※作品集98の『花言葉は「無垢」』、『花言葉は「純潔」』の続きとなっております。
先にそちらから読んでいただけるとより楽しめると思います。
「これはなんだ?」
「……」
こたつの向かい側に座る魔理沙が私のアリス人形を持って睨んでくる。
人形の首を持つなんて、こいつは少女の風上にもおけないわね。
もっと物を大切にしましょうって教えてもらわなかったのかしら。
「こ・れ・は・な・ん・だ!!」
「なにようるさいわね。人形以外のナニに見えるのよ」
「そうだ、これは人形だな。アリスを模した」
「そうね」
腕を組んでうんうんと頷く。なにがしたいのよ。
それより、とりあえず私のアリス人形をこたつの上にでも離してよ。
「これは、この間の宴会の時にお前がアリスに作って。って頼んだやつだな?」
「……」
こいつは、堂々と自分がデバガメした事を公言しているけど、それはどうなんだろうか。
いやまぁ私が気づいていた事だからいいものを。
相手が悪かったら大変よ?
「まぁ、そうね」
「……お前ら、飲みすぎて覚えてないって言ったよな」
「言ったわね」
なにを当然の事を。
私はぐっとお茶を飲む。
ちょっと良いお茶の最後の一杯である。
「……なぜそこまで堂々とできる」
「だって、本当の事じゃない」
「……霊夢。私がどれだけあの後頭痛がしたか知ってるか?」
「あら、偏頭痛持ち? 永琳の所に行く?」
「行くか――――ッ!!!!」
……なにも怒鳴らなくても。
ちょっとした冗談なのに。
魔理沙は私のアリス人形をこたつの上に置いてから、ぜーぜーと切れている息を整えている。
騒がしいわね、毎度毎度。
「……まぁいいよ。お前らがあの告白覚えてて、それぞれの人形持っているなら私も安心よ」
「あなたがなんで安心するのよ」
「だってお前ら付き合ったってことだろ? だったら私は万々歳だよ」
「付き合ってないわよ」
「……え?」
あらマヌケ面。
なにか悪いもの食べたのかしら。
「……え?」
「永琳の所行く?」
「いや、行かね、え? ない? 付き合って?」
「Yes」
「…………なんで?」
魔理沙が私を、この世のものじゃないモノを見る目で見ている。
なんて失礼な奴だろうか。
納得してないようだから、私は答えてやった。
淡々と。堂々と。
「だって、酔った勢いじゃない」
「……え?」
「だから。酔った勢いの告白でしょ? あんなの本気にしないわよ」
「えー……」
がっくりと、魔理沙がこたつに倒れ込んだ。
両手を伸ばして倒れ込んできたので、お茶とせんべいの入った器と私のアリス人形だけは退避させておいた。
「……お前、それでいいのか」
「よかないわよ。私も私なりに覚悟して告白したのよ」
「だったら……」
「でも。もっとちゃんと言いたいじゃない。酔った勢いなんかじゃなくて」
「…………」
無言の魔理沙。
いや、私だって分かってる。
あの時は素直が一番とかいろいろ考えてたけども。
やっぱり、私は酔った勢いじゃない、いつものアリスの告白が欲しいのだ。
アリスだって、この人形を私に渡してくれた時にそういった話をしなかった。
ということは、きっと同じ思いなのだろう。
「……ほんっと、めんどくさいな、お前ら」
「なんとでも言いなさい」
それに。
これは、あまりあってほしくないけども、アリスは本当に忘れちゃってる。という可能性もある。
人形欲しい云々の場所までは覚えてるけど、その後は覚えてない。とか。
そういうことも、無い事は無い。
……やっぱり、近いうちに言うべきなのかな。
でも。
正直。
いまさら言うのもなんだけど。
あの。
えっと。
その……
「……恥ずかしい」
「あ?」
ぼそりと呟いた言葉に魔理沙が反応するけど、私は無視した。
そう。恥ずかしい。
酔った勢いとはいえ、私はアリスに告白とキスをしたわけで。
あの時はお酒の力でそうでもなかったけども、今になって考えると……
「うおっ! ど、どうした霊夢。顔が真っ赤だぞ?」
「暑いのよ」
「こんな真冬になにを言っているんだお前は」
ごまかしているという事を察してほしい。
くそう……そんな、初心な乙女じゃあるまいし。
うぅぅ……うろたえるんじゃないッ!博麗霊夢はうろたえないッ!
