「……なぁ、霊夢。さっきからボケーっとしてるみたいだが、どうかしたのか?」
季節は秋。夏の大宴会も終わり、博麗神社に再び暇が戻りつつある頃。
いつものように霧雨 魔理沙は神社に遊びに来ていた。
「ん?ああ。ちょっと思い出してたのよ。昔の事とか、ね……」
お茶を啜りながら霊夢が答える。秋になってからはいつもこんな感じで
景色を楽しみながら、のほほんとしていることが多い。
「昔、かぁー……そう言われると、親と大喧嘩した事を思い出すぜー」
ケラケラと笑いながら魔理沙が言う。今だからこそ一人で魔法店を経営してはいるが、
昔は両親の元で普通の少女として暮らしていたのだ。
「そういえば魔理沙。私達が初めて出会ったのっていつだったかしら?」
「ん。何だなんだー?藪から棒に」
突然そんなことを言い出した霊夢の方を振り向いて魔理沙が笑う。
「いや、何となく聞いたんだけれどね」
「そうだなー。確かあれは――――――――」
魔理沙が懐かしむように言った。
話は、かなり昔に遡る……
◆ ◆ ◆
博麗神社。
とても2度倒壊したとは思えない造りをした神社に、霊夢は幼い頃から住んでいた。
人間の身でありながら、人一倍強かった為に多大な苦労もさほどしてはいない。
十三代目博麗の巫女として選ばれた彼女はこの頃から修行を重ねていた。
「…………」
霊夢には、物心ついた時から「家族」と呼べる存在がいなかった。孤児なのかどうかは
誰にもわからないし、明らかになってもいない。
そもそも言及する人物がいないからだ。彼女自身も家族がいないことに慣れてしまっていた。
既に霊夢はこの頃から、まだ10歳を過ぎたばかりの少女とは思えない気丈さを備えていたのだ。
面倒を見てくれていた森近 霖之助という人物がいたせいもあるのかもしれないが。
「修行も楽じゃないのねー…」
ふぅ。と、一息ついて祈る姿勢から直る。巫女として十分な力をつけるにはまず、
神様の力を借りる修行から始めなければならないのだが、未だにそれは出来ず終いである。
紅白の巫女服が風に吹かれて揺れる。現在の季節は秋。
そろそろ山などに採集をしに行かなければならない時期だった。
今も昔もかわらず、生活の7、8割は賽銭によるため、こうしてたまに山菜や木の実などを
集めに出向かないとさすがに厳しいのである。
この頃の彼女は、現在みたいに腹持ちが異常なわけではない。
「さ、行ってこようかな」
弾みをつけて階段から飛び降りると、本堂に鍵をかけた。
とりあえず、まずは香霖堂へ行こう。採集のための道具を借りなければならない。
小さな巫女がその場から去ると、神社には再び静寂が訪れた……
香霖堂。
雑貨屋という名目を持ちながらもやたらと「非売品」が多いのが特徴的な店だが、
たまに結構良い物が店頭に並んでいることもある。
ひと呼んで「きまぐれな雑貨屋」だ。
「霖之助さーん!」
玄関口から店主を呼ぶ霊夢の声がする。
しばらくすると、店の奥から一人の男性が姿を現した。
森近 霖之助。
短めの灰色の髪に琥珀色の瞳を持ち、蒼を基調とした着物を纏った人物。
人が良いのかどこか抜けているのかよくわからない雰囲気は、この頃も変わりない。
「おや、霊夢じゃないか。いらっしゃい」
さすがに背の違いがあるため、少し屈んで話しかける。
コクンと頷いた彼女は、
「山に採集に行くから、道具……貸してもらえるかな」
と、一言。今ではもっとつっけんどんな言い方をするのだろうが、それが年月だろう。
「分かった。ちょっと待っててもらえるかい?」
そう言うと、彼は一旦店の奥へと引っ込んだ。
しばらくして戻ってくると、篭や鎌など、採集用の道具一式を抱えていた。
さすがに大人用ではなく子供用なのだが。
「むぅ~……霖之助さん。私はもう子供じゃないって!」
口を尖らせて反論する霊夢を見て、霖之助は「やれやれ」と肩を竦める。
「あと3年。……いや4年くらい経てばやっと大人だろうね。そもそも、
