CAUTION!! CAUTION!! この先いろんな意味で注意
~ 声高らかに ~
「ふぅ…どうしたものかな…」
そう言って一人腕を組んで悩んでいるのは人里の守護者、上白沢 慧音だった。
彼女が悩んでいるのは寺子屋で教えている子供たちについてだった。
いや、正確には一人の男子についてなのだが。
慧音は今日の出来事を思い起こしてみる
******
「さあ、みんな昨日出しておいた宿題はやってきたか?」
「「は~い」」
教室に元気よく声が響き渡る。
慧音は毎日授業の終りにみんなへ宿題を出すことを日課としていた。
特に難しいものではなく、三十分もやれば簡単に終わる計算や、お手伝い、日記などその程度のものだ。
この幻想郷では子供とて、ずっと遊びっぱなしというわけにはいかない。
親の手伝いをしたり、田植え、草刈り、子供でもやるべき仕事がごまんとあるのだ。
もちろん彼女もそれを知っている。
それでも子供達を寺子屋に通わせてくれる親御さん達の信頼に応えるためにも少しでも勉学に触れさせてやりたい、
と考える慧音なりの生徒たちへの思いやりでもあった。
しかし、
「忘れました~!」
「…またか…」
慧音は頭を抱える。
自信満々に腕をあげている少年の名前は雄大。
寺子屋で三人しかいない男子の中の一人。
農家の出自の子供で腕っぷしも強く腕白でリーダー気質な少年だ。
「雄大…どうしたんだ?ここ一週間ずっとじゃないか。そんな大変な宿題は出していない筈なのだが…」
慧音は半ば呆れたような声で説教をする。
雄大はわざわざみんなの後ろを通って窓際から慧音の所へすたすた歩いて行く。
「ごめんなさい!!」
窓際に立つ雄大はそう言って勢いよく頭を下げる。
眉間にしわを寄せながら説教をする慧音。
そのたびにへこへこ頭を下げる雄大。
はたから見るとあまり反省していない様にも見える。
「…まあいい。約束を破ったんだ。覚悟は出来ているな?」
「…!はいっ…」
次の瞬間ごすっと鈍い音がして雄大は崩れ去った。
寺子屋名物とも言える、慧音の頭突きだった。
よほど悪いことをした子供に慧音より下される天罰である。
その衝撃は頭を貫き腰にまで響きわたる。
彼女の教え子たちは大人になってもその威力を忘れられずトラウマになるという。
そして、寺小屋からごすっという音が鳴り響くのを聞いては当時を思い出し戦慄するのだ。
******
慧音が彼に頭突きを食らわしたのは三日連続で宿題を忘れた頃からだった。
まあちょくちょく宿題を忘れてくる奴だったので警告も兼ねて気持ち軽めに頭突きをかましたのだ。
ところがその後四日続けて宿題を忘れ、頭突きも四日連続だ。
もちろん今では手加減などしていない。
石頭を自負する慧音の頭でもひりひりするくらいの一撃だ。
雄大だってタダでは済まないハズなのだが。
そもそもなぜ彼女は頭突きをするのか?
それは彼女の信念でもあった。
もちろん拳骨のほうが自分だって痛くないし手軽だ。
しかし、それではいけないのだ。
相手と同じ痛みを自分も知るため、そして相手に自分の思いを知ってもらうため彼女はいつだって全力だった。
「ふぁぁあ…考え込んでも仕方ないか…明日は宿題をやってくることを信じて、もう寝よう。」
そして次の日、やはり雄大は宿題をやってこなかった。
ひと際大きなごすっっという音が鳴り響き近隣の住民を恐れ慄かした。
その日の放課後…
「何で、やってないって嘘をついたんだよ!?」
校舎の裏側で雄大に捲し立てる少年がいる。
少年の名前は文太、寺子屋で三人しかいない男子の中の一人である。
商人の子でおっとりしているがとても優しい少年だ。
「やっぱり、あんな余計なことをしたのは文太だったか。」
「余計なことってなんだよ!僕は雄大のことを心配して…!」
そう、文太は近頃宿題をやってこない雄大を心配してコッソリと彼の宿題をやって鞄の中に入れたのだ。
しかし、宿題のやってあるノートを持っていたにもかかわらず雄大はやっていないと嘘をついた。
嘘をついてまで慧音の渾身の頭突きを受けたのだ。
いや、実際雄大本人は宿題をやっていないので罰を受けるのは当然なのだが文太はどうしても納得がいかなかった。
「…いや、そうだな。スマン。オイラの言い方が悪かった。」
「一体どうしたのさ?何で最近…」
宿題をやってこないのか?
