Coolier - 新生・東方創想話

「Family of The Third ~三守家と秘密の逢瀬~」

2009/07/20 20:43:36
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ーーーーーーーーー!!注意!!ーーーーーーーーー
この先、オリジナル設定の世界です。
「三守家」「3ボススレ」という単語に思い当たる節が無く、
かつ嫌気・寒気を覚えた人はすぐに引き返してください。
ーーーーーーーーー!!注意!!ーーーーーーーーー


























 最近、美鈴の帰宅が遅い。
 私は仕事の都合もあって、帰宅するのは日を跨ぐか跨がないか、ぐらいの時間に度々なる。
大概そういう時は皆、先に寝てしまっていたりするのだが…どういうわけか最近は、帰宅途中
で我が家の食堂に明かりの灯っているのがちょくちょく目に入ったりする。そして家に入って
食堂を覗くと、
「お帰り、慧音姉さん」
「あぁ、ただいま。…まだ起きていたのか、美鈴?」
「ちょっと前に帰ったばかりなんですよ」
 美鈴が笑顔で出迎えてくれ、時にご飯を温めてくれていたりもする。
 そういう時は大抵、友達と遊びに行っていただとかサークルの飲み会だとかで遅くなった、
と美鈴は言う。確かにそういう事は前々からあったのだが、それはせいぜい一カ月に一回とか
そんな間隔だった。しかしこの一カ月程は、週に2~3回はそういう場面に出くわしている気
がする。上手い具合に私が早く――それでも21時、22時を回っていたりするのだが――帰っ
ても美鈴だけおらず、私より後…すなわち最後に帰ってきた事もあった。
 まぁ、美鈴ももういい年齢だし、もともと物事の善悪をきちんと判断できる子だ。だが、そ
れまでは私に似て規則正しい生活を送っていた事を考えると、少しばかり心配せずにはいられ
なかった。

 最近、美鈴の付き合いが悪い。
 慧音は仕事終わりが遅くて私の方が先に寝てしまうし、アリスやにとりは未成年だから、と
許してくれない。いや、にとりはけっこういけるクチだと思うのだが…怒られるから誘えない。
 そうなるともう、相手は美鈴しかいない。美鈴もまぁ平日は、サークルなんかでそれなりに
帰りは遅くなるのだが、1時間ぐらいは相手をしてくれていたのでとてもありがたかったのだ。
 しかしここのところ、どうも美鈴までもが私と飲むのを避けようとする。
「美鈴!イイ酒が入ったんだ、飲むぞ!」
「ごめんなさい、勇儀姉さん。先約があるんです。埋め合わせは必ずしますから」
 こんな調子だ。いや、避けているというわけではなく、実際に先約があったんだろう。美鈴
はそんなことで嘘を吐くような奴ではないし、ついこの間は居酒屋を萃香とハシゴしていたら、
そのうちの一軒で美鈴がツレと飲んでいるところにカチ会ったこともある。
 それにしても、ここのところはどうも断られる回数の方が多い。前はせいぜい一ヶ月に1、
2回ぐらいだったはずなのだが、今じゃ週一ぐらいでしかつきあってくれない。昼間に電話を
かけても断られたりする。今時のサークルとかの飲み会は、その日の終わり頃に行くか行かな
いかをノリで決めるようなモンじゃないのか?
 細かい事はあまり気にしないが、一人酒の機会が増えて正直、つまらない。紅茶や胡瓜汁を
相手に飲む方法を考える必要があるかもしれない。

 最近、美鈴姉さんの帰りが早い。
 美鈴姉さんは春夏秋冬、盆も正月も関係無く一年通して誰よりも早く起床し、午前4時には
日課のランニングに出かける。その体力や運動神経たるや凄まじく、3時間ぐらいかけて片道
40km程度の距離をほぼ休み無しで往復している。しかもその距離は現在も記録を更新しつ
つあり、ランニングのルートによっては県境を越えてもおかしくないほどだ。そうして7時を
過ぎるぐらい…私が皆の分の朝食を作り終える頃に帰ってきて、食事をしたら軽くシャワーを
浴び、大学に出かける支度を始める。これが少し前までの、美鈴姉さんの朝のスタイルだった。
 しかし、最近はそのスタイルが変化しつつある。私が台所に立ち、エプロンのひもを締める
6時ぐらいになると、
――ガチャッ、…バタンッ――
 玄関の扉が開閉する音がして、間もなくキッチンに向かっている私の背後から声がかかる。
「アリスちゃん、おはよう」
「おはよう、美鈴姉さん」
 チラッと振り向くと、美鈴姉さんがにっこり微笑みを返してくれる。そのまま美鈴姉さんは
浴室の方に消え、間もなくシャワーの音が聞こえてくる。少し前、といってもそうなってから
もう二ヶ月か、三ヶ月近く経過してはいるが、それまで見られなかった光景だ。
 ついでに言えば、この時のシャワーを浴びている時間も、前と比較してずいぶん長くなった。
以前は通学時間の関係もあって汗を流すだけだったのが、現在は幾らか入念に体を洗っている
ようだ。まぁこれに関しては、以前より時間的余裕が生まれたから体を洗うようになっただけ
かもしれない。夜は変わらず人並みにお風呂に入るし。
 とはいえ、何となく、美鈴姉さんの生活スタイルの変化はずっと気になっていた。

