Coolier - 新生・東方創想話

CHUCHU HAZARD

2009/06/06 20:09:20
最終更新
サイズ
22.14KB
ページ数
1
閲覧数
1289
評価数
2/26
POINT
990
Rate
7.52

分類タグ


「冗談じゃないわ!!」

と、アリスは言った

「こんな、いつ死ぬかも分からないところで、一秒も早く抜け出さないといけないのに、生存者を探すですって?あんたらに付き合ってたら命がいくつあっても足りないわ!」

「じゃあ、どうするんだ?」
魔理沙は問うた

「一人ででも逃げるわ。あんたらもせいぜい長生きする事ね。じゃあね」

人はそれを
 "死亡フラグ" と呼んだ
















































異変に気付いたのは今朝の事
私は朝、不審な足音に気がついた
空き巣か変態か何かだと思って、自分の寝室に入って来た瞬間、昇天脚から亜空穴で退治した
始めてみる顔だ。創想話でSSとか書いてそうな顔をしている
一日10時間以上寝ているような顔をしている
まぁ空き巣か何かだろうし、簀巻きにして奥の部屋に転がして置いた


着替えて神社の掃除を始めると、人の気配がないことに気がついた
人の気配というか、活気的なものを里から感じない
嫌な予感がした
的中した
空から風纏った何かが降りてくる
もはや落ちてくるともいうようなスピード
だが、それからは明らかな視線を感じた
殺意ではないが、鳥肌が立つような視線

要石が落ちて来たかのような轟音が響いた
「……レミリア?」
砂煙りの中から見えた、まごうことなき吸血鬼の姿
朝っぱらから傘も刺さずに何をしている
「う…うう…うううううう…………」
なんか呻いている
またフランに虐められたか?
「うー☆!!
そのレミリアの咆哮(?)に明らかな違和感を感じた
勘と反射神経で、飛び掛かって来たレミリアをかわし、夢想封印を叩き込む
……全弾ヒット?
牽制に使ったつもりだったが……
いや、だがやはり、仕留めきれてはいない
第二派、かわす。夢想封印
……全弾ヒット
……第三派
このままじゃ埒があかない
そうたこんな時のためにアリスに作ってもらった物があるじゃないか
夢想封印・散で撹乱し、神社の裏の倉庫まで駆け出す
目的のものはすぐに見つかった

等身大霊夢人形(超リアル)

れいむは れいむにんぎょうを なげた!
レミリアは にんぎょうに むちゅうに なった!
まさかこれ程の馬鹿とは
だが大成功だ
……人形にキスしてるぞアイツ
どんだけ危ない奴なんだ
とにかくレミリアはこのまま霊夢人形と一緒に簀巻きにしておく
……キスしてんのがうざかったからさるぐつわもしておいた



さて、なぜいつまでたっても咲夜が来ないのか
なんでレミリアが一人なのか
レミリアの様子がおかしいのも確かだ
とにかく一つ分かったことと言えば…
「異変が起きている…ということよね」
「その通りよ霊夢」
突如スキマからはい出て来た妖怪
紫だ
「あんたの仕業?」
「何の境界をいじったらこうなるのか教えてほしいわね」
知らん
「ていうか一体何がどうなっているのかすら知らないし」
「とにかくあなたが最後よ。避難場所に集まって頂戴」
避難?