文太にはこの一言を発することが戸惑われた。
もしかしたら雄大はすごく悩んでることでもあるのかもしれない。
宿題をする暇がないほど忙しいのかもしれない。
そんなことが頭をよぎったからだ。
そんな様子を見て雄大はため息を一つ吐く。
「そうだな、文太には言っておくべきかもしれない…実は…」
ごにょごにょごにょ…
「な、なんだって~~!?」
こうして、宿題をやってこない生徒が一人から二人に増えたのだった。
………
………………
………………………
「う~ん、う~ん…」
慧音はいつものごとく自室で頭を痛まして…いや、悩ませていた。
「やっほ~、慧音遊びにきたぞ~」
そう言って断わりもせずに部屋のドアをバンと開けて入ってきたのは蓬莱の人の形、藤原妹紅であった。
「…ああ、妹紅か…」
そう言って疲れた表情を隠さずにいる慧音。
「おりょ?どったの?風邪でもひいたか?」
妹紅は珍しいな、と思う。
どんなにつらい時でも、他人に心配をかける事を嫌って無理して平気な顔をつくる慧音がこの有様だ。
思わず声もかけらずにはいられなかったのだ。
「いや、生徒のことで悩んでいてね…」
「ああ~あの雄大とかっていう悪ガキのことか?前に宿題やってこないって愚痴ってたな。」
「ああ、実はもう一人突然宿題をやらなくなってしまってな…おとなしくて優しい奴だったんだが…
私のやり方が間違っているんじゃないかって…自信がなくなってきてしまったよ。」
「う~ん、そういうのはよくわからないけど…アレだ。同じ男の子に聞いてみるのがいいんじゃないか?
それとなく様子を探らせてみる、とかさ。ほら、放課後に校舎裏よく三人で集まってる男の子達なんだろ?」
「そう、だな…ありがとう妹紅。参考にさせてもらうよ。お礼に夕食くらいは食べていくといい。」
「お役に立てて何より。実はそれが目的だったんだよね~」
こうして翌朝、早速慧音は寺子屋で三人しかいない男子の中の最後の一人である譲吉に相談した。
村長の孫である彼はとても理知的な優等生で将来を有望されていた。
無遅刻無欠席宿題忘れなどもっての外な慧音自慢の生徒である。
ただ厄介事には首を突っ込まない性質なのか今回のことに関しては特に気にかけていないようだった。
「……………というわけなのだがお願いできるだろうか?」
「…そうですね。俺もあいつ等の行動はいい加減気にはなっていたんですよ。今日の放課後問いただしてみます。」
慧音の依頼を譲吉は快く承諾した。
そんな譲吉の様子を見て慧音もほっと胸を撫で下ろす。
彼は表だって動くような人間ではないがとても頭がよく頼りになる。
彼の頭の回転の速さには慧音ですら舌を巻くことがあるくらいだ。
これできっと問題も解決することだろう、とようやく慧音も安心するのだった。
ちなみに二人は今日も宿題を忘れ、ごすっ、ごっす、ごっすん!と計三発の頭突きを食らって地面にめり込んでいた。
そして何故か
「ありぁしたあっ!!」
と体育会系のお礼まで言われる始末。
慧音は頭を抱えるばかりだった。
そうして、放課後。
校舎の裏には三人の姿があった。
譲吉がおもむろに切り出す。
「ここ最近どうしたんだ?あんまり先生に無理をさせるなよ。」
雄大と文太はバツが悪そうに俯く。
文太が雄大をちらっと見ると雄大は力強く頷く。
そして実は…と原因を語りだす。
「実は…慧音先生って
胸に何も着けてないんだよ
…だから…」
「なん、だと…!?」
ここまでで譲吉は全てを悟ってしまった。
そして彼の頭は高速で回転しだす。
慧音先生が胸に何も着けていないだと?
