*この話は第4話に当たります。1話、2話、3話(作品集72にあります)を読んでいないと理解しにくい内容です。
*舞台はここではない現代日本です。弾幕はありません。少しファンタジーっぽい要素が出てきます。でも、剣も魔法もありません。
*秘封倶楽部の2人にはあまり出番の無いお話です。
*それでも構わない、尚且つ、時間を潰す覚悟と余裕のあるお方がいれば、読んでくださると幸いです。
チャンチャンチャチャーチャン♪
鞄から携帯の着信音が聞こえてくる。どうやら魔理沙からのようだ。何の用だろう?
「もしもし?」
「こちらシューティングスター、聞こえるか」
「誰?」
「コードネームだよ。お約束じゃないか」
「事前通達がなけりゃ意味がないでしょ」
プツッ
何をやってるんだあいつは?暇なのはわかるけどさ。あれから数十分。現場に着いた私は3人と別れ、バス通りの方から内部の方へと歩いてきている。外出していて帰りが遅くなった女生徒、という設定らしい。荷物が軽いとは言え、結構歩き疲れてきた。段々と、境界の場所へと近づいてきたが、今のところ何も起こっていない。が、それにしても
「結構迫力あるわね、これ」
すぐ近くに3人がいるはずだが、このか細い街頭の中を、一人で歩くというのは結構勇気がいる。繁華街なら人がいるのが当たり前の時間でも、ここは学校。基本的には寮生ばかりで、外から通学してくる人は大体が早い時間に帰ってしまう。週末でもなければこのくらいの時間には人通りがないらしい。暗い夜道ばかり見てるのも不気味なので、空を見上げることにした。黄砂かなんかの所為か、若干霞んで見えるが、これはこれで幻想的な色だろう。
「お~、中々綺麗なもんね。月と星ってのは案外明るい、!!」
そう独り言を言いながら空を眺めていた所、視界の隅に何かが映り、慌てて目線を前に向けた。人だ!
「誰っ!?」
思わず大きな声を出してしまったが、昨日の今日だ。相手がタダの通りすがりでも、このくらい許してくれるだろう。念のため、針を後ろ手に持って、と。針を握り締めた時、相手から声をかけられた。
「ん?その声、もしかして博麗さん、かしら?」
「え?」
聞こえてきたのは落ち着いた女性の声だった。しかも私のことを知ってる?相手が一歩歩を進めたところで、お互いの顔が確認できた。向こうはすぐに私がわかったらしい。少し驚いた顔をしていた。
「やっぱり」
「あなた確か……」
見覚えがある。少し高めの身長に、銀色のショートヘア、切れ長の紅い瞳。その佇まいからまるで鋭利な刃物のような印象を受ける、クラスのクールビューティ、
「「十六夜」咲夜?」
「そうだけど、何してるのあなたたち?」
『たち』?そう言えば、私は彼女の名前までは覚えてなかったぞ?名前言った奴誰よ?そう思って振り返ると、茂みから上半身を乗り出しているシューティングスターと、可哀相に、流れ星を抑えようとしたのだろう、植木につんのめっているさとりがいた。あんた、コードネーム剥奪だわ。
「もう一度聞くけど、こんな時間に何をしているのかしら?」
「え~、あ~、その~」
思いっきり不振人物を見る目つきだ。鋭い目をしてるから結構怖い。さぁ、困ったぞ。私だけならともかく、後ろの2人はどう説明したらいいものか。私があの2人と仲が良いことくらい知っているに決まっている。誤魔化すのは至難の業だろう。かくれんぼでもしてた事にするか?この年でこんな時間に。恥ずかしすぎるよなぁ。そんな風に頭を悩ませていると、更に後ろの方から、鋭い誰何の声が飛んできた。
「あなたたち!こんな時間にこの場所で何をやっているんですか!?」
振り返るまでもない。これは捕まるとまずいタイプの声だ。そう思った瞬間、隣をとんでもないスピードで横切っていく影が二つ。え?そして、目の前にいた少女も道から茂みへと飛び込んでいった。ここまで来てようやく私の思考回路も働いてきた。逃げなきゃやばい。それを理解した私も、慌てて茂みに飛び込んだ。で、逃げた振りしてその場に隠れる。私はあいつらほど速くないから、逃げ切れる自信がないし。そんな私たちの行動に気付いたのか、再び後方から声が上がる。どうやら2人組みのようだ。
「逃げたっ?!」
「うわ、速いなぁ」
「って、何を感心してるんですか!?さっさと追いかけなさい!」
「いや、どれを?」
「誰でも構いません!問い詰めたいことがあります!」
「別に良いじゃないですか。なんか悪い事してた様子でもないですし」
「昨日の今日でここにいること自体が問題なんです!それでも風紀委員長ですか!?いいからさっさと、」