避難場所にいたのは
持ち前の逃げ足で逃げ切った魔理沙
同じく逃げ切った文
外にいたから逃げやすかった美鈴
スキマで逃げた紫
そして、
「一応、これで全員か」
避難場所である家の持ち主、妹紅
「一応よ。ここにいる以外の子達の全員のゾンビを見たわけじゃ無いわ」
ゾンビ?
「いい?霊夢。これはウィルスの仕業よ」
「……もう犯人が見えるんだけど」
「ええ、私と並ぶ東方二次創作での便利屋よ」
「で、そいつは今どこに?」
「もうゾンビ化したわ」
えー
「私が永遠亭に行ったら既にゾンビウサギな巣窟になっていたわ。一応、一つだけしかなかったワクチンを回収するのには成功したのだけれど」
神妙な面持ちで紫が言う
「そのウィルスに感染するとどうなるの?ゾンビになるの?」
「ええ、性欲を貪るゾンビに」
性欲かよ!
「どうやら全年齢向けという特殊なフィールドだからキスを求めるだけにどどまったと考えるべきね。もしもここがイカロだったら……ぞっとするわ」
悪夢だなそれは
今もだが
「これがそのウィルスが入っていたと思われる注射器よ」
空になった注射器を手渡される
"T―ウイルス"と掛かれてある
「ちゅっちゅウィルスよ」
「…………」
胡散臭さMAX
つづり違うし
「効果はさっき言った通り。襲う相手は基本的に異性、それも好意を持った相手が優先される。たまに同性が好きな奴もいるみたいだけど、これは個人の性癖の差ね」
多分その性癖を持った奴は結構いる
例えば、私の神社に簀巻きにされている奴が一人
例えば、今私の目の前にいる奴
「ところで」
私は回りを一瞥して言った
「少ないわね。もう少し助けられなかったの?」
「……本当はさっきまでもう一人いたんだぜ」
魔理沙が言った
「アリスさん……」
美鈴が呟いた
「アリスがどうしたのよ?」
「自分一人ででも魔界に帰るって…」
死んだな
おお、奈無奈無

「ところでなんで私の家に集合するんだ?」
すっかり巻き込まれ役の妹紅
「なんとなくとか言うなよ」
「今回はちゃんと理由があるわ」
紫が胸をはって言う
服の上からでもよく揺れているのが腹立たしい
そういえばいつだったか宴会で「エロティックな揺らし方にはコツがあるのよ」とか言ってたな。酔った勢いで
ついでに人の胸見て「ま、個人差によって限度ってのもあるんだけどね」とか言ってたな
どうせ女しかいない酒の席なのになにアピってんだか
でもなんかムカついてきた
あいつの事だ、スキマ使って外の世界で十股ぐらいしててもおかしくない
そりゃあ一瞬で何千キロも跨げば浮気もばれんわな
あームカつく
「この隠れ家は迷いの竹林の中、そうそうゾンビは辿り着けないわ。そして解決の鍵を握る永遠亭にも近い」
「ぐぐぐ……確かに説得力はあるか……」
ふふん、と紫が胸をはる
たゆんたゆん

ドガッ

メコッ

「ぐふぁっ……!?」

おお、どうやらここに同志がいたようだ
彼女の名は霧雨魔理沙
ミドルキックを紫の肝臓にめり込ませている
ちなみに私はハイキック
魔理沙とでサンドイッチになるように反対側から
「な……ぜ……」
紫が呻く
自業自得成
悪しき妖怪は退治したがさて
どうしよう
「とりあえずみんなは何をすればいいの?」
「それを今からそいつが説明する予定だったんだぜ」
魔理沙が紫を指差す
「ちょっと紫?紫ってば」
紫を揺らす
はっと思い立ち、首筋に手をあてがった
振り返って、言った
「死んでる……」


十秒ぐらい時が止まった


「あやややや。これは殺人事件ですね(棒読み)」
「乳が許せなくてやった。今では反省している」
「なら仕方ありませんね」
「搾ったら小さくならないかしら」
「揉んだら大きくなるっていうぜ」
「迷信よ。魔理沙も手伝いなさい。文も」
「「了解」」
ちなみに美鈴は自分の胸を隠しながら隅っこで怯えていた