大人用の大きな篭じゃあ背負うことができないだろう?」
言い返そうと思ったが、事実なのでそのまま口を噤む。
「……まぁ、いっか。じゃあ、明日返しにくるね」
「はいはい。それじゃ、気をつけるんだよ」
霊夢は道具を背負うと、そのまま香霖堂を後にした。
◆ ◆ ◆
人間の里近辺の森。
博麗神社の近くはそうでもないが、この辺りは既に紅葉が目立ちつつある。
神社の森でも採集はできるにはできるが、この時期は人間の里に
豊穣の神である秋 穣子が呼ばれる為、付近の山や森にも収穫できる物が増えるのだ。
「~~♪」
呑気に鼻歌を歌いながら、栗や茸を見つけては篭に入れていく。
たまに他の人影も見かけたりするのだが、今はさすがに田畑の収穫作業に
追われているのだろう。遠くからも微かに里の人間の声が聞こえてくる。
「神様にも、いろいろあるのねぇ~……」
そんなことを言いつつもポイポイと篭に放り入れる。
そうこうしているうちに、前方に何かの気配が現れた。
「ん?」
気づいた霊夢は顔を上げる。
目の前に立っていたのは、一人の少女――――――ではなく、
紅葉の神、秋 静葉。
紅葉色の髪に同色の服を纏った人物。背丈は霊夢より若干高い。
「あなたは……秋 静葉?」
霊夢の問いに一度頷く。彼女は穣子の姉であり、紅葉を司る能力を持つ神様だ。
「穣子がちゃんとやっているかどうか、様子を見にきたんですよ」
「ふぅん……この辺りがもうすっかり秋になったのは、あなた達が
活動し始めたからだったのね」
「そういうことです。もっとも私は、まだまだ色んな場所を廻らないと」
妹の穣子はまだいいが、静葉の場合は訪れた場所に「秋が訪れる」為、
幻想郷中を隅々まで廻らないといけないのだ。
「そういえば、最近は貴方以外にもよく訪れる人を見かけますね」
「私以外?」
「はい。確か……白黒の服を着て金色の長い髪をした女の子だったかと」
簡単に特徴を伝えられるが、とくに思い浮かぶ人物はない。
「誰だろう……。まぁ私にちょっかい出さなければそれでいいけど」
あっさり返した霊夢に、静葉はやや苦笑。
「では、私は残りの仕事をしてきますね。それでは」
一礼すると、彼女は幻想郷の空へと消えて行った。
「さて、と……まだまだ採らないと」
人気のなくなった森の中で、篭がいっぱいになるまで、霊夢は
その後も採集を続けていた……
◆ ◆ ◆
博麗神社。
「よいしょっ……と!」
木の実、栗、茸などが大量に入った篭を下ろす。
よくもまぁこんな量を背負って持ち帰れたものだ……。
後の彼女が毎日食い繋ぐのがやっとになっているのが不思議な気もするが、
恐らくは採集に出向くのが面倒になっただけだろう。
縁側に座り、採った物の種類を分けていく。
「そういえば……さっき言ってた"他によく訪れる人"って誰だろう?」
意外に気にしていたようだ。霊夢としては、別に邪魔になりさえしなければ
隣で栗を拾っていても気にはしないのだろうが。
それが誰なのかは気になるらしい。
白黒の服に、長い金髪。
静葉から聞いた特徴はそれだけだが、山や森の中でそんな格好ならば
すぐに見分けがつくだろう。
「でも、いつ来るのかがわからないのよねー……」
霊夢としても、毎日山や森に行っているわけではないし、向こうが
いつ来たかなんてわかるはずもない。
採集物を分けながらあれこれと考えていると――――――。
「あれ?何だろう、あの光」
神社のある高台からでも見える少し遠くの森の中。
そこに生える木々の間から赤や橙の光……いや、炎にも似たものが見えた。
少し遅れて「ドーン」という小さな爆発音のような音も聞こえる。
「森の中であんなことして……火事にでもなったらどうするのよ……!」
ブツクサと言いながらも、手を止めて立ち上がった。
ひとまずは、分けた物を抱えて倉庫へと持っていく。
目指すはあの爆発の中心地。
"シュタッ!"
