「久しぶりね。元気にしていた?」
日差しが強くなってきたある日の事、博麗神社の巫女が境内の掃除をしていると、彼女の背後から何者かが声をかける。
その突然の声に、掃除をしていた巫女は手を止めると、
「……確かに久しぶりね。前にあったのは、秋だっけ?」
振り返らずに、呆れたような、それでいて少し安心したような、そんな声で返す。
すでに神社の桜は、青々と茂る葉桜になっている。
つまり、霊夢の話しぶりから察すると、声の主は冬の間、まるで姿を見せなかったらしい。
「お花見はどうでした?」
「いつも通りのてんやわんやの大騒ぎ。そう言えば、花見の席で萃香や幽々子が寂しがってたわね」
そう言って、霊夢は声の方に振り向かず、境内の掃除を再開させる。
桜が散っていた頃は掃除には苦労した。しかし、今は散る花びらもなく、境内を綺麗にするにも大して労力はいらない。
「萃香が寂しい……それは私の持ってくる外の世界のお酒が無くて、寂しいのではないかしら?」
「たぶんそうね」
背後の声は、鬼を揶揄するように言うと、霊夢はその冗談を澄まし顔で肯定してみせる。
すると背後の声は、そんな霊夢の物言いが面白かったのか、クスクスと笑った。
「……結局、あんたは花見に姿を見せなかったのよね」
そうして笑っている声に、霊夢が声の主が春に現れなかった不満を込めて、小声で呟く。しかし、その呟きは笑っている背後のそれには、小さすぎて届かなかった。
少しだけ乱暴に霊夢は箒を掃く。その箒を掃く音で、さっきの呟きをかき消してしまうために。
「ところで、私が居ない間に何かあったかしら?」
声は、振りかえらない霊夢に問いかけた。
「別に普通よ。特に何か起こるでもなく、たまに弾幕ごっこをするぐらい。平和なものね」
「それは、なによりです」
霊夢の答えに、背後の声に安心したような色が混じるのは、きっと、その声の主が幻想郷を愛しているからだろう。
「……まあ、何か起こった方が良かったのかも知れないけど」
少しだけ投げやりに霊夢は言った。
今年の春は、さして刺激が無かったからかも知れない。
「それもそうね。異変は適度に起きた方が健全だから」
背後の声が、気楽に同意する。
その声を聞いて、巫女は少しばかりの疲れを感じて、ため息を吐いた。
「……けど、あんたは本当に春にならないと現れないのね」
そこで『何で桜が咲く頃に居てくれなかったのか。一緒に花見をしてくれなかったのか』とは流石に恥ずかしくて言えない。
素直になれない所為か、霊夢の物言いは少しだけ刺々しくなっている。
「仕方ありません。私は、そういうモノなのだから」
霊夢に返す声は、少しだけ寂しげで、悲しげだった。
背後の声に残念がる様子を感じ取り、霊夢は少しだけ安心をする。
彼女が、会いたくないから会いに来なかったわけではないと分かったから。
そして、何よりも彼女もきっと会いたいと願っていたのだから。
「……神社の裏にある菜園で、茄子を育てているんだけどね。いま、花が咲いているの。あんたの名前みたいな色で、けっこう綺麗なのよ」
一体何を言っているのだろう。
茄子に例えられれば、流石の彼女だって侮辱されたと思ってしまうではないか。
少し顔が熱い。
久しぶりに会った所為か、どうにも調子が狂っているようだ。
「あら、そうなの。じゃあ、お花見ができなかった分、それを肴に花見酒でも洒落込んでみましょうか」
しかし、後ろの声の主は、あっさりと霊夢の『茄子の花での花見』を受け入れてしまった。
ともすれば一笑に付されて終わる提案が受け入れられて、霊夢はこっそりと息を吐く。
「……まったく、かなわないわね。紫には」
胡散臭げで、それでいてどこかのんびりしていて、呼んでもないのに突然現れる癖にいざ探すとなると何処にも居ない、誰よりも幻想郷を愛する神出鬼没のスキマ妖怪。
ずっと姿を消していた彼女の顔を拝むべく、博麗の巫女はくるりと後ろを振り返り、
「は?」
真っ白になって固まってしまう。
久方ぶりに見た八雲紫の額には、ごんぶとの黒い文字で『肉』と大書されていた。
※ ※ ※
霊夢は理解できなかった。
何なのだろう、なぜ冬眠から目覚めた紫の額には『肉』と書かれているのだろう。
……そう言えば、以前に妖怪の家を訪ねた時に、妖怪の子供に「肉だ! 肉が来たよ!」と言われたものだ。
あの時は、親の妖怪が飛んできて「あら、博麗の巫女さん。いえいえ、うちは人間なんて食べていませんよオホホホ。あれは単に昔から伝わる人間を呼ぶ時の隠語が残っているだけですの。オホホホホ」などと、弁明をされた。
とりあえず懲らしめておいたが、あの妖怪一家は、今でも人を『肉』と呼んでいるのだろうか。
そう言えば、このところ肉を食べていない。
豚や牛とは言わないから、鳥ぐらい食べたいものだ。
鴨でも撃ちに行くのは悪くない。
それのから揚げなんてどうだろうか。
カラッと揚がった鴨のから揚げに、ちょいと胡麻を振って、それにレモンを搾ってかける。
