




                            『ポンッ!!』




そんな気の抜ける音が三つ響いた。




「な…なんだっての!?」

「き…気を使う程度の能力!!」

「知っているのか!? 慧音村長!!」

「だから迂闊な発言をするなと言っているだろう…」

「す、すいません…」

「まぁ、いい。気を使う程度の能力とは…

その昔… 中国より伝わった能力で、恐るべき力を秘めていると聞いたことがある。

その真髄は気を一点に集中させ、相手の経絡秘孔を突くことだそうだ。

それで、最小限の力で相手をピチュらせることができるし、なんか治療にも使えたりしていろいろ便利らしい。

その能力が…今ここに」







「その子を、放しなさい」

「うぬ~~~!

お前かぁ! オレの仲間(毛玉)をやったのはーーー!」

「はあぁぁぁぁ!  てや!

てややややーーーーっ!!」

「お…おぉ~」




息もつかせぬ美鈴の連打に、コーリンが捕まえていたフランを手放す。

そしてそれを優しく美鈴が抱きとめる。




「フランちゃん… 怪我はない?」

「うん… メ、メイ、あ…ありが…と、う…うわぁ~~~ん!!」




フランは感極まったのか、泣き出してしまった。

美鈴はそれを優しく包み、慰めるようにあやす。

その暖かな雰囲気をぶち壊すのは、やはり空気の読めない人だった。




「お前の拳など弾がかすった程度もきかんわ~~~。

ピチュらせてやる~~~!! そしてその後はその幼女と… グフフ~~~」

「あなたはもうピチュってる………」

「なにぃ~? い!?」



                                『ピチューン』



-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------





「その気を使うてーどの能力っていうのでフランのつぼを押したって言うの?

ふ~ん… あたいよくわかんないや!

メイはすごいってことでいいんだよね?」

「え~と… もうそれでいいんじゃないかな?

(これ以上説明しても無駄だろうし…)」

「うん! メイってすごいね!!

…待てよ? メイについて行ってそのワザを盗めば、あたいがよりさいきょーになれるってことね!

メイ! あたいメイについて行くからね!!」

「えぇっ!? ちょ、チルノちゃん本気!?」

「本気に決まってんじゃん!

これからよろしくね! メイ!」

(まぁ、いいか…)




笑顔のチルノを見ていると、なんかどうでもよくなってきた美鈴であった。




(元気でね… フランちゃん…)




そうして、荒野へ旅立とうとする二人を見送る影が二つあった。

フランと慧音である。




「メーーーーーーーイ!

どうして行っちゃうの…?」

「中国現れるところ乱あり… と言ってな。

メイは私たちのため、この村のために出ていったのだよ…

フラン、お前のいるこの村のためだ。

わかるな、フラン…」

「メイ…」










                               涙ながらにメイを見送るフラン


                        メイは決別を惜しみながら、決して振り返ることはしない


                      いかなる宿命がメイを待ち受けるのか それは誰もわからない


                       しかし! メイの瞳に闘志宿る限り、彼女は歩み続ける!


                           悲しみに満ちた世紀末を終わらせるために!!
やっちまいました

3作前のあとがきで漏らした妄想を文章にしちまいました

こーりんの扱いが・・・  いや もちろん嫌いなわけじゃないんですよ ただネタにしやすいというか・・・

ごめんなさい・・・  これは反省してます

でも彼は残機3からスタートしてるので 多分また出ます   ・・・似たような配役で 

ちなみにコンティニューもありで、彼の部下の「ヒャッハ~」の人たちは、みんな毛玉です



ところで  あれ?フランがコーリンなんかにつかまっちゃうの?  と思った方も多いと思われます

作中のフランは フランドール・スカーレット ではなくあくまで フランちゃん なのです

だって 『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』 なんて使わせたら 話続かないですし・・・

とにかく、大人の事情と解釈していただければ幸いです

そして、めーりんとフランは互いのことを知らないという設定です これも大人の事情


タイトルに 第一話(仮) と書きましたのは、続きを書けるかどうか怪しいためです

一話書くのに異様に時間がかかったのです・・・  orz


でも一応二話以降のプロットも出来上がっております 

なので、後は書くだけなのですが・・・   いかんせん難しいです

だってバトルシーンに迫力が皆無・・・  でも作品の雰囲気にはあってたりするのかなぁ?

判断できません\(^o^)/

ちなみに、キャスティングはイメージで決定していきます
頭が病気
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コメント



0.500簡易評価
4.80からなくらな削除
イエーイ やってくれましたね
続く限り、オーエンします
12.70名前が無い程度の能力削除
まぁ…アリ何じゃないでしょうかw