勢いをつけて飛び上がると、そのままフヨフヨとした飛び方で
眼前に見える森へと向かって行った。
神社近郊の森。
「さっきの爆発みたいなのはどこかしら……」
森に降り立って、霊夢は爆発音の発信地を探すために歩き回る。
右を見る。左を見る。
怪しい人影は見当たらないのだが、突然彼女は何かを見つけた。
「煙……かな?」
木々と紅葉の間を縫った先に少しだけ見える。
薄い一筋の煙が上がっていた。見たところ、山火事の類ではなさそうだが……。
ガサガサと積もる葉っぱを踏み分けて進んで行くと――――――。
「あ……」
木々の林を抜けた先で、霊夢は煙ともう一つ「何か」を見つけた。
いや、何かではない……人間だ。
白黒を基調とした、見た感じでは"魔女"を連想させる服を纏った一人の少女。
大きなリボンがついた帽子を被っており、その髪は……長い金髪。
もしやこの人物が――――――。
「ん?」
霊夢の気配に気づいたのか、少女が顔を上げる。
どうやら枯葉を集めて焚き火をしていたようだ。
「あれ?お前は誰だ?」
とりあえずは第一声。やや甲高い、少年のような少女の声。
濃い黄色の瞳が霊夢に向けられる。突然話しかけられて動揺していたが、
「わ、私は博麗の巫女よ!名前は霊夢。森から煙が登っていたから、
様子を見にきたんだけど……」
と答えた。それを聞いた少女はケラケラと笑う。
「ああー悪い悪い……。ちょっと火を焚きすぎちゃったぜ」
どこか男勝りな口調で喋りながら、煙を減らすために枯葉を更に被せた。
そして改めて霊夢の方を見ると、
「お前が博麗の巫女かー……。話には聞いてたけど、なんだか
頼りなさそうな雰囲気だなぁ」
と、極めてストレートな感想。もちろん霊夢は口を尖らせて反論。
「なっ…!私はまだ大人じゃないって言われたから仕方ないじゃない!」
それでも少女は悪びれる様子もなく、再び笑う。
「まぁまぁ、そう怒るなって。……おっと、そういえばまだ名乗ってなかったな」
座っていた体を起こすと、霊夢に向き直った。
「私の名前は魔理沙。霧雨 魔理沙っていうんだ。聞いて驚くなよー、
私は魔法使いなんだぜ!」
"魔法使い"という言葉があまり聞き慣れないのか、霊夢は如何ともし難い顔をする。
魔理沙と名乗った少女は誇らしげに上を向いていた。
「魔法使い、ね……。じゃあ、さっきの爆発みたいな音は?」
一応、彼女に尋ねてみる。すると魔理沙は何やら取り出してみせた。
黒色をした何かの塊である。
「?それって何――――――」
霊夢が言い終わるより前に、彼女はそれを焚き火目掛けて投げつけた。
「ドォーン!!」
とんでもない音と共に黒い塊は焚き火の中で爆発し、同時に炎が舞う。
驚いて飛びのいた霊夢をよそに、魔理沙は得意気な顔で言った。
「絵本の魔法使いみたいに、呪文一つで出来ると思ったら大間違いだぜ」
言い換えると、"魔法にも色々ある"みたいな事を言いたいのだろうか。
「…………」
なんと反応したらいいのか分からないので、とりあえず黙る。
ちなみに、焚き火の中にあったのは焼芋だったらしい。
「私は親に"危ない"って言われてるから、まだ箒で飛び回ったりできないんだ」
その後、霊夢と魔理沙は焚き火を囲んで色々と話をしていた。
なんでも、彼女の家は里にある大手道具屋「霧雨店」らしい。幻想郷の東端にある
博麗神社までは空を飛ばずに歩いていくのはさすがに無理がある。
それで、今までお互いの存在を知らなかったのだろう。
二人共、まだ10歳を過ぎたばかりで年端もいかない少女だ。
「やっぱり、箒で飛べるんだ……」
しかし、身一つで飛べる霊夢のほうが世間的に見れば羨ましいのだが、
本に出てくる魔法使いのように箒で空を飛ぶことにも憧れるものがあるのだろう。
「でも、そんなに楽なもんじゃないぜ?落ちたら大変だし」
やや苦笑して魔理沙が返す。
霊夢は焼芋を二つに割りつつ「ふ~ん……」と相槌を打っている。
「まぁ、よかったらでいいからさ。私の店にも、足運んでみてくれよ。な?」
普段は大概、香霖堂にしか行ってないから里にまで足を伸ばすことはあまりない。
「考えとくわ。とりあえず、焼芋ありがとうね――――魔理沙」
「おう!じゃあまたなー霊夢」
初めてお互いの名前を呼んだ二人は、お互いに笑いあった。
魔理沙は、そのまま踵を返すと元来た道を走っていく。
「霧雨 魔理沙、か……何だか、気が合いそうね」
彼女が去った後に一人呟く。
他人に対してはいつもシビアな霊夢にしては珍しい反応だった。
◆ ◆ ◆
それから数日。
霊夢は何度か人里に出向き、「霧雨店」にも顔を出したようだ。
さすがは大手道具屋というだけある。品揃えも段違いで、「非売品」もなかった。
だがしかし、霖之助には何かと恩があるため、これからも香霖堂に通うことだろう。
「あれだけ大きな道具屋を継ぐなんて……魔理沙も大変なのねー……」
彼女が"魔法使い"だと豪語していても、やはり魔理沙は道具屋に生まれた
一人の少女なのだ。
ただ、霊夢にも"博麗の巫女"という重要な役割があるのだが。
「秋ねー……」
いつものように縁側に座っていつものようにお茶を飲む。
眼前に見える景色は、全てが紅葉と化していた。
既に静葉は幻想郷中を廻り終えたのだろう。今頃は山で休んでいるはずだ。
(巫女とはいっても、結界を守るくらいしか仕事がないのよねぇー)
そう言われると実際そうなのだが、他に何かないのだろうか。
後の彼女は色々と厄介事に首を突っ込んだり(ただし、嫌々とではあるが)
しているのだが、年端もいかない今の彼女にとっては難しいのだろう。
「さて、と。今日も里に行ってみようかしら」
のろのろと立ち上がると、しっかりと本堂の鍵を閉める。
そして飛び上がると、里へ向けて飛んで行った……
人間の里。
里の中で空を飛んでいるとさすがに人目に付く為、歩いて霧雨店を目指す。
周りは林や森に囲まれており、長閑な場所だ。
しかし――――――――。
「ん……?」
里に入ろうかという所で、霊夢の表情が変わった。
その視線は、周りを囲む林へと移る。
「悲鳴……?」
霊夢がそう呟いた。今、何か聞こえなかっただろうか?