 最近、美鈴姉と話す機会が増えた。
 私達は誰とも仲が悪いなんて事はないのだけど、美鈴姉はひとつ上の勇儀姉か、ひとつ下の
アリス姉を相手にしている事が多い。特にアリス姉の場合、上の姉達よりも年は離れてるけど、
待望の妹でもあるからついつい大切にしてあげたくなるんだろう、と勇儀姉から聞いた事があ
る。その辺はどうあれ、美鈴姉は私にも十分優しいので、何ら困るような事は無い。
 とはいえ、やはり大学生と中学生、さらに間に高校生を挟んでいると、面と向かって付き合
う機会はなかなか巡ってこないものなのだけど…
「にとりちゃん、また聞きたい事があるんだけど、いいかな?」
「ほいほい、なんでしょなんでしょ?」
 そんな感じで美鈴姉から話しかけてくる回数がここ最近、急増している。まぁそのほとんど
が最近の流行とか他愛もない話だったりするんだけど、不意に突拍子もない話を振られたりす
る。この前なんか「これ、直せます?」と、いかにも古めかしい懐中時計を見せられた。いや
いや美鈴姉、腕時計にGPSが盛り込まれるようなこの時世に、手巻き式の懐中時計ですか?
螺子が巻かれてなかっただけだったから良かったものの、本当に故障だとして、さすがのにと
り様でもこんなハンパ無しに高そうなモノ、恐ろしくてバラす気になんかなれませんて。
 あれから部屋に飾ってるみたいだけど、どこで手に入れたんだろう?

「…勇儀もにとりも、もう少し真面目に考える気にはならないのか?」
 慧音はハァ、とため息をつくと、二人は声を揃えて反論した。
「慧音はいつも物事を深刻に考え過ぎだね。美鈴がそんな、心配するような事に巻き込まれる
はずがないじゃないか、にとりじゃあるまいし」
「もう少し美鈴姉を信用してあげようよ。放任とかじゃなくて、こう、温かく見守ってあげる
というか、そうそう私じゃないんだし…って普通にひどい事言ったでしょ!?」
「あ、私も別に、心配ってわけじゃないわ。気になってるだけ」
 アリスの追い打ちに慧音は頭を抱えてしまった。
 ある土曜日のお昼前、三守家の食堂ではサークル活動で不在の美鈴を除く4人が食卓を囲み、
長女の慧音は真剣な面持ちで、残りの三人はわりとのんきな顔で向かい合っていた。何かと言
うと、最近の美鈴の行動に不安を覚えた慧音が、美鈴だけが出かけている今が好機と緊急姉妹
会議を設けたのだった。
「美鈴は人が良すぎるから、いかがわしい事の片棒を担がされ、抜けられないでいるのかもし
れないんだぞ。いや、普通ならそんな事はないと思うのだが…可能性として否定はできん」
 こうして何かある度に人を集め、ああでもないこうでもないと熱弁するのはよくある事なの
で、勇儀・アリス・にとりは慣れっこだった。しかし、いつもなら話を合わせ、こっそり収束
の方向に持っていく担当の美鈴がいないため、慧音の話は止まるところを知らない。特に勇儀
とにとりの話を聞いてからはますます熱が上がってしまい、さすがにうんざりした気分になっ
ていた。
「美鈴の事だ、私達が直接聞いても、何でもないですよ、の一言で済ましてしまうだろう。だ
が、そういう時こそ私達が一丸となって、美鈴を助けるべくだな…」
「でも、何も知らないで私達が茶々入れるのも、余計に美鈴姉は困ったりしないかな?」
 美鈴は何かに巻き込まれているもの、とほぼ断定していた慧音に水を差したのはにとりだっ
た。
「対策ってのは、原因をきちんと突き詰めてからでないと無駄が出るし、前より悪くなる事だっ
てあるんだよ。マシンの修理然り、プログラムのデバッグ然りね」
 む、と慧音は顔をしかめたが、勇儀がここぞとばかりににとりを押し上げる。
「そうだそうだ、その通り! にとり、よく言った! アレだ、虎と狸の皮採用、ってやつだ!」
「姉さん、『捕らぬ狸の皮算用』でしょ」
「あぁ、そうとも言うか」
「そうとしか言わん」
 アリスと慧音のつっこみを軽く流しつつ、勇儀は机をダン!と打ち鳴らし立ちあがった。
「というわけでだ、美鈴の挙動不審を探るべく、にとりを真相究明隊長に任命し、事の全てを
解き明かしてもらおうじゃないか!」
「オッケー、任せて! …って、えぇ!? なんでそうなるの!?」
「にとりは昔からかくれんぼが上手いじゃないか。それに、スパイグッズとか色々持ってるし」
「いや確かに仰る通りですがね、それとこれとはあまり関係性が…」
 唐突にえらい役目を振られてしどろもどろになるにとり。そしてすがるような眼でアリスの
方を見たが、返ってきた視線は残酷なものだった。
「がんばってね、にとり。『シャンハーイ』『ホラーイ』あら、この子たちも応援してくれる
みたいよ」
 どこから取り出したのか、アリスは両手に一体ずつ人形を持ち、腹話術に合わせて可愛らし
く手を振らせている。
「と、とりあえず、対策を考えようよ、慧音姉? ほら、私、美鈴姉の事、とっても心配!」
 にとりは大げさに身振り手振りも交えて、先ほどまでの言葉をあっさり翻してみたが、時既
に遅かった。慧音はゆっくりと立ち上がり、必死に訴えかけるにとりの傍まで歩み寄る。懇願
する瞳を真正面から受け止めながら、慧音はポンとにとりの肩を叩いた。
「お前の熱意は理解した。頼んだぞ、にとり」
 にとりの瞳は急速に光を失っていった。

