私、十六夜咲夜の日常はお嬢様を起こすところから始まる。
コンコン。
まずはお嬢様のお部屋のドアにノック。
そして一声。
「おはようございます。朝ですよ、お嬢様」
時間は7時。
吸血鬼であるレミリアお嬢様には辛い時間であるが、最近ではこの時間に起きる日々が通常となっている。
こんな時間にわざわざ起きるのは、もちろん博霊の巫女に合わせてのことだ。
「んみゅ~……しゃくやぁー?」
なんとも可愛らしいお声と呼び方でメイド長を呼ぶお嬢様。
(あぁ、血迷ってしまいそう……)
「はい、咲夜でございます」
それでも普通にかえすところが瀟洒なメイド長。
吸血鬼は朝に起きることは通常ないので、やはり無理があるのだろう。
だから私の役目は、そんなお嬢様を起し着替えを手伝い、朝食の用意が出来たことを伝えることだ。
失礼しますと言い、ドアを開け中に入る。
そこには、可愛すぎる500歳のレミリアお嬢様が上半身を起こして目を擦っていた。
(……襲ってしまいそう……)
そんな思いをぐっと堪え、お嬢様の身支度を済ませていく。
「朝食の用意が出来てますので、いらしてください」
失礼します、とドアを閉め時間を止める。
仕込み自体は寝る前に終えているので、後は火を入れたり盛り付けをしたりするだけとなっている。
しかも、料理自体の時間を早めてしまえば瞬時に出来上がりである。
この能力がなければ、妖精メイド等という実質的には役に立たないどころか足を引っ張ってばかりの者達に囲まれながら、紅魔館のメイド長は務まらない。
その上、人間の身にして、である。
そんな人間の身には行き過ぎた力を持ったメイド長は思う。
「あぁ、やっぱりこの至福の時(着替え)は誰にも譲れないわ……」
お嬢様の素肌の触り心地は凄いらしい。
横に長いと言うには長すぎるテーブルの上に、全体的な量は少ないが一品一品がとても豪華な料理が並べられていく。
悔やむところは、量を少なくしても、それを食べきれるくらいの普通の食欲を持った者がいないことだろう。
そうして料理を並べ終えたところで、止めていた時を元に戻す。
後は各自の仕事をしていた妖精メイドを食堂に集め、お嬢様達をお迎えする為の列を組ませる。
お嬢様を起こしに行く途中に、パチュリー様と妹様に朝食の準備が出来たことを知らせに行くように命じたメイドも戻ってきたのを確認し、後は待つだけだ。
妹様に関しては、数人の妖精メイドでだ。
お嬢様の様に身支度も兼ねてであるし、妹様に対しては妖精メイドも恐怖からいつもの悪戯心など芽生えないからだ。
その上、紅魔館の妖精メイドは教育が行き渡っており、そこらにいる妖精とは比べ物にならないほど忠実である。
所詮妖精ではあるのだが。
そうして十数分たったところで、一人目のお嬢様がいらした。
「「「「「「「「「「おはようございます、パチュリーお嬢様」」」」」」」」」」
ずらっとドアの両端に並んだ妖精メイド達と、その列の最後尾でドアと対面する向きで出迎えるメイド長。
出迎えられたパチュリーはそのままメイド達に作った道を歩いていき、その先にいるメイド長が席までをエスコートする。
イスを引き、座ったところで丁度言い位置までイスを押す。
この様にして皆が集まった後、静かに朝食の時間が始まる。
そうして朝食を終えた後はメイド達が後片付けをし、メイド長が朝食後のティーの用意をする。
メイド達の朝食はこの片付けが終わってからだ。
ちなみに、メイド長に至っては、このティーが始まり、レミリアから下がっていいという言葉があってからようやく朝食となる。
だが、朝食と言っても手早く済ませなければならない。
メイド長と言っても、他のメイド達と食事のスケジュールは一緒であり、もう殆どのメイド達は朝食を終えているところだからだ。
メイド長だけ朝食をとるのが遅れれば、その後の片付けに支障が出てしまう。
やはり共同生活というのは難しい物なのである。
こうして朝一番の大仕事が終わった後は、掃除・洗濯と昼食の支度である。
妖精メイド達も掃除をするのだが、調度品を壊してしまったり、窓を拭こうとして水をこぼしたりと、余計な仕事を増やしてばかりだ。
その後始末は全部メイド長へとまわってくる。