気になった彼女は林の方向へと走る。
続けて、聞き慣れた音が聞こえてきた。
「ドォーン!……」
「……魔理沙っ!?」
これは、林の中で魔理沙が例の爆弾(?)を使っている音。
霊夢の足は更に早まり、林の中へとすぐさま飛び込んだ。
そこには。
「チッ!私のキノコ爆弾が効かないぜ!」
見た目5歳前後の男の子に襲いかかっている、一つ目の大男の姿をした妖怪。
そして、それに向かって黒色の塊を投げている魔理沙の姿。
だが力の差は歴然で、妖怪は片手でそれらを弾き飛ばしている。
「魔理沙っ!!」
「霊夢!?なんでお前がここに……って、危ないから近づくんじゃない!!」
だが霊夢は首を振る。ここで逃げたら巫女の名が廃るというものだ。
魔理沙はまだ魔法の一つも使えない為、攻撃の術をほとんど持たない。
しかし霊夢には博麗の巫女としての力がある程度備わっている。
「―――――私が相手よ!」
彼女の大声に、妖怪がこちらを振り向いた。
そのまま巨大な両腕を振り下ろしてくる。この妖怪は、博麗の巫女には危害を
加えてはならないという掟を知らないのか。
すぐさま飛び上がってそれをかわすと、懐から何枚ものお札を取り出した。
この年齢でそれだけ機敏な動きができるだけでも驚きである。
「はっ!てやぁっ!!」
それらを妖怪目掛けて一直線に投げつける。お札自体に特殊な能力があるのか、
全て目標に突き刺さり、光を放つ。
妖怪が大きく怯んだ。あとは――――――――――。
「魔理沙!投げてっ!!」
「お…おうっ!!」
霊夢の戦いぶりに目を奪われていたが、即座に我に帰ると、
さっきの「キノコ爆弾」を3つ取り出し、
「……っ!大人しくしやがれぇーーっ!!」
一気に投げ放つ。そして。
「ドッカァァァァン!!!!」
それらは、子供が持ち歩くにはあるまじき爆発を引き起こし、
大男の妖怪を文字通り、吹き飛ばした。
あとには、立ち上る煙と火の粉しか残っていない。
どうやら……男の子は無事のようだった。
「とりあえずは、一件落着ね……。結構やるじゃない?魔理沙」
霊夢が魔理沙の方を向いて笑う。
「当然だぜ!私を誰だと思ってるんだ?」
魔理沙は誇らしげに上を向いて言った。その姿を見て彼女は肩を竦める。
だが、すぐに顔を戻すとこう付け加えた。
「でも……意外と悪くないコンビじゃないか?私達」
ここ数日、魔理沙を見ていたが、正直なところあまり素直な性格ではなかった。
が、今目の前にいる彼女はどうだ。
思ってもない反応に霊夢は一瞬驚いたが、
「……そう、ね!意外と相性いいのかもしれないわね」
同じように笑って答えた。
「さ、少年!家に帰るぜ」
魔理沙は、丸まって震えていた男の子に声をかけると背負ってやる。
意外に優しい一面もあるのだなと、霊夢は改めて思っていた。
「昼から大騒動ねー」
「それを気にしちゃ駄目だって」
互いに笑いあいながら、霊夢と魔理沙は里へと歩いて行った……
◆ ◆ ◆
博麗神社。
「……なんてことがあったのも、随分昔だったよなぁー」
長いこと語っていた魔理沙が「やれやれ」と伸びをする。
霊夢は相変わらずお茶を飲んでいた。
「まぁ、出会ったきっかけはともかく。いいんじゃない?
私達は今のままで」
「そういうことだぜ。……さて、久々に森でも行くか?」
「やっぱりそうなるのね……。わかったわよ」
昔話を語り終えた二人が立ち上がる。
霊夢は篭を手に。魔理沙は箒を手に。
「さぁ行くぜー!」
「ちょ、少しは私に合わせなさいよー!」
楽園の素敵な巫女と、普通の魔法使い。
二人はは今日も、幻想郷の青い空へと飛び立って行く。
そんな彼女達を見守る存在が、この幻想郷の紅葉の中には今もあった。
いくらなんでも、"彼女ら"が二人を出会わせてくれたとはまでは言わない。
しかし、これだけは確実に言える。
二人は今、紛れもなく「親友」なのだから………
Fin.....