なに言ってんだ私は!!
「……まぁいいや。もう好きにしろお前らは」
「……」
魔理沙が肩をすくめてなにか言っているけど、正直あまり聞こえてない。
あぁそうだ。そろそろお昼御飯の準備でもしようかな。
うん。そうしよう。
「まりさおひるたべてく?」
「……ん? お、おぉ」
よし、精神的には安定したようね。ちゃんと言えたわ。
魔理沙が変な顔しているけど、まぁいつもの事よね。うん。うん。
「それじゃあちょっとまってて」
「お、おぉ」
私はスッと立ち上がって、
ゴツンッ!
スッスッと華麗に歩いていき、
ふらふら……
台所へ続く戸を開けた。
ガンッ! ガラッ!
「……ありゃ、重症だわ」
1人残った魔理沙は、ちょっと頭を抱えていた。
本人は普通よりむしろ可憐に動けていると思っているのだろうが、
立ちあがった時にひざを天板にぶつけてるし、
歩くのはフラフラだし、
戸を開ける時に1回引っかけてるし。
いつもより渋めに淹れられたお茶を飲みながら、魔理沙は縁側から外を見た。
「……アリスの方は、どうなってんのかなぁ」
霊夢がこの様子じゃ、アリスも同じようなものか。とは思いつつも。
「……はぁ」
私はいま、布団にくるまっている。
真昼間から。
別に眠たいわけじゃない。
ベットの上で、霊夢の人形と戯れているだけだ。
……戯れるといっても、別にやましい事じゃないわよ。
ちょっと人形の腕を上げたり下げたり、ちょっといろいろ動かしたり。
小さい子が遊ぶような、そんな感覚で。
なんでそんな事を。なんて聞かれても、うまく説明はできない。
けど、最近ちょっと増えてきた気がする。
そう、あの宴会の後から……。
分かっている。
酔った勢いとはいえ、霊夢に告白やらキスやらをしちゃったからだということくらい。
ふと見ると、霊夢人形はちょっとボロボロになっていた。
今度、作り直そうかな。なんて考えながらも、とりあえず今はもう少しだけ遊ぶことにする。
……霊夢に、自分の姿を模した人形を作って渡した。
あの時の霊夢の顔は、「覚えていたんだ」っていうのと、「嬉しい」っていうのと、
「あの告白の事はなにも言わないんだ」って。そんな顔だった。
魔理沙に聞かれた時、とっさにお酒のせいにして忘れたふりしたけど、霊夢も私も覚えていたことは、知っている。
そして、霊夢がそのことを無かったことにしようとしていることも。
酔っていない、素面の状態でちゃんとした告白をしたいなんて考えるであろうことなんて、分かっている。
まぁ私だって、そりゃあ素面で言ってほしいけども。
でも……
「……無かったことにするのは、ちょっと寂しいなぁ……」
霊夢人形の手を上げたり下げたりしながら、一人呟く。
はぁ。
いつから私は、こんな初心な乙女みたいになっちゃったのか。
あんまり一人でモヤモヤしているのもなんだし、ちょっと霊夢人形の修復でもしようかな。
そこでふと、カレンダーが目に入った。
あぁもう2月かぁ。とか考えながら、二重丸がうってある日があるのに気付いた。
はて、なにか今月あったかな?
