季節は夏、本日も太陽は燦々と輝いている。100%中の120%、マジ本気マジである。
「過労死しねーかなー、太陽」
そんな物騒なことをつぶやきつつ、軽快に青空をかっとばす魔理沙。
何を考えずとも行先は自然にあの過疎った神社に向けられている。
目的と言われれば特に見当たらないのだが、まぁそんなの関係ねーとばかりに箒はぐんぐんとスピードを増していく。
「ネタが古すぎるんじゃないのか・・・」
ブーメランパンツ一丁の人がいたく傷つくようなつぶやきを放ったあたりで足下に古めかしい神社が現れた。
「おーい、霊夢ー?いないのかー?」
付近に楽園の素敵な腋の巫女の姿は見当たらない。
絶賛過疎化中の神社をほっといて8×4でも買いに行っているのだろうか?
縁台で涼みつつ、摂氏90度くらいの熱いお茶をすすることで、夏の風情(つまりこのくそ暑さ)を最大限に楽しもうと思っていた魔理沙は
多少肩すかしを喰らったようで、地に降り立ってキョロキョロと付近を見回している。
「あら、このくそ熱いのに盗人稼業?暇ねえ」
思いがけない方向から飛んできた慣れ親しんだ声。松岡修造よろしく輝いている
太陽に顔をしかめながら魔理沙は顔を上げる。
「ちげーよ。つか昼間に神社から出かけるとかめずらしいな。どこ行ってたんだよ」
「んー、なんというか・・・何かこう違和感を感じてね。そこらへん見回ってきたとこ」
途端に魔理沙の目がマスタースパーク並みの輝きを放つ。
「おぉおぉ!?異変か!?暇つぶしには持ってこいだぜ!」
「・・・なんで異変でそんなにニコニコすんのかしら・・・」
暑さも相まってうんざりとした顔で地面に着地する霊夢。
「まぁそんな異変ってほどでもなさそうなんだけど・・・なんていうかなぁ、うーん」
違和感の大きさでいえば大したことのない、指先にささった小針のようなものである。
しかし同時に博麗の巫女の勘は警告する。その小針は放っておけば、血流に乗り、いずれ心臓を食い破る、と。
もちろんこのことは魔理沙には言わない。言えるわけない。このひょーろく玉は暇さえあればあっちこっちでて騒ぎを起こしている。
嫌な予感など告げればくそ暑い中を「調べに行こう!」などと言い出しかねない。
「まぁとりあえず見回った感じ、おかしなことはなかったわ」
「なるほど、ぱっと見大したことはなさそうだが、致命傷になりかねない、というわけか」
「をををおぉ!?何、さとりから能力でも盗んだの!?盗賊の極意(スキルハンター)でも使えたのあんた!」
「まぁその辺突っ込むと話進まないし、中の人困るし、とりあえず調査開始してみようぜ!」
「・・・その発言はセーフなのかしら。まぁいいや。調査っていってもさらっと見てきた感じおかしなところはなかったわよ」
「ふむ・・・よし!霊夢!ここは逆に考えるんだ、怪しくなくたっていいさ、と。」
「いやちょっと何いってるかよくわかんない」
「1番怪しいと思ってなかったとこを調べるんだよ!」
よくわからない逆の発想を自信満々に披露する魔理沙にさらにテンションがた落ちの霊夢だった。
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「はぁー、疲れた・・・」
「幻想郷中回っても見つからないんじゃどうせ大した異変じゃねえぜ!やめだやめ!」
典型的な熱しやすく冷めやすい金髪少女の言動に若干頬をひくつかせながら霊夢はクールになれ・・・KOOLに・・・とぶつぶつ呟いている。
「大体、一番怪しくないとこってどこだよ!霊夢!」
「言ったのはあんたでしょうが!」
「あたしが言ったことあんま当てにすんなよ!」
ひきつる頬、青筋走るこめかみ、そろそろゴールしてもいいよね?と呟きつつ、どこからか取り出した鉈を手にパツキンの背後から迫る霊夢。
MK5 -マジ斬る5秒前- のカウントダウンを中断したのは魔理沙の叫び声だった。
「あ、そうじゃん!まだ大事なところを探してないぜ!」
「・・・何処よ大事なところって」
手にした鉈をしまうかどうか悩みつつ、霊夢はとりあえずオウム返しに質問した。
「ほら!アレだよ・・・なんつったっけ・・・大正デモクラシー?」
突如巻き起こるかつてある島国を揺るがしたリベラルな民衆運動。
「・・・灯台下暗し?」
