魔理→香霖、慧音→香霖です。
苦手な人はUターンしてください。
秋の木漏れ日が一層の美しさとなり、
紅葉の葉が酒の肴になる頃に彼女はやってきた。
「おーっす。香霖来てやったぜ」
「いらっしゃい。どうしたんだい?」
「暇だったからな、ただそれだけだ」
そういうと魔理沙はいつもの指定席…もとい売り物の壷の上に座る
客でないと分かった以上霖之助は視線を本へと戻した
魔理沙は、足をブラブラさせ
「な、なぁ香霖」
と、少し気恥ずかしいのか頬が少し朱色になっていた
「なんだい?」
「香霖はさ…その、す、好きなやつとかいるのか?」
10台の少女からしてみれば、このくらいの色沙汰話も恥ずかしいらしい
その話し相手が好きな人なら尚更だった
「なんだい、藪から棒に…」
彼女の気持ちも露知らずな霖之助はいかにもめんどくさそうに聞いてきた
「聞いてるのはこっちだぜ。いいから答えてくれよ」
少々焦りの気持ちも入ってるのか、イラつきが顔に出始めていた
「うーん、そうだな…今のところは特に別にいな…」
と、言うが早いか魔理沙の顔色が青くなっていったのが分かった
「そ、そうか…。邪魔したな」
踵を返す瞬間、彼女の目に涙が溜まっていたのは気のせいだろうか
それからの数日間、魔理沙は店に来なくなった
たまにお茶を飲みに来る霊夢に、魔理沙の事を聞いても
「別に普通よ?昨日も遊び来たし」
どうやら店に来ないだけで普通らしい
では何故来なくなったんだ…?
考えても一向に答えが見出せない鈍感な霖之助であった。
その頃の魔理沙といえば、紅魔館にある巨大な図書館の主人
動かない大図書館で有名なパチュリーのところへ来ていた
「なぁ、パチュリー」
「どうしたの?魔理沙が浮かない顔なんて珍しいわね」
喜んでるのか、心配してるのか。パチュリーの顔は読みにくい
「パチュリーはさ、恋したことあるか?」
パチュリーは読んでた本を落としそうになった
「え、ど、どうしてそんなことを?」
「実はさ、私す、好きな人がいてさ…。そいつに好きな人はいるかって聞いてみたんだ。そしたら…」
「その好きな人が別にいない、と言ったわけね」
心を読めるのだろうか、と魔理沙はこの時本気で思った
「そうなんだよ…。他に好きな人がいるよりかはマシなんだけどな…」
「じゃあ好きになるようにしたらいいんじゃない?」
簡単なようで実は難しい答えを言ってきた
「そうなんだけどさ、じゃあどうしろってんだよ。ご飯だって作ってるし…」
「まぁあなたの体じゃ魅力のみの字も無いものね」
友とは時に、ひどいことを平然と言ってのけるものである
「む…確かにそうだが、おまえも人のこと言えるもんでもないだろ?」
「わ、私はいいのよ。分かる人には分かる魅力があるんだから」
もはや当初の目的を忘れてる2人である
「ここに篭ってたら魅力も何もないだろ」
「仕方ないでしょ、喘息がひどいんだから」
「埒があかねえ。他の人にも聞いてみるとするぜ」
パチュリーじゃ解決できないとふんだとのか、そそくさと帰る準備をする魔理沙
「ごめんなさいね。私も恋をしたことがないから…」
「気にするな、じゃあ私は行くぜ」
そういうと魔理沙は帰っていった
紅魔館を離れ、空を飛んでいる最中魔理沙は考えていた
―紅魔館はダメ、霊夢は論外、人里はNG、とくれば…
「よう、アリス。元気にしてるか?」
魔法の森に住んでいるアリスの所であった
「あら、魔理沙。いらっしゃい、どうしたの?」
「ちょっと聞きたいことがあってな。その…アリスは恋をしたことあるか?」
その瞬間、世界は凍った
と言ってもおかしくないほど、アリスの家は静寂に包まれた
分かるのはアリスが真っ赤な顔をして魔理沙を見ているだけだ
「え、え、え?なんで?」
いつもの冷静さは欠片も見えず、ただただ慌てていた
「そんなに驚くことないじゃないか」
「そ、そうよね。恋は…してる…かな」
耳どころか首まで真っ赤である。やかんがあるなら沸騰してもおかしくないだろう
「本当か!誰にしてるんだ!?」
興奮した魔理沙はアリスの手をとり、今にも鼻が当たりそうな距離で聞いてきた
「―――っ!?」