 ジリリリリリ、とけたましくベルが鳴り響き、一瞬遅れてドアが閉まると、ゆっくりと電車
は降車した乗客と乗り遅れた乗客の入り乱れたホームから離れていった。にとりはそれを横目
で見送ると、キャップのつばを少し降ろし、深めに帽子をかぶった。周囲の人と視線が合わず
に済むように、しかし自分の見据える先まで隠れてしまわない程度に。
「11時27分、駅に到着」
 上着の襟を口元に寄せ、蚊の鳴くような声でぼそっと呟く。襟の裏側にはマイクが留められ
ていて、そこから延びるケーブルは上着の内ポケットにまで続き、中にはICレコーダが収まっ
ている。買ったはいいがあまり使い道がなく、少々持て余していたところに今日の任務という
事で、にとりは少々興奮気味だった。
 少しだけ視線を上げて、もう一度、自分が目標としているものを確認する。鮮やかな紅色の
長髪が、歩みにならって軽やかになびいていた。
「これより美鈴姉の尾行を再開するよ」
 気付かれてしまわない程度に距離を開け、なるべく気配を殺して美鈴に着いていく。改札口
を通り抜けて駅から出ると、そこはデパートやビルディングの立ち並ぶ街中だった。
 にとりは姉妹で連れ立ってショッピングに赴く事はあるが、今、美鈴の後ろをつけて降り立っ
たここは全く見知らぬ土地だった。美鈴は何度か来た経験があるのか、特に迷うような素振り
は見せず、歩道を少し建物側に寄ってすいすいと人波の間を縫って先を進んでいく。
 にとりは少し、出てくる前の事を後悔していた。最初は他の姉達も同行する、と言っていた。
だが、大人数で行動したらそれだけ尾行がばれやすくなってしまう。特に慧音や勇儀は想定外
な事態に遭遇した場合、尾行中という事を忘れて暴走しかねないため、丁重にお断りしたのだっ
た。
 しかし、よもや見知らぬ場所、それも休日で人に溢れた街中というのは、人見知りのするに
とりには少々刺激が強かった。救いだったのは、美鈴の髪は人ごみに紛れても目立つので見つ
けやすく、必要以上に上を向いて他の誰かと視線を合わせずに済む事だった。
 そうして暫く歩いている時だった。人ごみの向こうに見える美鈴の動きがぴたりと止まった。
にとりはまた信号かな、と思い同じように立ち止まったが、人の流れは止まらず前後を行き交
うだけで、交差点のような雰囲気は無い。すると不意に美鈴は建物の方を向き、そのままスッ
と進んでいった。
 あっ、と思わず声をあげ、にとりは慌てて美鈴がさっきまで居たところに走り寄り、美鈴が
消えた方を振り向く。そこには人が一人と半分程度の隙間の開いた、ビルとビルに挟まれた路
地があり、それはそのまま反対側の通りに通じていた。しかし、肝心の美鈴の姿は無い。
「うぁっちゃー…気付かれてたのかなぁ?」
 昼間にも関わらず、ビルの影に染められた薄暗い路地に進入する。表の通りと違って路地は
気味の悪い涼しさに包まれており、自然と歩みは小走りになる。その中ほどまで進んだ時、に
とりの背後に上から音も無く人影が降り立ち、口を塞ぐように頭を抱きかかえた。
「!?!?!?」
 完全に虚を突かれ、パニックを起こす余裕すら失い完全に硬直してしまったにとりの耳に、
聞き覚えのある声が囁いた。
「にとりちゃん、こんなところで何をしているんですか?」
 細いようで実はしっかりと筋肉のついている腕。視界の両端にちらつく、紅の三つ編み。そ
して後頭部に当たる、たゆんでぼいんな感触。
「驚かせてごめんね。でも、こっそり尾行っていうのはあまり、イイ趣味とは思えませんよ?」
 決して力づくではなく、相手の事を気遣った優しい抱擁の中でゆっくり振り返ると、そこに
は見慣れた姉の顔があった。
「め、め、めり、ね、め、ねぇ」
 極度の恐怖と、そこから解き放たれた安堵がにとりの心に同時に発生し、入り混じり、図ら
ずも瞳に大粒の涙を浮かべさせる。そんなにとりを再び抱き締め、ついでにちらりと時計を見
る。
「んー…私、ちょっと時間が無いから、駅までは特急で送るけど、そこからは自分で帰ってね?」
 言うが早いか、小柄なにとりを力強く抱きあげる。
「ひゅい!?」
 持ち上がった体はビルの壁をギリギリかすって美鈴の後ろへと移動し、一回転して美鈴の背
中に負われる格好となった。
「え? え? え?」
「しっかりつかまっててね」
 直後、にとりは体を後ろに引っ張られたような気がした。それは美鈴が突然走り出した事に
より、にとりに慣性の法則がかかったからであった。もっとも、本能がそれを理解するより早
く、右手は美鈴にしがみつき、左手は頭上の帽子を押さえていた。。
 あっという間に路地を抜け、美鈴を追って来た道を駅の方へ軽快に駆け戻っていく。その間、
ただの一度も人と接触する事は無く、にとりが我を取り戻す頃には券売機の前に美鈴と並んで
立っていた。
「はい、帰り道の切符」
 にとりは目の前に差し出された切符を受け取る。と、ここでにとりは本来の目的を思い出し
た。
「あ、ねぇ、美鈴姉、最近の事についてなんだけど…」
 それを聞いて美鈴は「あぁ」といったような顔をした。
「慧音姉、すごく心配してるから。変な事に巻き込まれてるんじゃないか、って」
「んー、そうかぁ…」
 美鈴は伏し目がちに唸る。この時にとりの目には、美鈴は話すに話せない事で困っていると
いうよりは、何故か照れくさそうにしているという印象を受けていた。そして、どういった理
由でそんな表情になるかまでは想像がつかないでいた。
 そして美鈴は再び時間をちらりと確認すると、決心したようににとりに向き合った。
「…わかった、それじゃあ今度、皆が集まれる時に、その辺の事を全部話すね。慧音姉さんに
は、危ない事はしてないから安心して、って伝えておいて」
「本当に?」
「うん。約束は守るよ」
 美鈴がウィンクしてみせる。
「…わかった。それじゃ私、帰るね。美鈴姉も、あんまり遅くなったらダメだよ」
「うん、なるべく気をつけるようにする」
 切符を片手に、にとりは改札口の方へと走り出し、一度振り返って手を振ると、ホームの方
へと消えていった。
 そして美鈴もまた、にとりに手を振り返し、姿が見えなくなったのを確認すると、軽く息を
ついた。
「…さて、そろそろですかね」
 にとりが乗って帰ったであろう車両と、それとほぼ入れ違いでホームに入ってきた車両を見
比べて美鈴は一人、呟いた。

