毎日は繰り返しだと思う。
まぁそれはともかく、香霖堂で特にやることも無かったし、日誌でもかいてみようと思って書き始めたのが丁度九日前のことなのだが……
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一日目
朝、時間は恐らく七時ごろだろうか……。
いつものように起きるとのたのたと台所に行き、ごはんを作り始める。
朝ごはんは何時もどおりごはんと味噌汁。
ちなみにごはん自体は昨日の夜に用意はしてあるので、実際はただ暖めるだけなのだが。
さて、そうやって何時もどおり朝の準備をしていると元気な新聞屋さんが新聞を開いた窓から投げ入れてきた。
これもいつもどおりの日課。
特に変わった事はない。
昼。
何時もどおりこの香霖堂には客が来ない。
来たのは夕方頃に来た冷やかしの魔理沙くらいなものだ。
その日も別段変わった事をするわけでもなかったので、魔理沙と適当な話(どうも内容は覚えていない)をした。
その後、退屈なので店に置いていた本のうちの一冊を読んだ。
夜。
店に閉店の木札を立てて、野菜炒めを食べて明日の準備をして就寝。
二日目
朝
朝ごはんを食べて店を開く。
今日も何時もどおりごはんと味噌汁。
昼
何時もどおりこの香霖堂には客が来ない。
その日も魔理沙と適当な話をした。
退屈なので店に置いていた本のうちの一冊を読んだ。
夜
店に閉店の木札を立てて、野菜炒めを食べ、そのまま明日の準備を行い就寝した。
三日目
朝
朝ごはんを食べて店を開く。
昼
今日も客は来ない。
その日も魔理沙と適当な話をした。
退屈なので店に置いていた本のうちの一冊を読んだ。
夜
店に閉店の木札を立てて、野菜炒めを食べ、そのまま明日の準備を行い就寝した。
四日目
朝
朝ごはんを食べて店を開く。
昼
今日も魔理沙くらいしか来ない。
退屈なので店に置いていた本のうちの一冊を読んだ。
夜
店に閉店の木札を立てて、オムライスを食べ、そのまま明日の準備を行い就寝した。
五日目
朝
朝ごはん。
昼
今日も魔理沙くらいしか来ない。
夜
店に閉店の木札を立てて、野菜炒めを食べ、そのまま明日の準備を行い就寝した。
六日目
朝
朝ごはんを食べて店を開く。
昼
今日も魔理沙くらいしか来ない。
夜
店に閉店の木札を立てて、ごはんを食べ、そのまま明日の準備を行い就寝した。
七日目
朝
朝ごはんを食べて店を開く。
昼
今日も魔理沙くらいしか来ない。
夜
店に閉店の木札を立てて、ごはんを食べ、そのまま明日の準備を行い就寝した。
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朝ごはんを食べる。
日記を書き始めてから八日目。
毎日同じ文面ばかりを書き続けるのはいい加減飽きたので、今日は店を閉めると適当にぶらぶらと歩いていると、何時も元気に新聞を投げ入れている新聞屋に出会った。
「やぁ、何時も元気そうに新聞を投げ入れているけれど、毎日そんなに事件なんて起きているのかい?」
「ええ、それなりには」
「実はこの所、毎日日記を書いていたのだがね、内容が全く変わらない七日間でいい加減飽きたんだ。それで、何か事件でも起きてないかと思って外をぶらぶらとしていたんだが、やっぱり特に何も起きてない気がするよ」
「そうですか? それはきっと、変わっていないと思っているか、もしくは変化があっても気にしていないからではないでしょうか?」
「ふぅむ……」
「私は空を飛んで色んな所を見て回っているのとか、色んな毎日の変化に注意して暮らしているからかもしれませんけど、毎日それなりに事件は起きてますし、どんなに暇な日でも書く内容に困ったことはありませんよ」
「そういうものかねぇ」
「そうだ、そんなに退屈な日記だって言うなら私に見せてくれませんか?」
「特別な事は何も書かれていないし、こんなものを見ても退屈なだけだと思うけれど、それでも良いかい?」
「ええ、こういうものの中に意外と面白い物があったりするんです……」
目を楽しそうに輝かせた文は私が書いた日記に一通り目を通す。
一通り読み終わると、今度は腕を組みなにかちょっと考えるようなポーズをとると、懐からメモ帳のような物を取り出して、何かを書いていった。
「ふふっ、なるほど……」
何か私の日記の中に面白い内容でもあったのだろうか?