ならば頭突きを食らう時に屈んだ状態の襟元の中からあのたわわなおっぱいが覗けるじゃないか!?
いや、まてまて。
しかも衝撃を受けるということはあのおっぱいがさらにぷるんぷるん…
違うな。
たゆんたゆんと揺れるのを間近で眺められるというのか!?
そうだ!思い出せ!
雄大はわざわざ明るい窓際から先生に怒られに行った。
あれは逆光を利用してさらにいい眺めを堪能しようとしたんじゃあないのか!?
そうに違いない。
太陽の光を利用してベストアングルを追い求め続けていたのだ!
しかし、その直後にあの強烈な一撃を見舞われるのだぞ?
それほどまでの価値がある眺めだというのか…
だが、待てよ?
もしかしたら、天国の景色を見つめながら地獄の苦しみを負うというのは凄まじい常習性をもった快楽になるかもしれん!
しかもしかも、その後にふらつく振りでも見せながら先生に寄りかかれば目の前は天国のクッションがっ!!
毎日たゆんたゆんと揺れるおっぱいが眺められ、先生の吐息を感じながら快楽を受けるだと!?
学生の身分でそんな毎日を過ごせるというのかっ!?
ばっバカな!?
今日文太のやつが
「ありぁしたあっ!!」
とか言ってなかったか?
いいや、そうだ!確かに言っていた。
今日は三連発でお見舞いされてたな。
…ということは、たゆんたゆんなんてレベルじゃねーぞ!?
どれだけの力が放たれていたというのだ?
ま、まさか深淵を覗いてきたというのか?
おっぱいの、おっぱいの、おっぱいのおおっぱいのおおおおお…
ここまでの思考コンマ一秒。
「だから、先生の胸がよく見えてさあ…って、どうした?譲吉。」
「おおぉおおぉぉぉ…」
「おおお?」
「俺は優等生をやめるぞぉぉぉぉっ!」
めこっ
「じょ、譲吉ぃ~~!?」
鈍く乾いた音が鳴り、譲吉は文字通り地面に打ち付けられ雄大と文太の悲鳴が響き渡る。
そして比喩ではなく二本の立派な角を生やした慧音が其処には聳え立っていた。
「話は聞かせてもらった…そんな下らないことの為に宿題をやってこなかったのか?」
地獄の底から響いてくるような恐ろしい声で慧音は問いかけてくる。
雄大は震える声を隠さずに言った。
「そ、そうです。だからオイラ達に罰を与えてください!」
「…いいだろうお前たち。後ろを向け…」
それを聞いた文太は顔を青ざめる。
先生の胸も顔も見れない後ろからの頭突きなんてただ痛いだけじゃないか!?
そんなのはごめんだ!
何発でもいい!
地面に沈み込むまで前から打ち込んで欲しい!
そう、嘆願しようとしたがもう遅かった…
「角は二本…丁度良い…」
そんな呟きが彼の意識のあるうちに聞いた最後の言葉だった。
アッーーーーーーー!!