「今日という今日は、洗いざらい話してもらうぞ」
 食卓の片側に並んだ4人のうち上座に鎮座する慧音が、反対側に一人で座っている美鈴をじ
ろりと睨む。
「も、もちろんですよ」
 一瞬、美鈴はブルッと震え上がったが、すぐに落ち着きを取り戻し、ごほんと大げさに咳払
いをする。そして壁掛け時計を横目に見て時間を確認すると、静かに話を切り出した。
「今日、皆に集まってもらったのは、皆から見て不審だった私の行動について釈明をする…と
いう目的もあるんですけど、それに関わる大事な事を報告します」
「ほぉ?」
「…」
「おぉー」
 興味津々と言った様子で勇儀とにとりは相槌を打ち、アリスは黙って手元の紅茶をすする。
慧音は湯飲みをしっかり握り締めたまま、美鈴から目を逸らさない。
「特に慧音姉さんとにとりちゃんには、いろいろ心配させたりしてしまいましたからね。これ
以上、無理に隠し通そうとするのも良くないかな、と」
「そもそも、隠さなければいけないような事をだな…」
「まぁまぁ慧音姉。美鈴姉、私は興味があってついて行っただけだから、そんな気にする事は
無いよ」
「ありがとう、にとりちゃん。…それでは、本題に入りますね」
 しん、と食堂が静まりかえる。誰かが唾をごくりと飲み込み、やや間があって美鈴は口を開
いた。
「皆に、紹介したい人がいるんです。もうすぐ、来る頃合いなんですが」
 全てを言い切るか言い切らないかの絶妙なタイミングで玄関のチャイムが一際高く鳴った。
4人は一斉に玄関の方向へと首を振り、それに見送られるように美鈴は食堂を出た。鍵が回り、
玄関のドアが開かれる音。二言三言、美鈴ともう一人の間で言葉が交わされるのが聞こえる。
 それから程なくして、食堂に二人分の足音が近づいてきた。先に食堂に姿を現したのは美鈴。
そして美鈴に手を引かれる格好でもう一人、女性が入ってきた。身長は美鈴より頭半分低いぐ
らいで、出るところは人より出ていながらもスレンダーな印象を失わないボディライン。銀白
色のセミロング、その毛先は外側に撥ね、美鈴とそっくりな二本の三つ編みがゆらゆらと揺れ
ている。そして何より印象的なのは、海のような深く蒼い瞳を備えた、凛とした顔立ち。穏和
な美鈴と並ぶ事でよりくっきりと感じ取れるのだが、不思議と冷たさみたいなものは無かった。
その表情に慧音は思わず息を呑み、アリスはカップを持つ手が硬直し、人見知りするにとりが
目を離せないでいた。
 その女性は美鈴に促される形で4人と向かい合って着席し、その隣に美鈴が続く。
「紹介しますね。こちらは、十六夜咲夜さん」
 強い緊張のためか、語尾が僅かに震えていた。それに気付いた美鈴は一旦口を閉じ、食卓の
下で拳をきつく握りしめ、脳の芯から震えを止める。
 そして、核心の一言を放った。
「私、咲夜さんと付き合っています」
 刹那、食堂の気温が急激に氷点下へ落ち込んで丸ごと凍りつく。同時に、氷に圧力をかけた
時に発生するひび割れの音が聞こえたような気もした。
「初めまして、十六夜咲夜と申します」
 しかしそんな雰囲気など問題ではないかのように、咲夜は冷静に名乗る。しかし空気は動か
なかった。
 このままではいけない、と考えた美鈴も状況を早く打破するべく、話を続けた。
「えぇとですね、咲夜さん、何度も話はしてますけど、改めて紹介しますね。右から、長
女の慧音姉さん」
 話を振られ、フリーズしていた慧音の思考回路が再動した。
「あ、あぁ、慧音だ。見苦しい所を見せてしまってすまない」
「こちらこそ、御迷惑をおかけして申し訳ありませんでしたわ」
 二人がほぼ同時に頭を下げた。先に顔を上げたのは慧音、それを待っていたかのように咲夜
もゆっくりと姿勢を正す。
「次は…」
「おう、久しぶりだね!」
 勇儀がニヤニヤ笑いながら、紹介に先んじて咲夜に声をかけた。
 ガタッ、と誰かが椅子を大きく鳴らし、器官に入った紅茶にむせ返り、ペ○シアイスキュー
カンバーがグラスに激しく逆流する。慧音とアリスとにとりは首をほぼ直角に急旋回させると、
大きく剥かれた目玉から勇儀に視線を注いだ。
「えぇ、お久しぶりですわ、勇儀さん」
 それまで引きしめていた口元を少し緩め、咲夜は挨拶を返す。
「えええぇぇ!?」
「おいおい、耳元で大声を出さないでおくれよ」
 絶叫の三重奏が轟き、勇儀は耳を押さえるジェスチャーをしながらも、さほど困った様子で
はない。
「知っているのか勇儀!?」
「知っているも何も」さも当然と言わんばかりの顔で勇儀は言った。「前に話した、居酒屋で
出くわした美鈴のツレが、この咲夜ちゃんさ」
「はは…あの時は本当に、びっくりしましたよ。バレないように家から遠いお店を選んだのに、
ふと顔を上げたら勇儀姉さんと目が会っちゃったんですから」
 美鈴は照れくさそうな笑みを浮かべる。
「勇儀姉、知ってたなら教えてくれてもぉ」
「ん? 聞かれなかったしなぁ。それに、そういう関係だなんて気付かなかったしね」
「気付くでしょ普通、二人きりでいたら…」