うん、今夜はから揚げにしよう。
「どうしたの、霊夢。まるでハトが豆鉄砲を食らったみたいな顔をして」
額に『肉』と大書されたスキマ妖怪の言葉を聞いて、霊夢の思考はようやく現実を認識する。
「……ごめんなさい。久しぶりに会ったものだから、嬉しさから意識が飛んでいたみたいよ」
嘘は言っていないが、それで「あら、まあ」と頬を赤らめる紫を見ていると、心なしか霊夢の胸が痛んだ。
既に霊夢の胸には、久しぶりに出会った高揚感やトキメキなど微塵もない。
あの額の肉の一文字によって、そんな甘いものなど消し飛んでしまった。
よく男女の関係で「彼女の×××××なところを見たら、幻滅して全然ときめかなくなった」とか「彼のこんな行動で、何もかも嫌になった」などという話を聞くが、よもや額に「肉」の一文字で、こうも感情というものは変わるのだろうか。
霊夢の一言で、顔を赤くして指先を合わせている八雲紫の姿は、額の『肉』の一文字によって、果てしなく……なんとも言えない気持ちにさせてくれる。
しかし、これはいったいどういうことなのだろう。
博麗霊夢は思案する。
なぜ紫の額に『肉』と大書されているのか。
「じゃあ、とりあえずお酒は後で用意するとして、貴方が育てた茄子の花で、二人だけでお花見をしましょうか」
そのように考え込む霊夢の手を取って、八雲紫は神社の裏にある小さな菜園へと向かうのだった。
茄子の花は、紫色の小さな花を咲かせていた。
それは、野菜の花の割にはなかなか見応えがあり、酒の肴として見た場合、風流と言えなくもない。
「たまには焼酎も悪くは無いでしょう?」
紫は手頃な岩の上に腰かけて、上機嫌に霊夢の持つコップに焼酎を注ぐ。
「ええ、そうね……」
一方、霊夢は気もそぞろに紫の額をチラチラ見ていた。
相変わらずの『肉』の一文字。
一体、紫は誰にこんなものを書かれたのだろうか。
しかし、考え直してみると、色々と疑問が噴出する。いったい誰が、紫の額に『肉』と書くことができるのだろう。
幻想郷でも、並ぶものがない偉大なる妖怪の賢者。神の如き境界を操る程度の能力。そして八雲紫の住みかは誰も知らない、分からない。
そんな存在に、誰が『肉』と書けるのだろうか。
「どうしたの、霊夢。全然呑んでいないじゃない」
「ええ、大丈夫。すぐに呑むわ」
あまり、紫に怪しまれてはいけない。
んくんく……ごふっ!
霊夢は、注がれた焼酎を傾けたが、紫の額を見た瞬間にせき込んでしまった。
「あら、大丈夫?」
「だ、大丈夫……ゴホッ、ゴホ」
なぜ、人は飲み物を飲んでいると笑いの沸点が低くなるのだろうか。
霊夢がせき込んでいると、紫はその背中をさすってくれた。
そしてハンカチを差し出すのだが、その時に、柔らかい金色の髪が霊夢の額に触れ、ついでに額の肉の字が霊夢の目に飛び込んで来る。
やめて、死ぬ。
襲い来る笑いの衝動に霊夢は苦しんだ。
突っ込みたかった。
ここで「なんで額に肉って書いてあるのよ!」と言ってしまえば、楽になれるのだろう。
しかし、霊夢は完全にタイミングを逸していた。
突っ込むのであれば、最初に額に『肉』と書かれているのを見た時点で、突っ込んでいなくてはいけないのだ。
さすがに今は突っ込めない。
「まったく、お酒を飲んでむせるなんて、まだまだ子供ね」
とか言いながら、額に『肉』と書かれたまま、紫は優雅に焼酎をあおった。
そんなスキマ妖怪の姿を見た霊夢は、しゃくりを上げながら、地面に突っ伏す。
笑い転げたい衝動を必死に抑えているのだ。
「ちょっと、本当に大丈夫なの。まさか気管に入ったとかじゃないでしょうね?」
心配そうに紫が霊夢の顔を覗き込む。
「……だ、大丈夫よ……、ちょ、ちょっと入っただけだから」
「気管に?」
いいえ、ツボです。とは巫女は言えなかった。
「なんだ、お前らこんなところに居たのか」
呼吸困難で死にかけていた霊夢と、額に肉と書かれた紫のもとに、空から声をかける者が一人。魔法の森の魔法使い霧雨魔理沙が、箒に乗ってやって来た。
その姿を見て、霊夢は心中でため息を漏らす。
きっと彼女であれば「なんだ紫。額に肉って書いてあるぞ?」などと突っ込んでくれるだろう。そして「あら本当、いやねぇ」などと和やかに紫の額から、肉という文字は消え去るに違いない。
襲い来る笑いの衝動から立ち直りつつある霊夢は、よろよろと立ちあがりながらも魔理沙に向かい手を上げた。
手を上げるだけで、まだ声は上げる事は出来ないが。
「あら、魔理沙。久しぶりね」
「おお、紫じゃないか。久しぶりだな」
さあ、突っ込め。早く突っ込め。
霊夢は、祈りに似た気持ちを抱きながら、魔理沙の一挙手一投足を見守っている。
「しかし、何をしているんだ。お前らは」
「茄子の花を愛でているのですよ」
「茄子ねぇ。まあ、たまには野菜の花を見るのも悪くは無いか」
「さあ、とりあえず一献」
そうして魔理沙は、紫から焼酎を渡されると、チビチビとそれを呑み始めた。
あれ?
