※トンデモ設定注意報!
――『七女』アリス
「ねえ聞いてよお母さん、夢子姉さんったらひどいんだよ、
いつも私を叱ってばっかり。べんきょーべんきょーってうるさいの。」
「それはアリスちゃんのことを思って言ってくれてるのよ。
しっかりした大人になるために。後できっと役に立つから。」
「きっと長女だからってえばってるのよ!自分が一番えらいんだって!」
「……ああそっか、アリスちゃんは知らないのよね。」
「なにを?」
「夢子ちゃんは長女じゃないの。もう1人上に長女が居たんだけどね……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その言葉が急に途切れて、意識がベッドの上へと引き戻された。
すぐにさっきまでのやり取りが夢であったことを認識する。
今私が住んでいるのは魔界ではなく、幻想郷。私は魔界からこの幻想郷へと越してきて、
1人暮しをしているのだ。
「ん~~っ!」
起き上がって背伸びをする。意識を覚醒させるために。
もう少しあの夢に浸って居たい気持ちはあるけれど、今の私は幻想郷に生きる者。
こちらの世界で為すべき事がある以上、いつまでも夢の中には居られない。
……といっても、今日為すべきことなんて紅魔館の図書館に本を返すことぐらいだけれど。
要は気持ちの問題である。こうでもしないと二度寝してしまいそうだったから。
まだぼんやりとした頭で洗面所へと向かいながら、先程の夢を思い出していた。
「……懐かしい夢だったなあ。魔界の頃の夢なんて久しぶり。」
夢物語なんて言葉もあるように、夢というものは空想の世界であることが多いが、
私はさっきの夢の中での母さん……もとい、神綺様の言葉を聞いた覚えがあった。
あれは確か夢子姉さんに散々しかられた夜、ベッドの上で神綺様とお話した時の会話だ。
だけどもそれ以降の会話を思い出そうとしても思い出せない。きっとその時も寝てしまったのだろう。
「……ああそうだ、それで次の日、姉さん達に聞いてまわったんだっけ。」
中途半端に途切れてしまった『長女』のことをもっと知りたいと思い、
幼い私は姉達に聞き込み調査を行った。
かなり昔の話なので記憶があいまいだが、そこは腐っても種族魔法使い、
記憶をほじくりだすことなど今の私であれば容易である。
身支度をすませ図書館へと向かいながら、その時のことを思い出していくことにした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『六女』サラ
「アリスじゃん、どったの?……え?私達の長女?
ああそっかアリスは知らないんだよね、生まれる前に出ていっちゃったから。
どこにって?それは私にもわからないよ。私も赤ん坊だったからね。
……でもね、抱かれたことはかすかに覚えてる。神綺様とは違うってのも理解してた。
すごく優しい抱き方だったよ。母さんに抱かれてるのかと途中まで勘違いしてたくらいでさ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魔法の森を歩きながら、私はサラ姉さんの言葉をまず思い出した。
……ふむ、どうやら『長女』は私が生まれる前に家を出ていったらしい。今の私と同じように。
更に記憶を掘り出そうとしたところで、いつものアレに出会った。
「おお、朝っぱらから暗い顔してんなーアリス。」
霧雨魔理沙。私のご近所さんであり、悪友でもある。
始めて会ったのは……そう、昔霊夢と一緒に私達の家へと乗り込んできたとき。
あの時は絶対仲良くなれないと思っていたけれど、何故か今はこうして付き合いが続いている。
腐れ縁、という言葉が一番似合うヤツだ。
「何が暗い顔よ、悪かったわね。」
「そうムスッとするなよ。なんか考え込んでたみたいだからさ。」
「アンタみたいに能天気じゃないだけよ。」
一見すると険悪なやり取りに見えてしまうだろうが、
何故か私達の間ではこのやり取りでうまくいっているから不思議なものだ。
軽口ついでに、今私が疑問に思っていることを聞いてみることにした。
「あ、そうだ魔理沙、あんた確か私の母親知ってるわよね?」
「ああ、神綺だろ?あのたくましい。」
「たくましいは余計よ。その神綺様の長女って誰だか知ってる?」
「長女?う~ん……お前が末っ子だってことは知ってるけどな。
雰囲気からしてあの……えーっと……そう、メイドの……」
「夢子姉さん?」
「ああ、それだ。そいつじゃないのか?」
やはり魔理沙も私と同じ認識だったようだ。
確かにあの時魔理沙達とやりあった面子の中で、神綺様を除けば夢子姉さんが一番年上だ。
考えてみれば、魔理沙は私よりも若いはずだから、
私が生まれる前に出ていったであろう『長女』のことを知っているはずもない、か。
「なんだ、また考え込んじゃって。違うのか?