「そうそう、それだぜ」
「・・・まぁいいけどね。それで何処を探してないっていうの」
「うむ。それだよ霊夢くん。今まで幻想郷内を散々かけずりまわってきたが、君が最も異変に気付きやすい、気付くべき場所とはどこだね」
途端に変わる魔理沙の口調にカウントダウンを再開させるべきか真剣に悩んだが、とりあえず脊髄反射で答える霊夢。
「ここ?」
「そう!それだよ霊夢くん!ここ、博麗神社こそ最も怪しくない場所じゃないかね!」
「それはそうだけどとりあえずその口調やめてくれないかしら」
「お、おう!それはそうと博麗の巫女が見守るこの神社こそが最も異変が起きにくい場所じゃないのか?」
若干、目が泳ぎつつ素直に言うことを聞く魔理沙。手にした鉈を背中で隠すのをやめたことが効果絶大だったようだ。
「まぁ言われてみればそうだけど・・・」
手を顎にあて、何やら考えている霊夢だが、魔理沙はもはや己の推理に何の疑いもないようだ。
「ほら!お前の目の届かないところがあるだろ?」
「そうねぇ・・・境内の裏とか?」
「よっし行ってみようぜ!」
熱した後冷めた白湯はさらに熱しやすくなるらしい。そんなどうでもいい豆知識を思い浮かべつつ霊夢は魔理沙の後を追った。
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そもそも、外の世界とつながると言われている博麗神社の裏、確かに異変が起こらないとは言えないが
こんな近距離で異変でも起ころうものならさすがに気付くのではないか、と霊夢は考えt
「何かいるぜ!」
(・・・・・・・マジで)
少しばかり巫女のプライドが傷ついた様子の霊夢だが、気を取り直して魔理沙の指し示す方向に目を向けた。
――――――――ズクン――――――――
一瞬だけ視界に入った人間らしき人影。外界からの迷い人だろうか。木々のおい茂った森の中にいるため全体像は確認できない。
だが何だろう、このおぞましい感覚は。とてつもなく ―――邪悪な・・・邪悪な笑みをしている。
見えないはずなのに。どうして、どうして笑っているとわかるのか。
「何してんだよ霊夢!見てるだけなら私がやっちゃうぜ!?」
言うが早いか既に攻撃態勢に入っている魔理沙。
「ちょっと、やめなさい!」
「もう遅いぜ!恋符『マスタースパークウゥゥゥゥ!!!!!』」
ドオオオオオオオン!!!
世が世なら1個大隊をも吹き飛ばしかねない大爆発が謎の人物を中心に広がる。
「フフン!奇襲は見敵必殺(サーチアンドデストロイ)が基本だ・・・ぜ・・?」
「だから言ったのに・・・やめなさいって。どうせ無駄なんだから」
爆発によって巻き上げられた粉塵の中、無傷で現れたのは一人の男。
人生も佳境にさしかかろうかという年頃、60歳程度と見られる。
その体つきは一見、少しばかり腹の出た中年らしい体型、だがその実、薄い脂肪の下には蓄えられた筋肉が何重にも敷かれているだろうことがわかる。
彼の苛烈な人生を示す年輪の刻まれた顔には煤が付いている。魔理沙のマスパが着弾したのだろう。
そこに添えられた巌のような手は「蚊にさされたかな?」といった様子で頬をさすっている。
そして何よりも目を引くのが首にかかっている呪具?のようなもの。
メビウスの輪を何重にも連ねたような奇怪なつくり。
何の変哲もない布のようにも見えるソレには嫌悪感を通り越し、吐き気すら感じる。
男は先ほども感じた邪悪な笑みを浮かべつつ、口を開く。
「おいおいおい・・・やってくれるじゃあないか・・・」
幻想郷に突然現れた男は
――――――中尾彬、その人であった。
(終)
必死さは伝わってくるんだけど……
話というより色々なネタを入れただけって感じだなあ
あと最後は思わず吹いた
メタなネタやるんならもうちょい原作の雰囲気崩すとこと守るとこのメリハリはっきりしたほうがいいと思いました
SSとするならば、ストーリー性を持たせた方が良いです。
あと、ネタなんて普通は最小限にする物だと思う。
幻想郷で捻りマフラーが大流行の予感www
それじゃあ紫がバンジーガムで聖がリッパーサイクロトロンで幽香がペインバッカーでにとりがブラックボイスでマミゾウがギャラリーフェイクで勇儀がビッグインパクトで(以下略)