数十分後


「小さくなったかしら」
「とりあえずBeforeとAfterって形で写真は撮りましたけど」
「肉眼じゃよくわかんねえぜ」
「っていうかお前らは自分の置かれている状況がわかっていないのか」
なんだかんだで一部始終を見てしまってやや顔の赤い妹紅が言った
「なんだっけ。巨乳を退治しないといけないんだっけ」
「ちゅっちゅウイルスだよ」
「今思ったんだけどゾンビに紫の胸をちゅっちゅさせたらどうよ」
「いい加減胸の話から離れろやボケェ!」

フジヤマヴォルケイノ



「えーとりあえず、紫はあれだから倒した私にリーダーシップを移動するぜ」
「「「「異議なし」」」」
紫は私も倒したうちの一人なはずだが、自発的に動くより命令されるほうが楽でいいし
「作戦としては、とりあえず全員で永遠亭に殴り込む」
さすが魔理沙
「で、この一つだけあるワクチンを永琳に打って、永琳をここに連れてくる。その後永琳にワクチンを作らせて一人一人打って行く」
作戦じゃなくて流れの説明だ
最後は地道だなぁ
「そうと決まれば準備準備!」
これは長くなりそうだ

準備といっても特にすることは無し
なのですぐに出発となった
紫は置いて来た

-永遠亭 周辺-
ゾンビウサギを少しずつ退治した
数は多いが、ウイルスの特性上ゾンビは自分達の体を上らなければならないので、それほど苦戦はしなかった


-永遠亭-
「案外すぐ着いたな」
「まぁな」
こころなしか妹紅が得意げだ
「はたして永琳さんはどこにいるのでしょうか?なかなかのスクープになりそうです」
「まぁそれなり広いけど、ただが一軒家。手間取りはしないでしょう」
「いや……永遠亭には隠し通路があるんだ」
いやそれは初耳なんだが
「永琳は地下に研究施設を作っているんだよ。かなり広かったはず」
「……無茶苦茶ね」
「探しとけばいつか見つかるぜ」
ごもっとも
魔理沙のシンプル思考はこういう時に助かる
「なんか失礼な事考えてないかお前」
「さぁ?知らないわ」

適当に襖を開けていると、両側に襖が連なる通路に出た
襖を開く
なにもない
開く
なにもない
開く……
「襖だらけね……」
それもとんでもない種類の多さ
「輝夜が襖オタクなんだよ……」
妹紅が言った
なんにでもオタクはいるもんだ
ていうかゾンビウサギはどこから出てくるんだ
本当に多い
にしても、廊下も廊下で長い
地平線が見えるくらい長い
「輝夜の永遠の力で特定の模様の襖を開けながら進まないと無限ループするんだよ」
それを早く言えよ
言われてみれば襖の絵はループしている
鼠、牛、虎……
ああ、干支か
「で、どの襖開けるの?」
「確か……西向く侍」
「成る程」
襖を開ける
丑、卯、巳、申、戌……
おお、向こうが見えて来た
"かぐや の へや"
かわいらしい文字で書かれていた
開けた

「きゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

おお、輝夜は無事だったのか
こんな秘密の場所にいれば紫も見つけられなかった訳だ

「いやあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

随分錯乱しているな
まぁ無理も無いかもしれんが
「輝夜、私たちはゾンビじゃないわ」

「ぐやあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ガッ ゴッ ドスッ

蓬莱の玉の枝で殴られた
だめだ、錯乱しすぎている
「霊夢ー鈴仙って書かれた鍵があったぞー」
魔理沙が三日月のキーホルダーの鍵を手にとった
輝夜はもうほっとこう
だが殴られた分は返して置いた
「輝夜さんが余計に私たちを怯えてしまってるんですけど……」
「そんな事気にしてるからあんたはいつまでたっても中国なのよ」
かぐやのへやから出ると、無限廊下が正面に襖があるだけの短い廊下になっていた
つくづくよく分からん屋敷だ

