「あっ、霊夢さん~」
「あら、今日も来たの?毎日暇なものね。」
博麗神社の昼下がり、私、射命丸は新聞のネタを求めて霊夢さんのもとに来ていた。
「いつ、スクープが来ても大丈夫なように準備しているんですよ。あっ、あとこれはお土産です。」
「いつもありがと。残念ながら今日もスクープになるような出来事は起きそうにないかもね。」
「それでもいいんですよ。こうして霊夢さんにお会いしてお話が聞ければ。取材という筋も通っていますし。」
「ふ~ん、まぁいいわ。今お茶を入れるわね。」
興味もなにもない素気ない返事。
しかし嫌な気持ちにもならない。
どちらかというと、うれしいような…そんな感じ。
何とも言えない不思議な気持ち。
長年生きていてこんな気持ちになったことがあっただろうか?
おそらくないだろう。
だからなのかも知れない。
こうして私が毎日ここに訪れるのは…
「はい、お茶とさっきあんたがもってきたお土産。」
小皿には私がもってきた茶菓子、渡された湯呑みは湯気が立っていなかった。
「おや、これはまた珍しい。いつもはどんなに暑い夏の日でも熱いお茶を飲んでいたのに。」
「いいじゃないのたまには。ほら、あんたもこの暑い中ずっと飛び回っていたんでしょう?」
「そうですけど…いいんですか?霊夢さん、熱い方がお好きでしょう?こんな私なんかのために…」
「いいのよ、さすがの私もこの暑さでそんなもの飲んでいられないわ。」
「ははは、それもそうですね。」
冷たいお茶を飲んでいるのに体はどんどん熱くなってくる。
それに合わせて胸の鼓動も少しずつ早くなってくる。
「それにしても本当に文は気が利くわね。いつも私の飲みたいお茶にあった茶菓子をもってきてくれるなんて。」
「そ、そ、そ、それはいつも霊夢さんを取材していればと、と、当然ですよ。」
まずい、だんだん言葉にするもやっとなくらい緊張している…
落ち着け私…落ち着くんだ…記者は常に冷静にならなければ…
「まさかそこまで調べられているとは…ところでさっきから息が荒いけど大丈夫?熱でもあるの?」
(大丈夫ですよ、このとうりピンピンしています。)
そう言いかたったが言葉が出ない。
落ち着くどころか逆に緊張してきている。
「ちょっとおでこかして。」
ま、待ってください!今このタイミングでおでこ合わせたら…
コツン
こうして私の思考回路は停止した。
「ん、ここは?」
(布団に上で寝転がっている?どうして…そうか、霊夢さんにおでこ合わされてそれから…)
「起きたみたいね。」
「お騒がせしました。」
「おでこくっつけたらいきなり倒れるんだもの。びっくりしたわよ。」
「あはは…。」
大分落ち着いたのか、胸の高鳴りも今はおさまっている。
「今夜はもう遅いから家に泊まっていきなさい。」
「えっ、もうそんな時間なんですか?」
外を見ると空には星が瞬いていた。
まさかおでこをくっつけられただけでここまで気を失ってしまうとは、なんだか情けなくなってくる。
「お気持ちは嬉しいですが、私には明日の新聞を作らないといけません。」
霊夢さんの言葉に、正直私の心は迷っていた。
1日くらい新聞なんてほったらかして、お言葉に甘えてもいいのではないか?
自分の気持ちはそちら側に傾いていた。
しかし、私は自分の気持ちより記者としてのプライドの方を優先した。
なぜだか本当のことはわからない。
おそらく、ここで甘えてしまったら自分がダメになってしまうのではないかと感じたからかもしれない。
「あんたの新聞ってそんなに読んでいる人いたっけ?」
「それは、まぁそこそこは…」
一時期はかなりの人が読んでくれていたが、ここ最近は落ち込む一方だった。
「それでも、読んでくれている人がいますから。」
1人でも読んでくれる人がいるなら、その人のために全力で記事を書く。
これは記者としてのプライド。
「そうだ!今度、道具を全部ここにもってきます。そうすれば毎日博麗の巫女の密着取材ができますからね。」
うれしくて、楽しくて、胸の鼓動が止まらない心にある不思議な何か。
これは自分の気持ち。
霊夢さんは私の言葉に少し困惑していたが。
「私はただ今日は遅いから泊まっていきなさいと、言っただけなんだけど…。まぁいいわ、そのかわりしっかりと神社の仕事も手伝ってもらうわよ。」
「任せてください。幻想卿最速の仕事っぷりを見ていてくださいね!」
嬉しさや感謝などが詰まった、最高の笑顔で私は笑った。
「あら、今日も来たの?毎日暇なものね。」
博麗神社の昼下がり、私、射命丸は新聞のネタを求めて霊夢さんのもとに来ていた。
「いつ、スクープが来ても大丈夫なように準備しているんですよ。あっ、あとこれはお土産です。」
「いつもありがと。残念ながら今日もスクープになるような出来事は起きそうにないかもね。」
「それでもいいんですよ。こうして霊夢さんにお会いしてお話が聞ければ。取材という筋も通っていますし。」
「ふ~ん、まぁいいわ。今お茶を入れるわね。」
興味もなにもない素気ない返事。
しかし嫌な気持ちにもならない。
どちらかというと、うれしいような…そんな感じ。
何とも言えない不思議な気持ち。
長年生きていてこんな気持ちになったことがあっただろうか?