季節は秋。夏の大宴会も終わり、博麗神社に再び暇が戻りつつある頃。
いつものように霧雨 魔理沙は神社に遊びに来ていた。
「ん?ああ。ちょっと思い出してたのよ。昔の事とか、ね……」
お茶を啜りながら霊夢が答える。秋になってからはいつもこんな感じで
景色を楽しみながら、のほほんとしていることが多い。
「昔、かぁー……そう言われると、親と大喧嘩した事を思い出すぜー」
ケラケラと笑いながら魔理沙が言う。今だからこそ一人で魔法店を経営してはいるが、
昔は両親の元で普通の少女として暮らしていたのだ。
「そういえば魔理沙。私達が初めて出会ったのっていつだったかしら?」
「ん。何だなんだー?藪から棒に」
突然そんなことを言い出した霊夢の方を振り向いて魔理沙が笑う。
「いや、何となく聞いたんだけれどね」
「そうだなー。確かあれは――――――――」
魔理沙が懐かしむように言った。
話は、かなり昔に遡る……
◆ ◆ ◆
博麗神社。
とても2度倒壊したとは思えない造りをした神社に、霊夢は幼い頃から住んでいた。
人間の身でありながら、人一倍強かった為に多大な苦労もさほどしてはいない。
十三代目博麗の巫女として選ばれた彼女はこの頃から修行を重ねていた。
「…………」
霊夢には、物心ついた時から「家族」と呼べる存在がいなかった。孤児なのかどうかは
誰にもわからないし、明らかになってもいない。
そもそも言及する人物がいないからだ。彼女自身も家族がいないことに慣れてしまっていた。
既に霊夢はこの頃から、まだ10歳を過ぎたばかりの少女とは思えない気丈さを備えていたのだ。
面倒を見てくれていた森近 霖之助という人物がいたせいもあるのかもしれないが。
「修行も楽じゃないのねー…」
ふぅ。と、一息ついて祈る姿勢から直る。巫女として十分な力をつけるにはまず、
神様の力を借りる修行から始めなければならないのだが、未だにそれは出来ず終いである。
紅白の巫女服が風に吹かれて揺れる。現在の季節は秋。
そろそろ山などに採集をしに行かなければならない時期だった。
今も昔もかわらず、生活の7、8割は賽銭によるため、こうしてたまに山菜や木の実などを
集めに出向かないとさすがに厳しいのである。
この頃の彼女は、現在みたいに腹持ちが異常なわけではない。
「さ、行ってこようかな」
弾みをつけて階段から飛び降りると、本堂に鍵をかけた。
とりあえず、まずは香霖堂へ行こう。採集のための道具を借りなければならない。
小さな巫女がその場から去ると、神社には再び静寂が訪れた……
香霖堂。
雑貨屋という名目を持ちながらもやたらと「非売品」が多いのが特徴的な店だが、
たまに結構良い物が店頭に並んでいることもある。
ひと呼んで「きまぐれな雑貨屋」だ。
「霖之助さーん!」
玄関口から店主を呼ぶ霊夢の声がする。
しばらくすると、店の奥から一人の男性が姿を現した。
森近 霖之助。
短めの灰色の髪に琥珀色の瞳を持ち、蒼を基調とした着物を纏った人物。
人が良いのかどこか抜けているのかよくわからない雰囲気は、この頃も変わりない。
「おや、霊夢じゃないか。いらっしゃい」
さすがに背の違いがあるため、少し屈んで話しかける。
コクンと頷いた彼女は、
「山に採集に行くから、道具……貸してもらえるかな」
と、一言。今ではもっとつっけんどんな言い方をするのだろうが、それが年月だろう。
「分かった。ちょっと待っててもらえるかい?」
そう言うと、彼は一旦店の奥へと引っ込んだ。
しばらくして戻ってくると、篭や鎌など、採集用の道具一式を抱えていた。
さすがに大人用ではなく子供用なのだが。
「むぅ~……霖之助さん。私はもう子供じゃないって!」
口を尖らせて反論する霊夢を見て、霖之助は「やれやれ」と肩を竦める。
「あと3年。……いや4年くらい経てばやっと大人だろうね。そもそも、
大人用の大きな篭じゃあ背負うことができないだろう?」
言い返そうと思ったが、事実なのでそのまま口を噤む。
「……まぁ、いっか。じゃあ、明日返しにくるね」
「はいはい。それじゃ、気をつけるんだよ」
霊夢は道具を背負うと、そのまま香霖堂を後にした。
◆ ◆ ◆
人間の里近辺の森。
博麗神社の近くはそうでもないが、この辺りは既に紅葉が目立ちつつある。
神社の森でも採集はできるにはできるが、この時期は人間の里に
豊穣の神である秋 穣子が呼ばれる為、付近の山や森にも収穫できる物が増えるのだ。
「~~♪」
呑気に鼻歌を歌いながら、栗や茸を見つけては篭に入れていく。
たまに他の人影も見かけたりするのだが、今はさすがに田畑の収穫作業に