「次は?次はどこにいくんです?」
フィルムを大量に持って目がキラキラしている文が聞く
「鍵があるからうどんげの部屋でしょ。そんなことより輝夜の部屋に隠し扉は無かったの?」
「永琳は研究の半分以上を輝夜に隠しているからな」
何故隠すのかは聞かないでおこう
てか今の状況を考えればあまりに単純だし
「でも、鈴仙さんの部屋ってどこです?」
「さぁ?」
知らないのかよ
ここに来て妹紅が役立たずか
「あたりめーだろ!!私は永遠亭に遊びに来てる訳じゃない!!」
「の割には輝夜の部屋の入り方知ってたじゃない」
「んなもんシラミ潰しに調べたんだよ」
「暇人かよ!?」
「長生きしてると時間の感覚が狂うのさ……」
遠い目


「あったぜ、鈴仙の部屋」
あいつの事だから幻覚で隠していると思ったが
まぁ当人がゾンビ化したら無理か
扉を開ける
「ヴァァァァァァァァァァ!!」
ゾンビ鈴仙登場
「マスタースパーク!!」
ずごごごごごごごごごごご
「…………」
「めんどくさかったからついカッとなって」
で、吹き飛んだ鈴仙の部屋はどうするんだ
「……えーと、鈴仙の部屋が吹き飛んで調べようがないから次いくぜ」
哀れ鈴仙
まぁなんとかなるだろう

「次の目的地は?」
「流れ的に永琳さんの部屋ですね!」
嬉しそうだなぁ文
まぁ当然かもしれない
永琳の研究室ともなれば永遠亭の、ひいては幻想郷のトップシークレットだ
大層いい記事が書けるだろう
「で、永琳の部屋って?」
「表向きには診療室の隣だが、あそこには風邪薬とか、市販薬しか置いていない。永琳の部屋は別にあるはず」
「表向きの部屋に隠し扉でもあるんじゃない?」
「それは知らないが……」



-永琳の部屋-
和風な作りに見えて、結構金属品がよくみえる
医療器具、患者のカルテ、医学の本(著:永琳)
驚くほど医者らしい部屋だ
本は鈴仙あたりが読んでいるんだろう
「隠し扉といえば本棚の裏とか、一カ所壁の色が違うとかよね」
もっとも、色の違う壁なんて見当たらないし
「本棚裏には何もありませんよ」
と美鈴も言っているし
「むだ足だったかしらね」
「そうでもなさそうだぜ」
魔理沙が永遠亭地図をつまんで振って見せた

研究室は輝夜の部屋と同じ所に書かれてあった
「あやややや?これはどういう事でしょう」
「勘を働かせなさい、これはあの無限廊下の襖の開け方による分岐よ」
「成る程、輝夜に見つからないためにあえて近くに置いたわけか」
「そ、輝夜は襖の開け方を西向く侍しか知らないって事」
「さっすが博麗の巫女!すごい勘ですね。で永琳さんの部屋へ通ずるパスワードは?」
「知らないわよ」
「えー霖之助さん並の中途半端さですね」
「うっさいわね……妹紅」
「知らん」
「役立たず」
「燃やすぞテメェ……」
……ちなみに描写していないだけで、相変わらずゾンビウサギは襲って来ている


-無限廊下-
「こうなったら適当なの当て嵌めていくしかねえよなぁ」
「やごころ、で8556とか?」
「ナイスだぜ霊夢」
未、辰(右)、辰(左)、巳
"研究室"
でて来ちゃったよオイ
「さすが霊夢だぜ」
そんな単純なパスでいいのか月の頭脳!
「早速入るぜ」
「入りましょう!入りましょう!!」
テンション高いな二人
魔理沙はなんか盗んで、文はなんか撮ってくつもりだろう
魔理沙がドアノブに手をかけた
がちゃがちゃ
<開かない 鍵がかかっているようだ>
「「…………」」
あらら残念でした
「うおおおおおお!!マスタースパークッ!!!」
<開かない 鍵がかかっているようだ>
「うわあああああん」
魔理沙が泣いてしまった
文も泣いてしまった
修学旅行先の旅館のアダルトチャンネルで後もう少しの所で時間切れになった中学生かお前らは
「ってかこの中に永琳いたとして、永琳が鍵持ってるんじゃ詰んでるんじゃない?」
「でも、ここまできて諦めるわけにもいけませんよ。探しましょう」
「そうウサ。永琳は実はああ見えてめんどくさがりやだからいつもマスターキーを持ち歩いているウサ」
「成る程ね……」

!?