 口をとがらせるにとり、ため息を吐いて呆れかえるアリス。
「まぁまぁ、二人とも今、紹介するから。…こちらが妹のアリスちゃんと、にとりちゃん」
「あぁ、あなたが」
 紹介を受けて咲夜はにとりの方を見る。不意に目と目が合い、それまで元気だったにとりが
パッと反射的に俯いてしまう。しかし咲夜はそれを特に気に留めたりせずに言葉を続けた。
「美鈴に、懐中時計の使い方を教えてくれたのね」
 にとりは胸に覚えのある言葉にピクリと反応すると、おそるおそる顔を上げた。
「え…えと、あの、美鈴姉の手巻きの懐中時計は、さ、さ、咲夜さんの…?」
「そう、私がプレゼントしたの。いくつかあるうちの、特にお気に入りのをね」
「い、いくつも!?」
 その途端にとりが水を得た魚のように椅子から跳ね上がり、そのまま食卓の上に身を乗
り出した。
「ぜぜぜひ後学のために分解してもいいのをおひと痛ッ!?」
「迷惑でしょうが」
 興奮したにとりの横合いから、脳天にチョップが打ち下ろされた。
「ごめんなさい。そういう機械とかが好きなのよ、にとりは」
 食卓に突っ伏すにとりをよそに、アリスは自分の手刀をさする。
「ふふ、面白いわね。それに…アリスさんね。話の通り、可愛らしい方ね」
 え、とアリスは咲夜を訝しむ。
「美鈴からはよく、みなさんの話をお伺いしていましたけど、特にアリスさん。あなたの話は
一番多く聞かされていたわ」
 それを聞いたアリスは、美鈴をじとーっとした視線でねめつける。それに慌てた美鈴は、大
げさなぐらいに体の前で手を振って弁解した。
「た、たまたまアリスちゃんの話が多くなってしまうだけなんです。変な事は話してませんよ!?」
「本当に?」
「本当ですって!」
「本当よ。可愛らしくて気配りのできる、とてもよくできた自慢の妹ですって」
「そ、そう…なの…」
 咲夜が助け船を出すと、アリスはそれ以上は追及しなくなり、さっきよりほんの少し頬を染
めて静かになった。その様子を見て咲夜は静かに微笑む。
「美鈴がかまいたくなるのもわかるわ。とてもイイ子のようだもの」
 咲夜は横目で美鈴を見ながら話を続ける。
「私より、優しくしてるんじゃない?」
「もう、前から言ってるじゃないですか」
 咲夜の試すような、しかしそこはかとない不安を含んだ問いかけに、美鈴はきっぱりと答え
る。
「アリスちゃんは、妹として大切な人です。私がずっとそばにいてほしいと願う人は…咲夜さん
だけですよ」
 二人の視線が交錯し、もつれあう。
「美鈴…」
「咲夜さん…」
 瞳ごしに心と心が通じ合い、お互いが欲するモノを理解した時、咲夜はほんの少し顔を上に
向け、静かに目を閉じた。美鈴は赤みの走った白い頬に軽く右手を添え、顔の向きを固定する。
ん、と漏れた声を合図に、美鈴はゆっくりと近づく。唇と唇の距離が狭まる。吐息が重なり、
突き抜け、混じる湿り気と温もりを強く感じる。あと数センチメートル。
「ウォッホンッ!」
 慧音の突き刺さるような咳払いは、その格好のまま二人を釘付けにしてしまった。
「とにかく、事情は分かった。法や人道から外れた事をしていたわけでもないようだし、今後
も節度と貞淑を守った交際をするのならば、私もうるさい事を言うつもりは…何だお前達、そ
の目は」
 じろり、と妹達の方を睨む。
「どうしていい所を邪魔するんだい。前々から思っていたけど、風流ってモンが足りないんじゃ
ないのかい、慧音は」
「そうだそうだ! いくら慧音姉でも、良い事と悪い事があるよ!」
 真っ向から反論する二人の間で、アリスは我関せずといった様子で卓上のポットを手に取り、
空いたカップに紅茶を注ぐ。両側で繰り広げられる騒ぎは加速度的にヒートアップしていき、
ポットから垂れ落ちる滴が切れた後も、なみなみと注がれた液面に小さな波を絶え間なく生み
出すようになる。
「…続き、したら? 今なら誰も、見ていないわ」
 喧騒をかき分けるようにして、小さくもはっきりと、対面の二人の耳に声が届く。声の主は
カップの取っ手に手をかけ、その液面に視線を落とすように俯いたまま、その表情は読み取れ
ない。その両サイドは角突き合わす勢いで口論し、発端となった対面など眼中にない様子。
 咲夜の瞳に映る光は揺らぎ、多分に迷いを含んでいた。ゆらゆらと不安定に、理性と本能の
色で交互に変遷する。しかしそれも数秒間繰り返すうちに、落ち着きをはらんだの色で留まる
時間が長くなっていく。
「ふ」たりきりの時にしましょう、という言葉が音になる事は無かった。美鈴が僅かに先んじ
て、最後の数センチメートルを0にしたから。
 はっと大きく見開かれた瞳、しかしそこにさっきまでのうつろいは一片たりとも見られなかっ
た。そして咲夜は、喜びの色をそっと瞼で覆い隠した。
 ただ唇を重ね合わせるだけのソフトキス。しかし今この場では、それ以上を必要とはしなかっ
た。触覚で伝わる柔らかな温もりはいたずらに気分を高揚させる事無く、ゆっくりと二人の体
に広がり心を包み込む。その内側で、細い糸を手繰るように二人の想いは近づき、直接繋がる。