じゃあアレだ、ルイズとか言うやつ……」
「ルイズ姉さんは夢子姉さんより年下よ。」
「なんだ、じゃあ夢子でいいんじゃないか?……おっとヤバイ、そろそろ行かないと。
霊夢に呼ばれてるんだった。それじゃあなー!!」
そう言うと魔理沙はほうきにまたがり、あっという間に去ってしまった。
まったく急に現れて急に去っていくんだから、ほんとに言うならば嵐のようなやつだ。
「まったく、まあ魔理沙らしいっちゃ魔理沙らしいけど……」
私も再び紅魔館へと足を進めながら、昔の記憶を探り出した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『四女』ユキ
――『四女』マイ
「長女?ああ、『~~~』姉さんのことね、覚えてる?マイ。」
「……忘れるわけがない。あのド天然は。」
「ほんとほんと、天然だったよねー。姉としての威厳もまったく無かったし。」
「……六才ぐらいのユキに喧嘩で負けてた。」
「あはは、なっつかしー。飛び蹴りしたらそのまま泣いちゃってさ。
なんか逆に申し訳なくなっちゃって謝っちゃったよ。あの天然さとドジっぷりは……」
「……神綺様そっくり。」
「そう!一番神綺様の血を引いてるって感じだったよねー!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「天然で弱くてドジ……」
ユキとマイの言葉を思い出した私は、彼女達が言っていた『長女』の特徴を復唱した。
……うーん、ひどいことしか言っていない気がする。
まあ彼女ら二人が毒舌なのは昔っからそうだし、記憶の中の彼女らの様子では
『長女』のことを嫌っているようには見えなかったし、むしろ好んでいるように見えた。
思わず「しょうがないなあ」と言ってしまいたくなるような、
まさにマイの言う通り、『神綺様そっくり』な人物だった。
「う~ん、気になるわね。最初のユキの言葉で名前を言っていたような気がするけど……」
残念なことにその部分は記憶から抜け落ちていた。
別になんらかの陰謀が渦巻いてるとかそういうわけではなく、
ただ単にその後の特徴があまりにも印象的で忘れてしまっただけであろう。
と、考え込んでいるうちに紅魔館に到着した。
「あ、アリスさ~ん!こんちはー!!」
元気そうに手を振っているのはこの紅魔館の門番である紅美鈴である。
門番があんなにフレンドリーな態度でいいのかといつも思うが、
まあ私は顔パスだしあれぐらいは許されるのかな、と考え直す。
しかし、やられる方が意外と恥ずかしいのだ。
「こんにちは美鈴。そんな遠くから名前叫ばないでよ、恥ずかしいじゃない。」
「え?どうしてですか?」
「……多分あなたに説明してもわからない感情だと思うわ。
それはそうと、今日も通っていいかしら?パチュリーに本を返したいの。」
「どうぞどうぞ!パチュリー様もアリスさんは歓迎すると思いますよ。
魔理沙さんも普通に来て普通に返してくれれば歓迎すると言っているのに……」
「まあアレは過程を楽しんでいるフシがあるからね。」
「一種の様式美ってヤツですね。まあ儀式みたいなものと思ってますけど。
……あ、じゃあどうぞ図書館へ。パチュリー様も待ってると思いますよ。」
「ええ、門番頑張ってね。」
会釈する美鈴に軽く手を振り、私は門を後にした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『三女』ルイズ
「『長女』?……ああ、あいつね。
ほんと酷いわよ。急にいなくなるんだもの。いなくなった日はパンデモニウム中大騒ぎしててね、
ユキとかマイとかサラとかは大泣きしちゃって。まあ懐いてたからね。
でも夢子姉さんと神綺様は落ち着いてたなあ。
普段から落ち着いてる夢子姉さんはともかく、ああいう場合真っ先に取り乱しそうな
神綺様が落ち着いてたってことは、きっと何か事情を知ってたんじゃないかしら。
あの二人なら、詳しい事情を知ってるかもね。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ルイズ姉さんの言葉からするに、『長女』はパンデモニウム……私達の家から急に居なくなったらしい。
私と同じだと思っていたけれど、私の場合はまず神綺様に相談して、
その後みんなの前で幻想郷に行きたい理由と叶えたい夢について語らされるハメになった。
それでもみんなは反対で、夢子姉さんの説得でなんとか許してもらえたんだっけ。
……私も半分、突然いなくなったようなものか。だけど、事情はみんな知っていた。
しかし『長女』の場合、少なくとも4人は事情を知らなかったわけで。
いったい『長女』に何があったのか、『長女』は何故出ていったのか。疑問は深まるばかりだ。
「どうしたのかしらアリス。悩みが顔に出てるわよ。」
「へっ?」
しまった、今は本を返してパチュリーとお茶をしている最中であった。
考え込んでしまうと周りが見えなくなるのは、私の欠点である。
魔法使いとして、これは直していかないといけないなと思う。
「そんなに悩んでるように見えたかしら。」
「ええ、すっごく。なんなら相談に乗るけど?」
「う~ん……じゃあ、少し聞いてほしいんだけど……」
私はパチュリーに、『長女』の存在、そして今まで思い出した姉達の言葉を一つずつ伝えていった。
話しているうちに、私が今まで長女だと思っていた夢子姉さんの言葉も思い出したので、繋げてパチュリーに伝える。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『次女』夢子
「……姉さんが出ていった理由?どこまで話していいものか……
姉さんはね、悩んでいたのよ。自分の力が弱いことに。
実際に力は弱かったわ。まだ神綺様の力が不完全だった時に作られた存在だったから。
私達みたいに魔力は強くないし、身体能力も高くはなかった。背も私やルイズが抜いちゃったし。
……でもね、神綺様に愛されてた事実は変わらないわ。それに私達も、姉さんが『長女』であることを誇りに思ってた。
でも姉さんはそうじゃなかった。自分は姉である資格が無いと思って、そして……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――ガシャーン!!
