Coolier - 新生・東方創想話

藤原妹紅は上白沢慧音に押し倒されたい

2010/09/02 22:18:46
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「こんにちは、或いはこんばんは。おはようございますな方は何故この時間帯にこちらを覗いていらっしゃるのか問いません、私、空気の読める女ですから。
 と、いうわけで永江衣玖です。ご機嫌麗しゅう。この度、本編に入る前の忠告役を担当させて頂きます。災いを告げるのは竜宮の遣いの役目。
 ならばこの役もはりきって務めさせて頂きます。
 まず第一にこのSSは貴方の嫁のキャラ崩壊を含む恐れがあります。主に糖分もしくはデレ的な意味において。もこたんはクールなイケもこだとおっしゃる方は、
 嫁の新しい方向性について目覚めるか、即座に画面に唾を吐いた上でブラウザバックの後、汚してしまった液晶の拭き掃除に取り掛かりましょう。
 尚、当SSはタイトル通りの内容となっておりますが、一部紳士の皆さま方の期待される過激な描写はないと自負しております。
 しかしながら、扱うネタの時点で黒と言われればギルティ・オワ・メッチャギルティ。言うなれば品がない。ぶっちゃけセウトとアウフの協会を永遠の17歳隙間妖怪に
 弄られる前から見失い、鞄の中も机の中も探したけれど見つからないのフランちゃんうふふな書き手ではございますので、その辺りご容赦頂けますと恐悦至極に
 存じます候…」


「何かクリックした途端長ったらしいセリフがあったからスキップ」


「そんな総領娘様に、たった今竜神様より雷難の相のお告げが!」
「ギャアァァァ!!」







   【藤原妹紅は上白沢慧音に押し倒されたい】






 私と慧音が世間一般でいうところの、こっ…『恋人』に、『恋人同士』に(大事なことなので重ねで言いました)なって、早三ヶ月。
 それまでの苦労が長すぎて…それはもう、フラグを立てては折られ立ててはへし立てる前に刈り取られの連続で、その反動もあって幸せ絶頂期間もたっぷりあったわけだが。
 それでも三ヶ月、流石に天にも昇る気持ちも落ち着いてくるというものだ。少なくとも「これで晴れて仲良しちゅっちゅの仲だイェーイ」とスキップするのを抑えられるくらいには。

 そう、仲良しちゅっちゅ。

 普通恋人同士が付き合って三ヶ月経てばそれくらいの進展はあるはずだ。あってしかるべきだ。無いのなら叱ってやるべきだ。お仕置きプレイだ。いやそうじゃなくて。
 どこぞの白黒なんぞ「好きだ!」と同時に押し倒して二つの意味でゴールインだったらしいのに私達はどうだ。三ヶ月経っても手も繋いでないってどういうことだ。清く正し過ぎてそこいらを飛んでる烏天狗を丸焼きにしてしまいたい。とりあえず代用で烏みたいに髪も性根も真っ黒なニートを焼いておいたけど。
 悔しいのは私がこれだけ悶々しているのに慧音はそんな様子微塵も見られないってことだ。今日だってあいつの家の縁側で寺子屋の子供らの話を聞いてお茶飲んで…って、どこの爺さん婆さんだ。穏やかな時間は慧音が与えてくれた私の宝物のひとつだけども、若い二人にはもっと熱々の燃えるような時間も必要ではなかろうか!その通りだ!
 それでも白澤の時なら、獣の部分が強くでる満月の晩ならフジワラ掘ルケイネになるかと期待して、酒瓶を片手に突撃した一昨日。対する慧音は「仕事の邪魔をするな」と開口一番、頭突きは二番。久々に食らった三連弾で目の前に赤く連なる三つの星が見えた。
 しかも肝心の慧音は仕事が終わったと思ったらすごく満ち足りた顔してすぐ寝ちゃったし。寂しいからその晩は独りで月見酒ならぬ寝顔見酒だった。苦い酒を噛み締めながら私は誓った。

 もう遠慮も容赦もしない、と。
 恥と外聞は萌えないゴミに出してやる、と!