そうして終わることのない絶叫が里に響き渡るのだった。
…それは遠く昔に語られる三人の英雄の物語
~ 声高らかに ~
「ふぅ…どうしたものかな…」
そう言って一人腕を組んで悩んでいるのは人里の守護者、上白沢 慧音だった。
彼女が悩んでいるのは寺子屋で教えている子供たちについてだった。
いや、正確には一人の男子についてなのだが。
慧音は今日の出来事を思い起こしてみる
******
「さあ、みんな昨日出しておいた宿題はやってきたか?」
「「は~い」」
教室に元気よく声が響き渡る。
慧音は毎日授業の終りにみんなへ宿題を出すことを日課としていた。
特に難しいものではなく、三十分もやれば簡単に終わる計算や、お手伝い、日記などその程度のものだ。
この幻想郷では子供とて、ずっと遊びっぱなしというわけにはいかない。
親の手伝いをしたり、田植え、草刈り、子供でもやるべき仕事がごまんとあるのだ。
もちろん彼女もそれを知っている。
それでも子供達を寺子屋に通わせてくれる親御さん達の信頼に応えるためにも少しでも勉学に触れさせてやりたい、
と考える慧音なりの生徒たちへの思いやりでもあった。
しかし、
「忘れました~!」
「…またか…」
慧音は頭を抱える。
自信満々に腕をあげている少年の名前は雄大。
寺子屋で三人しかいない男子の中の一人。
農家の出自の子供で腕っぷしも強く腕白でリーダー気質な少年だ。
「雄大…どうしたんだ?ここ一週間ずっとじゃないか。そんな大変な宿題は出していない筈なのだが…」
慧音は半ば呆れたような声で説教をする。
雄大はわざわざみんなの後ろを通って窓際から慧音の所へすたすた歩いて行く。
「ごめんなさい!!」
窓際に立つ雄大はそう言って勢いよく頭を下げる。
眉間にしわを寄せながら説教をする慧音。
そのたびにへこへこ頭を下げる雄大。
はたから見るとあまり反省していない様にも見える。
「…まあいい。約束を破ったんだ。覚悟は出来ているな?」
「…!はいっ…」
次の瞬間ごすっと鈍い音がして雄大は崩れ去った。
寺子屋名物とも言える、慧音の頭突きだった。
よほど悪いことをした子供に慧音より下される天罰である。
その衝撃は頭を貫き腰にまで響きわたる。
彼女の教え子たちは大人になってもその威力を忘れられずトラウマになるという。
そして、寺小屋からごすっという音が鳴り響くのを聞いては当時を思い出し戦慄するのだ。
******
慧音が彼に頭突きを食らわしたのは三日連続で宿題を忘れた頃からだった。
まあちょくちょく宿題を忘れてくる奴だったので警告も兼ねて気持ち軽めに頭突きをかましたのだ。
ところがその後四日続けて宿題を忘れ、頭突きも四日連続だ。
もちろん今では手加減などしていない。
石頭を自負する慧音の頭でもひりひりするくらいの一撃だ。
雄大だってタダでは済まないハズなのだが。
そもそもなぜ彼女は頭突きをするのか?
それは彼女の信念でもあった。
もちろん拳骨のほうが自分だって痛くないし手軽だ。
しかし、それではいけないのだ。
相手と同じ痛みを自分も知るため、そして相手に自分の思いを知ってもらうため彼女はいつだって全力だった。
「ふぁぁあ…考え込んでも仕方ないか…明日は宿題をやってくることを信じて、もう寝よう。」
そして次の日、やはり雄大は宿題をやってこなかった。
ひと際大きなごすっっという音が鳴り響き近隣の住民を恐れ慄かした。
その日の放課後…
「何で、やってないって嘘をついたんだよ!?」
校舎の裏側で雄大に捲し立てる少年がいる。
少年の名前は文太、寺子屋で三人しかいない男子の中の一人である。
商人の子でおっとりしているがとても優しい少年だ。
「やっぱり、あんな余計なことをしたのは文太だったか。」
「余計なことってなんだよ!僕は雄大のことを心配して…!」
そう、文太は近頃宿題をやってこない雄大を心配してコッソリと彼の宿題をやって鞄の中に入れたのだ。
しかし、宿題のやってあるノートを持っていたにもかかわらず雄大はやっていないと嘘をついた。
嘘をついてまで慧音の渾身の頭突きを受けたのだ。
いや、実際雄大本人は宿題をやっていないので罰を受けるのは当然なのだが文太はどうしても納得がいかなかった。
「…いや、そうだな。スマン。オイラの言い方が悪かった。」
「一体どうしたのさ?何で最近…」
宿題をやってこないのか?