私がパチュリーに対して記憶を頼りに説明をしている時であった。
背後から何かが割れた音がして振り向くと、そこには小悪魔が居た。
落ちていたのはお茶菓子とそれが入っていたお皿。割れた音の正体はその皿が床に落ちて割れた音であった。
その小悪魔の様子と言えば、顔面蒼白でガタガタ震え、一言で言うならばひどく動揺した様子である。
「こ、小悪魔?どうしたの。」
流石のパチュリーも心配そうに声をかける。
しかし小悪魔の様子は変わらず、その動揺した瞳は私だけを見つめていた。
……私を?何故。
小悪魔は割れたお皿も落ちた茶菓子もそのままに、その場を走り去ってしまう。
慌てて追いかけようとしたパチュリーの肩を、私は慌ててつかんだ。
「ちょっと、何よ!」
「パチュリー!聞きたいことがあるのよ!」
「どうして今!今はあの子を……」
「今じゃないとダメなのよ!!」
私を振り払って小悪魔を追いかけようとするパチュリーを、私は必死で引き止める。
あの子は、小悪魔は私とパチュリーの会話を聞いてあんなにうろたえた。
そしてあの時私が話していたことは、魔界のこと、神綺様のこと、そして『長女』のこと。
私だって信じられない。そんなことあるのかと思う。だからこそ確かめなければ。
もしも本当だとしたら……
「教えて、小悪魔は、どうやってあなたの元へと来たの?」
それはとても、素敵なことだと思うから。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『母』神綺
「……魔界を出ていくって、本当?」
「……はい。こっそりと地上に行くための方法を模索していたんです。
そして、私を使い魔として契約してくれるという魔女の方が現れました。」
「どうしても、行くの?」
「もう契約をしてしまいました。変えることは出来ません。」
「……それがあなたの意思なら私は止めないわ。
でも、これだけは覚えてて頂戴。たとえあなたがそうでなくとも……」
「私達は、あなたのことを愛していたのよ、リトルちゃん。」
――『長女』リトル
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小悪魔はあっさりと見つかった。本棚の影に隠れていたのだ。
私はゆっくりと歩み寄り、小悪魔に声をかける。
「……見つけたわよ。」
「アリスさん……」
「小悪魔……いえ、姉さん。」
私は勇気を持って、彼女を『小悪魔』ではなく本来私が呼ぶべき呼び方で呼んだ。
小悪魔は魔界から召還されたこと、その時期がサラ姉さんの言っていた時期と一致すること、そして何より天然で弱くてドジ。
パチュリーの話と私の記憶をつなぎ合わせ、私は既に確信していた。
小悪魔は、神綺様の長女であり、私の姉である。間違い無い。
「びっくりしたわよ。まさか小悪魔が私の姉だったなんて。」
「私もですよ。そもそもアリスさんが神綺様の娘だってこと自体、初耳です。」
「感動の再会じゃない。どうしてあんなにうろたえたのよ。」
「びっくりしたのと……後ろめたかったからです。私は魔界を抜け出た身ですから。」
「あら、何も後ろめたいことは無いわ。私だってそうだもの。」
私はイタズラっぽく舌を出して笑ってみせた。
しかし小悪魔は、自嘲するかのように苦笑いをする。
「……同じじゃありませんよ。私はただ、逃げてきただけですから。」
「魔界が、嫌いだったの?」
「まさか。大好きでしたよ。だけど私は『失敗作』でしたから。
娘達も増えて、どんどん私を抜かしていって、もう私はいらないんじゃないかって。」
「それでこっちに来たってわけ。名前も変えちゃって。
……バカじゃないの。」
小悪魔の独白を聞いて思わず口からそんな言葉が漏れてしまった。
失敗作?もういらない?神綺様がそんなことを思うはずないじゃないか!