 この藤原妹紅、座右の銘は「やられたらやり返す、やられる前にやり返す、やると決めたらやり倒す」。普段は「殺る」専門だが今宵はカタカナに代えさせて頂く。いや頂かれる!私が!
 何が何でも慧音に手を出させてそしてラブラブちゅっちゅで(規制対象)夜明けのコーヒーだ!うちにコーヒー豆ないけど!

「妹紅?何をにやにやしているんだ?晩飯できたぞ。」
「あ、うん。おいしそう、頂きまーす!」



「つまり、おいしく頂かれたい、と。」

 知るかそんなん。

 勝手に食べられてろと言わんばかりの白黒に、私は無言でもってきた筍を投げつけた。

「おまっ!筍の硬さは凶器だぞ!?」
「真面目に聞かないお前が悪い。」
「…真面目に聞いたら吐く砂で城ができるんだがな。」

 私は再び筍を振りかぶった。(ちなみに、白黒への相談料として持ってきた筍は全部で五つある)

「わかった、わかったから筍を置け。」
「ていうか、魔理沙が避けて障子に穴でも空けたら弁償しなさいよ。」

 三人分のお茶を盆に載せてきた巫女が間髪おかずに言う。

「おぉ、サンキュ。」

 お茶を受け取り一口啜った後、旨そうに一息吐いてから白黒は言った。

「で、何だっけか。」
「筍三つ目いっとくか?」
「冗談だ。要は慧音にそれとなく誘いをかけたいってことだろ?」
「…まぁ、そんなとこだ。」
「そんなの簡単なのぜ。」

 にんまりと笑い、白黒は言う。

「『今日、一緒に寝てもいい?』上目使いなら尚更バッチリだぜ。」

 まぁアリスの場合はどっちかっていうと上から見下ろしてたんだけどなー。しかも「うちに来客用のベットなんかないからあんたはソファで寝てちょうだい。」なんてツンデレのおまけつきだったが。それがまた可愛いんだぜー。とケラケラ笑う白黒に、私は問答無用で先ほど脇に置いた筍を投げつけた。

「何すんだ!」
「惚気は余所でやれ。ていうか惚気なら私のを聞け。」
「どっちも惚気るつもりなら追い出すからね。」

 跳ね返った筍をキャッチし、懐に仕舞いながら巫女が釘を刺す。さりげなく障子と自分の食費の二つを守るとは大したものだ。

「そもそも、それくらいの誘いは私だってとっくにやってる。」
「おぉそうか。で、結果は?」
「布団を二つ並べられて終わりだった。」

 腹を括った末の誘いだったのに、おやすみと笑顔で言われ泣く泣く就寝。翌朝目覚めるとすでに隣りの布団は空。台所からトントントン…と包丁の音と味噌汁の香りが漂ってくる。幸せな朝の風景のはずなのに、何故かその日の朝食はちょっぴりしょっぱかった。

「いや…その、聞いた私が悪かったというか……元気だせ、な?」
「うるさい。気を使うな。」

 ていうか泣いてないぞこれはちょっと目から蓬莱の薬が垂れただけだ。

「言葉で言って伝わらないなら、別のアピールにしてみたらどう?」

 肘をついてお茶受けの煎餅をかじりながら巫女かぜ提案してくる。

「例えば?」
「刺激的な格好、とか?」
「あぁ、それはいいかもな。」

 白黒が頷きつつ、煎餅を二枚取ろうとして巫女に手を叩かれた。

「何だよ、ケチだな。」
「あんたは欲張り過ぎなのよ。」
「刺激的って、具体的にはどんなんだよ。」
「ん?例えばだな…風呂上がりのアリスは色気三割増しだし、朝起きてちょっと寝ぼけてるアリスも可愛さ五割増しだ。
 更に髪の先が寝癖で跳ねてると増し増しドーンだ。」
「魔理沙、それ以上続けたら蹴り出すわよ。」
「あー、それと、シチュエーションも大事だな。例えばアレだ。鉄板の、世に言う黄金の三択。」
「黄金の白澤?」
「お前は脳内慧音キャパを今だけ少し空けろ。黄金の三択ってのはだな、『おかえりなさいあなた、ご飯にする?お風呂にする?それとも わ・た・し?』だ!」