「あの、魔理沙……」
「ん、どうした?」
「ええと、久しぶりに紫に会ったわけじゃない」
「ああ、そうだな」
「それで、紫の……その、ひた、じゃなくて、ファ、ファッションが少し変わったわけじゃない」
「ん? ああ、確かにそうだな。それはどこかの民族衣装か?」
額の文字についての振りのつもりであったが、よくよく見てみれば、確かに紫の服装は秋頃とは少し異なっている。
紫色を基調とした服という点ではいつもと変わらないが、服の端々に施された金色の刺繍が美しい。
「あら、この服ね。これは中東のある地方に伝わる民族衣装を手直ししたものよ」
そう言って、紫は着ている服を愛おしそうに撫でた。
「へぇー、なんかお姫様みたいだな」
あまり幻想郷では見かけない服に、魔理沙は目を輝かせる。
普段は、黒い簡素な服に白いエプロンとあまり飾り気が無いが、彼女も年頃の少女。お洒落に興味がないわけではない。
「あら、じゃあ魔理沙に似合いそうな服も、色々と用意しましょうか?」
「い、いや、そうなると話は別だぜ」
きゃいきゃいと黄色い声があがり、乙女談義に花が咲く
眼の前の茄子の花も風にそよぎ、焼酎も美味い。
「ふぅ」
そんな中で霊夢は、ため息をひとつ吐くと、
「……なんで、魔理沙は突っ込まないの?」
と、ぼそりと呟いた。
紫はスキマから取り出した、透けた布がふんだんに使われた衣装を魔理沙に押しつけている。
それを着せられそうになって魔理沙は「そんな破廉恥な服は着れないぜ!」などと、紫から逃げていた。
そしてちらつく『肉』の一文字。
霊夢は、己の目を押さえ考え込む。
もしかして、紫の額に『肉』と見えているのは自分だけなのだろうか。
魔理沙には、あの紫の額にごんぶとの文字で大書された『肉』の文字は見えないのではないか。
「おいおい! お前は私にベリーダンスでも躍らせる気か!?」
「あら、良く似合っているじゃない。素敵な酒の肴になるわ。ねえ霊夢、そう思わない?」
第一、あの『肉』の字が見えていたなら、紫を見た瞬間に魔理沙が自分と同じリアクションを取らないのはおかしい。
「……え、ええ、そうね」
突然に話を振られた霊夢は、動揺を隠すようにして紫に返した。
そして、決意する。
本当に、そこに『肉』があるのか確かめる事を。
霊夢は、無防備に近づいてきた紫の肩を抱くと、有無を言わせず自分に引き寄せた。
「れ、霊夢!?」
そして、動揺しているスキマ妖怪の顔に、吐息がかかるほど自分の顔を近づける。
突然の行動に、隙間妖怪は呆気にとられて、顔を赤く染めながら巫女を見つめた。
そして、霊夢は、
(おかしい……やっぱり額に『肉』と書いてある)
紫の額に穴が空くほど額の『肉』の文字を見ていた。
この染料は、墨ではない。
恐らく、この字のツヤは、外から入って来た『マジックインキ』という筆記用具によるものに違いない。
字体は、筆記体ではなく線の太さが最初から最後まで均一で、妙に角ばった字体であり、そこから誰が書いたのかを読み取ることは難しかった。
だが、そこに紛れもなく『肉』の一文字があるのは間違いない。
「れ、霊夢……」
見れば紫が、妙に惚けたような目で霊夢を見ていた。
「……紫」
一方、霊夢は真剣な表情で紫の額を見つめている。
もう、霊夢は限界だった。
覚悟をきめて、紫に『その額に書いてある肉はなんなの?』と、聞くために口を開こうとすると、
「……いいのよ」
と、呟いて紫はそっと目を閉じる。
何が良いのかはさて置いて、霊夢が額の文字を尋ねようとしたその時、
「へっきし」
肌も露わなベリーダンスの衣装を着た普通の魔法使いは、大きくクシャミを一つした。
すると紫は、火が噴き出るほど真っ赤な顔をして霊夢を吐き飛ばし「一体いつからそこに居たの!」と、魔理沙に向かって大声を上げる。
いつからも何も、白黒の魔法使いは最初からそこに居て、紫と会話さえかわしていたのだが、完全に自分の世界に入っていた八雲紫から見れば、霧雨魔理沙はどこかに行っていたらしい。