「失敗作だなんて、神綺様が言うわけないわ。」
「でも同じことでしょう!」
「違うわよ!たとえ力が弱くたって、あなたは愛されていたはずよ!」
口調が熱くなる、これでは売り言葉に買い言葉だ。
しかし止めることは出来ない。末っ子として、長女の考え違いを正さないといけないから。
「あなたがいなくなった後、パンデモニウム総がかりであなたを探した!
サラ姉さん達は泣きやまなかった!失敗作にそこまでするわけないじゃない!」
「でも、私は力が弱くて……」
「じゃあなんで、神綺様が力を弱いあなたを創ったと思う?」
「それは、まだ神綺様の力が安定してなくて……」
「私達の母さんを、なめるんじゃないわよ。不本意でそんなことをするはずがない。
あなたが弱いのには、理由があるの。そして今の私にはそれがわかる。」
どうして今の私ならその理由がわかるのか。
それは、私もまた神綺様と同じ道を歩んでいるからだ。
小悪魔の力が弱い理由、神綺様がそう小悪魔を創った理由、それは……
「寂しかったから、よ。」
私が幻想郷に来て始めて感じた感情、それは「寂しさ」だった。
1人でもやっていけると思っていた、寂しさなんて感じないと自惚れていた。
それでもどうしようもなく寂しくなって、家族が恋しくなって。
そんな私が最初にしたことは、人形を作ることだった。
魔力も無い、弾幕も出せない、特殊な機能もない、ただの人形。家族の姿をした人形。
だけどその人形は私の孤独を少し安らげてくれた。それらは今も、宝物として私の部屋に飾ってある。
神綺様は魔界の創造主だ。魔界を作った時、神綺様は独りだった。
どうしようもなく寂しかったはずだ。だから、小悪魔を創った。
寂しさを安らげるために、強さとか魔力とかそんなものはいらないのだ。
欲しかったのはただ娘という存在、たったそれだけの安らぎ。
「失敗作なんてとんでもない。あなたは私達姉妹の中でも一番の大仕事をしたのよ。
神綺様の寂しさを安らげるっていう大仕事をね。」
「私が……」
「だから誇っていいのよ。それに私はちょっと姉さんが妬ましいわ。
だってそうでしょ?」
私は末っ子として、いつも思っていた不満を長女にぶつけてやる。
「神綺様の愛情を独り占めできたのって、あなただけなんだから。」
その言葉を聞いた『長女』は、再び泣き出してしまった。やっぱり小悪魔と神綺様は似ていると思う。
だってこんなにも「しょうがないなあ」という気持ちにさせるのは、小悪魔の他には神綺様しかいないのだから。
数分後、ようやく小悪魔は落ち着きを取り戻した。
「……ごめんなさい、いろいろ取り乱しちゃって。
ありがとうございます、アリスさん。」
「……思うんだけどさ、長女が末っ子に対してその口調はどうなのよ。
普通に呼び捨てでいいし敬語もいらないわよ。」
「ごめんなさい。この口調はクセなんです、魔界に居た頃から。」
「じゃあ昔から妹に対しても敬語だったの?そりゃあ威厳ないって言われるわよ。
……せめて「さん」を取ってよ。それぐらいは出来るでしょ?」
「……わかりました、アリス。えへへ、なんかむずがゆいですね。」
「私もこれからは小悪魔じゃなくて姉さんって呼ぶから。本名は?」
「リトルです。あ、でも他の人には……」
「じゃあリトル姉さんね。わかってるわよ、他の人には小悪魔で通したいんでしょ?