追われているのだろう。遠くからも微かに里の人間の声が聞こえてくる。
「神様にも、いろいろあるのねぇ~……」
そんなことを言いつつもポイポイと篭に放り入れる。
そうこうしているうちに、前方に何かの気配が現れた。
「ん?」
気づいた霊夢は顔を上げる。
目の前に立っていたのは、一人の少女――――――ではなく、
紅葉の神、秋 静葉。
紅葉色の髪に同色の服を纏った人物。背丈は霊夢より若干高い。
「あなたは……秋 静葉?」
霊夢の問いに一度頷く。彼女は穣子の姉であり、紅葉を司る能力を持つ神様だ。
「穣子がちゃんとやっているかどうか、様子を見にきたんですよ」
「ふぅん……この辺りがもうすっかり秋になったのは、あなた達が
活動し始めたからだったのね」
「そういうことです。もっとも私は、まだまだ色んな場所を廻らないと」
妹の穣子はまだいいが、静葉の場合は訪れた場所に「秋が訪れる」為、
幻想郷中を隅々まで廻らないといけないのだ。
「そういえば、最近は貴方以外にもよく訪れる人を見かけますね」
「私以外?」
「はい。確か……白黒の服を着て金色の長い髪をした女の子だったかと」
簡単に特徴を伝えられるが、とくに思い浮かぶ人物はない。
「誰だろう……。まぁ私にちょっかい出さなければそれでいいけど」
あっさり返した霊夢に、静葉はやや苦笑。
「では、私は残りの仕事をしてきますね。それでは」
一礼すると、彼女は幻想郷の空へと消えて行った。
「さて、と……まだまだ採らないと」
人気のなくなった森の中で、篭がいっぱいになるまで、霊夢は
その後も採集を続けていた……
◆ ◆ ◆
博麗神社。
「よいしょっ……と!」
木の実、栗、茸などが大量に入った篭を下ろす。
よくもまぁこんな量を背負って持ち帰れたものだ……。
後の彼女が毎日食い繋ぐのがやっとになっているのが不思議な気もするが、
恐らくは採集に出向くのが面倒になっただけだろう。
縁側に座り、採った物の種類を分けていく。
「そういえば……さっき言ってた"他によく訪れる人"って誰だろう?」
意外に気にしていたようだ。霊夢としては、別に邪魔になりさえしなければ
隣で栗を拾っていても気にはしないのだろうが。
それが誰なのかは気になるらしい。
白黒の服に、長い金髪。
静葉から聞いた特徴はそれだけだが、山や森の中でそんな格好ならば
すぐに見分けがつくだろう。
「でも、いつ来るのかがわからないのよねー……」
霊夢としても、毎日山や森に行っているわけではないし、向こうが
いつ来たかなんてわかるはずもない。
採集物を分けながらあれこれと考えていると――――――。
「あれ?何だろう、あの光」
神社のある高台からでも見える少し遠くの森の中。
そこに生える木々の間から赤や橙の光……いや、炎にも似たものが見えた。
少し遅れて「ドーン」という小さな爆発音のような音も聞こえる。
「森の中であんなことして……火事にでもなったらどうするのよ……!」
ブツクサと言いながらも、手を止めて立ち上がった。
ひとまずは、分けた物を抱えて倉庫へと持っていく。
目指すはあの爆発の中心地。
"シュタッ!"
勢いをつけて飛び上がると、そのままフヨフヨとした飛び方で
眼前に見える森へと向かって行った。
神社近郊の森。
「さっきの爆発みたいなのはどこかしら……」
森に降り立って、霊夢は爆発音の発信地を探すために歩き回る。
右を見る。左を見る。
怪しい人影は見当たらないのだが、突然彼女は何かを見つけた。
「煙……かな?」
木々と紅葉の間を縫った先に少しだけ見える。
薄い一筋の煙が上がっていた。見たところ、山火事の類ではなさそうだが……。
ガサガサと積もる葉っぱを踏み分けて進んで行くと――――――。
「あ……」
木々の林を抜けた先で、霊夢は煙ともう一つ「何か」を見つけた。
いや、何かではない……人間だ。
白黒を基調とした、見た感じでは"魔女"を連想させる服を纏った一人の少女。
大きなリボンがついた帽子を被っており、その髪は……長い金髪。
もしやこの人物が――――――。
「ん?」
霊夢の気配に気づいたのか、少女が顔を上げる。
どうやら枯葉を集めて焚き火をしていたようだ。
「あれ?お前は誰だ?」
とりあえずは第一声。やや甲高い、少年のような少女の声。
濃い黄色の瞳が霊夢に向けられる。突然話しかけられて動揺していたが、
「わ、私は博麗の巫女よ!名前は霊夢。森から煙が登っていたから、
様子を見にきたんだけど……」
と答えた。それを聞いた少女はケラケラと笑う。
「ああー悪い悪い……。ちょっと火を焚きすぎちゃったぜ」
どこか男勝りな口調で喋りながら、煙を減らすために枯葉を更に被せた。