文太にはこの一言を発することが戸惑われた。
もしかしたら雄大はすごく悩んでることでもあるのかもしれない。
宿題をする暇がないほど忙しいのかもしれない。
そんなことが頭をよぎったからだ。
そんな様子を見て雄大はため息を一つ吐く。
「そうだな、文太には言っておくべきかもしれない…実は…」
ごにょごにょごにょ…
「な、なんだって~~!?」
こうして、宿題をやってこない生徒が一人から二人に増えたのだった。
………
………………
………………………
「う~ん、う~ん…」
慧音はいつものごとく自室で頭を痛まして…いや、悩ませていた。
「やっほ~、慧音遊びにきたぞ~」
そう言って断わりもせずに部屋のドアをバンと開けて入ってきたのは蓬莱の人の形、藤原妹紅であった。
「…ああ、妹紅か…」
そう言って疲れた表情を隠さずにいる慧音。
「おりょ?どったの?風邪でもひいたか?」
妹紅は珍しいな、と思う。
どんなにつらい時でも、他人に心配をかける事を嫌って無理して平気な顔をつくる慧音がこの有様だ。
思わず声もかけらずにはいられなかったのだ。
「いや、生徒のことで悩んでいてね…」
「ああ~あの雄大とかっていう悪ガキのことか?前に宿題やってこないって愚痴ってたな。」
「ああ、実はもう一人突然宿題をやらなくなってしまってな…おとなしくて優しい奴だったんだが…
私のやり方が間違っているんじゃないかって…自信がなくなってきてしまったよ。」
「う~ん、そういうのはよくわからないけど…アレだ。同じ男の子に聞いてみるのがいいんじゃないか?
それとなく様子を探らせてみる、とかさ。ほら、放課後に校舎裏よく三人で集まってる男の子達なんだろ?」
「そう、だな…ありがとう妹紅。参考にさせてもらうよ。お礼に夕食くらいは食べていくといい。」
「お役に立てて何より。実はそれが目的だったんだよね~」
こうして翌朝、早速慧音は寺子屋で三人しかいない男子の中の最後の一人である譲吉に相談した。
村長の孫である彼はとても理知的な優等生で将来を有望されていた。
無遅刻無欠席宿題忘れなどもっての外な慧音自慢の生徒である。
ただ厄介事には首を突っ込まない性質なのか今回のことに関しては特に気にかけていないようだった。
「……………というわけなのだがお願いできるだろうか?」
「…そうですね。俺もあいつ等の行動はいい加減気にはなっていたんですよ。今日の放課後問いただしてみます。」
慧音の依頼を譲吉は快く承諾した。
そんな譲吉の様子を見て慧音もほっと胸を撫で下ろす。
彼は表だって動くような人間ではないがとても頭がよく頼りになる。
彼の頭の回転の速さには慧音ですら舌を巻くことがあるくらいだ。
これできっと問題も解決することだろう、とようやく慧音も安心するのだった。
ちなみに二人は今日も宿題を忘れ、ごすっ、ごっす、ごっすん!と計三発の頭突きを食らって地面にめり込んでいた。
そして何故か
「ありぁしたあっ!!」
と体育会系のお礼まで言われる始末。
慧音は頭を抱えるばかりだった。
そうして、放課後。
校舎の裏には三人の姿があった。
譲吉がおもむろに切り出す。
「ここ最近どうしたんだ?あんまり先生に無理をさせるなよ。」
雄大と文太はバツが悪そうに俯く。
文太が雄大をちらっと見ると雄大は力強く頷く。
そして実は…と原因を語りだす。
「実は…慧音先生って
胸に何も着けてないんだよ
…だから…」
「なん、だと…!?」
ここまでで譲吉は全てを悟ってしまった。
そして彼の頭は高速で回転しだす。
慧音先生が胸に何も着けていないだと?
ならば頭突きを食らう時に屈んだ状態の襟元の中からあのたわわなおっぱいが覗けるじゃないか!?