ちゃんと二人きりの時しか本名は言わないから。」
そういうところはしっかりと出来る女なのだ、私は。
でも姉さんが元気になったようで良かった。
始めはびっくりしたけれど、こんな姉さんならば私は大歓迎だ。
それに何度も繰り返すが本当に神綺様に似ている。ほっとけないところが特に。
「じゃあ今度一緒に里帰りね。」
「え!?ちょ、ちょっといきなりすぎじゃ……」
「大丈夫よ私も一緒に居るから。無理やり引き止められたら私が引き戻してあげる。」
「アリス頼もしい!お願いしますよホントに!」
この幻想郷での生活も、新たな『姉』を得て更に楽しくなりそうである。
了
――『七女』アリス
「ねえ聞いてよお母さん、夢子姉さんったらひどいんだよ、
いつも私を叱ってばっかり。べんきょーべんきょーってうるさいの。」
「それはアリスちゃんのことを思って言ってくれてるのよ。
しっかりした大人になるために。後できっと役に立つから。」
「きっと長女だからってえばってるのよ!自分が一番えらいんだって!」
「……ああそっか、アリスちゃんは知らないのよね。」
「なにを?」
「夢子ちゃんは長女じゃないの。もう1人上に長女が居たんだけどね……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その言葉が急に途切れて、意識がベッドの上へと引き戻された。
すぐにさっきまでのやり取りが夢であったことを認識する。
今私が住んでいるのは魔界ではなく、幻想郷。私は魔界からこの幻想郷へと越してきて、
1人暮しをしているのだ。
「ん~~っ!」
起き上がって背伸びをする。意識を覚醒させるために。
もう少しあの夢に浸って居たい気持ちはあるけれど、今の私は幻想郷に生きる者。
こちらの世界で為すべき事がある以上、いつまでも夢の中には居られない。
……といっても、今日為すべきことなんて紅魔館の図書館に本を返すことぐらいだけれど。
要は気持ちの問題である。こうでもしないと二度寝してしまいそうだったから。
まだぼんやりとした頭で洗面所へと向かいながら、先程の夢を思い出していた。
「……懐かしい夢だったなあ。魔界の頃の夢なんて久しぶり。」
夢物語なんて言葉もあるように、夢というものは空想の世界であることが多いが、
私はさっきの夢の中での母さん……もとい、神綺様の言葉を聞いた覚えがあった。
あれは確か夢子姉さんに散々しかられた夜、ベッドの上で神綺様とお話した時の会話だ。
だけどもそれ以降の会話を思い出そうとしても思い出せない。きっとその時も寝てしまったのだろう。
「……ああそうだ、それで次の日、姉さん達に聞いてまわったんだっけ。」
中途半端に途切れてしまった『長女』のことをもっと知りたいと思い、
幼い私は姉達に聞き込み調査を行った。
かなり昔の話なので記憶があいまいだが、そこは腐っても種族魔法使い、
記憶をほじくりだすことなど今の私であれば容易である。
身支度をすませ図書館へと向かいながら、その時のことを思い出していくことにした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『六女』サラ
「アリスじゃん、どったの?……え?私達の長女?
ああそっかアリスは知らないんだよね、生まれる前に出ていっちゃったから。
どこにって?それは私にもわからないよ。私も赤ん坊だったからね。
……でもね、抱かれたことはかすかに覚えてる。神綺様とは違うってのも理解してた。
すごく優しい抱き方だったよ。母さんに抱かれてるのかと途中まで勘違いしてたくらいでさ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魔法の森を歩きながら、私はサラ姉さんの言葉をまず思い出した。
……ふむ、どうやら『長女』は私が生まれる前に家を出ていったらしい。今の私と同じように。
更に記憶を掘り出そうとしたところで、いつものアレに出会った。
「おお、朝っぱらから暗い顔してんなーアリス。」
霧雨魔理沙。私のご近所さんであり、悪友でもある。
始めて会ったのは……そう、昔霊夢と一緒に私達の家へと乗り込んできたとき。
あの時は絶対仲良くなれないと思っていたけれど、何故か今はこうして付き合いが続いている。
腐れ縁、という言葉が一番似合うヤツだ。
「何が暗い顔よ、悪かったわね。」
「そうムスッとするなよ。なんか考え込んでたみたいだからさ。」
「アンタみたいに能天気じゃないだけよ。」
一見すると険悪なやり取りに見えてしまうだろうが、
何故か私達の間ではこのやり取りでうまくいっているから不思議なものだ。
軽口ついでに、今私が疑問に思っていることを聞いてみることにした。
「あ、そうだ魔理沙、あんた確か私の母親知ってるわよね?」
「ああ、神綺だろ?あのたくましい。」
「たくましいは余計よ。その神綺様の長女って誰だか知ってる?」
「長女?う~ん……お前が末っ子だってことは知ってるけどな。
雰囲気からしてあの……えーっと……そう、メイドの……」
「夢子姉さん?」
「ああ、それだ。そいつじゃないのか?」
やはり魔理沙も私と同じ認識だったようだ。
確かにあの時魔理沙達とやりあった面子の中で、神綺様を除けば夢子姉さんが一番年上だ。
考えてみれば、魔理沙は私よりも若いはずだから、
私が生まれる前に出ていったであろう『長女』のことを知っているはずもない、か。
「なんだ、また考え込んじゃって。違うのか?