「……いや、ずっと居るんだが」
魔理沙は、ベリーダンスの衣装のまま答えるが、スキマ妖怪はその言葉が聞こえないのか、イヤイヤと首を振ると「ち、違うのよ……これは、その……あ、ちょ、ちょっと用事を思い出したわ!」などと言ってスキマを出現させる。
「ゆ、紫!?」
霊夢は手を伸ばすが、スキマへと消える紫を捕まえる事は出来ず、後には焼酎の瓶とベリーダンスの衣装を着た魔法使いが残されるだけだった。
茄子の花はも変わらずに、健気に花を咲かしている。
「はあ……」
その花を見つめながら、霊夢は深く溜息をついた。
聞けなかった。
額の『肉』の文字について、何も。
「……結局、アレは何だったのかしら」
そう呟いて、霊夢は焼酎を傾ける。
「あれって何だ?」
ベリーダンスの魔法使いが霊夢に尋ねた。いつのも黒い服と白いエプロンは、気が動転した紫が持っていったので、着るものはそれしかないのだ。
あるいは、それほど嫌そうにしていないところを見ると、意外と気に入ったのかも知れない。
「……額の肉の字よ。あんたには見えてなかったみたいだけどね」
なぜ、魔理沙に見えていないのか。
なぜ、額に肉と書かれていたのか。
それらの事を、紫から聞く機会は失われてしまった。
取り返しのつかないミスではない。
しかし、決断の遅さがこの結果を招いた。その事を悔やんで、霊夢は静かに息を吐く。
がっくりと肩を落として、霊夢が静かに落ち込んでいると、
「ああ、あの『肉』の字か。あれは私が書いたんだ」
と、ベリーダンスの姿をした魔法使いはこともなげに言った。
「…………え、えええええッ!!!!」
そして紅白の巫女の驚愕の叫びが、博麗神社に響き渡るのであった。
※ ※ ※
やむに止まれぬ事情があったんだと霧雨魔理沙が語る事によれば、事の起こりは紫が神社を訪ねる二時間ほど前。
白黒の魔法使いが箒で飛んでいると、眼下に白詰草が群生している草原を見つけ、そのど真ん中に怪しげな紫色の物体を発見したのが発端だという。
「おお紫じゃないか、久しぶりだな!」
白黒は、スキマに声をかけるも、この妖怪は横になったまま返事をする様子はない。
そこで魔理沙は紫が寝ている事に気が付き、その様子を観察した結果、どうやらスキマ妖怪は冬眠から目覚めた直後で、まだ本調子ではない内に動きまわった所為で、不意の睡魔に襲われてしまったのだろうと結論付けた。
いくら気持ち良さそうに眠っているとはいえ、さすがにこのようなお花畑が、誰も知らない八雲紫の住処ではあるまい。なかなか正確な状況判断だと、霧雨魔理沙は自画自賛した。
「ふーむ」
しかし、えらい気持ち良さそうに寝ているなぁ。
そう思った魔理沙は、ふと外の世界の書物に書かれていたさる達人の事を思い出す。
それは、外の世界で『合気』を創設した達人の伝説であった。
かの達人は人の身でありながら、銃を『ワシに当たらんのや』と公言し、実際に射撃の的となった時も、飛び交う弾丸をすべてかわし、逆に撃った兵士を投げ飛ばしたという凄まじい人であった。
そんな達人には、こんな話もあった。
ある日、達人は高弟と共に汽車に揺られていたところ、何を思ったのか達人は高弟に扇子を渡して、汽車が付くまでの間に自分に一発でも入れてみろと言って、早々寝てしまう。
眠るのであれば隙も何もない。高弟は、これは好機と思い、師匠の頭を叩こうとするも、その度に達人はパチリと目を覚ましてしまった。
そんな達人に弟子が戸惑っていると、達人は「寝ておるとな、神さんが夢の中で教えてくれるんや、弟子が叩こうとしとるぞー、ってな」と言って飄々と笑い、弟子は眠りの中でも隙を見せない達人に深く感じ入って、頭を下げるのであった。
かの如く達人は、偉大らしい。
なんと言っても、伝説に残るほどなのだ。伝説とは、つまりレジェンドである、並ではない。
だが、その一方で魔理沙は疑問に思う。
果たして、伝説の達人というものは本当に凄かったのだろうか?