「て、てゐ!?」
先に気付いたのは私だったが、妹紅が先に反応した
名前が思い出せなかった訳ではない断じて
「どこにいたんだよ?」
「私は悪戯好きの性格上かくれんぼは得意ウサ」
ああそうかい
「とにかく、永琳の研究室には鈴仙も出入りしているから、鈴仙の部屋にあると思うウサ」
「「「「「………」」」」」
つい10分かそこら前の光景が目に浮かぶ
「ど、どうしたウサ?」
魔理沙なんか顔面蒼白だ
いやむしろ完全に青くなってる

「鈴仙の部屋は魔理沙がさっき吹っ飛ばしたわ。マスタースパークで」

「…………まじで?」
語尾も忘れる衝撃
てゐもすっかり顔面蒼白である
「だ、大丈夫ウサ!永遠亭にはあらゆるスペアキーが保管されている隠し部屋があるウサ!地図を貸すウサ!」

-隠し部屋-
木造の小部屋
電気はないので暗い
にしても掛けられた鍵は随分不規則な並び方だ
しかもどれも同じに見える
「……どれがどの鍵か分かんないんだけど」
「多分これウサ」
てゐは中央よりやや上にある鍵をとった
「この鍵は屋敷の部屋の位置に対応しているウサ。姫様の部屋の鍵の真横にあるので合っているウサ」
成る程ね

-無限廊下-
がちゃん!
「よし、開いた!」
「っしゃあ!入るぜ!」
永琳の研究室は和風な作りに見えて、結構金属品がよくみえる
医療器具、患者のカルテ、医学の本(著:永琳)
驚くほど医者らしい部屋だ
……なんかデジャヴを感じるんだが
「……永琳の部屋じゃね?」
「「「「「……………」」」」」
てゐを睨む
「「「「「……………」」」」」
「ウ、ウサ!?そんなはずは……」
てゐが来た扉を開く
診療室だった
「お、落ち着くウサ。これは孔明の罠ウサ。要するにこれはダミーの鍵ウサ」
「で、本物は?」
「確かもうひとつ鍵がある隠し部屋があったウサ。確か……」



てゐが壁に手を挿す
不自然なくらいあっさり取れた壁のタイル一枚は、そのまま穴に手を入れると引き戸になる
「あったウサ!」
やや狭い空間に鍵が一つだけ掛かっている
「これが本物か?」
魔理沙が鍵を手にとった
がちゃん!
「へ?」
扉が勝手に閉まり、鍵もかかる
開かない
ごごごごごごごごごごご
魔理沙が呟いた
「……お前ん家の天井さ、なんかこう…迫ってくる物があるよな」
「言ってる場合か!!」
簡潔にいうと、天井が落ちてきている
あと数十秒で私たちはぺしゃんこだ
「ど、ど、どうするんですか!?どうするんですかぁぁ!?」
美鈴、完全にパニック
「か、鍵!鍵を戻すんだ!」
妹紅が叫ぶ
戻した
すると扉の鍵は外れ、天井もまた高くまで引き上げられる
「どうするのよ!?」
「私にだって……わからないことぐらいあるウサ……。罠が作動したって事はこれが本物であってるのは確かウサ……」
それが分かっただけでは意味がない
その鍵を手に、この部屋から出なければ意味がない
こんな時に限ってって紫がいないのが恨めしい
今何をしているんだったか
腰痛で倒れているんだったか、情けない
すると魔理沙が何かに閃いた
「ダミーだ」
「は?」
「霊夢!さっきのダミーをくれ!」
「どうするのよ?」
「今に分かるぜ……!」
魔理沙が鍵を手にとる
仕掛けが作動した
「魔理沙!?」
「これで!!」
ダミーの鍵を壁に掛ける!