真っ赤になりすぎて気絶しなかったアリスを褒めていただきたい
「お、おいアリス?大丈夫か?」
「魔理沙が…魔理沙が…」
「私がどうかしたのか?」
いくら問うてみても返ってくるのは「魔理沙が…」のみであるアリスは、パチュリー以上に役に立たなかった
アリスをベッドへ寝せ、さっさと帰る魔理沙
「香霖のとこ行くとするか…」
霖之助が経営している香霖堂の前に着くと
おかしな帽子をかぶった人が店の中で立っていた
「よう、慧音じゃないか。久しぶりだな」
「誰かと思えば魔理沙じゃないか、久しぶりだな」
「香霖はいないのか?」
「あぁそのようだ。主人が店を開けっ放しにするとは」
元々売り物というよりガラクタもしくはゴミが
詰まってるようなものだ。盗みに入る者がいても盗るものなどないのだろう
―慧音にならば話しても外部に漏らさないだろうな
そう判断した魔理沙は相談することにした
「なぁ、慧音。少し相談に乗ってもらいたいんだが」
「魔理沙が私に相談とは珍しいな。それでどうしたんだ?」
魔理沙は慧音に霖之助が好きなこと、本人がその気持ちをわかってくれないこと、慧音以外の人がまったく相談にならないことを話した。
すると、慧音はマジメな顔をして、
「ふむ…霖之助の鈍感さには困ったものだ。まぁそこもまたいいのだが…」
後半はよく聞こえなかったが、赤みかかった顔を見るにあまりいい話ではないことを彼女は本能で感じた。
「それでどうすればいいと思う?」
「そうだな…思い切って告白するのが1番なんだが…」
「そんなことできたら最初から苦労しないぜ」
確かに普通に告白ができるのなら誰だって苦労しないのだ
「料理を振舞うというのは?」
「ツケ代わりに時々やってるが効果なし」
「ふぅむ…」
八方塞がりで慧音もダメかと思った、その時
「だったら泊まってみるとかいいんじゃない?」
いつのまにか魔理沙の後ろに隙間妖怪と呼ばれる大妖怪、八雲紫が立っていた。
「そういえば泊まるのって昔やっただけだな…」
「魔理沙はもう昔の子供じゃない、大の男と一緒にだなんて反対だ」
「そんなこと言って…あなたも霖之助が魔理沙に取られるのが嫌なだけじゃなくて?」
「そ、そうなのか!?」
1人は驚き、もう1人も違う意味で驚いている
「ち、ちがうぞ!おまえも適当なことを言うな!」
「あら、適当じゃないわよ?毎晩1人で霖之助を思って…」
「わー!わー!やめろ、言うな!」
「じゃあ好きなのね?」
ここまで言われて反対できる人は0に等しいだろう
「おまえも…香霖のこと好きだったのか…」
「すまない…だけど譲るつもりはないからな」
「ふん、上等だ。私のほうが上だってことを証明してやる」
「あらあら、ま、私は関係ないから頑張ってね~」
しばらくして霖之助が帰ってきた。
「おや2人してどうしたんだい?」
「あ、香霖。実はさ…」
「霖之助久しぶりだな。実は今日頼みたいことがあってな。その…」
「「今日泊まらせてくれ」ないか?」
「……は?」
続く
なんの意図があって分けたのかは知りませんが、分けるとそれだけで読む気が萎える、という人もいると思いますので、この程度の短さならまとめた方がよろしいかと。
あと、なぜに「。」をつかわないのか、と。何か意図があってやってるのかはわかりかねますが、読みづらいです。
内容の方はどうにも展開が駆け足ですし。前作でも指摘があったと思いますが、もっと背景描写、心理描写を多くしないとイメージが伝わりません。作者様の脳内だけで補完されてしまっているだけで、読者の方に全く伝わってないです。アウトプットをしっかりしないと。読者の方は作者とは違って、まっさらな状態から読み進めるのですから。
とりあえず、前編ということでフリーレスで。
それとその後書きでは前書きが嘘と言う事になりますが。
他の人がおっしゃっていることを参考にして頑張ってください。
続編を希望。
読者は○→○になる過程が見たいのではないでしょうか。
それに、これくらい描写が簡潔な状態で複数を惚れさせるとハーレムに見えてしまいますよ。
魔理沙や慧音との組み合わせ自体は好きなのですが、安易すぎる印象を受けました。