確かに、そのエピソードは人間離れをしている。しかし、その達人の偉大さを示すエピソードは、所詮は人づてなのである。
霧雨魔理沙は、魔法使いだ。
魔法とは『実践』である。ゆえに霧雨魔理沙も、本による知識を軽んじる事は無いが、何よりも実践を、己が体験した事に重きを置く。
確かめなくては『何が真実か』など分かりはしない。
だから、確かめよう……伝説を。
幸運にも、ここには無防備に寝ている伝説の、幻想郷でも神の如き力を持つと恐れられる妖怪がいる。
気が遠くなるほどの時間を生き続け、万物の境界を操り、月の民に喧嘩を売って、幻想郷の守護者を任じるリビングレジェンド。
それほど偉大な妖怪が、人間の達人に劣るという事は無いだろう。
ならば、ここに取り出したるマジックインキで額に肉と書こうとすれば、八雲紫はパチリと目を覚まして「ふふふ、夢の中でね。大宇宙の意志が教えてくれたのよ。霧雨魔理沙が悪戯しようとしてるわよー、って」などと言うに違いない。
かくして伝説は証明され、また一つ、霧雨魔理沙の形而学的疑問は解消されて、今夜はぐっすり眠れるだろう。
……そう言えば、子どもの時分に寝ている香霖の寝顔に落書きをしたことがあったな。
その時、霖之助は「おいおい魔理沙。顔に落書きをするのも良いけど、こうもセンスのない落書きじゃあ僕も反応に困る。どうせ悪戯するなら、もう少しセンスを磨きたまえ」などと、言っていた。
あの時、魔理沙は、顔に悪戯書きをされたので、憎まれ口を叩いていただけだと思っていたが、ある程度歳を重ねると分かってくる。
確かに、子供の頃に描いた落書きは、実にセンスが無かった。
さすがに『うんこめがね』は無い。いや、ある意味、非常に子供らしい落書きであるが、子供だからと言って、なんでも『うんこ』で片付けるのはよくない。
次に香霖に落書きする時は、ほっぺたに『鬼畜眼鏡』と書いてやろうじゃないか。
それはともかく今は寝ているレジェンド・オブ・スキマである。
「……確かめるぜ。伝説を」
小声で決意表明をすると、魔理沙は八雲紫に近づいた。
紫は目覚める気配はなく、スヤスヤと安らかな寝息を立てている。その白詰草のベッドでお休みしている姿は愛らしく、そこからは幻想郷最強の一角を担う雰囲気は微塵も無い。
良く見れば、その脇には白詰草の冠が作りかけで放置されている。それらを統合することによって八雲紫の現在の状況が克明に浮かび上がってくる。
恐らく紫は、白詰草の群生地を見つけて、そこで四つ葉のクローバーを探したりしていたのだろう。しかし、そう簡単に四つ葉が見つかりはしないので、探し疲れたスキマ妖怪は、代わりに白詰草の花を編んで冠を作ろうとしたに違いない。
そして、その作業の半ばで睡魔に襲われて、ここでぐっすりとお昼寝タイムに突入したというところか。
「……手強い」
霧雨魔理沙は、脂汗を流していた。
なぜなら、今、ここで魔理沙が紫に落書きをするという事は、八雲紫が形成する一つの結界に侵入するという事に他ならないからだ。
結界とは、魔術や妖術などの人のみならざる『術』によってのみ生み出されるモノにあらず。
例えば、家の敷居や門も、家の外と中を隔て、その入口であるというだけで立派な結界であるし、子どもの頃に行う『ままごと』などで線に描いただけの家すらも、そこに容易に入ってはならないという点で、結界なのだ。
つまり全ての『境界』は、ただそれだけで『結界』となる。
そして、この八雲紫の寝る白詰草のベッドも立派な結界だった。
安らかに眠る少女の聖域、いくら白黒の魔法使いであろうとも、これを容易に侵すことはできない。
「……どうする?」
魔理沙は決断を迫られていた。
伝説の真偽を確かめる前に屈するか、果敢に……あるいは無謀にも伝説に挑むか。
時間はまだあるのかも知れない。
決断を先延ばしにできるのかも知れない。
だが、こんなところで、まごまごしていたら、きっと何も決められない。
「う……んん……」
その時、紫は寝返りをうった。
彼女は横向きに寝ていたが、寝返りをして仰向けになったのだ。
露わになった紫の顔のある一点に、霧雨魔理沙は注視する。
それは、紫の口元にある涎の痕。
「……見つけたッ!」
完全なる少女の寝姿に思われたが、ただの一点の穴があった。それによって、一つの完全なる藝術作品と思えた『白詰草にて眠る八雲紫』は『草原で寝っ転がりながら涎を垂らすスキマ妖怪』にまで堕してしまう。
ただの一点の涎が、侵略不可の結界の綻びとなったのだ。
