皆さんこんにちは。幻想郷の賢者、八雲紫でございます。
本日は皆様、幻想郷移住希望者最終面接にお集まりいただきありがとうございます。
ところで皆様はこう思ったことはありませんか?
なぜ幻想郷の住民の能力はほとんど『程度』が付いているのか?
もちろん「神主がのちのちやり易いためだろう」とか、「2次創作の幅を広げる
ためだ」とかもあるでしょう。
しかし、この『程度』と言う言葉はわれわれ幻想郷の住民のためにあるのです。
さてどのような面で私たちの役に立っているか。
その説明を私の能力を使いながらゆっくり彼女たちの能力の枷をはずしていきたいと思います。
見事耐え切れたなら貴方も晴れて私たちの仲間入り、すなわち合格です。
では、どうぞ。
Case1~博麗霊夢
【空を飛ぶ程度の能力】Lv1
『霊夢はいいよな、靴下はかなくていいんだもの。暑くて暑くてこっちはたまらないっていうのによ。』
『魔理沙も空を飛べるじゃない、何で飛ばないのよ。』
『おー、さすが少し力入れれば灯篭ですら片腕で2本も持てる怪力巫女は違うな、育ちが違う。可愛くてか弱い私にはそんなこと到底できないんだぜ。』
『弾幕はパワーだぜ、とか言ってるあんたが言っても説得力がないわよ。』
『でもホントいいよな、靴下はかなくていいだよな。やっぱり常に宙に浮いているってのはいろいろと便利だよな。』
『雨の日とかは足の裏がぬれないようにもう少し高く飛ぶけどね。』
『なんだよ、それ。まるで24時間浮いているような言い草じゃないか。』
『あれ?言ってなかったっけ?1日中浮きっぱなしよ、寝るときも食べるときも今もこうしてお茶飲んでるときも。』
『……』
『何よその顔、そんなにおかしい?』
『あ、あの1つ質問いいか?』
『2つ以上どうぞ。』
『それってちゃんと物をつかめるのか?下に落ちたものを拾うときはどうするんだ、手をつけられないだろ。』
『大丈夫よ、極端に大きいものだけに反発するから、早苗がいっていたわね、「低反発がとても気持ちがいいんです!」って、あと最近、鉄製の物をはさむ道具を手に入れてね、もうお払い棒でつまむ必要もなくなったわ。はい次。』
『今日のドロワの色は?』
『紅白。』
おわかりいただけただろうか?
博麗霊夢は自分の力を制御しなければ常に空中浮遊となる。
ポケモンでいうなら:とくせい ふゆう: となるのである。
以上、解説の藍でした。では紳士の皆様、休憩時間です。
10分後に開始いたしますのでその時には席に戻ってきてください。
トイレに行かれる方はこちらへどうぞ、ティッシュは流れませんのでご使用をお
控え願います。
~紳士休憩中~ ウッ
皆様お集まりいただけたでしょうか?ハイ、それでははじめさせていただきます。
【空を飛ぶ程度の能力】Lv2
『霊夢さん!私です!常識に囚われずに早2年東風谷早苗ですよ!』
『ああ…早苗、よかった。いますぐこっちへきて頂戴。』
『?どうしました、霊m ううぇあるぁぶぁ!! れ、霊夢さん、どうしてそんなや、痩せこけてるんですか!?』
『あ、ありのままにどうしてこうなったか話すわ、
朝、目が覚めたらと思ったら、掛け布団が宙に浮いていた。
それだけならただのいたずらか超能力とかそんなちゃちなモンだった。
だけどね足が地面に着かないのはもちろん急須はもちろん食べ物に手が届かないって分かったとき、私は恐ろしいものを感じたわ。
わたしこのまま死ぬんじゃないのかなぁって。
最期に人肌に触れられて良かったわ。これが奇跡ってやつね。
ちょっとはあんたのこと信仰してやってもいいかな。
ああ、そうだ最期にそこの開きかけのみかんあるでしょ、それが食べたいわ。あんたが口の中に入れてくれれば食べられるでしょう。たのむわ。』
『霊夢さん、それって愛の…いえ、分かりました!!』ナギッ パシッ ナギッ
『れ、霊夢さんこれをどうぞ。みかんです、ハイ、あーん』
『あ、あーん』
『……』
『さ、早苗。ふざけてないで早く。』
『そ、それがみかんが霊夢さんの口の上で浮いているんです!』
『えっ……なによそれ、やってらんないわ……』
『すいません、霊夢さん。わたしにはどうすることも。』
『いいのよ早苗。私は幻想郷から嫌われたのよ、どうすることもできないわ。』
『霊夢さん……あっ。』
(このとき東風谷早苗に電流走る。霊夢の体に落ちている自分の抜けた髪の毛に気づいたのである。圧倒的閃き。そう、自分の体の一部であれば大丈夫だと言うことに。)