と、近寄ってみると。
そこには赤字で『チョコの日』と書いてあった。私の字で。
あ、そうか……バレンタインか。
……バレンタインか。そうか。
「……よし」
「悪いな、結局夕飯までごちそうになっちゃう形で」
「あんた、最近自分の家で料理してないんじゃない?」
お昼を食べた魔理沙は、結局そのままうだうだとうちに居ついて、現在夕飯準備中の私の後ろに立っている。
私もさすがに落ち着いてきているので、まぁそれなりに楽しい時間ではあった。
なんだかんだでこいつはちゃんと友人しているなぁ。
これで、お昼とか夕飯のご飯代とか払ってくれればもっといいのに。
「元々そんなにしてないけどな」
「はぁ……」
「おいなんだそのため息は」
きっと人の家を渡り歩いてご飯を貰ってるんだろうなぁ……。
ある意味で乞食というか……
貧乏巫女とか話にならないくらいのひどさよね……
「……きっとお前は今、とても失礼な妄想をしている」
「そんなことないわ。そんなことないけど、よかったらお腹いっぱい食べなさい」
「絶対してる!!」
まぁ、冗談はおいといて。
今日は寒いしお鍋でいいかしら。
えーっと、確かこの間いい魚があったよねーっと。
「霊夢ー。お邪魔するわよー」
……
アリスの幻聴が聞こえたわ。
もう、しっかりしなさい私。
えーっと、魚魚……。
「……おい霊夢。アリス呼んでたぞ」
……魔理沙にも聞こえていた?
つまり……。
「げ……幻聴じゃない……だと……?」
「お、落ち着け霊夢。せっかくわざわざアリスから来てくれたんだ、チャンスだぜ!」
「バ、バッカ野郎! うるせぇよ! こちとら落ち着いてるわい! 江戸っ子なめんな!!」
「落ち着け霊夢!! お前はそんなキャラじゃないしキャラがだいぶブレてる!!」
はっ。私としたことが。
魔理沙に言われるまでもないわよね。
……大丈夫。
大丈夫よ。今までだって大丈夫だったじゃない。
「どこかしら……台所ー?」
「そうだぜー」
「……」
平常心。平常心よ霊夢。
あ、魚見つけたわ。
えーっと、とりあえずさばいて……。
「あ、本当にいたわね。魔理沙もついでに」
「ついで扱いかよ」
「…………」
平常心。平常心よ霊夢。
アリスが来ただけじゃない。
えっと、魚をさばくのよね。
「……霊夢? お邪魔するわよ?」
「ん……んん」
「……霊夢?」
ちょっとそっけない返事だったかな。
と思っていると、急に目の前にアリスの顔があった。
私を覗きこむように上目づかいで見てくるアリスに、気を取られて……
「っ……」
「えっ……ちょ、霊夢指切ってるじゃない! 大丈夫!?」
「はぁ? お前、どんなドジっ子だよ」
うるさいわね。
ちょっと指先切っただけじゃない。
……あ、これは、もしかしてアリスに傷口を口に含まれる流れかしら?
まさの文字通り怪我の功名ってやつかしらね。
「まったく……ほら、指出しなさい」
「え、あ、うん……」
……さすがアリスね。
いつも絆創膏持っているなんて、素晴らしいわ。
残念がってるなんて事はないわよ?
「鍋作るの? まったく……ほら、霊夢はもうあっちで待ってなさいよ。後は私がやっておくわ」
「え、そんな。悪いわよ」
「また指切られたら嫌じゃない」
「えー……いいわ。ここで見守ってるわ」
「……なによ、そんなに信用ならないの?」
「違うわよ。後ろから指示出してあげるって言ってるの。アリス鍋とかあまり作らないでしょ?」
「む。失礼ね。鍋なんて切って煮込めばいいんでしょ」
「はぁ……分かってないわね、鍋の真髄っていうのを」
私がアリスと口論を繰り広げるなか、チラリと魔理沙を見てみた。
なぜか甘いもの食べすぎて胸やけしてるみたいな顔をしてから居間へと帰って行った。
どうしたんだろう。
まさか隠しておいた大福食べたのかしら?