そして、それを見止めた霧雨魔理沙の行動は迅速極まりなかった。
一気に八雲紫に近づきながら、マジックのキャップを取って、紫の髪をかきあげると、恐るべき速度と正確さで、ただ一文字を入れる。
肉
その文字を入れると、霧雨魔理沙は即座に結界である白詰草のベッドから離脱した。
この間、わずか四秒の早業である。
「うう……ん……」
伝説のスキマは寝返りを打つ。
まだ、霧雨魔理沙に気が付く様子は無い。その様子を見て、魔理沙は少しの失望と大いなる納得を持って頷いた。
「……伝説は伝説なんだよな」
そもそも寝入っている状態で気が付ける人間など、どれほどいるのだろうか。
伝説はしょせん伝説に過ぎない。なんと言っても、伝説など伝える説ではないか、これほど不確かなものはない。
「まあ、それ以前に、紫は肉体派じゃないんだけど……」
その一方で、根本的に何かが間違っている事に魔理沙は気が付きはじめていた。
だが、時すでに遅し。
スキマ妖怪を見ると、眠りが浅くなって来たのか、頻繁に寝返りをうっており、その額には『肉』の字が輝いていた。
消してやろうかと思わないでもないが、マジックインキで書かれた文字というものは簡単に消すことはできない。
「まあ、良いか」
鏡を見れば気が付くだろうし、そうすれば自分で何とかなるだろう。
そう呟くと魔理沙は箒で飛び去る。
後に残されたのは、額に『肉』と書かれた眠り姫と作りかけの白詰草の冠だけだった。
「と、まあ、そんな感じだったわけだ」
「あんたねぇ……」
一部始終を聞かされた霊夢は頭を抱えている。
「……とりあえず、今度紫にあったら謝りなさいよ」
「ああ、わかってるよ。紫が私の仕業と気が付いたら、だけどな」
霊夢の言葉に魔理沙は笑って答える。
その笑顔を見て、霊夢は「しょうがないわねぇ」と呆れ顔をするのだった。
※ ※ ※
まだ顔が火照っている。
「霊夢ったら、あんなに大胆に……」
八雲紫は火照った顔を押さえながら、人間の里をあてどなく歩いていた。
「いや、私もね。嫌じゃあないのよ……でも、やっぱり心の準備というか、人が見ているのにはしたないというか、そういう気持ちもある訳で」
紫は、なにか独り言を呟きながら歩いている。どうやら、ここにはいない巫女に言い訳をしているらしい。
「そもそも『良いのよ』といった手前、逃げたのはいくじな……って、あら?」
そこでようやく、里の人々から注視されている事に八雲紫は気が付いた。
紫はゴホンと咳払いをすると「人間の里も平穏そうで何より」などと呟くと、早足でそそくさとその場を去った。
久方ぶりの里は、依然と平穏で、その様を見て紫は何となく安心して、少し落ち着いてきた。
「……藍もよくやっているみたいね」
自分の式の仕事を思い、少しだけ紫は誇らしげに思う。帰りに油揚げでもお土産に買って帰ろうか。
そうして妖怪の賢者は、うんうんと自分の式の仕事の成果を見て、頷きながらも人間の里を回っていたのであるが、なんとも妙に居心地が悪い。
自分を見る人間や妖怪の顔が、変なのだ。
まるで、必死に何かを堪えるような、我慢をするような苦しげな顔をしている。
「ままー、あのお姉ちゃん……」
「しッ! 見ちゃいけませんッ! あ、申し訳ありません! 何でもないのですよホホ……」
そして、紫に指を差そうとした子供は、その母親によって連れ去られてしまった。
「……何かしら?」
確かに、今日の紫の衣装は、いつもの服ではなく、アゼルバイジャンの民族衣装をアレンジしたものである。その所為で普段の服に比べて少し派手ではあるが、それでも幻想郷で違和感が出ないように工夫はしているつもりだ。
改めて、自分の身なりを見返してみるが、別に他の妖怪に比べても、特別おかしな格好をしているわけではない。
「だったら、この視線は……」
紫をじっと見ている男に視線を送ると、その男は口を押さえて逃げて行ってしまった。
追いかけて、尋ねてみようかとも紫は思ったが、そんな事をしても怯えるだけで何も話せないだろう。
「……あら?」
既視感。
そう言えば霊夢も自分を見てから、しばらくの間、口をしきりに押さえていた。
「…………ふむ」
調べる必要がある。
まずは冷静な人間を見つけて、自分の何がおかしいかを知ることが必要だ。
「おや、お前が里に顔を出すなど珍しい」
良いところに良い人間が来たようだ。最も、人間なのは半分だけだが。
「ええ、久しぶりね。少し聞きたい事があるのだけど」
そう言って紫が振り向くと、
「……なんだ、その額は?」
