とある夏の日の幻想郷。
人里では人々が賑わい活気に溢れていた。
そんな中、東の端に建っている神社、博麗神社では一人の巫女が暇そうにお茶を啜っていた。
霊夢「いつもの事だけど…暇ね~。どうして私の神社には誰も参拝に来ないのよ。来るとすれば妖怪か亡霊ぐらいだし…。」
魔理沙「私は亡霊でも妖怪でもないぜ。」
横から聞き慣れた声がした。霊夢はため息をついた。
霊夢「…何の用?お茶なら出してあげないわよ。」
魔理沙「冷たいなぁ。折角おすそ分けにキノコ持ってきたのに…」
霊夢「そこに座って待ってて頂戴。今お茶とお菓子持ってくるわ。」
そう言うと、さっさと行ってしまった。
魔理沙(相変わらず切り替えが早いぜ…)
霊夢「お待たせ~♪」
魔理沙(早っ⁉)
霊夢「饅頭でよかったかしら?」
饅頭「ゆっ!」
魔理沙「あ、ああ。悪いな。(饅頭って喋ったけか?…まあいいや。)」
霊夢「で、何の用?いつもみたいに遊びに来たの?」
魔理沙「まあそれもあるぜ。ところで、この石を見てくれ。こいつをどう思う?」
魔理沙はポッケから小さな石を取り出し霊夢に見せた。
霊夢「すごく…黒いわね…。何なのコレ?」
魔理沙「さっき魔法の森からここへ来る途中で拾ったんだけど、何か不思議な感じがしてな。」
霊夢「うーん…確かに不思議ね…何なのかしら?」
魔理沙「何か分かるか?」
霊夢「はっきりとは言えないけど、妖力と霊力ともう一つ力が宿ってるわ。」
紫「神力ね。」
魔理沙、霊夢「‼」
いつの間にか後ろに開いていたスキマからb(ピチューン)少女が現れた。
霊夢「また後ろから…。そんなことより神力が宿ってるってどういう事よ。
紫「そのまんまよ。少なくとも幻想郷で生まれた石では無いわね。」
魔理沙「じゃあ、外の世界か?」
紫「さあ?どうかしらね?」
そう言うと、饅頭をつまんで食べた。この時この黒い石がうっすらと光った事をまだ誰も知らない。
紫は食べる物は食べたと言って何処かへ行ってしまった。
霊夢と魔理沙は黒い石が何なのか調べに香霖堂へ向かった。
霊夢「ところで、具体的に何処で拾ったの?その石。」
魔理沙「お地蔵様の足元に落ちてたんだ。見た事が無い石だったから拾って来たんだぜ。」
霊夢「それって、拾ったと言t」
魔理沙「拾ったんだぜ。」
霊夢「……。」
そのまま沈黙が続いた。
魔理沙は珍しい物を見つけるとやたらと持ち帰る。
主に紅魔館の図書館の本や外の世界から流れ着いてきた物も持ち帰る。(泥棒)
~香霖堂~
カランカラン
香霖堂のドアを魔理沙が開いた。
霖之助「いらっしゃ……なんだ魔理沙か。」
魔理沙「霊夢もいるぜ。」
霊夢「こんにちは、霖之助さん。」
霖之助「二人そろって今日は何の用だい?」
魔理沙「見て貰いたい物があるんだ。えーと……これだぜ。」
魔理沙はポッケから取り出した黒い石を見せた。
霖之助「どれどれ、……これは……?」
魔理沙「何か分かったのか?」
魔理沙が身を乗り出して尋ねた。
霖之助「いや、僕にも分からない。」
霊夢「どういうこと?霖之助さんの能力ならその石の名前が分かる筈でしょ?」
霖之助「名前が分からない…というより名前が無いと言った方がいいかな。」
魔理沙「どういうことなんだ?」
霖之助「どんな物にも必ず名前がある。それがもしそこら辺にある石や草であろうとね。けれども、この黒い石は只の石じゃない。何らかの力が宿っている。」
霊夢「妖力、霊力、それと神力ってやつの事?」
霖之助「ああ、その通りだ。」
魔理沙「でも、何でそんな物が出てくるんだ?」
霖之助「最近、幻想郷では変な事ばかりが起きる。霊夢も薄々感じてるんじゃないか?」
霊夢「そういえば、以前紫が教えてくれたんだけど博麗大結界がいつも以上に不安定だって聞いたわ。」
魔理沙「じゃあ、その博麗大結界の影響を受けてその石が出来たのか?」
霖之助「無いとも言い切れない。最近、人里の龍神像の眼が赤くなっているらしい。君達に言うのもなんだけど……何が起こるか分からないから気を付けた方がいい。」
魔理沙「余計な心配だぜ、香霖。」
霊夢「異変ならいつもの事だし。」
霖之助「……そうだったね。君達なら心配要らないだろう。」
魔理沙「へへへ♪」
魔理沙は余裕の笑みを浮かべた。
霊夢「じゃあ、取り敢えず神力について聞きに行きましょうか。」
魔理沙「誰にだ?」
霊夢「神奈子と諏訪子によ。神様だし、何か分かるでしょ。」
魔理沙「だな。じゃあ行くとしますか!」
魔理沙と霊夢は石の手掛りを見つけに香霖堂を後にし妖怪の山の頂上にある守矢神社へ向かった。
その向かう途中の事だった。
霊夢「ちょ、ちょっと魔理沙!待ちなさいよ!」
魔理沙「どうしたー霊夢ー。何か遅くないかー?」
霊夢「これでもスピード出してる方よ!でも……何かいつもより体が重いというか、何というか……。」
魔理沙「それって、太っt」
霊夢「神霊『夢想封印 瞬』」
魔理沙「ちょ!待っ(ピチューンピチューン)」
ドゴオオォォ……
この時、魔理沙は残機が二個減った。トドメに陰陽玉まで降ってきたのだから。
色々有りつつも妖怪の山にたどり着いた二人。
そこへ、
?「あややや、やはりさっきの爆風はあなた達でしたか。」
霊夢「あら、文じゃない。」
文「どうも霊夢さん、魔理沙さん、ご無沙汰してます。……ところで、今日はどんなご用事で?」
霊夢「神奈子と諏訪子に用事があるのよ。通してもらえる?」
文「……大天狗様にここの警備を任されました。どうしてもと言うのであれば、私を倒してからにして下さい。」
霊夢「結局、またこうなる訳ね……。」
霊夢が面倒臭そうに構える。
魔理沙「私も忘れて貰っちゃ困るぜ。」
魔理沙も構える。
文「この射命丸文、全力でお相手します‼」
第二部に続く
これからも、がんばってください。