こういったこともメイド長の仕事を増やしている一端だろう。
それでも、妖精メイドは威厳の為に必要なのであり、紅魔館の日常には必要な物なのである。
ちなみに昼食に関しても、妖精メイド達は手伝う。
が、コレはまだマシで、メイド長の仕事を余計に増やすことはあまりない。
やはり、自分達の食事が直に左右されるからだろう。
妖精というのは、とても独りよがりなのだ。
昼食を終えると、レミリアお嬢様は博霊の巫女のところへと出向く。
その際メイド長もお供するが、巫女のところへ着いたらそこで、もういいと合図が出る。
その後は、買出しをしたり片付けの続きをしたりして、夕食の支度をし、それらを終えるとお嬢様のお迎えに向かい、共に帰宅する。
その時はもちろん妖精メイド達全員の出迎えつきでだ。
そうして朝食の時同様に夕食が始まる。
その後も朝食と同様に片付け後、メイド達とメイド長の夕食だ。
朝食と違う点は、夕食後のティーは大体がパチュリー様の大図書館で開かれることだろう。
パチュリー様や妹様とのティーを終えると、お嬢様はお休みになられる。
妹様は気まぐれで、そのままパチュリー様のところに残り読書をされたり、小悪魔と遊んだりするが、日付が変わるまでには飽きて自室へとお戻りになる。
メイド長は、お嬢様がお休みになられる時には共に部屋に入り、着替えを手伝い布団をかぶせる。
そうして一言言い、部屋を出る。
「おやすみなさいませ、お嬢様」
この後もメイド長は眠らない。
妖精メイド達は就寝するが、メイド長にはやることがあるのだ。
妖精メイド達がある程度準備をした朝食の仕込みの完成と、料理に変なことをしていないかの確認。
それと、門番隊がいるから大丈夫であるはずだが、侵入者がいないかの見回り、それらを終えようやく自室へと戻る。
そうして最後に、自身の使う銀のナイフの手入れだ。
これら全部を終えると、メイド長はベッドに入る。
最後に可愛い主人を思いながら一声呟き、メイド長の一日は終わる。
「おやすみなさい、お嬢様」
コンコン。
まずはお嬢様のお部屋のドアにノック。
そして一声。
「おはようございます。朝ですよ、お嬢様」
時間は7時。
吸血鬼であるレミリアお嬢様には辛い時間であるが、最近ではこの時間に起きる日々が通常となっている。
こんな時間にわざわざ起きるのは、もちろん博霊の巫女に合わせてのことだ。
「んみゅ~……しゃくやぁー?」
なんとも可愛らしいお声と呼び方でメイド長を呼ぶお嬢様。
(あぁ、血迷ってしまいそう……)
「はい、咲夜でございます」
それでも普通にかえすところが瀟洒なメイド長。
吸血鬼は朝に起きることは通常ないので、やはり無理があるのだろう。
だから私の役目は、そんなお嬢様を起し着替えを手伝い、朝食の用意が出来たことを伝えることだ。
失礼しますと言い、ドアを開け中に入る。
そこには、可愛すぎる500歳のレミリアお嬢様が上半身を起こして目を擦っていた。
(……襲ってしまいそう……)
そんな思いをぐっと堪え、お嬢様の身支度を済ませていく。
「朝食の用意が出来てますので、いらしてください」
失礼します、とドアを閉め時間を止める。
仕込み自体は寝る前に終えているので、後は火を入れたり盛り付けをしたりするだけとなっている。
しかも、料理自体の時間を早めてしまえば瞬時に出来上がりである。
この能力がなければ、妖精メイド等という実質的には役に立たないどころか足を引っ張ってばかりの者達に囲まれながら、紅魔館のメイド長は務まらない。
その上、人間の身にして、である。
そんな人間の身には行き過ぎた力を持ったメイド長は思う。
「あぁ、やっぱりこの至福の時(着替え)は誰にも譲れないわ……」
お嬢様の素肌の触り心地は凄いらしい。
横に長いと言うには長すぎるテーブルの上に、全体的な量は少ないが一品一品がとても豪華な料理が並べられていく。
悔やむところは、量を少なくしても、それを食べきれるくらいの普通の食欲を持った者がいないことだろう。
そうして料理を並べ終えたところで、止めていた時を元に戻す。
後は各自の仕事をしていた妖精メイドを食堂に集め、お嬢様達をお迎えする為の列を組ませる。