じゃあアレだ、ルイズとか言うやつ……」
「ルイズ姉さんは夢子姉さんより年下よ。」
「なんだ、じゃあ夢子でいいんじゃないか?……おっとヤバイ、そろそろ行かないと。
霊夢に呼ばれてるんだった。それじゃあなー!!」
そう言うと魔理沙はほうきにまたがり、あっという間に去ってしまった。
まったく急に現れて急に去っていくんだから、ほんとに言うならば嵐のようなやつだ。
「まったく、まあ魔理沙らしいっちゃ魔理沙らしいけど……」
私も再び紅魔館へと足を進めながら、昔の記憶を探り出した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『四女』ユキ
――『四女』マイ
「長女?ああ、『~~~』姉さんのことね、覚えてる?マイ。」
「……忘れるわけがない。あのド天然は。」
「ほんとほんと、天然だったよねー。姉としての威厳もまったく無かったし。」
「……六才ぐらいのユキに喧嘩で負けてた。」
「あはは、なっつかしー。飛び蹴りしたらそのまま泣いちゃってさ。
なんか逆に申し訳なくなっちゃって謝っちゃったよ。あの天然さとドジっぷりは……」
「……神綺様そっくり。」
「そう!一番神綺様の血を引いてるって感じだったよねー!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「天然で弱くてドジ……」
ユキとマイの言葉を思い出した私は、彼女達が言っていた『長女』の特徴を復唱した。
……うーん、ひどいことしか言っていない気がする。
まあ彼女ら二人が毒舌なのは昔っからそうだし、記憶の中の彼女らの様子では
『長女』のことを嫌っているようには見えなかったし、むしろ好んでいるように見えた。
思わず「しょうがないなあ」と言ってしまいたくなるような、
まさにマイの言う通り、『神綺様そっくり』な人物だった。
「う~ん、気になるわね。最初のユキの言葉で名前を言っていたような気がするけど……」
残念なことにその部分は記憶から抜け落ちていた。
別になんらかの陰謀が渦巻いてるとかそういうわけではなく、
ただ単にその後の特徴があまりにも印象的で忘れてしまっただけであろう。
と、考え込んでいるうちに紅魔館に到着した。
「あ、アリスさ~ん!こんちはー!!」
元気そうに手を振っているのはこの紅魔館の門番である紅美鈴である。
門番があんなにフレンドリーな態度でいいのかといつも思うが、
まあ私は顔パスだしあれぐらいは許されるのかな、と考え直す。
しかし、やられる方が意外と恥ずかしいのだ。
「こんにちは美鈴。そんな遠くから名前叫ばないでよ、恥ずかしいじゃない。」
「え?どうしてですか?」
「……多分あなたに説明してもわからない感情だと思うわ。
それはそうと、今日も通っていいかしら?パチュリーに本を返したいの。」
「どうぞどうぞ!パチュリー様もアリスさんは歓迎すると思いますよ。
魔理沙さんも普通に来て普通に返してくれれば歓迎すると言っているのに……」
「まあアレは過程を楽しんでいるフシがあるからね。」
「一種の様式美ってヤツですね。まあ儀式みたいなものと思ってますけど。
……あ、じゃあどうぞ図書館へ。パチュリー様も待ってると思いますよ。」
「ええ、門番頑張ってね。」
会釈する美鈴に軽く手を振り、私は門を後にした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『三女』ルイズ
「『長女』?……ああ、あいつね。
ほんと酷いわよ。急にいなくなるんだもの。いなくなった日はパンデモニウム中大騒ぎしててね、
ユキとかマイとかサラとかは大泣きしちゃって。まあ懐いてたからね。
でも夢子姉さんと神綺様は落ち着いてたなあ。
普段から落ち着いてる夢子姉さんはともかく、ああいう場合真っ先に取り乱しそうな
神綺様が落ち着いてたってことは、きっと何か事情を知ってたんじゃないかしら。
あの二人なら、詳しい事情を知ってるかもね。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ルイズ姉さんの言葉からするに、『長女』はパンデモニウム……私達の家から急に居なくなったらしい。
私と同じだと思っていたけれど、私の場合はまず神綺様に相談して、
その後みんなの前で幻想郷に行きたい理由と叶えたい夢について語らされるハメになった。
それでもみんなは反対で、夢子姉さんの説得でなんとか許してもらえたんだっけ。
……私も半分、突然いなくなったようなものか。だけど、事情はみんな知っていた。
しかし『長女』の場合、少なくとも4人は事情を知らなかったわけで。
いったい『長女』に何があったのか、『長女』は何故出ていったのか。疑問は深まるばかりだ。
「どうしたのかしらアリス。悩みが顔に出てるわよ。」
「へっ?」
しまった、今は本を返してパチュリーとお茶をしている最中であった。
考え込んでしまうと周りが見えなくなるのは、私の欠点である。
魔法使いとして、これは直していかないといけないなと思う。
「そんなに悩んでるように見えたかしら。」
「ええ、すっごく。なんなら相談に乗るけど?」
「う~ん……じゃあ、少し聞いてほしいんだけど……」
私はパチュリーに、『長女』の存在、そして今まで思い出した姉達の言葉を一つずつ伝えていった。
話しているうちに、私が今まで長女だと思っていた夢子姉さんの言葉も思い出したので、繋げてパチュリーに伝える。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『次女』夢子
「……姉さんが出ていった理由?どこまで話していいものか……
姉さんはね、悩んでいたのよ。自分の力が弱いことに。
実際に力は弱かったわ。まだ神綺様の力が不完全だった時に作られた存在だったから。
私達みたいに魔力は強くないし、身体能力も高くはなかった。背も私やルイズが抜いちゃったし。
……でもね、神綺様に愛されてた事実は変わらないわ。それに私達も、姉さんが『長女』であることを誇りに思ってた。
でも姉さんはそうじゃなかった。自分は姉である資格が無いと思って、そして……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――ガシャーン!!