 ご丁寧に上半身をくねらせながらハートを散らして言う白黒がどうしようとてもきもい。少女のはずなのにきもい。手探りで筍に手を伸ばすとすでに右隣に座っている巫女が回収済だった。懐がミサイル発射できるくらい膨らんでいる。ていうかそこは収納場所として正しいのか。

「おいお前ら、無視するな。」
「「魔理沙きもい。」」
「だからってハモるな。言っとくが、これは古来より親しまれてきたカップルの究極のお約束だぜ?」
「そんなお約束、私は聞いたことないけど。」
「霊夢はこんな萎びた神社で陸の孤島やってるから疎くなってるんだ。いいか、想像してみろ。好きなやつが頬染めてこんなこと聞いてきたとしたら!」
「お賽銭箱は口なんかきかないわよ。」
「お前の選択は根本が間違ってる。」

 …慧音が、頬をうっすら染めて、照れながら……?

「……そんなの慧音一択に決まってるだろー!?」
「だろー!?私だってアリス一択だ!」
「あれ、お賽銭箱一択ってことは私が自分でお賽銭払うの…?」
「お前はもう黙ってろ!」
「すごいな、三択!これはいける気がしてきた!」
「他にもまだまだ色々あるぜ!」

 それからしばらく、萌え萌えキューンなお約束20の法とやらを魔理沙に伝授してもらった。こいつがここまで頼もしい奴だと思えだのは初めてだ。流石たらしは言うことが違う。

「流石たらしは言うことが違う!」
「おい、何でわざわざ口に出して言った?」
「とにかくありがとうな。霊夢も、相談に乗ってくれて。早速帰って試してみるよ。」
「幸運を祈るぜ!」
「私は大したこと言ってないけど。まぁ頑張ってね。あと、次また相談に来る時のお礼はお魚がいいわ。」
「次があったらな。」

 手を振り、開けた障子から飛び立つ。善は急げだ。頑張れよーと白黒の励ましの声を受け博麗神社を後にした。
 小さく聞こえた巫女の呟きはきっと気のせいだろう。


「…あともう一回くらい、来そうな気がするけどね。」

 


   ***


 竹林の家に戻ってから、すぐさま風呂を沸かし夕食の支度にかかった。といってもあまり手の込んだものはできないが。幸い、昨日慧音の家に泊まったから今日は向こうがこっちに泊る番だ。逸る心臓を抑え、慧音が来るまでじっと待つ。
 あぁ緊張して心臓がうるさい。いっそ一回止めてしまえば落ち着くだろうかと本気で検討し始めたころ、聞き慣れた足音が近づいて来て、そして、

「お邪魔するぞ妹紅。」
「おおおかえっじゃない、いらっしゃい慧音!ご飯にするっ?お風呂にする?そ、それとも、私…っ!?」

 言えた。慧音は土間にいるから位置的に上目遣いは無理だったけどそこは笑顔でカバーだ。答えは当然私だろ、私だよね?さぁ恋、違ったさぁ来い!

「うん、そうだな。都合の良い方でいいが、できたら少しお前と話したいな。会いたかったのもあるし。」
 
 あれー?



   ***


 いいやまだだ。まだ終わらない。こっちには魔理沙直伝萌え萌え(ry がある。次は食事時に「はい、あーん」だ!

「け、慧音。はい、あーん。」
「何だ?妹紅、刺し箸は良くないぞ。きちんと箸の先で挟んで…ほら。」
「え、あ、うん…。」
「あーん。」
「………あーん。」
「上手いか?」
「…ていうか、この煮物作ったの私なんだけどね。」
「だから上手いだろう?妹紅は料理上達したな。教えた側が言うのもなんだが、最近増えた私の自慢の一つだ。」

 にっこり笑う慧音先生の笑顔が眩しくてほくほくしててもう頬っぺた突きたい。



   ***


 あーんは鈍い慧音には遠回りだったかもしれない。でも今度は直球勝負だ。その名も『湯船で誘惑大作戦』。
 裸はそこにあるだけで究極の罠だ。触れ合う素肌は天然の地雷原だ。今夜は理性を粉砕・玉砕・大喝采だっ!