…………
……


「仕掛けが……止まった?」
「やるじゃない魔理沙!」
「朝飯前ってやつだぜ!」
(あの仕掛けはアリスに教えてもらうまで何度もトゲトゲの盾に潰されてたなぁ……)
という某ゲームの記憶



-無限廊下-
「今度こそ!!」
霊夢は鍵を開け、扉を開いた

永琳の部屋だった!

「てめぇこのクソウサギ騙しやがったな!!」
「ウサァァァァァァァァァァァァ!?」
口が汚いぞ魔理沙
だがこれはどうしたことか
「実はそう見せかけた別の部屋とか?」
「違うと思いますよ。写真、見てもそのまんまとしか……」
文の写真を見る
確かに本棚の本の並びまでいっしょだ
だが、僅かな違いを私は見逃さない
「この本棚、浮いているわ」
「へ?」
文は写真と見比べる
「……見る角度でそう見えるだけでは?この写真も微妙に浮いているように見えますし」
霊夢は本棚をずらした
その華奢な指でもたやすく本棚は動いた
「!!」
そしてその裏からは
「ビンゴ!」
地下へ通づる隠し階段があった



地下は何と言うか、近代的な雰囲気が漂う
蛍光灯がやけに明るい
金属の扉が並んでいるが、どれも関係者以外立入禁止になっている
「禁止されると余計にしたくなっちゃうのは生物として当然の反応ですよね!」
ひとりでやってろバカ烏
私らを巻き込まない範囲でやってくれ
「分かるぜ」
ここにもバカがいたか
「よーく分かるウサ」
バカばっかりだー畜生

<サンプル室>
「こ、これは…!二次創作でよく永琳が欲しがったりするサンプルが集められてる部屋ですか!?ktkr!!」
ガチャ
ビー ビー
「へ?」
ガチャリと扉が閉まる
「ちょ、あかなっ…霊夢さん!?助けて霊夢さん!!」
ガチャガチャとノブを回しても鉄扉は開かない
幸い閉じ込められたのは文だけだし、自業自得
「さ、行きましょ」
「「「「おー」」」」

「うぇぇ!?ちょ、霊夢さん!?冗談でしょ霊夢さん!?ひゃっ!?なんか伸びて来たんですけど!?助けてくださいよ!!誰か、助け、や、ちょ、どこ触って、なにこれ、ぬるぬるして――――――きゃああああああああああ!!」
イカロでやれ



「文……お前の事は忘れないぜ……」
走りながら魔理沙が呟いた
まぁ少しくらいの薬にはなっただろう

っどん!!

突然轟音が響く
「ななな、なんですかぁ!?」
美鈴が振り返る

「霊夢ぅぅぅぅぅぅ!!」

「げぇ!?萃香!?」
しかもミッシングパープルフルパワー
角が天井を削りまくり
「なんで!?ここは隠し階段の下よ!?なんでゾンビがここまで来れるのよ!?」
「……ドア閉めんの忘れてたからかな?」
「こんのドアホーーーーー!!」
走りながら叫ぶのは正直辛い
だが巨大化している萃香は案外あっさり巻けた
念のため結界を張り、角を右に曲がって止まる
「ふう、もう大丈夫ね」
「ちょ、ちょっと休憩だぜ……」
「私はまだ大丈夫ですけど」
「一日中門に突っ立ってるお前とは足の出来が違うんだよ」
威張るな
「でも、正直休憩してる暇なんて無い様ですよ」
「へ?」

ドゴォ!!