そして改めて霊夢の方を見ると、
「お前が博麗の巫女かー……。話には聞いてたけど、なんだか
頼りなさそうな雰囲気だなぁ」
と、極めてストレートな感想。もちろん霊夢は口を尖らせて反論。
「なっ…!私はまだ大人じゃないって言われたから仕方ないじゃない!」
それでも少女は悪びれる様子もなく、再び笑う。
「まぁまぁ、そう怒るなって。……おっと、そういえばまだ名乗ってなかったな」
座っていた体を起こすと、霊夢に向き直った。
「私の名前は魔理沙。霧雨 魔理沙っていうんだ。聞いて驚くなよー、
私は魔法使いなんだぜ!」
"魔法使い"という言葉があまり聞き慣れないのか、霊夢は如何ともし難い顔をする。
魔理沙と名乗った少女は誇らしげに上を向いていた。
「魔法使い、ね……。じゃあ、さっきの爆発みたいな音は?」
一応、彼女に尋ねてみる。すると魔理沙は何やら取り出してみせた。
黒色をした何かの塊である。
「?それって何――――――」
霊夢が言い終わるより前に、彼女はそれを焚き火目掛けて投げつけた。
「ドォーン!!」
とんでもない音と共に黒い塊は焚き火の中で爆発し、同時に炎が舞う。
驚いて飛びのいた霊夢をよそに、魔理沙は得意気な顔で言った。
「絵本の魔法使いみたいに、呪文一つで出来ると思ったら大間違いだぜ」
言い換えると、"魔法にも色々ある"みたいな事を言いたいのだろうか。
「…………」
なんと反応したらいいのか分からないので、とりあえず黙る。
ちなみに、焚き火の中にあったのは焼芋だったらしい。
「私は親に"危ない"って言われてるから、まだ箒で飛び回ったりできないんだ」
その後、霊夢と魔理沙は焚き火を囲んで色々と話をしていた。
なんでも、彼女の家は里にある大手道具屋「霧雨店」らしい。幻想郷の東端にある
博麗神社までは空を飛ばずに歩いていくのはさすがに無理がある。
それで、今までお互いの存在を知らなかったのだろう。
二人共、まだ10歳を過ぎたばかりで年端もいかない少女だ。
「やっぱり、箒で飛べるんだ……」
しかし、身一つで飛べる霊夢のほうが世間的に見れば羨ましいのだが、
本に出てくる魔法使いのように箒で空を飛ぶことにも憧れるものがあるのだろう。
「でも、そんなに楽なもんじゃないぜ?落ちたら大変だし」
やや苦笑して魔理沙が返す。
霊夢は焼芋を二つに割りつつ「ふ~ん……」と相槌を打っている。
「まぁ、よかったらでいいからさ。私の店にも、足運んでみてくれよ。な?」
普段は大概、香霖堂にしか行ってないから里にまで足を伸ばすことはあまりない。
「考えとくわ。とりあえず、焼芋ありがとうね――――魔理沙」
「おう!じゃあまたなー霊夢」
初めてお互いの名前を呼んだ二人は、お互いに笑いあった。
魔理沙は、そのまま踵を返すと元来た道を走っていく。
「霧雨 魔理沙、か……何だか、気が合いそうね」
彼女が去った後に一人呟く。
他人に対してはいつもシビアな霊夢にしては珍しい反応だった。
◆ ◆ ◆
それから数日。
霊夢は何度か人里に出向き、「霧雨店」にも顔を出したようだ。
さすがは大手道具屋というだけある。品揃えも段違いで、「非売品」もなかった。
だがしかし、霖之助には何かと恩があるため、これからも香霖堂に通うことだろう。
「あれだけ大きな道具屋を継ぐなんて……魔理沙も大変なのねー……」
彼女が"魔法使い"だと豪語していても、やはり魔理沙は道具屋に生まれた
一人の少女なのだ。
ただ、霊夢にも"博麗の巫女"という重要な役割があるのだが。
「秋ねー……」
いつものように縁側に座っていつものようにお茶を飲む。
眼前に見える景色は、全てが紅葉と化していた。
既に静葉は幻想郷中を廻り終えたのだろう。今頃は山で休んでいるはずだ。
(巫女とはいっても、結界を守るくらいしか仕事がないのよねぇー)
そう言われると実際そうなのだが、他に何かないのだろうか。
後の彼女は色々と厄介事に首を突っ込んだり(ただし、嫌々とではあるが)
しているのだが、年端もいかない今の彼女にとっては難しいのだろう。
「さて、と。今日も里に行ってみようかしら」
のろのろと立ち上がると、しっかりと本堂の鍵を閉める。
そして飛び上がると、里へ向けて飛んで行った……
人間の里。
里の中で空を飛んでいるとさすがに人目に付く為、歩いて霧雨店を目指す。
周りは林や森に囲まれており、長閑な場所だ。
しかし――――――――。
「ん……?」
里に入ろうかという所で、霊夢の表情が変わった。
その視線は、周りを囲む林へと移る。
「悲鳴……?」
霊夢がそう呟いた。今、何か聞こえなかっただろうか?