「慧音、たまには裸の付き合いもいいだろー?(ぐいぐい)」
「そうだなー。」
「あ、でもうちの風呂は狭いからちょっと窮屈かな(ぎゅっぎゅっ)」
「うちも似たようなものだ。気にするな。」
「あ、そういや地底で温泉始めたんだってね。(あててんのよ)」
「そうらしいな。確か山の神が開発に関わったとか…」
「(あてて…)」
「…?妹紅?」

 当て付けられてんですけど。
 何、あの白くて丸くてでっかいの。いやでかいってのは知ってたけど脱いだら更に増してないか?そもそも身長は私より拳二つ分小さいくせに胸囲が脅威って詐欺だろ。
 あぁなんか湯船に気持ちよさそうに浮いてるんですけど。胸って浮くものなんだ…その上柔らかそうだし肌白いし髪を揚げてるから項の細さが目立つし睫毛が湯気のせいか濡れてるし熱さでか瞳が潤んでるような熱、あつ…

「妹紅?顔が赤…? え、おいっ大丈夫かしっかりしろ妹紅ー!?」



 ***


 …風呂場ではうっかり逆上せてしまったがまだ大丈夫。まだいける。とっておきが残ってるんだ、頑張れ私。泣くのは早いぞ。

「慧音、そろそろ遅いし、寝ようか…?」
「ん、そうだな。明日も早いし……!」

 振り返った慧音絶句。そうだろうそうなるだろう、何せ今私が来ているのは、以前、彼の脇巫女が「色気のない可愛くて可愛そうな私の霊夢に慌てん坊のゆかりんサンタからセクシーのお裾分けよ(はぁと)」と押しつけられたらしいフリッフリルなネグリジェだ。
 自重しない大量のレース群から覗く太股と、大胆に開いた胸元の合わせ技!透けそうで透けないような気がしなくもないギリギリセウトな布地による腰のラインの演出!これでときめかないなら男じゃねぇと魔理沙も爆笑しつつ太鼓判を押してくれた一撃必殺最後の砦!
 さぁ食らいついてこい慧音!ていうかせめて何かリアクションをくれ!正直恥ずかしさで20回くらい死にそう!

「……妹紅…それ……?」
「あああの霊夢にいらないってんで押しつけられてさ!折角だから着てみようかなーって折角もらったから!
 そんで慧音にも見てもらいたいなーっていうかっ」

 やばいこれやばい。顔から火…ていうか不死鳥出る。もうあと10秒でリザレクションする。

「に、似合う…? か、な…?」
「……っ! 妹紅っ!」
「えっ、うわっ!?」

 しばらく固まっていたと思ったらふいに抱きつかれた。勢いでそのまま後ろへ倒れそうになるのを手をついて堪える。頭がぐるぐるして追いつかない。顔を上げると、

「…慧、音…?」

 すぐ前で熱っぽく見つめてくる慧音と目があった。 (これは…)
 視線が反らせない。肩に両腕を回されて今までに無いくらい近くにお互いの顔がある。(もしかして…)
 あと少ししたら触れてしまえそうな距離。銀色の睫毛に縁取られた瞳に写る私の顔。(ついに…!?)
 肩に回された手が離れ、溢れる涙を拭う。

 ……慧音の。

「え、ちょっ、何故泣く!?」
「いや、すまん…妹紅がようやく女の子らしい趣味に目覚めたかと思ったら…つい。」

 指先で涙を払い、あっさりと慧音は体を離した。

「すごく似合ってるよ。お前は綺麗なんだから、もっと普段から可愛らしい格好をすればいいのに。」
「いやそういうの動き辛いし…ってそうじゃなくて。なんかこう…ないの?キュンとかときめくとか……ムラッとする、とか…」
「うん、可愛いぞ。すごく。とっても。」

 それはそれは慈愛に溢れた笑顔でした。



 あれ、涙って伝染るんだっけか。何だか身も心もしょっぱい…。


 結局その夜も何事もなく就寝となり。(無論別々の布団で)
 翌朝、私は寺子屋へ向かう慧音を見送ってから、銛を掴んで川へ身投げした。



 ***



「……で、今に至る、と。」
「………おう。」

 卓袱台に突き立てられた銛の間で岩魚がピチピチと跳ねている。
 あの後、行き場のない悲しみは銛を通して川魚に突き刺さり、抑え難い憤りはそのまま速度となって博麗神社までの道のりを突っ切った。
 しかし神社に頼りの魔理沙はおらず、巫女がお茶を飲んでいるのみだった。