再び響く轟音
「げぇ!?萃香!?」
壁をぶち破ってきやがった!?
「くそっまさかのタイラントポジションか!」
なんだタイラントって
「皆さん、ここは私にお任せください」
美鈴が前に歩み出る
「美鈴!?」
「萃香さんの相手は私がします」
「やめろ美鈴!!」
「いや、美鈴にまかせましょう」
「霊夢!?」
「ああ、美鈴、任せるよ」
「妹紅まで!?」
「魔理沙、誰か一人でも奥にたどり着くのが優先ウサ」
「……クソッ!!」
私達は走り出した

「霊夢、霊夢、霊夢ぅぅぅぅぅぅ!!」
「いいえ、貴方の相手は私です!さぁ、見せてあげましょう!私の究極奥義を!」
そこでその台詞は何気に死亡フラグだ



「美鈴……お前の事は忘れないぜ……」
多分文の事はもう忘れただろう

にしても長い廊下だ
「無限廊下じゃないでしょうね」
「多分それは無いと思うウサ。景色はループしてないし」
「れ、霊夢、後ろ!!」
妹紅が叫んだ
「今度は何よ……?」

「れぇぇぇぇぇぇぇぇいむぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

「げぇ!?紫!?」
「ゾンビになったのかよ!?」
紫が猛スピードで追いかけてくる
「魔理沙、マスパは!?」
「畜生、これが最後の一発だからな!マスタースパーク!!」

ズドドドドドドドドッ!!

「……だめだ、やっぱマスパ程度じゃ倒せねえ!!」
「あいつはマスパで退治できるほどかわいい奴じゃないわよ!時間を稼いでくれれば十分!」
「言いながら何故私の髪に霊夢のリボンを結ぶ!?」
「似合っているわよ妹紅」
私は妹紅を突き飛ばした
「何をっ!?ちょ、紫がこっちに来たんだが!?」
「二重結界!!」
「てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」



「妹紅……貴方の事は忘れないわ……」
文って誰だっけ
「この外道巫女め……」
「なんか言った?」
「なんでも」
ところで長髪になった霊夢の髪の毛が走って風になびいていい香がする
とか思っていた魔理沙だった

「永琳の研究室ウサ!」
「地下の中央に位置しているのか?」
どうりで曲がり道ばかりなわけだ
「開けるぜ」
唾を飲む

ギィィィィィィ……

「永琳、いるかしら?」
「えーりん!えーりん!」
「ウェスカー!」
誰だウェスカーって

ぅぅぅ……

「気をつけろ、うめき声が聞こえるぜ……」
右か?左か?上か?
どこにいる?

…………………………

…………………

…………

……



「左よ!!てゐ!!」


「うひゃぁぁぁ!?」
永琳登場
ただし、ゾンビ化しているが
「やはり、狙いはてゐか!」
「ううううう……」
ハンターのような目つきで睨む
てゐは固まっている
「おい、あんな機敏な奴に注射させってのか?」
「話しかけないで、今あいつの動きを止める方法を模索しているの」
永琳の弱点、弱点、弱点……
物理的な物では無理があるが……
いや、待てよ?
口裂け女にはベッコウ飴を持っているといいと言うが
それは口裂け女はベッコウ飴が苦手なのではなく、ベッコウ飴が好きだから夢中になってしまうからという
永琳の好きな物……

――――!!

「永琳!これを見なさい!」
簡単だ
永琳が好きな物、それは今、永琳が釘づけになっているではないか
手をおもいっきり振るう

てゐのスカートの前面が虫を舞い、白いドロワがあらわになった

「!!」
永琳の動きが止まった!
そう、今永琳は、自らの唇をてゐの唇に持って行くか、てゐのドロワに持って行くかによるすさまじい(たくましい)葛藤に支配されているのだ
「今よ!」
「おう!」

















「ありがとう、実はそこのスイッチ一つで解毒剤が自動的に撒かれるのよ」
……なんじゃそら
じゃあなんで解毒剤なんて作ったんだ
「そ、それはあれよ。作ったものは一度分解してもう一度組み立ててみたくなるでしょう?数学とかで問題が解けると確め算とかしたくなるでしょ?」
んな事したくなんのは天才だけだバカヤロー