取り立てて面白い内容など唯の一つも書いていなかった気がするのだが……。
「霖之助さん? 魔理沙さんは大体どのくらいの時間にやってくるんです?」
「そうだなぁ……大体夕方頃かな?」
文は開いたメモ帳に何がしか書いているようだ。
「で、近頃どんな事を話しました?」
「栽培しているキノコの様子とかそんなたわいも無い話ばかりだよ」
「そうですか……」
私が何を書いているのか疑問に思っていると、文は私に日記帳を返して、颯爽と元気良く飛び去って行った。
魔理沙か……とは言え、特にたいした事は話していなかったような気はするし、別段面白いニュースになるような事もなかった気がするのだが、文は何やら面白い物を見つけたようにメモを取っていた気がする……。
私は朝の聞屋の様子がちょっと気になりはしたが、何時もどおりに店を開いた。
朝に店を開いて、数時間。
相変わらず、客は来ない。
昼頃、私の店に魔理沙がやってきた……。
いつもどおりの日課なのだが、何やら様子がおかしい。
……と思っていると、私の所にずかずかと歩いてきた。
「なんか、聞屋が私に朝っぱらから張り付いてきて、香霖堂でどんな事を話していたのかーとか、霖之助さんと縁を戻したんですかーとか、どこまですすんでいるんですかー……とか、そういった事を聞いてくるんだが、そっちにはなんか心当たりはないか?」
「いや……特には。強いてあげればここの所書き始めた日記帳を文に見せたくらいか」
「日記帳? そんなの書いてたのか」
「ああ、退屈してたんでね。日々の記録でもつけてみようと思って、ここのところ毎日書いてたんだ」
「恐らく、聞屋の情報源はそれだろう。 悪いけど中を見せてもらってもいいか?」
「ああ、別に構わないよ。書いてる本人でも退屈な日記だと思うくらいの代物だから、取り立ててみるような物はない気がするしね」
そうして、魔理沙は私の日記を読んでいく。
読み終わると、
「確かに、面白みの無い日記だな」
と、容赦ない一言を付け加えて私に返した。
「良くはわからないが、聞屋が何やら動いているみたいだし、そっちも気をつけてくれ……」
そう一言だけ言い残すと魔理沙は帰っていった。
私は、今日も特にやることも無い普通の一日だったので、そのまま夜になって店を閉めると、床についた。
次の日、いつものように朝の準備をしていると、元気な新聞屋が窓から新聞を投げ入れてきた。
そして、その新聞を暇つぶしに読んでいた私は驚いた
……と言うのも、一面見出しに
「熱愛発覚!!霧雨魔理沙、真昼の情事」
などと言う文字が躍っていたからだ。
早速内容を見てみた。
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パチュリー・ノーレッジ女子やアリス・マーガトロイド女子等、幻想郷の妖怪達に人気の霧雨魔理沙に恋人がいた事が発覚した。
名は森近霖之助。
香霖堂店主にして且つてから噂のあった霖之助と魔理沙だが、ここのところ毎日のように香霖堂に通いつめ、庭で自家栽培していたキノコを使ったオムライスなど、手の込んだ手料理を霖之助にご馳走していたとの事。
また、霖之助当人も魔理沙の到着を心待ちにしていたようすで。
「何時も魔理沙が夕方頃にやってきてね。美味しい手料理を毎日のように作ってくれるんだ。私はなんて果報者なんだろう」と語っていた。
魔理沙と霖之助の仲がどれくらい進んでいるのかはまだ不明だが、この二人の関係にこれからも注目していこう。
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と言う、素敵内容に変更されたその新聞……。
さて……それから数日。私が文によって書かれたその記事についてパチュリーやらアリスやら霊夢やらに問い詰められたり、いらぬ人々から祝福されたりする日々がそれから続いていくのだがこの事は書かないでおこう。
……いやはや……全く日々は退屈な方が気楽で良い物だ。
もっと勉強してから書こうぜ。
この題名は危ないんじゃないかなぁ。京アニ信者さん達が発狂中ですし
あと「~女子」じゃなくて「~女史」だと思う
この作品のタイトルがエンドレスエイト「終わらない八月(八月をエイトとは呼ばないが)」なのに、八月かどうかもわからない。ただ某ラノベのアニメ版で、5週も同じ話をやった事を指して、このタイトルを付けたなら、浅はかとしか思えません。
関係ありませんが、エンドレスナイト(明けない夜)なら、すでに輝夜が行いましたね。
ただ指摘のあるように一人称のミスが大きいと思われます。何よりもキャラクタを表す部分だと思いますから、一人称が変わると誰だかわからなくなることもしばしば。その点が少し惜しいと感じました。
点数は、私が何気ない日常が好きなのでちょっと甘めに。頑張ってください。
朝
昼
夜
と分けて書くのでしょうか?他には霖之助の一人称とか色々と違和感を感じました。