「会長だって昨日の今日で、嫌がる私を連れてここに来てるじゃないですか。大体、もう見えませんって。だからさっさと帰りましょうよ?もう夜も遅いですし。ね?」
「この……少しは働きなさい!」
「きゃん!」
なんだ漫才コンビか。あれなら他の3人は心配ないだろう。2人の声がしなくなって、しばらくしてから立ち上がる。今日はこのまま解散だろう。十六夜さんには明日にでも聞いてみるか。それ以前に向こうから話しかけて来るかもしれないし。そう思い、彼女が走り去った方を見つめる。
「あれ?」
おかしいな?目を擦り、もう一度走り去った方を見る。
「さっき、建物が見えたような気がしたんだけど……?」
いつの間にか、空も空気も綺麗に澄み渡っていた。
「あふぅ」
思わず欠伸が出てしまった。窓際のこの席は、ぽかぽかと暖かいし。そんな私を見てさとりが苦笑いを浮かべる。
「そうならないために、昨日は昼寝したんじゃないの?」
「春眠暁を覚えず、って奴よ」
「じゃあ、夏には眼が覚めるのか?」
そう尋ねてきたのは魔理沙だ。その質問にも首を横に振って答える。
「夏は暑くて起き上がれない。秋は涼しいから眠りやすいし、冬は寒いから布団から出れないの」
「ダメ人間だな」
何を馬鹿な。人は1週間食わなくても死にゃしないが、3日寝なけりゃ発狂するんだぞ?そのぐらい睡眠は大事なんだ。大体、巫女の仕事は掃除、お茶、昼寝なんだっつーの。それより今は、とあるクラスメイトの方が問題だ。
「十六夜さん、どうしよっか?見られちゃったし」
「それだけ聞くとクラスの裏番みたいだな」
「夜中に畳針持って彷徨ってりゃ似たような物よね。でも、どうしようかしらね?こっちから聞くのも気まずいし」
「かと言って向こうから話しかけてくるかなぁ?アイツ、クラスメイトと話してるの見たことないぜ?」
そう言いながら、空席になっている十六夜さんの席の方をちらり。私も彼女が他の人と話しているのを、と言うよりも、他の人と行動しているところを見たことがない。いつの間にやらもう昼休み。昼に学食でラーメンを食べ、戻ってきたら教室にはいなかった。向こうから話しかけてくるかとも思ったが、その様子もない。かと言って、こちらから話しかけるのも勇気がいる。それに何よりも気になるのは、
(昨日、何処に行ったんだろう?)
と言う点だ。何をしていたのか以上に、それが気になる。彼女は、茂みの奥の方に見えた建物に向かったように見えた。しかし、学校の地図を見ても、あの位置から見えるような建物はないはずだ。ないはずだが、地図だけでは断言できない。もしかしたら、地図にまだ載せていない新校舎なり、施設なりがあるのかもしれないし。そうなると確認方法は一つしかない。
「放課後、もう一回昨日の場所に行ってみよっか」
「へ?」
「何か思うところがあったの?」
「ちょっと、確認したいだけよ」
「やっぱ、何にもないわね」
「そりゃあなぁ」
昨日私が隠れた場所は、ここで間違いないはずだ。けど建物なんか見えなかった。この太陽の下で見えないのだから、夜中になんか何も見えなかったはずだ。やっぱり勘違いか?むむむ。そう唸る私に魔理沙が恐る恐ると言った様子で声をかけてきた。
「何が『むむむ』なんだ?」
「何かがあるようには見えないけど?」
さとりは地図と視線の先を見比べている。さっき3人で向こうまで歩いてみたが、建物なんか見つからないうちに反対側の道に出てしまった。確かにそこからなら大学の建物が見えるが、昨日見たのはそんなものではなく、もっと洋館に近い建物だったような気がする。でも、そんなものが建つほどのスペースはない。実際昨日も、もう一度目を凝らしても何も見えなかったんだから、何も無いのだろう。
「……なんでも無いわ。戻りましょ」
「あら?」
そう声をかけ、3人で道に戻った所、また声をかけられた。銀髪、すらっとしたスタイル、透き通った湖を思わせるクールな瞳。十六夜咲夜だ。
「2日連続で妙な所で会うわね?」
「十六夜さんこそ、どうしたの?」
「私は買出しよ」
そう言って手に提げた袋を見せる。なるほど、食料品が入っている。が、さとりは疑わしい物を見るような目つきで咲夜に問いただした。
「昨夜は買い物袋を持っていたようには見えなかったけど?」
「細かいことを覚えてるのね?もしかしてA型かしら?」
「どうかしら?血液型なんて関係無いと思うけど?」
さとりの言葉の何が可笑しかったのだろうか?彼女がくすっと笑う。それを見て益々彼女のことを訝しげな目で見つめる魔理沙。私も眉をひそめた。
「血液型占いの信奉者かなんかなのか?意外だな」