 現実から剥離した二人の世界は、美鈴から唇を離した事で再び三守家の食卓とリンクした。
壁掛け時計が刻んだ長さは、たったの十数秒。
 添えた右手が離れるのを合図に二人は双眸を開き、余韻の残る視線で見つめ合う。
「どうしてこういう時だけ、いつも強引なのかしらね」
 棘の無い、丸い声での糾弾に、美鈴は優しく微笑み返した。
「その方が、咲夜さんにはよく伝わりますから」
「…もう、バカね」
 キスを交わしながら無意識に手繰り寄せ、指を絡めた恋人つなぎの右手に、ほんの少し力を
こめて握りしめる。ほんの少しだけ大きな左手が、優しく握り返す。心は未だ繋がり続けてい
た。
 …のちに美鈴は、この日の事を「やっぱり、自分の部屋で二人きりになってからにすればよ
かった」と、後悔こそしてはいないが少しだけ反省を見せている。
 それはあまりにも唐突過ぎた。
「だいたいだね」慧音との言い争いに興奮した勇儀が、この日一番の声を張り上げた。「いい
トシした恋人同士なんだから、床ぐらい共にしてるモンだろうさ! それを今さら、接吻の一
つや二つで」
 美鈴と咲夜の時間がピタリと止まる。
 しかし慧音も負けじと、腹の底から声を解き放つ。
「それこそもっての他だ! 学生たるもの、本分は学業にある。恋愛にうつつを抜かして本分
が疎かになるようでは、仮にも一家をまとめてきた者として申し訳が立たん! もっとも」
 ぐるり、と首を振って慧音は美鈴に微笑みかける。
「美鈴は勇儀と違って聞き分けの良い子だから、そんな心配はしていないがな。そうだろう、
美鈴?」
 信頼しきった目線を受ける美鈴は、バツが悪そうににへら、と苦笑いを浮かべるばかりで、
隣の咲夜は視線をテーブルに落としたまま、誰とも目を合わせようとしない。
「…あれ、まさか、美鈴姉」
 そしてこの時、にとりの素朴な疑問が、それまでの和気藹々とした雰囲気を崩壊させてしまっ
たのだった。
「しちゃったの?」
 沈黙。静寂、ではない。場の雰囲気や、感情や、話の流れといったものそれら全てが一様に
沈み、押し黙ってしまう。さながら深海の底とも思えるような、鈍く押しかかる重圧。あ、と
いう声を出そうとして、しかしにとりは口を開く事しかできなかった。ただ唯一、意思を持た
ない砲台型の壁掛け時計が、チクタクチクタクと秒を刻むのみ。
「美鈴」
 ぽつり、と慧音が呟く。信頼の笑顔は消え去り、恐ろしく無表情のまま。
 この時美鈴は、人から信頼されるという事がどれほど大切であるか、という事を悟った。同
時に、それが崩れた時はどういう事になるのか、という事も。
「そこになおれェェェ!!!」
 慧音が今にも角を生やしそうな勢いで怒り狂い美鈴に飛びかかるより僅かに早く、勇儀が立
ちあがった慧音を羽交い締めにした。
「美鈴! 早く部屋に行きな!」
 修羅場と化した食卓でパニックになりかけた美鈴はアリスに助けを求めようとしたが、
「…知らない」
 アリスは少し顔を赤らめ、プイッとそっぽを向いてしまった。
 その隣のにとりは、一足お先に退散していて影も形も見えない。
 そうしている間にも慧音は床を荒々しく踏み鳴らし、限界までもがいて今にも勇儀の拘束か
ら抜けだしそうな雰囲気である。
「…すみません、咲夜さんっ」
 かくなる上は、と美鈴は咲夜をひょいと持ち上げる。
「きゃっ!?」
 唐突に、体がぶわっと浮き上がる感覚に見舞われた咲夜は悲鳴を上げたが、構わず美鈴は咲
夜を抱きかかえ、食卓を撤退した。
「待てェェェ! このままでは終わらんぞォォォ!」
「ごめんなさぁぁぁ~い! 後できちんと釈明しますからぁぁぁ~!」
 ドタドタという足音と謝罪の声が徐々に遠のき、最後にバタン、とドアの閉まる音が響いて
それっきり、美鈴と咲夜が揃って4人の前に姿を現す事は暫く無かった。