私がパチュリーに対して記憶を頼りに説明をしている時であった。
背後から何かが割れた音がして振り向くと、そこには小悪魔が居た。
落ちていたのはお茶菓子とそれが入っていたお皿。割れた音の正体はその皿が床に落ちて割れた音であった。
その小悪魔の様子と言えば、顔面蒼白でガタガタ震え、一言で言うならばひどく動揺した様子である。
「こ、小悪魔?どうしたの。」
流石のパチュリーも心配そうに声をかける。
しかし小悪魔の様子は変わらず、その動揺した瞳は私だけを見つめていた。
……私を?何故。
小悪魔は割れたお皿も落ちた茶菓子もそのままに、その場を走り去ってしまう。
慌てて追いかけようとしたパチュリーの肩を、私は慌ててつかんだ。
「ちょっと、何よ!」
「パチュリー!聞きたいことがあるのよ!」
「どうして今!今はあの子を……」
「今じゃないとダメなのよ!!」
私を振り払って小悪魔を追いかけようとするパチュリーを、私は必死で引き止める。
あの子は、小悪魔は私とパチュリーの会話を聞いてあんなにうろたえた。
そしてあの時私が話していたことは、魔界のこと、神綺様のこと、そして『長女』のこと。
私だって信じられない。そんなことあるのかと思う。だからこそ確かめなければ。
もしも本当だとしたら……
「教えて、小悪魔は、どうやってあなたの元へと来たの?」
それはとても、素敵なことだと思うから。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――『母』神綺
「……魔界を出ていくって、本当?」
「……はい。こっそりと地上に行くための方法を模索していたんです。
そして、私を使い魔として契約してくれるという魔女の方が現れました。」
「どうしても、行くの?」
「もう契約をしてしまいました。変えることは出来ません。」
「……それがあなたの意思なら私は止めないわ。
でも、これだけは覚えてて頂戴。たとえあなたがそうでなくとも……」
「私達は、あなたのことを愛していたのよ、リトルちゃん。」
――『長女』リトル
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小悪魔はあっさりと見つかった。本棚の影に隠れていたのだ。
私はゆっくりと歩み寄り、小悪魔に声をかける。
「……見つけたわよ。」
「アリスさん……」
「小悪魔……いえ、姉さん。」
私は勇気を持って、彼女を『小悪魔』ではなく本来私が呼ぶべき呼び方で呼んだ。
小悪魔は魔界から召還されたこと、その時期がサラ姉さんの言っていた時期と一致すること、そして何より天然で弱くてドジ。
パチュリーの話と私の記憶をつなぎ合わせ、私は既に確信していた。
小悪魔は、神綺様の長女であり、私の姉である。間違い無い。
「びっくりしたわよ。まさか小悪魔が私の姉だったなんて。」
「私もですよ。そもそもアリスさんが神綺様の娘だってこと自体、初耳です。」
「感動の再会じゃない。どうしてあんなにうろたえたのよ。」
「びっくりしたのと……後ろめたかったからです。私は魔界を抜け出た身ですから。」
「あら、何も後ろめたいことは無いわ。私だってそうだもの。」
私はイタズラっぽく舌を出して笑ってみせた。
しかし小悪魔は、自嘲するかのように苦笑いをする。
「……同じじゃありませんよ。私はただ、逃げてきただけですから。」
「魔界が、嫌いだったの?」
「まさか。大好きでしたよ。だけど私は『失敗作』でしたから。
娘達も増えて、どんどん私を抜かしていって、もう私はいらないんじゃないかって。」
「それでこっちに来たってわけ。名前も変えちゃって。
……バカじゃないの。」
小悪魔の独白を聞いて思わず口からそんな言葉が漏れてしまった。
失敗作?もういらない?神綺様がそんなことを思うはずないじゃないか!
「失敗作だなんて、神綺様が言うわけないわ。」
「でも同じことでしょう!」
「違うわよ!たとえ力が弱くたって、あなたは愛されていたはずよ!」
口調が熱くなる、これでは売り言葉に買い言葉だ。
しかし止めることは出来ない。末っ子として、長女の考え違いを正さないといけないから。
「あなたがいなくなった後、パンデモニウム総がかりであなたを探した!
