Coolier - 新生・東方創想話

将来の夢はなに?

2012/06/25 05:47:32
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「え?将来の夢?」

ここは、私の住居こと博麗神社。
陽光の差し込む昼下がり、縁側でお茶を飲みながらのほほんとしていたら、旧友である霧雨魔理沙が箒に跨って飛んできた。
いつもどおり駄弁りに来たのだろうと思ったら、いきなり突飛な質問をされた。

「そう。お前の将来の夢、教えてくれよ」
「急に何言い出してんのよ。なにかあったの?」
「何もないから暇なんだよ」

暇なのは結構だが、私を巻き込むのはやめてほしいところだ。

「なによそれ。ただのあんたの暇つぶしじゃない」
「そう言うなって。どうせすることもないんだろ?」

もし私が手が離せない用をしていたらどうするというのか。
まぁ別に何かあるわけでもないのだが。

「なぁ、いいだろー?たまにはそういう話をしてもさぁ」
「・・・はぁ。別にいいわよ。つまらなくても文句言わないでよ?」
「わかったわかった。分かったからさぁ言え!」

ホントに分かってるのかコイツは。
若干の不安を覚えつつ、私は思案する。私の夢・・・ねぇ。
・・・え?私の夢?・・・ないんだけど。
魔理沙がニコニコしながら返答を待っている。
一度言った手前、引き下がることもできず、私は今考えた事をそのまま言った。

「・・・平凡?」
「平凡って」
「それ以外ないわよ。いつもどおりに神社の掃除して、お茶飲んで。呑んで駄弁って退治するわ」
「じゃあ、毎日こんなふうに過ごしてるだけでいいのか?」
「ええ。それ以上に望むことなんてあまりないわ」
「えぇー。欲のない奴だなぁ。そんなんじゃ幸せはつかめないぜ?」

露骨に不満そうな顔する魔理沙。だから最初につまらないって言ったじゃない。
そもそもこんな殺風景な神社に定住してるのだから、大層な夢なんて持ちようがない。

「なんだよー。もっと面白い夢を期待してたのにー」
「勝手に期待して勝手に落胆しないでよ・・・」

自己中にも程がある。
っていうか面白い夢ってなんだ。最初から笑う気満々だったのかよ。

「子供の頃とか思ったりしなかったか?大妖怪になりたい!とか」
「多分、妖怪になりたいと思ってたのはアンタだけだけどね・・・」
「いやいや、昔はよくやったもんだよ、妖怪ゴッコ。本物が来た時には焦ったけどな」

本物の妖怪って。なにげに命の危機である。

「っていうか」
「ん?」
「アンタの夢こそなんなのよ」
「あー・・・私かぁ。昔はたくさんあったけど」
「へぇ。どんなの?」
「○○君のお嫁さんになる!とか、幻想郷の誰よりも強くなる!とか。色々と夢見がちだったぜ」

将来の夢はお嫁さんねぇ。なかなかに可愛いじゃない。
まぁ夢見がちなのは今でも変わってないと思うが。

「昔は分かったわ。で、今はどんななのよ」
「今?そうだなぁ・・・」

考え込み始める魔理沙。うんうん唸っている。
自分から話を振っておいて、自分の意見を持っていないというのは流石の魔理沙である。

「魔法の森に住み始めてから、男は興味なくなったけど。基本変わらないぜ」
「幻想郷最強とか?」
「そう。紫も萃香もレミリアも、全員ぶっ飛ばす。それだけは昔からずっと変わってない」

どこまでも無邪気な笑顔のまま言い切る魔理沙。
その目は輝いていて、子供の頃から変わってないという事を示していた。

「いつまでも子供の心のまま・・・ねぇ。羨ましい限りね」
「なんだよ。イヤミ言ってんのか?」
「いえ。私も歳をとったなぁ、って話」

夢なんていつかは廃れてしまう。
理想と現実の差に気づいて、実現なんて出来ないと悟ってしまう。
それを思うと、子供の頃から夢の変わらない純粋な魔理沙がとても眩しく見えた。

「もう歳って言っても、霊夢も十分夢見がちだろ?」
「えっ?」
「だってさぁ。毎日平凡に暮らすのが夢ってそうそういないぜ?実現も難しいし」
「でも、つまらない夢じゃない」
「その日常が欲しいけど手に入らない奴なんてごまんといるんだ。つまらないなんて言うなよ」

いつになく真面目な顔で語る魔理沙。
・・・私が夢見がちかぁ。そんなこと言われると思わなかったし、そう思ったこともなかった。
でも、魔理沙にそれを言われると、なぜか納得してしまった。

「さって。もう日も暮れてくるし、私は帰るかな!」
「え?ちょっ・・・」
「じゃーな、霊夢!また来るぜ!」

そう言った途端、箒に飛び乗り、圧倒的な速度で飛んでいった。

「・・・ふぅ。行っちゃった。結局何が言いたかったのよ」

言いたいことだけ言って帰って行く。その傍若無人な態度に思わず苦笑する。
・・・まぁいいや。それも私の日常というものだ。

「さてと・・・夕飯の支度しなくちゃ」

私は少し上機嫌で、神社の中に帰っていった。
いつもどおりの日常を満喫するために。
どうも初めまして、コロっぱちと申します。
ヤマもオチもない雑談を書こうと思ったらこんなことに。
初投稿の作品がこんなのでいいのか。

まぁ、それはさておき。
あとがきまでお読みくださり、ありがとうございます!
よければ、評価やコメントなどお願いします!


おお!コメントが来てる!みなさんありがとうございます!
返信していきますね!

>1 様
読みやすい文章とのお言葉、嬉しいです!
次回も期待してるって・・・((((;゚Д゚))))ウワァァァア コタエラレソウニナイー

>奇声を発する程度の能力 様
そうですねー。なんでもない会話ですねー。
でも、こういう会話を妄想するの、結構楽しいんですよww

>5 様
はい、文章力のなさは全面的に私の勉強不足のせいです。
まだルールもなにも知らないド素人なので、アドバイスなど下さるととても喜びます。

>もんてまん 様
ですね!いつもどおりの日常をおくってると「幸せだなぁ」って思っちゃいます。

>楽郷 陸 様
自分の言い回しを引用してもらえると、嬉しいけどちょっと照れますね・・・。
面白いと言っていただけて本望です!

>18 様
うーん・・・?別の作品とは、私の書いた別の作品でしょうか?
次回作への期待だったら嬉しいな。

匿名評価の方も、評価ありがとうございます!

ではでは(`・ω・´)ノシ
コロっぱち
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コメント



0.760簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
結構読みやすい文章だったと思います。
次回作にも期待。
2.80奇声を発する程度の能力削除
何でも無い感じが良かったです
5.90名前が無い程度の能力削除
こんな日常風景もいいと思います。
ただ、最低限文章を書くときのルールを守った方がいいと思います。
6.10名前が無い程度の能力削除
(iPhone匿名評価)
9.100もんてまん削除
何もない平凡な日常って良いものですよね。
12.80楽郷 陸削除
「いつもどおりに神社の掃除して、お茶飲んで。呑んで駄弁って退治」。
本人は気がついてないけど実はすでに叶っている、そんな些細な日常の会話が面白かったです。
18.50名前が無い程度の能力削除
別の作品を見てみたい気がします。
20.70ワレモノ中尉削除
いいですね、こういう何でもない作品って好きです。
魔理沙はどこまでも真っ直ぐだなあ。
今後の作品を楽しみにさせていただく意味で、今回はこの点数にさせてください。m(_ _)m