いや、まてまて。
しかも衝撃を受けるということはあのおっぱいがさらにぷるんぷるん…
違うな。
たゆんたゆんと揺れるのを間近で眺められるというのか!?
そうだ!思い出せ!
雄大はわざわざ明るい窓際から先生に怒られに行った。
あれは逆光を利用してさらにいい眺めを堪能しようとしたんじゃあないのか!?
そうに違いない。
太陽の光を利用してベストアングルを追い求め続けていたのだ!
しかし、その直後にあの強烈な一撃を見舞われるのだぞ?
それほどまでの価値がある眺めだというのか…
だが、待てよ?
もしかしたら、天国の景色を見つめながら地獄の苦しみを負うというのは凄まじい常習性をもった快楽になるかもしれん!
しかもしかも、その後にふらつく振りでも見せながら先生に寄りかかれば目の前は天国のクッションがっ!!
毎日たゆんたゆんと揺れるおっぱいが眺められ、先生の吐息を感じながら快楽を受けるだと!?
学生の身分でそんな毎日を過ごせるというのかっ!?
ばっバカな!?
今日文太のやつが
「ありぁしたあっ!!」
とか言ってなかったか?
いいや、そうだ!確かに言っていた。
今日は三連発でお見舞いされてたな。
…ということは、たゆんたゆんなんてレベルじゃねーぞ!?
どれだけの力が放たれていたというのだ?
ま、まさか深淵を覗いてきたというのか?
おっぱいの、おっぱいの、おっぱいのおおっぱいのおおおおお…
ここまでの思考コンマ一秒。
「だから、先生の胸がよく見えてさあ…って、どうした?譲吉。」
「おおぉおおぉぉぉ…」
「おおお?」
「俺は優等生をやめるぞぉぉぉぉっ!」
めこっ
「じょ、譲吉ぃ~~!?」
鈍く乾いた音が鳴り、譲吉は文字通り地面に打ち付けられ雄大と文太の悲鳴が響き渡る。
そして比喩ではなく二本の立派な角を生やした慧音が其処には聳え立っていた。
「話は聞かせてもらった…そんな下らないことの為に宿題をやってこなかったのか?」
地獄の底から響いてくるような恐ろしい声で慧音は問いかけてくる。
雄大は震える声を隠さずに言った。
「そ、そうです。だからオイラ達に罰を与えてください!」
「…いいだろうお前たち。後ろを向け…」
それを聞いた文太は顔を青ざめる。
先生の胸も顔も見れない後ろからの頭突きなんてただ痛いだけじゃないか!?
そんなのはごめんだ!
何発でもいい!
地面に沈み込むまで前から打ち込んで欲しい!
そう、嘆願しようとしたがもう遅かった…
「角は二本…丁度良い…」
そんな呟きが彼の意識のあるうちに聞いた最後の言葉だった。
アッーーーーーーー!!
そうして終わることのない絶叫が里に響き渡るのだった。
…それは遠く昔に語られる三人の英雄の物語
ここはおっぱいおっぱいと叫ぶところか。
というか民明書房w
でもタグでオチが読めちゃったのが残念ですた。
ということはだ、けーね先生の写真集なんて出せば飛ぶように売れるんだよ!!
それこそ鑑賞用・保存用・実戦用というふうにヲタ買いする事請け合いだ!
よーし、パパ河童に超望遠レンズ付きカメラの製作依頼してきちゃうぞ
けーね先生も人妖理解の一環ですといえば人肌…じゃなくって一肌脱いでくれるさ!
おや、満月の夜に来客とは珍しい?ちょっと待っててくれ……
この現象は間違いなく恋
慧音が何もつけてない…確かに見たくもありますね。
しかし、その欲望に忠実に従った結果が……。
愉快というか何というか…。
面白かったですよ。
子供達は理想郷を求め、最終的に地獄に辿り着いたわけかww
よし、今日から俺も優等生をやめるk…アッーーーーーー!
あと民明○自重ww
胸を張っていえる、オレも同じことをしただろうと…
お前らに俺は敬意を表するッッッ!!
三人の勇者に敬礼
敬礼!!!