サラ姉さん達は泣きやまなかった!失敗作にそこまでするわけないじゃない!」
「でも、私は力が弱くて……」
「じゃあなんで、神綺様が力を弱いあなたを創ったと思う?」
「それは、まだ神綺様の力が安定してなくて……」
「私達の母さんを、なめるんじゃないわよ。不本意でそんなことをするはずがない。
あなたが弱いのには、理由があるの。そして今の私にはそれがわかる。」
どうして今の私ならその理由がわかるのか。
それは、私もまた神綺様と同じ道を歩んでいるからだ。
小悪魔の力が弱い理由、神綺様がそう小悪魔を創った理由、それは……
「寂しかったから、よ。」
私が幻想郷に来て始めて感じた感情、それは「寂しさ」だった。
1人でもやっていけると思っていた、寂しさなんて感じないと自惚れていた。
それでもどうしようもなく寂しくなって、家族が恋しくなって。
そんな私が最初にしたことは、人形を作ることだった。
魔力も無い、弾幕も出せない、特殊な機能もない、ただの人形。家族の姿をした人形。
だけどその人形は私の孤独を少し安らげてくれた。それらは今も、宝物として私の部屋に飾ってある。
神綺様は魔界の創造主だ。魔界を作った時、神綺様は独りだった。
どうしようもなく寂しかったはずだ。だから、小悪魔を創った。
寂しさを安らげるために、強さとか魔力とかそんなものはいらないのだ。
欲しかったのはただ娘という存在、たったそれだけの安らぎ。
「失敗作なんてとんでもない。あなたは私達姉妹の中でも一番の大仕事をしたのよ。
神綺様の寂しさを安らげるっていう大仕事をね。」
「私が……」
「だから誇っていいのよ。それに私はちょっと姉さんが妬ましいわ。
だってそうでしょ?」
私は末っ子として、いつも思っていた不満を長女にぶつけてやる。
「神綺様の愛情を独り占めできたのって、あなただけなんだから。」
その言葉を聞いた『長女』は、再び泣き出してしまった。やっぱり小悪魔と神綺様は似ていると思う。
だってこんなにも「しょうがないなあ」という気持ちにさせるのは、小悪魔の他には神綺様しかいないのだから。
数分後、ようやく小悪魔は落ち着きを取り戻した。
「……ごめんなさい、いろいろ取り乱しちゃって。
ありがとうございます、アリスさん。」
「……思うんだけどさ、長女が末っ子に対してその口調はどうなのよ。
普通に呼び捨てでいいし敬語もいらないわよ。」
「ごめんなさい。この口調はクセなんです、魔界に居た頃から。」
「じゃあ昔から妹に対しても敬語だったの?そりゃあ威厳ないって言われるわよ。
……せめて「さん」を取ってよ。それぐらいは出来るでしょ?」
「……わかりました、アリス。えへへ、なんかむずがゆいですね。」
「私もこれからは小悪魔じゃなくて姉さんって呼ぶから。本名は?」
「リトルです。あ、でも他の人には……」
「じゃあリトル姉さんね。わかってるわよ、他の人には小悪魔で通したいんでしょ?
ちゃんと二人きりの時しか本名は言わないから。」
そういうところはしっかりと出来る女なのだ、私は。
でも姉さんが元気になったようで良かった。
始めはびっくりしたけれど、こんな姉さんならば私は大歓迎だ。
それに何度も繰り返すが本当に神綺様に似ている。ほっとけないところが特に。
「じゃあ今度一緒に里帰りね。」
「え!?ちょ、ちょっといきなりすぎじゃ……」
「大丈夫よ私も一緒に居るから。無理やり引き止められたら私が引き戻してあげる。」
「アリス頼もしい!お願いしますよホントに!」
この幻想郷での生活も、新たな『姉』を得て更に楽しくなりそうである。
了
あとパチュリーは自重wwww
ちょwパチュリーさんwwww
後書きのパッチュさんで盛大に吹く。
一粒で二度美味しい良作でした。
お願いだからパチュリーさんは自重してくださいwwwwww
これは里帰り編も期待していいのかな?
それより、アリこぁ!アリこぁ!
新たなジャスティスの破片を見た希ガス!
いいお話でしたwwww
魔界ですからねぇ……こういうのもありですね!
でもアリスのほうがやっぱりなんだかんだで姉っぽいっs
ちょwwwぱっちぇさん自重www
アリスの心情や回想での長女についての話とか、後書きのパチュリーも面白かったです。
途中までパチュリー様が長女だと思ってた
それにしてもこのぱっちぇさんはノリノリである。
ぱちぇこぁいいよねぱちぇこぁ。ぱっちぇさんにたくさん義妹ができたよ!
創られた
つくられた
美鈴が出て来た(紅魔館に向かっている)時点で話の流れが分かってしまいました
既に、こういう話は結構あるんですよね・・・
あ、後書き部分は予想外且つ面白かったですw
まあ文句みたいな事も書いてしまいましたが、よかったです
でも許せるッ!
発想の勝利ですな。
あれ? なんという二律背反……?!
いいなぁ、凄く良い設定だw
あとがきのぱっちぇさん自重してくださいwwww
パチュリーwww手ぇ出すなよwww
ぱちゅりーwwwwwww
それはさておき、まずは餅つけパチェwwwwww
パチェさんが全部もっていってしまった…