『霊夢さん、さっき「 私は幻想郷から嫌われたのよ」っていいましたよね。そんな悲しいこと言わないでください、私は霊夢さんのこと好きですから。』
そういって東風谷早苗はみかんを自分の口にほおばり、そして――――
えー、皆様。たいへん申し訳ありません、こちらの不手際でハンカチを持参するということをお伝えしておりませんでした。その代わりと言っては何ですがこちらにティッシュがございます。
えー皆様とりあえず15分の休憩とさせていただきます。
それまでの間にすべての用事を終わらせておいてください。
~紳士作業中~ キリサケ!!>
え~皆様ご着席ください。体調が悪くなられましたらすぐに手を上げておろす動作を2回ほどしてください。でははじめます
【空を飛ぶ程度の能力】Lv3
『お~い、霊夢ぅ~。酒飲むぞ~って障子ないじゃん。霊夢大丈夫か~?』
そして神社の中をのぞいた瞬間、萃香はピチュ…………りかけた。
死に掛けの萃香が話しかける。
『ああ、霊夢。ああ、霊夢。なぜ霊夢は服を身に着けていないの?』
『おお、萃香よ。それはおそらく紫が遊んでいるからよ。』
萃香はなるほど、という表情をし霊夢を眺めた。
靈夢と言えば顔を赤くし体を丸めている。
『なあ、霊夢。』
『なによ、できれば早く出て行ってほしいんだけど。』
と言いつつ霊夢は体をモジモジさせている。それはもちろんただでさえ残機のない萃香を。
『霊夢、どうしてそんな普段よりすごいエ、じゃなくて過激な格好なんだい?』
『朝起きたら服がはじけとんだのよ。ほんと、最近踏んだりけったりだわ。』
『ところで霊夢、1ついいかい?』
『なによ、萃香。恥ずかしいから早くしてくれない?』
『私目がいいからさ、穴という穴がよく見えるんテーレッテー
動画の最後にお見苦しい映像が見えたことをお詫び申し上げます。
あ、紫様。え、マイク持ちたい?
皆様、よくここまで持ちこたえてくれました。私とても感激しております。
生き残った参加者はすでに8分の1。さあ、最後のレベルMaxを耐え切れれば貴方も幻想郷の仲間入りです。どうぞ、フフフ。
【空を飛ぶ程度の能力】LvMax
『はっ!なんかまた私が怒られそうな気がする。』ダラダラ
『涎たらしながら言わないでください総領娘様。』ナメナメ
博麗神社は吹き飛んだ。
さらに言うなら博麗霊夢は死んだ。
また死にネタか、読者の皆様、落胆しないでほしい。これは必然である。
博麗霊夢はあらゆる物から宙に浮こうとした。
その結果、あらゆる質量を持つ物体が彼女から吹き飛ばされていった。
神社も畳も服も文までもが吹き飛ばされていった。
酸素も例外ではなかった。
こうして博麗の巫女は息絶えたのである。
了
今年も合格者はゼロね。藍、後片付けはよろしく。
私は幽々子と上白沢のところへいってくるわ。
意味不明以前に破綻してます
空を飛べるのは重力に縛られないから。
他人にあまり関心がないのは世間体や他人の目を気にしないから。
いつでも自由であることが博麗の巫女なんじゃないでしょうか。
「程度」とつくのは能力の解釈にある程度の範囲があるからじゃないですか?
チルノは「冷気を操る程度の能力」ですが氷も操って飛ばしてきますし。
咲夜も「時間を操る程度の能力」とあるのは時を止めるだけでなく、時の経過の速度をあやつれるため、「時間を止める能力」と断定してしまうと適切ではないですから。
あとティッシュの件はなんで入れたんでしょうか?
「能力」というのは常時働くものではありません。
意思があって仕事をしなければ何も起きない、つまり外の世界と元々地続きだった幻想郷には結界があるだけで、重力に限ると世界的な法則を異にしているわけではないので、当然霊夢は能力を使わない限り地面に足をつけた状態になります。
また「程度」というのは「程好い状態」、「不具合が生じないくらいの適当な」という意味であると思われるので、そもそもレベルがどうとかいう話になりません。
故にこの話の解釈だと、
「(あまり制御できていない)あらゆるものから反発する体質」
と受け取られてしまう恐れが多分にあります。
上の私見は私の勝手な意見ですので、聞き流して下さって構いません。
とりあえず誤字を指摘します。…一ヶ所だけ「靈夢」になってます。
ついでに二ヶ所程中途半端な改行があります。