この小説はオリキャラ、二次創作、独自解釈など、原作に矛盾した描写などが見受けられます。
また、筆力が無に等しく漠然とですが、多少グロもあります。
苦手な方はご遠慮ください。
幻想郷がたった一つしか無いと、誰が決めた?
貴方はジョン・タイターという人を知っていますか?
彼は2036年から、2000年にとあるコンピュータを入手するためにタイムトラベルしたという。
しかし、彼の語る未来と今、現在は矛盾していることは一目瞭然であろう。
そう、彼はインターネットに未来について書き込む事により、2000年問題を回避させたのだ。
もしかしたら、彼はコンピュータの入手だけでは無く、混乱した未来を避けさせるために来たのかもしれない。
これは、別の幻想郷から、未来に起こりうる幻想郷の危機を解決するために来た妖怪のお話。
僕の名前は早瀬綾(はやせりょう)。
千年以上前から幻想郷に居た。
まぁ、要するに幻想郷の古参の妖怪という訳だ。
当時は幻想郷は隔離されていなく、まぁ、物好きな人間も結構住んでいた。
格言う自分の親も、その物好きな豪族の一族で、幻想郷に住み着いた。
んで、昔のことは忘れてしまったが、人間だったのにいつの間にか九嬰(きゅうえい)とか言う妖怪になり、幻想郷をのんびりと見守っていた。
見守っていたと言っても、博麗の巫女や八雲紫、人里には藤原妹紅(なんか途中からサボってたけど)が居たため、そう力を誇示していたわけでは無い。
では、弱い妖怪かと問われれば、決してそう言う訳でもない。
現在、妖怪の山のトップである天魔とも引き分けたし、何代もの博麗の巫女とやりあった事もある。
まぁ、元々人間だったからか、あまり戦闘を好まない変わり者の妖怪(らしい)だ。
それと、ここ五百年ばかりは、何代か前の博麗の巫女との共同制作である『桎梏の勾玉(しっこくのまがたま)』により、通常時は人間として、妖怪の力は緊急時以外封印している。
「外の世界から来た人間?」
「ああ、なんでも今は紅魔館に居るらしい」
と、上白沢慧音が天狗の新聞を読みながら説いている。
人里に住むようになって二百年ばかり、寺子屋の手伝いをしたりなど、妖怪の割にはかなり人間と交流を持っている。
とは言っても、今の自分は人間にしか見えないため、向こうはそんな自覚は無いだろう。
「へー、紅魔館に・・・・・・よく生きていられるな」
「ああ、なんでも特殊な能力を持っているらしい」
「・・・・・・妖怪じゃなくて?」
「ただの人間らしい」
人間は博麗の巫女など、特殊な者を除いて妖怪に対してほぼ無力だ。
幻想郷に迷い込む人間も時々居るが、特殊な能力を持っていたなどとは聞いていない。
上白沢は『歴史を食べる程度の能力』を、僕は『不浄な物を浄化する程度の能力』の持ち主だ。
だが、やはりそんな特殊な能力を持つのは妖怪や慧音のような半人半獣などだ。
「その能力がな『モノを灰にする程度の能力』らしい」
「そりゃあ・・・・・また物騒極まりない名前で」
灰にするって・・・・・・なんだい、モノってことは形があるものを全て灰にしてしまうと?
紅魔館の主の妹のフランドール=スカーレットの『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』とほぼ同等と考えていいだろう。
その力を使って、暴走しなければいいが・・・・・
まだ、そのときはただの不安に過ぎなかった。
その時までは・・・・・
人里から遠く、魔法の森の近くに香霖堂と呼ばれる古道具屋がある。
何度かその店に足を運んだことが合ったが、なんとその店にかの有名な草薙の剣があったという。
そして、その草薙の剣が外からやってきた人間により、盗まれてしまった。
そう、あの『モノを灰にする程度の能力』を持つ人間である。
その能力と草薙の剣を使い・・・・・・幻想郷を壊し、灰にしている。
このままでは幻想郷の全てが灰になってしまうとの事で、流石にいつも怠惰に過ごしている僕や鬼達も総動員されている。
少なくとも、僕が幻想郷に来てから最大の異変である。
しかし、僕が桎梏の勾玉を外すなんて何十年ぶりだろうか。
いつもの黒い髪は水のような蒼に、瞳は炎のような紅い色をしている。
「これは・・・・・ひどいわねぇ」
「ここが森だったなんて信じられないぜ」
「灰が不浄だと意識して無いし、流石に戻せないか・・・・・」
今現在、僕は当代の博麗の巫女の博麗霊夢と、その友人である霧雨魔理沙と行動をともにしている。
魔理沙のセリフの通り、魔法の森と呼ばれていた場所は木どころか、地や草までもが灰と化している。
僕の『不浄な物を浄化する程度の能力』でも元に戻せない。
「これじゃ・・・・・霖之助さんやアリスが無事かも怪しいわね」
「少なくとも店主が無事だという可能性は限りなくひどいな」
「香霖・・・・・・・」
「・・・・・・っ!!」