人間の守護者であるワーハクタクは、呆れたような顔で紫に尋ねた。
紫の顔を見た慧音は、いきなり彼女の腕を掴むと近くの雑貨屋に入った。
「え、ええと、どうしたの?」
いきなりのワーハクタクの行動に、八雲紫は少し慌てている。おおよその事情を説明してくれると思いきや、無言で店に連れ込まれるなど……もしかして、モテ期でも到来したのだろうかなどと、スキマ妖怪は愉快な事を考えてあたふたした。
「すまないが店主、姿見はあるか?」
「へぇ、先生。売り物の手鏡がここに」
「では、少し借りる。すまんな」
そんな慌てる紫とは裏腹に、慧音は冷静に雑貨屋の店主から借りた鏡を紫に差し出す。
「……これは、私に?」
手鏡など、幻想郷では貴重品。
それを渡されて紫は思わず、顔を赤らめると手鏡を抱きしめた。
紫が受け取った手鏡を胸に抱いてドキドキしているのは、慧音にときめいているというよりも、霊夢のフラグが立ったと思ったら、いきなり連動するかのように別のフラグも立ったから、つい舞い上がってしまったのだろう。
八雲紫も、まだ×××××歳。きっと恋に恋するお年頃に違いないのです。
「いいから、それで自分の顔を見ろ」
しかし、上白沢慧音は冷静に返した。
こうも冷静に返されては仕方無いので、八雲紫は黙って鏡を見る。
鏡に映るのは、柔らかな金色の髪に思慮深そうな金色の目、透けるような白い肌に人形と見紛うばかりの整った容姿、そして額に描かれたごんぶとの『肉』という文字…………
「はぁ!?」
それを見止めた瞬間、八雲紫は目玉が飛び出るほど目を見開き、その深遠なる知性でも理解不可能な事に出会った事に驚き、里に響くほどの大声を上げたのであった。
※ ※ ※
その日は静かな夜だった。
最近は雨も少なく、魔法の森も乾燥しているのか、普段は夜になると鳴き狂う蛙も鳴りを潜めている。
虫が煩わしくなるのも少し先の話、気温も実にちょうど良く、快眠が約束されたような夜だった。
その所為か、魔法の森の霧雨邸の明かりが、今日は既に消えている。
普段は遅くまで起きて魔法の実験をしていることの多い家主だが、今日はあまりの心地よさに、さっさと睡魔に降伏してしまったようだ。
月明かりが差し込む霧雨魔理沙の寝室では、スピースピーという白黒の寝息を立てている。
そんな最中、魔理沙の寝室の一角で、紫色に空間が歪む。
そこから現れ出でるは、最も神に近しいと噂される妖怪、八雲紫だった。
「………………」
スキマから現れた紫は、昼間に見せた陽気さなど欠片もなく、ただ冷たく霧雨魔理沙を見下ろしている。
その額には、微妙に滲んだ『肉』の字が月明かりに浮かんでいた
「うーん、もう食べられないぜ……」
あまりにお約束な寝事を口にする魔理沙に、紫は少しずつ歩み寄る。
「……魔理沙。コレが貴方の仕業であると気が付くまでに時間は大してかからなかったわ」
その呟きに魔理沙は、うーんと顔をしかめた。どうやら、スキマ妖怪の気配が障ったらしい。
しかし、紫は慌てることなく、目が覚めようとしている魔理沙の顔の上を軽く撫ぜる。すると不快そうであった魔理沙の顔は穏やかなそれに代わり、再びスヤスヤと規則正しい寝息を立てはじめた。
そして八雲紫は、再び言の葉をつむぎ始める。
「なぜなら、一つは、私の額に書かれた文字はマジックインキで書かれていた。この幻想郷で外の世界の道具を抵抗なく使うものは限られている。それだけで容疑者は一気に絞られる」
紫は魔理沙に向かって呟きながら、手が入る程度の紫色のスキマを開いて、手を入れた。
「そして、第二に貴方だけが、私の額に『肉』の字を書かれているのを見ても反応しなかった。霊夢もそれ以外の人間も、私を見ると必ず動きが止まり、対応に苦慮した顔をする。それが、貴方に無かった、という事は……」
――私の額に肉と書いたのは、貴方という事。
そう宣言する紫の手には、スキマから出したと思われる黒い物体が握られていた。本当は、その後で霊夢に尋ねて裏を取った事を言わないあたりが、ある意味で八雲紫らしい。
「では、この八雲紫に『肉』と書いた以上は……霧雨魔理沙、貴方には、それに相応しい仕置きをさせていただきます」
そう宣言すると、幻想郷の大妖怪は手に持っていた黒い何かを持って、霧雨魔理沙に近づくと『キュポ』という音と共にキャップを外し、魔理沙の顔を引き寄せると、真剣極まりない顔でその頬にグリグリと何かを書き連ねる。
「ふむ、今回はこんなところかしらね」
慧音に額の文字を指摘された直後、紫は額の『肉』の文字を見て、大いに驚いた後、爆笑させてもらった。
