博麗神社の縁側で霊夢は、物凄い勢いで何かを食べていた。魔理沙はそんな霊夢を上空から目撃したため、境内に着地した。
「霊夢は何を食べてるんだぜ?」
「唐揚げ。久し振りに…御馳走が食べれたのよ!」
霊夢は滅多に肉料理を食べれないため、今回は御機嫌である。唐揚げを5つ皿に乗っけて魔理沙に渡した。
「い、良いのか!?」
「どうぞ。」
魔理沙は唐揚げを食べると、中の肉汁が口の中に広がった。美味しそうに食べる魔理沙を見て、霊夢は冷静に唐揚げを見る。残りの唐揚げを魔理沙に渡した。
「霊夢は食べないのか?」
「魔理沙が来る前に沢山食べたから、もう食べられないのよ。」
魔理沙は霊夢の分の唐揚げを貰い、全部平らげるとお腹がいっぱいになったようだ。
「また、食べに来てもいいか?」
「そうね…その時に呼んであげるわ。」
「楽しみにしてるぜ!」
魔理沙は機嫌良く神社を出ていった。霊夢は皿を片付けると境内の掃除をすることに。神社の倉庫から、不自然にも微かに物音がした。
翌日。魔理沙は霊夢から御昼の誘いを受けたため、博麗神社に向かっていた。その途中で、迷いの竹林の案内人、藤原紅妹に遭遇した。紅妹は何かを探している様子で、聞いてみることに。
「紅妹。こんな森の中で何を探してるんだ?」
「魔理沙か。永遠亭の兎達がいなくなったらしいんだ。」
「そうなのか?見掛けたら教えるぜ!」
「頼んだ。」
魔理沙は紅妹と別れ、博麗神社に向かった。
「霊夢!御馳走になりに来たぜ!」
「丁度出来たわよ。」
霊夢が持ってきたのは、ミートパイだ。紫から作り方を教わり、作ってみたらしい。
「うまいぜ!」
「初めて作ったけど…よかったわ。」
「でも、どうしたんだ?昨日も肉料理だったが…」
「人里からの御裾分けよ。腐りやすいから、毎日食べなきゃいけないのよ。明日で全部食べきれるけど、魔理沙はどうするの?」
「明日で最後なんだろ?食べに来るぜ!」
「わかったわ。明日の夜に来て…」
「わかったぜ!」
魔理沙が帰った後、霊夢は倉庫から解体済の大量の肉を取り出すと、明日の夜の仕込みをする。
「そうだ。肉を狩りに行かないとね……」
翌日。魔理沙は朝早く目を覚ますと、少し体調が悪いのか目眩がした。薬を飲むために、木箱の中を見ると薬が無くなっている。
「補充するの忘れてたぜ…仕方ない…永遠亭に貰いに行くか。」
お金を準備して、永遠亭に向かった。
「目眩は久し振りだぜ…普段なら…ん?」
向かっている途中で、森の中で誰かが倒れていた。
「あれは!?」
倒れていた人物は、射命丸文だ。太股辺りが斬られていて、動けそうにない。
「誰にやられたんだ!?」
「…わ、わかりません…昨日の夜に…不意を…」
「私が永遠亭に連れていくから…」
文を抱えて、急ぎ永遠亭に向かった。
「急患だ!?」
「どうした…!?治療するからすぐに…」
魔理沙は八意永琳に文を任せると、待合室の椅子に座り、待たせてもらうことにした。
「魔理沙。貴女は目眩がするのよね?」
「だから、薬を貰いに…」
「最近、何か食べなかった?」
「霊夢から肉料理を御馳走になったぜ。」
魔理沙から肉料理のことを聞いて、永琳は病室に魔理沙を案内して、中を見せる。
「そんな…いや…関係無いぜ!」
魔理沙は永遠亭を出て、急ぎ博麗神社に向かう。
「霊夢!大変なんだぜ………!?」
魔理沙が見たものとは、霊夢がノコギリを持って、妖怪を解体しているところだった。
「見られたんなら仕方ないわね…」
それから…霧雨魔理沙を見たものは、誰もいない。