一夜開けて、すっかり幻想郷はいつもの活気を取り戻していた
結局ウイルスが撒かれたのは永琳の失態だったらしい
ちなみに永琳が用意していた解毒剤とは強力な睡眠薬であり、また、それぞれゾンビとなった時の記憶がなくなっている
後味よく終わらせるもんだ
今日も緑茶がうまい
やはり牛乳より緑茶のほうが後味がスッキリしていていい

ドンッ

「?」
不意に隣の部屋から物音がした
もう聞こえない
気のせいだろうか
「……もうあんなのは勘弁よ」
平和な日常の幸せさを、霊夢は改めて噛み締めた

博麗神社に鬼のような形相を浮かべた咲夜が飛んで来たのは数時間後の事である
























































































一夜明けた


計画は概ね成功したと言える
計算外だったのは魔理沙が鈴仙の部屋を木っ端みじんにしてしまった事だが、結果として研究室の鍵は手に入れたのだから問題は無い
もう一つは萃香に地下を荒らされてしまった事だが、これも得たものと比べればたいしたことは無い
大成功だ
八雲紫は気付くかもしれないと踏んでいたが、それも取り越し苦労に終わった
……まさか霊夢と魔理沙が倒してしまうとは
閻魔には……気付かれただろうか
ゾンビ化はしなかったにしろ睡眠薬は私を除く全員に掛かったはずだ
"二夜"明けた今でも閻魔は現れないということは、そういうことだろう

「鈴仙、今日は何日かしら」
「6月の18日ですけど、それがどうかしたんですか?」
「何でもないわ」

我、観測す 故に我あり
観測するものがなければ、観測されるものは存在しない
正確には、いてもいなくても同じなのだ
たとえば、世界中の人間がこの幻想郷の存在を信じたらどうなるだろう
たとえ、幻想郷を確認したものはいなかったとしても、幻想郷は存在することになる
例え今日が本当は6月19日でも、幻想郷中の人間が6月18日と認識すれば、今日は6月18日なのだ
例え私が「今日は6月19日です」といっても、信じる人等いないだろう



例え、それが事実だとしても
「メリー聞いて。私、今メリーと猛烈にちゅっちゅしたいの」
「病気ね。医者に見てもらいなさい」
「もうね、その動く唇見るだけでね、自制がきかなくなっちゃいそう」
「地球上の医学では治せない重病ね。月あたりの医者に見てもらったほうがいいんじゃない」
「ああ、体が勝手にぃー」
「ちょ、やめなさいってば、連子?連子ーーー!?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

書いていてなんか疲れた今作
これ書いてて某動画サイトの発情香思い出した
ネタかぶりは多分してないから大丈夫
てゐには、いつもならうどんげがされてそうなことをあえてやらせてみた
それだけ
妹紅を最近よく書くようになった
それだけ

Q,永琳は誰もが寝静まった24時間、何をしていたのだろうか
A,ご想像におまかせしますとか言ってみる。書くのがめんどくさかった訳じゃ無い

言われてみればグダグダですねこれ
そういえばアリスも忘れていた
今作は失敗です。要精進

>18
自分でもこれはひどいと思う
前作とプチの前作が好評(当社比)だったから調子に乗ってしまったんだろう
過剰睡眠摂取症候群
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.940簡易評価
11.20名前が無い程度の能力削除
せめて小説としての体裁を整えてから出直してこい。話もあっちこっち行ったり来たりだし、一貫性がない。プロットってもんを知ってますかい?
16.30名前が無い程度の能力削除
~た とか ~だ とか文末が同じで少し読みにくいですね
あとアリスとか投げっぱなしなのが残念
18.無評価名前が無い程度の能力削除
え、なんでこんな偉そうなん?
25.無評価名前が無い程度の能力削除
出直して来いとか何様なのかと