「ちょっと、そこは巫女『達』が、ではないですか?」
「あれ、居たのか脇巫女二号。」
「ふふふ、居たんですよ紅白二号。」
「ちょっとあんた達、喧嘩なら外出てやってよね。」
「「ごめんなさい紅白巫女一号。」」
「よしお前ら表出ろ。」


  (少女落とし前清算中)


「あーもう、余計な時間使ったわ。お魚が悪くなっちゃったらどうすんのよ。」
「とか言いながら霊夢さん、弾幕勝負に入る前に魚に状態維持の結界をかけてたじゃないですか。」
「この程度の結界じゃ一日しか持たないのよ。」
「いや、一日持てば十分だろ。」
「何言ってるのよ、貴重な動物性タンパク質を一日で消費するなんて勿体ないことできるわけないでしょう!?一年は持たせるわよ!?」
「そう…ですか……。」

 引き攣った笑顔で山の巫女は相槌を打つ。それから聞こえないように小さく「今度うちのお歳暮の残りを持って来よう」と呟いた。私も煮物でも余ったら今度持ってこよう。

「あっところで、……、も…もこもこさんは何か用があってこちらに?」
「妹紅だ。も、こ、う。名前があやふやなら冒険する前に素直に聞いてくれ。
 別に用事ってわけでもないんだけどな、何ていうか…その、」
「失敗したんでしょ。」
「きっぱり言い当てるなぁぁ!」
「あー…あの、元気出して下さい、世の中、いい人は他にも一杯いますよ!」
「その上、察するなぁぁぁ! いや違う、私と慧音はラブラブ!私フラれてない!」
「早苗、妹紅と慧音は一応付き合ってはいるらしいわよ。」
「一応ってなんだ。一応って。」
「じゃあ一応(笑)」
「笑うな!」
「あ、すみません。私の早とちりだったんですね。リア充爆発しろ。」
「あれっ? あんたキャラ変わってないか?」
「信仰は悩める人間の為に。ぶっちゃけ悩みのない充実した人に用はありません。」
「あ、それ。妹紅は慧音との仲が進展しないから相談に来てたのよ。」
「おいでませ子羊、いらはい守矢教!」

 目が金剛石みたいに輝きやがった。もう嫌この娘。

「で、どうしますか?今なら恋愛成就のお守り一個につき特別に神力30%増ですよ?いります?何個いります?」
「…悪いけど遠慮しとくよ。魔理沙にあれだけ助言をもらってこの様だ。ちょっと今は立ち直るのに時間が欲しい。」
「何弱気なことを言ってるんですか!押してダメなら押して押して轢き殺せですよ!」
「他人事だと思って簡単に言ってくれるけどね、お譲ちゃん。こっちはやれるだけのことはやったんだ。
 それでも慧音が手を出してくれないから泣きが入るんじゃないか!」
「甘ったれるな小童がぁぁ!」
「ぐふっ!?」

 あれ、今私殴られた?しかもいきなり現れた変な帽子の幼女に殴られた。

「変ではありません!守矢が崇める二柱が御一方、洩矢諏訪子様です!」
「早苗、できれば幼女の部分も否定してくれないかな。」
「妹紅さんに渇を入れて頂く為に特別にお呼び致しました。諏訪子様ありがとうございました。もう結構です。」
「あ、そ。今夜の晩御飯はカレーらしいから、早く帰って来なよ。じゃね~」

 手を振りながらすうっと霧散して消える神様。え、本当に何で来たんだ。

「ですから、妹紅さんに渇を入れて頂く為に。いいですか妹紅さん、先程いらして下さった諏訪子様も、かつて同じ悩みに苦しんでいらっしゃったんですよ。
 曰く、『合法ロリなのに神奈子の奴は手を出す素振りもない』と。それでも遂に想いを遂げられ愛を勝ち取られたのです!」
「何と。それはどうやって!?」
「いいですか、この幻想卿では常識に囚われてはいけないのですよ!」