食い意地がはってるわね、まったく。
「……分かったわよ。じゃあ指示お願いするわ」
「分かればいいのよ」
魔理沙が消えた辺りで、アリスが折れてくれた。
よし。
別にアリスの料理の腕を疑ってるわけじゃないけど、魔理沙から鍋奉行と呼ばれる者として、そこはこだわりたいのよね。
アリスは小さくため息をつきながら辺りを見回している。
「……えーっと、エプロンとかってある?」
「ないわよ。あ、割烹着ならあるけど」
「そ。じゃあそれ持ってきて」
首元を緩め、持ってきた荷物とかも床に置きながらアリスが準備をしている。
割烹着……確か、あったわよね。
あまり自分が使ってないから心配だわ。
というわけで、私は近くのイスに座っていて、
アリス(割烹着ver)は鼻歌交じりに鍋の準備を進めている。
あ、なんかいいなぁ。こういうの。
「ふんふふふ~ん……」
「……」
「……ちょっと、指示出すんじゃなかったの?」
「んー? あぁ、もう教える事は無いわ。免許皆伝よアリス」
「まだ何もしてないじゃない」
アリスがクスリと笑う。
私もそれに微笑み返して、そのままテーブルに上半身を投げだす。
ダラーっと。
「……ねぇアリスゥ~」
「なぁに」
「……人形の時の事覚えてる?」
「ん~……覚えてるわよ」
私に返事をしつつも、アリスの料理は止まらない。
何事もないように流れるように調理は進んでいる。
……ちょっと滞りなさ過ぎて気に食わないくらいね。
もう……。
「……人形の後の事も?」
「…………」
動きが止まった。
よし、ちょっと気が晴れたぞ。
ふふふ。
「……覚えてるわよ」
「そう。よかったわ」
それだけ言うと、アリスはまた料理を再開した。
とりあえず、私の杞憂はこれで無くなったわね。
安心といえば、安心ね。
「あ、そうだ霊夢。ちょっと荷物開けてくれない?」
「え?」
もうあとはぜんぶ鍋に突っ込むだけ。
って時に、アリスが突然おたまで持ってきていたかばんを指した。
そういえば、なにか持ってきていたわね。
「なにが入ってるのよ」
「お茶請けよ。ないないって言ってたでしょ」
「あ、もしかして手作り?」
「当然」
アリスお手製のお菓子か。これは期待できるわね。
和菓子も好きだけど、アリスの作る洋菓子は悪くないのよね。
私も鼻歌交じりに荷物を開けていく。
「んー?」
「見つけた?」
「あったけど、やけに丁寧にパッケージしてるのね」
赤い包装紙に包まれたそれは、だいぶ小さくあまり量はなさそうだった。
いや、量とかの問題というよりは。
なんだろう、この匂い……
「……開けていい?」
「いいわよー」
アリスの方ももうすぐ終わるようで、ミトンを探している。
場所を教えてあげたいけど、今はこっちの方が気になるのよね。
バリバリッっと、豪快に包装紙を破いてみた。
うん、普通の箱。
箱を開けてみて―――
「ッ!」
私は、片手で顔を覆った。
あちゃー……これは、抜かったわ。
そうか、そういえば、今月はそんなイベントがあったんだ……。
指の隙間から、アリスを見た。
ちょっと得意げな顔だ。
くそう、腹立たしい。
あぁ腹立たしい。
「バレンタインを忘れるなんて、乙女としてどうかと思うわね」
「ふんっ。悪かったわね、乙女のかけらもなくて。そもそも幻想郷じゃそんなにポピュラーなイベントじゃないでしょうに」
「早苗と山の神のおかげで人里でも流行ってるのよ」
「マジでか」
それは予想外というか。
あまり人里に顔出さないことがこんなになるとは。
箱の中に入っていた、5つの小さなトリュフチョコに再び目を向ける。
「……こんな少ない量じゃ、お茶請けにならないわ」
「そうかしら」
「ならないのよ」
とりあえずいちゃもんをつけてみる。
けど、アリスは優しく微笑んでいた。