気になった彼女は林の方向へと走る。
続けて、聞き慣れた音が聞こえてきた。
「ドォーン!……」
「……魔理沙っ!?」
これは、林の中で魔理沙が例の爆弾(?)を使っている音。
霊夢の足は更に早まり、林の中へとすぐさま飛び込んだ。
そこには。
「チッ!私のキノコ爆弾が効かないぜ!」
見た目5歳前後の男の子に襲いかかっている、一つ目の大男の姿をした妖怪。
そして、それに向かって黒色の塊を投げている魔理沙の姿。
だが力の差は歴然で、妖怪は片手でそれらを弾き飛ばしている。
「魔理沙っ!!」
「霊夢!?なんでお前がここに……って、危ないから近づくんじゃない!!」
だが霊夢は首を振る。ここで逃げたら巫女の名が廃るというものだ。
魔理沙はまだ魔法の一つも使えない為、攻撃の術をほとんど持たない。
しかし霊夢には博麗の巫女としての力がある程度備わっている。
「―――――私が相手よ!」
彼女の大声に、妖怪がこちらを振り向いた。
そのまま巨大な両腕を振り下ろしてくる。この妖怪は、博麗の巫女には危害を
加えてはならないという掟を知らないのか。
すぐさま飛び上がってそれをかわすと、懐から何枚ものお札を取り出した。
この年齢でそれだけ機敏な動きができるだけでも驚きである。
「はっ!てやぁっ!!」
それらを妖怪目掛けて一直線に投げつける。お札自体に特殊な能力があるのか、
全て目標に突き刺さり、光を放つ。
妖怪が大きく怯んだ。あとは――――――――――。
「魔理沙!投げてっ!!」
「お…おうっ!!」
霊夢の戦いぶりに目を奪われていたが、即座に我に帰ると、
さっきの「キノコ爆弾」を3つ取り出し、
「……っ!大人しくしやがれぇーーっ!!」
一気に投げ放つ。そして。
「ドッカァァァァン!!!!」
それらは、子供が持ち歩くにはあるまじき爆発を引き起こし、
大男の妖怪を文字通り、吹き飛ばした。
あとには、立ち上る煙と火の粉しか残っていない。
どうやら……男の子は無事のようだった。
「とりあえずは、一件落着ね……。結構やるじゃない?魔理沙」
霊夢が魔理沙の方を向いて笑う。
「当然だぜ!私を誰だと思ってるんだ?」
魔理沙は誇らしげに上を向いて言った。その姿を見て彼女は肩を竦める。
だが、すぐに顔を戻すとこう付け加えた。
「でも……意外と悪くないコンビじゃないか?私達」
ここ数日、魔理沙を見ていたが、正直なところあまり素直な性格ではなかった。
が、今目の前にいる彼女はどうだ。
思ってもない反応に霊夢は一瞬驚いたが、
「……そう、ね!意外と相性いいのかもしれないわね」
同じように笑って答えた。
「さ、少年!家に帰るぜ」
魔理沙は、丸まって震えていた男の子に声をかけると背負ってやる。
意外に優しい一面もあるのだなと、霊夢は改めて思っていた。
「昼から大騒動ねー」
「それを気にしちゃ駄目だって」
互いに笑いあいながら、霊夢と魔理沙は里へと歩いて行った……
◆ ◆ ◆
博麗神社。
「……なんてことがあったのも、随分昔だったよなぁー」
長いこと語っていた魔理沙が「やれやれ」と伸びをする。
霊夢は相変わらずお茶を飲んでいた。
「まぁ、出会ったきっかけはともかく。いいんじゃない?
私達は今のままで」
「そういうことだぜ。……さて、久々に森でも行くか?」
「やっぱりそうなるのね……。わかったわよ」
昔話を語り終えた二人が立ち上がる。
霊夢は篭を手に。魔理沙は箒を手に。
「さぁ行くぜー!」
「ちょ、少しは私に合わせなさいよー!」
楽園の素敵な巫女と、普通の魔法使い。
二人はは今日も、幻想郷の青い空へと飛び立って行く。
そんな彼女達を見守る存在が、この幻想郷の紅葉の中には今もあった。
いくらなんでも、"彼女ら"が二人を出会わせてくれたとはまでは言わない。
しかし、これだけは確実に言える。
二人は今、紛れもなく「親友」なのだから………
Fin.....
もう少し捻った展開があればより魅力的なお話になったと思います。
ですが、霊夢や魔理沙のキャラクターが非常に分かりやすく、特徴を見事に捉えているのはグッドです。
友達っていいなぁ。
何だか偉そうなコメントになってしまった事をお許し下さいorz
次回作も心待ちにしております。