 山の巫女の瞳がキラリと光る。



「押し倒されないのなら、こちらから押し倒せばいいのです!」
「なるほどそんな解決法が!」
後日、山の神社に大量の筍が供えられたとか。



お読み頂きありがとうございました。弐ノ丸と申します。
初めての投稿となります。至らないところがありましたらご指摘願います。

けね→もこは多いのに、もこ→けねはあまり見ないので、辛抱堪らなくなった気持ちをキーボードに叩きつけてみました。
拙い文ではありますが、同好の方に少しでもにやりとして頂けたなら幸いです。
弐ノ丸
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コメント



0.2090簡易評価
11.100名前が無い程度の能力削除
勢いが素晴らしい
13.100名前が無い程度の能力削除
なんだこのテンション(誉め言葉
14.100名前が無い程度の能力削除
押し倒したのか。や、やったっ!!
15.80名前が無い程度の能力削除
紅白一号が空k(ry

もうチョイ、もうひと押しが、欲しかった。
18.100名前が無い程度の能力削除
間違いがありましたので、ご報告
誤(お譲)→正(お嬢)
けれど面白いので100点入れます。
23.90名前が無い程度の能力削除
押し倒した後の話をください、ください!!
26.100名前が無い程度の能力削除
その解決法を実行する場面を是非!!
28.90名前が無い程度の能力削除
それって実は魔理沙と全く同じ解決法では……。
気のせいですよね! 多分気のせいですよね!
29.70山の賢者削除
なんか、バッカーノ!のフィーロとエニスのようだ。
 
誤字報告
>>セウトとアウフの協会
境界ですね。
 
>>今宵はカタカナに代えさせて頂く
いや、ひらがなになってます。
32.100名前が無い程度の能力削除
カタカナのヤるでいいんじゃないの? 

もこたんは押し倒せたみたいですね
よかったよかった
その場面を是非
33.100名前が無い程度の能力削除
勢いがすばらしい!
次は勿論、押し倒した後の話ですよね?そうですよね?
自分ももこ→けーね好きなので(逆も好きですが)楽しく読ませて頂きました。
41.100名前が無い程度の能力削除
このテンションの高さとスピード感、最高です!!
読んでて笑いっぱなしでした
是非続編をお願いします!
43.無評価弐ノ丸削除
感想、誤字指摘ありがとうございます!まさに私が有頂天!
…が、大変間の抜けたことに、パスワードを消失してしまい、本文編集ができない状態です。
申し訳ありません…。

>>11様
止まったら負けだと思いました。止まらずとも負けてるとかそんなことは(ry

>>13様
発散しないと窓から好きだと叫び出す程度には高いかもしれません。

>>14様
ヤ、ヤッ(このコメントは隙間に飲み込まれました。

>>15様
オチの前に紅魔館に寄る予定でしたが、メンバーが濃すぎてまとめられず仕舞いでした。いつかリベンジしたいです。

>>18様
楽しんで頂けて何よりです!

>>23様
資料協力の為にちょっとはたてちゃん捕まえてきます。

>>26様
はたて!はたてちゃんはどこだぁぁ!?

>>28様
気のせいのような気がしなくないかもしれなくもない。

>>29様
バッカーノ!は未読なのですが、俄然興味が湧いてきました。

>>32様
無事に夜明けの味噌汁まで漕ぎ着けたそうです。食後のデザート(頭突き)付きですが。

>>33様
もこけねいいですよね。けねもこも最高てすよね。一粒で何度でもおいしい組み合わせですもぐもぐ。

>>41様
笑って頂けて何よりです。続編…といいますか、この二人はまた書きたいです。
49.100名前が無い程度の能力削除
この突き抜けたテンション、流石です
51.100ぺ・四潤削除
最後まで失速しないこのノリ大好きです。霊夢の小ボケの応酬とか。
妹紅のフリフリネグリジェ想像してみたけど普段とのギャップに結構クるものがありました。
指摘されていた他にも5・6箇所ありましたけど、名前の間違いには気をつけてください。
次回も期待します!
52.80Admiral削除
この勢いは素晴らしい!
これは良い妹紅。慧音のスルーっぷりに思わずクスリとしてしまいました。

…しかし、すわ→かなの押し倒しが気になる罠。
これで一本おねがいできませんかねぇ…(チラッ
60.90名前が無い程度の能力削除
イイネ