なんだこの余裕は。おのれ。
「霊夢」
「なによ」
ちょっと睨むように目を向ける。
アリスは鍋を持ったまま、優しい笑みで口を開いた。
「大好き」
「……え」
「今度は、酔ってないわよ?」
ふふん。と。
それだけ言ってアリスはゆっくりと歩き出した。
くそう。
腹立たしい。
私の心の中を見透かしていて、
チョコをくれて、
鍋まで作ってもらって。
私からは、なに1つあげれてない。
腹立たしいじゃないの。
だから私は少々ベタな事をすることにした。
確か、早苗の持っていた漫画にこんなシーンがあったと思う。
だけど構うものか。
私がアリスにしてあげたいんだ。
「アリスッ」
「なによ」
アリスはゆっくりこっちを向くと同時に、
私はトリュフチョコを1つ口に含んだ。
そうだ。
酔った勢いだったから無しにしたかった告白とキスのうち、告白をとられたんだ。
だから、
「ッ!!!!」
キスは、こっちが貰うわよ。
ついでにチョコ付きでね。
本当に目の前にあるアリスの目が白黒している。
突然してやったのに、鍋を落とさなかったのはさすがね。
余裕があるのかしら。
というわけで、口に含んでいたチョコを半分ほど口移ししておいた。
白黒していた目よりも、赤くなる頬の方が目に入った。
そしてたっぷり数秒の後に私はアリスから唇を離した。
アリスとの2回目のキスは、チョコの味だった。
ま、1回目よりはロマンチックでしょ。
唇が離れた後に俯いたアリスは、少ししてちょっと涙目で顔を上げた。
「……」
「私も大好きよ。アリス。愛してる」
「……ズルい」
なにがズルいもんか。
ズルさなら、お互い様じゃない。
「美味しかったわよ、アリスのチョコ」
「そうね……霊夢の味がしたわ」
「いやいや、アリスの味の間違いじゃない?」
涙目のアリスと、ちょっと余裕の私が睨みあう。
ちょっとの間の後に、2人ともぷっと吹き出していた。
「……お互い、素直じゃないわね」
「まったくよ」
素直じゃないのをお互い自覚しているし、相手がそうだとも知っている。
だったらいいじゃない。ねぇ?
「えーっと。とりあえず、こういう時なんて言えばいいのかしらね?」
「さぁ?」
「んー……あぁ、これからもよろしく?」
「あぁ。そうね。これからも末長くよろしく。って感じか」
そう言って、私はまたチョコを口にする。
アリスはちょっと頬を染めてから、鍋をテーブルの上に置いた。
これで両手が自由ってか。都会派エロスめ。
「今のは別に、私が食べたかったから食べたんだけど?」
「……強がりは体に良くないのよ?」
「あ、そうなの。それじゃあ、永琳の世話になりたくないから、仕方ないわね」
「そう、仕方ないのよ」
体に良くないと言われるとどうしようもないわね。
だから私は仕方ないので、
アリスともう1度キスをするのだった。
居間に戻ると、魔理沙の姿は無かった。
こたつの上には一枚の手紙が置いてある。
『糖分過多で胃がもたれてきた。ちょっと永琳の所行ってくる』
とのこと。
どういう意味なんだろうか。
アリスと目を合わせる。
「こんな時間に、やってるのかしら」
「さぁ? ま、大丈夫でしょ、魔理沙だし」
「そうね」
結論、魔理沙なら大丈夫。
なので、私はアリスと2人で鍋を食べることにした。
アリスの真正面に座り、鍋のふたを開ける。
「あら、まだ暖かいわね」
「そりゃそうでしょ」
「誰かさんが盛った犬みたいに何度もチョコを食べてたから、冷めてるかと思ったわよ」
なにを言っているのかこいつは。
チョコを食べていたのはアリスだろうに。
結局5つはすぐに無くなっちゃったじゃないの。
「いただきます」
「はいはい、いただきます」
あまりその辺りを蒸し返したところで、私達が恥ずかしいだけなのはお互い分かっているのでさっさと食事に移る。