≫泡包『バブルクレイドル』≪
≫灰葬『ロストパラダイス』≪
突然、上空から灰色の弾幕が無数飛んできた。
それを察知し、直ぐに防御用のスペルカードを展開した。
予想通りというか、泡の障壁は灰となり、無残に消えた。
「あいつが・・・・・あいつが香霖を・・・・・!!」
「ちょ、魔理沙!冷静に・・・・」
しかし、今の魔理沙には静止の言葉は届かなかった。
魔理沙はミニ八卦炉を、少年に構え、少年は魔理沙に草薙の剣を構えた。
≫魔砲『ファイナルスパーク』≪
≫神話『草薙一閃』≪
魔理沙のミニ八卦炉から放たれた極太のレーザーは、少年の放った剣の衝撃波によって灰になり、そしてそのまま閃光は魔理沙に直撃した。
魔理沙は灰になり、灰の地面の一部となった。
「魔理沙?・・・・・・・魔理沙ぁぁぁぁぁぁ!!??」
「お、おい霊夢!!」
友人を目の前で殺された霊夢は、我を忘れ、少年に突っ込んでいった。
博麗の巫女は、夢想封印という、ありとあらゆるモノから宙に浮き無敵になる反則技がある。
それなら、あの灰化も無効になると思った・・・・・・
≫霊符『夢想転生』≪
≫蛇剣『八俣遠呂智の尾』≪
しかし、剣から大蛇のような七色の弾幕が放たれ、夢想転生ごと霊夢を飲み込んだ。
そして、霊夢の居たところには人型の灰の塊しか残っていなかった。
正直、その光景を信じられなかった。
何代もの博麗の巫女とやりあった僕はいやというほど夢想転生の恐ろしさを知っている。
向こうが霊力切れになるか、体力が限界になるまでこちらの攻撃が向こうに一切届かない。
理不尽極まりないその技に何度か敗れたこともある。
その夢想転生をあの少年はたった一つの弾幕で、どうやってか霊夢ごと灰化させてしまった。
これが、神器の力というものなのか?
「くそ・・・・・・まさにチートだな」
≫灰雨『天叢雲の雨』≪
「どぉぉぉ!!」
上空に暗雲が立ち込め、そして灰色の雨が降り始めた。
予想通り、その雫に触れたモノは灰化してしまっている。
と、その時灰の地面によく見知った人物が倒れているのに気がついた。
妖怪の賢者、八雲紫だ。
「紫、大丈夫か?」
「・・・・・これが、大丈夫に見えて?」
紫は左腕と、左脚の半分ほどが無くなっていた。
おそらく、あの灰化の攻撃を避け、かすった場所が灰化したのだろう。
「お前の式はどうした?」
「藍も、橙もやられてしまったわ・・・・・・」
「とりあえず、火力のある弾幕を放って逃げるぞ!・・・・・・スキマは使えるか?」
「ええ」
そうと決まれば善は急げだ。
≫背信『被背叛了的英雄』≪
太陽を模した九連射の広範囲、超威力の弾幕。
ラストスペルだけあって、とにかく威力なら幽香マスタースパークに匹敵するであろう。
問題点といえば、弾速が遅いのと敵依存型(読者的には自機依存型)なので避けやすいということだ。
弾幕を放ち、少年が草薙の剣を構えた瞬間、僕たちはスキマの中に逃げ込んだ。
「さて、どうするんだい紫?」
「・・・・・・・・」
紫はひどく疲労しているようだ。
無理も無い、妖怪とはいえ、腕と脚を無くしたのだ。
「過去と未来の境界をいじるわ」
「なんだって?」
確かに、紫は『境界を操る程度の能力』を持っている。
しかし、まさか時の境界まで操れるとは・・・・・・・
「確実にいじるには少なくとも一ヶ月以上の準備が必要なの」
「・・・・・・じゃあ、どうやって?」
「貴方だけを、とりあえず過去に送ることはできる・・・・・・どこに行くかはわからないけど」
「だけど、過去に行ってどうするんだ?あの少年を殺すのか?それとも草薙の剣を破壊するのか?」
「いいえ」
紫はつらそうに一呼吸すると話を続けた。
「どうやら、あの子・・・・名前はリンというそうなんだけど、あの子には悪霊が憑いてるみたいなの」
「悪霊?」
「そう、その悪霊を祓えば少なくとも今みたいな暴走は無いわ」
なるほど、確かにそうかもしれない。
あのリンという少年が悪霊に憑かれなければ、幻想郷の破壊も、草薙の剣の奪取も無いはずだ。
そして、紫はなにやらスキマをいじり始めた。
「時間が無い、貴方の意見を聞いている暇は無いわ」
「わかった、過去に行くよ」
そう言うと、辛そうながらも、紫は万遍の笑顔を見せた。
そして、どんどん擦れてきている声でこう言った。
「貴方の事、一人の男として恋慕の感情を抱いてたわ」
そう聞こえた瞬間、僕の意識は完全に消えた。
ただ大問題なのは、デビュー作に連作を投稿すると完結しないというジンクス。
細かい文章作法などは、人の作品を読んでれば自然と身に付きますので、最後までやり遂げられるよう頑張ってください。
期待値を込めてこの点数で失礼します。
「オリキャラvsオリキャラ」という二次創作のメリットに完全に背を向けたストーリーに期待と不安を込めて
頑張って
誰でもできるような壊し方だったら許さないんだからねっ!