おそらくないだろう。
だからなのかも知れない。
こうして私が毎日ここに訪れるのは…
「はい、お茶とさっきあんたがもってきたお土産。」
小皿には私がもってきた茶菓子、渡された湯呑みは湯気が立っていなかった。
「おや、これはまた珍しい。いつもはどんなに暑い夏の日でも熱いお茶を飲んでいたのに。」
「いいじゃないのたまには。ほら、あんたもこの暑い中ずっと飛び回っていたんでしょう?」
「そうですけど…いいんですか?霊夢さん、熱い方がお好きでしょう?こんな私なんかのために…」
「いいのよ、さすがの私もこの暑さでそんなもの飲んでいられないわ。」
「ははは、それもそうですね。」
冷たいお茶を飲んでいるのに体はどんどん熱くなってくる。
それに合わせて胸の鼓動も少しずつ早くなってくる。
「それにしても本当に文は気が利くわね。いつも私の飲みたいお茶にあった茶菓子をもってきてくれるなんて。」
「そ、そ、そ、それはいつも霊夢さんを取材していればと、と、当然ですよ。」
まずい、だんだん言葉にするもやっとなくらい緊張している…
落ち着け私…落ち着くんだ…記者は常に冷静にならなければ…
「まさかそこまで調べられているとは…ところでさっきから息が荒いけど大丈夫?熱でもあるの?」
(大丈夫ですよ、このとうりピンピンしています。)
そう言いかたったが言葉が出ない。
落ち着くどころか逆に緊張してきている。
「ちょっとおでこかして。」
ま、待ってください!今このタイミングでおでこ合わせたら…
コツン
こうして私の思考回路は停止した。
「ん、ここは?」
(布団に上で寝転がっている?どうして…そうか、霊夢さんにおでこ合わされてそれから…)
「起きたみたいね。」
「お騒がせしました。」
「おでこくっつけたらいきなり倒れるんだもの。びっくりしたわよ。」
「あはは…。」
大分落ち着いたのか、胸の高鳴りも今はおさまっている。
「今夜はもう遅いから家に泊まっていきなさい。」
「えっ、もうそんな時間なんですか?」
外を見ると空には星が瞬いていた。
まさかおでこをくっつけられただけでここまで気を失ってしまうとは、なんだか情けなくなってくる。
「お気持ちは嬉しいですが、私には明日の新聞を作らないといけません。」
霊夢さんの言葉に、正直私の心は迷っていた。
1日くらい新聞なんてほったらかして、お言葉に甘えてもいいのではないか?
自分の気持ちはそちら側に傾いていた。
しかし、私は自分の気持ちより記者としてのプライドの方を優先した。
なぜだか本当のことはわからない。
おそらく、ここで甘えてしまったら自分がダメになってしまうのではないかと感じたからかもしれない。
「あんたの新聞ってそんなに読んでいる人いたっけ?」
「それは、まぁそこそこは…」
一時期はかなりの人が読んでくれていたが、ここ最近は落ち込む一方だった。
「それでも、読んでくれている人がいますから。」
1人でも読んでくれる人がいるなら、その人のために全力で記事を書く。
これは記者としてのプライド。
「そうだ!今度、道具を全部ここにもってきます。そうすれば毎日博麗の巫女の密着取材ができますからね。」
うれしくて、楽しくて、胸の鼓動が止まらない心にある不思議な何か。
これは自分の気持ち。
霊夢さんは私の言葉に少し困惑していたが。
「私はただ今日は遅いから泊まっていきなさいと、言っただけなんだけど…。まぁいいわ、そのかわりしっかりと神社の仕事も手伝ってもらうわよ。」
「任せてください。幻想卿最速の仕事っぷりを見ていてくださいね!」
嬉しさや感謝などが詰まった、最高の笑顔で私は笑った。