お嬢様を起こしに行く途中に、パチュリー様と妹様に朝食の準備が出来たことを知らせに行くように命じたメイドも戻ってきたのを確認し、後は待つだけだ。
妹様に関しては、数人の妖精メイドでだ。
お嬢様の様に身支度も兼ねてであるし、妹様に対しては妖精メイドも恐怖からいつもの悪戯心など芽生えないからだ。
その上、紅魔館の妖精メイドは教育が行き渡っており、そこらにいる妖精とは比べ物にならないほど忠実である。
所詮妖精ではあるのだが。
そうして十数分たったところで、一人目のお嬢様がいらした。
「「「「「「「「「「おはようございます、パチュリーお嬢様」」」」」」」」」」
ずらっとドアの両端に並んだ妖精メイド達と、その列の最後尾でドアと対面する向きで出迎えるメイド長。
出迎えられたパチュリーはそのままメイド達に作った道を歩いていき、その先にいるメイド長が席までをエスコートする。
イスを引き、座ったところで丁度言い位置までイスを押す。
この様にして皆が集まった後、静かに朝食の時間が始まる。
そうして朝食を終えた後はメイド達が後片付けをし、メイド長が朝食後のティーの用意をする。
メイド達の朝食はこの片付けが終わってからだ。
ちなみに、メイド長に至っては、このティーが始まり、レミリアから下がっていいという言葉があってからようやく朝食となる。
だが、朝食と言っても手早く済ませなければならない。
メイド長と言っても、他のメイド達と食事のスケジュールは一緒であり、もう殆どのメイド達は朝食を終えているところだからだ。
メイド長だけ朝食をとるのが遅れれば、その後の片付けに支障が出てしまう。
やはり共同生活というのは難しい物なのである。
こうして朝一番の大仕事が終わった後は、掃除・洗濯と昼食の支度である。
妖精メイド達も掃除をするのだが、調度品を壊してしまったり、窓を拭こうとして水をこぼしたりと、余計な仕事を増やしてばかりだ。
その後始末は全部メイド長へとまわってくる。
こういったこともメイド長の仕事を増やしている一端だろう。
それでも、妖精メイドは威厳の為に必要なのであり、紅魔館の日常には必要な物なのである。
ちなみに昼食に関しても、妖精メイド達は手伝う。
が、コレはまだマシで、メイド長の仕事を余計に増やすことはあまりない。
やはり、自分達の食事が直に左右されるからだろう。
妖精というのは、とても独りよがりなのだ。
昼食を終えると、レミリアお嬢様は博霊の巫女のところへと出向く。
その際メイド長もお供するが、巫女のところへ着いたらそこで、もういいと合図が出る。
その後は、買出しをしたり片付けの続きをしたりして、夕食の支度をし、それらを終えるとお嬢様のお迎えに向かい、共に帰宅する。
その時はもちろん妖精メイド達全員の出迎えつきでだ。
そうして朝食の時同様に夕食が始まる。
その後も朝食と同様に片付け後、メイド達とメイド長の夕食だ。
朝食と違う点は、夕食後のティーは大体がパチュリー様の大図書館で開かれることだろう。
パチュリー様や妹様とのティーを終えると、お嬢様はお休みになられる。
妹様は気まぐれで、そのままパチュリー様のところに残り読書をされたり、小悪魔と遊んだりするが、日付が変わるまでには飽きて自室へとお戻りになる。
メイド長は、お嬢様がお休みになられる時には共に部屋に入り、着替えを手伝い布団をかぶせる。
そうして一言言い、部屋を出る。
「おやすみなさいませ、お嬢様」
この後もメイド長は眠らない。
妖精メイド達は就寝するが、メイド長にはやることがあるのだ。
妖精メイド達がある程度準備をした朝食の仕込みの完成と、料理に変なことをしていないかの確認。
それと、門番隊がいるから大丈夫であるはずだが、侵入者がいないかの見回り、それらを終えようやく自室へと戻る。
そうして最後に、自身の使う銀のナイフの手入れだ。
これら全部を終えると、メイド長はベッドに入る。
最後に可愛い主人を思いながら一声呟き、メイド長の一日は終わる。
「おやすみなさい、お嬢様」
でも美鈴がかけらも出なかったのが紅魔館から
ハブかれてるみたいで嫌だったからこの点数
イラストはちょっと目が怖かったけど。
今度は美鈴も入れて書いてみたいです^^
コメント・評価、ありがとうございます。