 その後、紆余曲折を経て三守家の面々と咲夜は無事に邂逅する。
 それによって、一旦打ち解けたら慧音が誰よりも二人の中を応援してくれるようになったり
とか、軽い気持ちで咲夜にセクハラしたのが原因で勇儀と美鈴がマジ肉弾喧嘩をしたりとか、
アリスと咲夜が事あるごとに美鈴を挟んで小さな衝突をしてみたりとか、咲夜の時計&ナイフ
コレクションに目を輝かせるにとりとか、誰も割りこめない美鈴と咲夜の二人の空間とか。
 様々な三守家の物語が生まれるのだが、それはまた別のお話。



「雲山、私達はどうしましょうね…」
「……(解禁直後だしのう…)」
 原案:http://jbbs.livedoor.jp/computer/41116/storage/1237597398.html の >>181
 スペシャルサンクス:3ボススレ住人
 ネタ元とさせていただいた方及び住人の皆様へ、ありがとうございます。
 
 元はと言えば美鈴が好き過ぎた事から流れるように入り込んだ3ボスの世界でしたが、気付
けばこんなネタを書いてしまうほどにハマっておりました。物凄く音速遅い内容で、特にネタ
元とさせていただいた方には今さら感が全開で大変申し訳ないのですが。

 本当は、星蓮船体験版公開までに仕上げなければ…と考えていたのですが、生来の遅筆に加
えてむにゃむにゃがあったりなかったりで、今日の今日まですっかり書きあげるのを忘れてい
ました。最悪ですね。故に、新3ボスである一輪&雲山は出てきません。

 しかしまぁ、3ボスの多様さは、他のボス連盟と比較しても抜群ですね。どうしてこうも面
白い具合にバラけるのでしょうか。そして本日、星蓮船体験版が公開とあいなったわけですが、
一輪&雲山も今までの3ボスには見られない傾向で、一層ネタが豊かになりそうな気配です。

 「…途中からめーさくが入ってるじゃねぇか!」…げぶぅ。仰るとおりです。元ネタの方も
若干、めーさくネタがありました故に、そこからアレとかコレとか妄想しながら書きました。
重ね重ね、最悪ですね。ですが、流石にそれではいけないと、3ボスの面々がメインに来るよ
う度々軌道修正を加えました。ました。それでもめーさくネタの方が強く見えた場合は、私の
力不足です。うんことかへたれとか言ってやってください。

 ちなみに「三守家って何のことかわかんねェけどここまで読んだぜ!」という方のために、
真に勝手ながら簡単に(主観的)補足させていただきます。元ネタの方もリンクが切れてしまっ
ているようですし。

三守家…東方の3面ボスたちが、現世の姉妹で一つ屋根の下に暮らしていたら、というハート
    フルホームドラマ。フルハウスとか言わない。それでもいいかもしれない。
長女・慧音…弁護士見習い。三守家の取りまとめ役。職業柄、帰りが遅くなる事がしばしば。
      しかし誰よりも妹たちを愛する、ちょっと堅物なのがたまにキズな姉。
二女・勇儀…多分フリーター。騒動の火種その1。無敵の腕っ節を奮い酒を愛する、読んで字
      のごとく豪快な女。トラブルも多いが、三守家のノリの牽引役として大活躍する。
三女・美鈴…大学生。運動能力は勇儀とタメを張るも、穏和で心優しい性格。やや天然だが、
      三守家の良心として力を発揮。拳法に中華料理に園芸にetcと何気に多趣味。
四女・アリス…高校生。クールなようで、三守家の家事をメインで受け持っていたりと家庭的。
       苦労人ともいうが、そんなアリスの存在に三守家の面々は常に感謝している。
五女・にとり…中学生。騒動の火種その2。機械ときゅうりをこよなく愛する少女。好奇心は
       旺盛だが人見知りが強い。でも姉と一緒ならいつでも元気なマスコット的存在。

 さて…いくらかお分かりいただけたでしょうか? 分からない方の方が多いかもしれません。
それに、上記の設定は数ある「三守家」の設定のうちの一つでしかありません。他にも幾つか、
三守家の設定が考案されています。もし三守家、ひいては3ボスそのものに興味を持たれたな
らば、是非3ボススレを覗いてみてください。ただし、特に三守家の話題については、常日頃
から話されているわけではありません。何分、東方の世界観からはかけ離れた、オリジナル要
素の強いネタですので…。その辺はご了承ください。

 一輪&雲山が三守家に入ったら、どんなポジションになるのでしょうね? ざっと見、一輪
は専門学校生でブリーダー志望、雲山はペット(土佐犬)という案があるようですが…?

 こういう、世界観を別の舞台に変換してみた系のネタは、下手すると悲惨な結果になる事も
多いのですが、三守家の場合は元々のキャラクターバリエーションの豊かさもあって、考案・
成功しやすいネタのように思えます。そもそも、幻想郷の時点で3ボスの面々はあまり面識が
無いと考えられる連中であるのですから、それを乗り越えて最初にネタを考えた方というのは
とても偉大であるように思われます。ナマコを食べた人ぐらいに。その先駆者、そして3ボス
スレの住人の方々に精一杯の賛辞を示し、このネタを投下させていただきます。

 ここまで読んでくださった方へ。真にありがとうございました。
ママンズ命
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コメント



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12.100名前が無い程度の能力削除
これはいい三守家
16.90名前が無い程度の能力削除
これはいい家族+恋人
3ボスはいいね。みんな仲良さそうです。一輪さんがどうなるかも気になる所。
18.90名前が無い程度の能力削除
あれから一年か……パラレルなのに不思議と受け入れられるんですよね三守家は。
私のように家族のいない者にとっては癒しの空間です。
百合成分というかカップリングが混ざったのは少し残念ですが、まぁ一つの三守ワールドだと思えば。
24.90名前が無い程度の能力削除
流石は3ボス・・・いい家族だ
31.100名前が無い程度の能力削除
三守家はよい家族だよ
34.無評価名前が無い程度の能力削除
初めて見たけど…
これはいい家族ですね
35.90名前が無い程度の能力削除
へ……へたれーー!!
いや、めーさく大好きですし、とっても面白かったんですけど、
めーさく要素が強すぎるように感じますですよ
個人的には家族分がもう少し欲しかったかな
38.100謳魚削除
もうGJしか言えません。
46.100名前が無い程度の能力削除
彼も・・・3ボスなんだねwww