うん、おいしい。
やっぱり冬は鍋よねー。
「あ、そうだアリス」
「んー?」
アリスも鍋に集中しているのか、生返事だ。
「今度チョコの作り方教えてよ」
「えー?」
「だってアリスから貰ってるけど、私からあげてないじゃない」
私の提案に、アリスはなんだか非難めいた目つきで私を見ている。
なんだ、その視線は。
「……けだもの」
「都会派エロス」
あ、どっちもどっちだわ、私ら。
今気付いたことじゃないけども。
というわけで、2人して大声で笑い合った。
「まぁいいわ。今度うちに来なさいよ。教えてあげるから」
「家に連れ込んでなにする気よ」
「なにかしてほしいの?」
挑発的な態度ね、アリス。
そんなやっすい挑発にはのらないのよ私は。
私が豆腐を崩さないように取ろうと動き出すと、
「あぁ、でも」
と、何かを思い出すようにアリスはぽんと手を合わせた。
にっこりとほほ笑んでいる。
正直、アリスはにっこりとしている時ほど不安な時は無い。
次はなにを言うのか、いろんな意味でドキドキだから。
「模した人形であれだけぐっすり眠れるんだから、本物だったらどれだけぐっすりいけるかは知りたいわよね?」
…………
都会派エロスめ。
これはまた、厄介な恋人を持ったものだなぁと、そう考えた冬のある夜でしたとさ。
こんな糖分だったらどれだけでも摂取してやるぜって感じです。
チョコがまた甘い、糖尿病患者一発昇天級の…
ごちそうさまでした!
甘すぎて死んでしまう
「…けだもの」「都会派エロス」で砂糖吐きながら悶えたよ、仕事休みで良かった…只のいちゃいちゃ話も読みたいので遠慮無く書いて下さい。
もっと広がれレイアリの輪~
少年の魂、確かに受け取ったっw
江戸っ子なめんな。に笑った
読んでて頬が緩んでくるし、口の中は甘ったるくなってくるし……もう最高だぁ!!
おっと食べ過ぎで鼻血が
舌がおかしくなりそうなので沢庵かじってきますね
いちゃいちゃも書いちゃえばいいじゃない
ああでも行ったら行ったでどうせバレンタインモードか
みんな爆発しろ!
俺も爆発する!
幸せ過ぎてどうにかなりそうです!
何度でも叫ぶぞー!もっと広がれレイアリの輪!!!!!
もっと広がれレイアリの輪!
あぁ、もっと広がれレイアリの輪!
ってリアルでガッツポーズとっちゃったよ。甘い、甘すぎる!!
イチャイチャするだけでもいいじゃない。you続けちゃいなyo。
いやマジでお願いします。貴重なレイアリをもっと…。
こんなに甘いのに!これは失礼か。いやいやすばらしい作品ありがとう。
イチャイチャ作品期待してます。
もっと広がれレイアリの輪!
あの衣装から放たれる母性と滲み出る愛情のオーラこそがその空間全てを包み込み、見るものの心を優しく抱擁してくれる。それをさらにアリスなんかがやるともうさらに威力が倍増するわけだ。確かに和の人が割烹着を着てもそれはそれは素晴らしい効果を発揮する。具体的に言うなら「こいつはわての嫁やでぇ!」と叫びたくなるような感じだ。しかし洋の人が着るとこれはまた別の意味で魅力をひき立ててくれる。洋が和を着ることによって絶妙なハーモニー云々を奏でるのだ。ミスマッチ?そう思うなら幻視しろ。割烹着萌えはそこにある。
想像しただけで天国が見えました・・・。
いやもう、いちゃいちゃしてる糖分過多の話で全然OK!!
むしろ、ウェルカム!
もっと広がれレイアリの輪!
最高です
見事に自分はレイアリの輪に捕われてしまいました(≧∇≦)
もっと広がれレイアリの輪!
甘くて死にそうだ!!
おや?続きがないようだ…。
イチャイチャ作品?私は一向に構わんッッ!
本当に百合話って良いよねー。
この二人は特に最高!
というわけで、
もっと広がれレイアリの輪!