まさか、幻想郷でも一、ニを争う大妖怪の額に落書きを、しかも『肉』などと書く輩がいるとは。
まさに、一本取られたというところだ。
しかし、だからと言って何もしないでは幻想郷の実力者としての沽券にかかわるし、かといって実行力を伴った報復をしては、冗談の分からない妖怪として、八雲紫の株は大いに下がってしまう。
良い冗談には、エスプリを効かせたジョークを。
そう考えた紫は意趣返しに、魔理沙の顔にも落書きをしてやろうと考えたのだ。
「それでは、良い夢を」
スキマに八雲紫は消えてしまい、後には、ほっぺたに落書きされた魔法使いが安らかな寝息を立てていた。
「……今日は少し蒸すわね」
元々、魔法の森は湿気が凄いのだが、今日はことさら蒸す。昨日が涼しくて過ごしやすかったから、余計に厳しく感じる。
空を見上げると、太陽は元気そうだった。
――夏が近くなっているのだろう。
ハンカチで浮き上がる汗を拭い、魔法の森を進む人形を連れた少女――アリス・マーガトロイドは、手に持っていた本が汗で滑りそうになるのを持ち直した。
彼女の進む先は、霧雨魔法店。
白黒の魔法使いに勝手に持っていかれた魔導書を返してもらいに行く途中だった。
「……涼しくなる魔法でも研究してみようかしら」
魔法使いたるもの、本気になれば暑さ程度はどうとでもなる。
だからと言ってその程度の事で魔法を使いすぎるのも宜しくないし、夏は汗をかいた方が健康には良い。
「……でも、暑い」
そろそろ霧雨邸が見えてきた。
アリスはハンカチで汗を拭いながら、霧雨邸の玄関の前で止まる。
「……魔理沙。居る?」
ノッカーを叩いて、アリスは魔理沙を呼び出す。
すると、しばらくしてから「いま出る」という声が聞こえてきた。
恐らく起きたばかりなのだろう。すでに太陽はかなり高くなっているというのに、暢気なものだ。アリスは「魔理沙らしいわね」と、小さく笑う。
中からはドタバタというけたたましい音が聞こえてくるという事は、現在進行形で、身だしなみを整えているに違いない。
「遅くなったな!」
しばらくして凄い勢いでドアを開けて現れる白黒、その顔を見た途端に人形遣いは噴きだした。
なぜなら白黒の魔法使いの頬には、『うふふ』という三文字が、ごんぶとの文字で特筆大書されていたからだった。
その後、頬に書かれた文字をアリスに教えられた白黒の魔法使いは、顔を真っ赤にするとリビングのソファーにダイブして、クッションに顔を埋めて足をバタバタさせて悶え狂ったという。
白黒の魔法使いが悶え苦しんでいる頃、博麗神社の拝殿で、巫女が一人でお茶を飲んでいた。
境内の葉桜は青々と茂り、かつての咲き乱れる桜の面影など欠片もないが、それはそれで風情がある。
「ご機嫌麗しゅう」
突然、スキマから出ているのは、いつものスキマ妖怪。今日のファッションはロシアの防寒服にコサック帽といった塩梅だ。
「……暑苦しい」
「あら、心頭滅却すれば火もまた涼し、ですわ」
そんな会話を交わしながら、巫女と妖怪は葉桜をただ眺めていた。
「花見、できなかったわね」
散り急ぐ桜を、妖怪と共に見る事が出来なかった事を惜しみ、巫女は少しだけ残念そうに呟いた。
「でも、花は散ったとしても桜は綺麗だわ」
妖怪は、そう呟くと巫女の隣で葉桜を見上げる。
青く生命力に溢れた葉桜は、儚い満開の桜とは違う美しさを見せていた。
その言葉に、巫女が顔を上げると日の光を受けた葉桜が、緑色に輝いている。
「……綺麗ね」
そう言って葉桜を見上げる巫女の額には『鬼』という文字が特筆大書されていたのだった。
モニターが紅茶まみれ…
そして『白詰草にて眠る八雲紫』。
萌えた.
落書きネタ自体はありふれたものですが、これは新鮮でしたね。
面白かったです。
魔理沙の頬に書いた『うふふ』の文字には笑いました。
そして魔理沙がクッションに顔を埋めて悶えている姿がとても良いですね。
霊夢と紫の会話などもほのぼのとしてて良かったですし、色々と面白いお話でした。
紫が昼寝をしているところや落書きで報復するところなどのお茶目なところや、里の人達のリアクションに戸惑っているところなど、とても可愛らしくてほのぼのしました
後書きやら花のくだりとのギャップが凄まじくて吹いたwww
呪殺師 太郎丸ネタが通じると思うなよ!!
一つ誤用が。
降伏勧告は降伏させる側が出すものです。
ハハッ!なんのご冗談を!
しかし、魔理沙のうふふは予想外だったのぜ。
中東の衣装の紫と魔理沙は脳内で大変可愛らしく再生されました。