これはシリーズ化してほしい!
次はアリマリ・レイアリ・パチュアリですねww
49.100名前が無い程度の能力削除
なんというホームドラマww
三守家面白かったですよ!
50.90名前が無い程度の能力削除
是非ともお隣りに住みてぇ!!
51.100名前が無い程度の能力削除
へぇ……こんなジャンルがあったのか。知らんかった。
ともあれ、面白かったですよ。ありがとうございます。
53.無評価名前が無い程度の能力削除
独自の設定がいきなりフル回転なので正直ついていけませんでした。
54.無評価ママンズ命削除
>これはいい三守家
>3ボスはいいね。みんな仲良さそうです。
>流石は3ボス・・・いい家族だ
>三守家はよい家族だよ
>もうGJしか言えません。
>なんというホームドラマww
みなさま、ありがとうございます。草葉の陰で私が喜んでいます。誰だ私!?
幻想郷でも紅魔館や永遠亭など、家族と呼んでも差し支えない集団は存在しますが、ただ単に
各ストーリーの3面ボス、ということ以外の共通点がほとんどないにも関わらず、このように
少し手を加えるだけで家族愛に溢れる集団を形成できるのは、とても面白い偶然だと思います。
実際、他の各面ボスで同じような事を考えても、ここまで多彩に、かつ万能に機能する集団は
なかなか作れない事から考えても、相当の事ではないでしょうか。特にファンタズムとなると
紫様ただ一人…げふんげふん。
今回の話をベースに考えると、例えば美鈴以外の三守家の誰かに恋人が出来た場合、当人含め
五者…いえ、六者六様の反応を見せ、そして当人のために皆が世話を焼いたりやきもきしたり、
しかし最後は暖かくその事実を迎え入れる…そういう家族愛に満ち溢れた、ステキな笑顔を容
易に想像できるのではないでしょうか。もちろん、恋人に限らず一家で行事にいそしんだり、
あるいはその辺の居酒屋で飲んだりといった、それはそれはただの日常で何の変哲もない時間
であったとしても、きっと三守家ならば毎日が愉快で美しい日々に成りうるでしょう。これも
一重に、3ボスの面々が織り成す、多彩な心の輝きがなせる技ではないでしょうか。

>百合成分というかカップリングが混ざったのは少し残念ですが
何分、百合成分で閃いてしまったので、その辺につきましては申し開きもできません…。確か
に家族成分だけでも話を創れる要素は十分ありますので、次回閃く事があれば、極力百合等の
家族外成分に頼らない話を書くようにしたい所存です。…三○屋さん程度ならセーフですかね?

>初めて見たけど…これはいい家族ですね
>へぇ……こんなジャンルがあったのか。知らんかった。
初めてでありながら最後まで読んでいただき、真にありがとうございます。それどころか、褒
めていただけるとは、まさに感謝感激雨霰です。なかなかこういう話は、特に初めての方には
受け入れられない事も多く、ともすれば厳しい言葉をいただく事もある程度は予想していまし
た。が、ティキンハートな自分としては、色よいコメントをいただけだ事でほっと胸をなでお
ろした次第です。よろしければこれを機会に、3ボスの面々により一層の愛情を注いであげて
ください。きっと彼女(一部彼?)達も大いに喜ぶ事でしょう。

>へ……へたれーー!!
ぎゃふん…。自分では極力排したつもりでも、現実を突きつけられ、己の無力さを痛烈に実感
する次第です…。妥協したつもりは無いのですが、おそらくは自分がめーさくに対し、非常に
甘々判定なのがこういう結果に繋がるのでしょうね。精進、精進…。

>彼も・・・3ボスなんだねwww
そうですね、彼?もまた実は、目立たない事ではあるのですが、3ボスですから。…と書いて、
そういえば彼女がいなかった事に今さらになって気付きました。うわぁ…。本当に、すっかり
忘れてしまっていただけで、別に虐めとかではない事をご理解ください。

>是非ともお隣りに住みてぇ!!
もし日本のどこかにあるのなら、山奥だろうと秘境だろうと、日本中をかけずり回ってでも見
つけ出して引っ越したいところですね。いやまぁ、わりと都会?住まい風には書いていますが。
とても楽しい近所付き合いが出るのは間違いないですね。充実した毎日の予感。

>独自の設定がいきなりフル回転なので正直ついていけませんでした。
改めて考えてみると、後書きに書いた補足説明を冒頭の注意の続きにでも持ってきておけば、
こういう問題も少しは和らいだかも分かりませんね。前書き的なノリで。ただまぁ、前書きが
長くなり過ぎるのもそれはそれで問題があるような気もしますが。

純愛もいいですが、家族愛もまた美しく、そして素晴らしいですね。
愛、最高!
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三守家というものを初めて聞いたけどいいものですね。
58.100名前が無い程度の能力削除
三守家きた!これで勝つる!!

やっぱり三ボスのみんないいなぁ
もっと広まれ!三ボス同盟!!
60.100名前が無い程度の能力削除
やはり4面以降はそのストーリーの核になってしまって、他の作品とはなかなか併せづらいのかも知れませんね。
3面は多様な設定に加えて、他の作品と併せても違和感が少ない感じです。
このような設定は初めて見ましたが、のめり込んでしまいました。
69.100名前が無い程度の能力削除
これはいい三守家
面白いホームドラマでした。
71.100名前が無い程度の能力削除
いいものを見つけた。
面白かった。
83.100母止津和太良世削除
もっと三守家が増えると良いのに
今は芳香ちゃんも加わって更にカオスだぜ!
84.100評価する程度の能力削除
めっちゃ好き
↑影狼さん、ドレミーさん、あうんちゃんもプラスされましたね…