「あら、私のイメージってどんな風なのかしら?まぁ、別に占いなんか信じては無いけれど。ただ、」
「ただ?」
「血液型の違いって言うのは大きいらしいわよ?B型が一番なんですって」
「なんだそりゃ?どっかの先生の言葉か?」
「いいえ、経験者の談よ」
「経験者ぁ?」
「っと。これ以上待たせるとまた臍を曲げられそうだわ。悪いけど失礼するわね」
そう言って、随分と綺麗なお辞儀をするとバス停の方へと向かう。と、何を思ったのか急に立ち止まり、こちらを振り返った。
「そうそう、私が言うのも何だけど、夜中にこの辺りに来るのはやめた方が良さそうよ?吸血鬼が出るらしいから」
そう言うと、またくすくすと笑い、バス停の方へと向かって行った。何処へ向かうのだろうか?確かめたいところだが、ここで後をつけていくわけにもいかないだろう。3人でただ見送るしかなかった。
「よくわからん奴だな」
「私がA型だと何か問題でもあるのかしら?」
全くだ。B型だと何だって言うんだろう?それに、何か違和感を感じた。いや、随分変わった人らしいが、そんな感じの違和感ではない。でも、何が?何にせよ、これ以上ここにいても仕方が無いだろう。
「帰ろっか?」
「そだな」
「そうね。折角だしみんなで宿題片付けましょ」
そうして、私たち3人は私の部屋へと向かった。
2人が帰ってから数時間。気付けば時刻は夜の9時を回っていた。夕飯も済ませ、お茶でほっと一息。何とはなしに地図のコピーを見る。視線の先には例の小路と、その側についている印。そして思い浮かぶのは、あるはずの無い館に入っていくクラスメイト……あれ?昨日、彼女と会った時のことをもう一回思い出してみる。そしてさっきの彼女のこと……?!確か、入学式の次の日に撮った集合写真があるはず!大慌てで引き出しから写真を取り出す。私、魔理沙、さとり。後ろに委員長がいて、その斜め後ろに彼女が写っている。
「……やっぱりそうだ」
ようやく違和感の理由がわかった。でも、それが今回のことと何か関係あるのだろうか?昨日は黄砂の所為で、月や街灯が紅く霞んで見えていた。その所為でそう見えただけかもしれない。『偶然』。そんな言葉が頭をよぎる。自然の生み出した偶然。直前まで夕立が降っていたのに月が霞んで見えるほどの黄砂が飛んで、数分の間に綺麗に収まっただけのこと。その数分間に、偶々彼女に遭遇しただけ?
「ここで考えてても仕方ないわね」
まだ四月の頭。昼食のおかげか、今はまだ冷えを感じはしないが、夜はそこそこ冷える。ブラウスの上に、ブレザーではなくジャージを羽織ることにした。こっちの方が動きやすいし。他の2人を呼んで来ようかとも思ったが、ちょっと様子を見に行くくらい、問題ないだろう。部屋に鍵をかけ、寮を出て行く。今は、月が綺麗だ。
「……?」
チャンチャンチャチャーチャン♪チャチャンチャチャチャン♪
「……出ないな」
白い月明かりに照らされて、私は昨日と同じ場所に来た。人っ子一人いやしない。皆も、咲夜もいない。いるのは私一人だけ。意を決して茂みの奥へと入っていく。やはり、何も無かった。けれど、なぜか帰ろうとは思わなかった。
「目の前には何もないし、お月様も綺麗だわ。」
小路へ戻り、茂みに背を向けた。そこで目を瞑り、深呼吸。実家で何度もやらされたが、特に意味があるとは思えなかった。今だって、意味があるとは思っていない。紫の話だってそうだ。境界?なんだそれ?信じられるわけがない。ずぼらで、グータラで、興味のあることしかやらない変わり者。いっつも適当なことしか言わない。けれど、私に嘘をついたことなんか一度だって無かった。それに、中学の時は考えもしなかった友達が出来た。たった1日の、昨日と変わらない筈の違う日に、今までと180度変わった。もう2,30度くらい何かが変わるかもしれない。深呼吸をして、振り向いた。紅い月の光の下、そこにあるべき洋館が佇んでいた。
「どうしよう?」
目の前まで来てみたが、結構怖い。ありえないと思っていた、ファンタジーの世界に片足を突っ込んでるのだ。何が出てくるかわかったもんじゃない。魔理沙たちを呼ぼうか?そう思い、ジャージの右ポケットに手を入れる。左ポケットにも手を入れた。スカートは、ポケットがない。
「……うそ~ん」
何でこういうときに限って携帯忘れてんのよ私は。どうする?呼びに戻るか?でも、それをやったら二度とここに来れないかもしれない。一旦落ち着こう。こういうときは、胸に手を当てて揉んでみるんだ。
「んっ///」
大丈夫、まだ未来はある。今ここで、あれこれ悩んだって仕方ない。とりあえず、パシン、と頬を叩いて気合を入れる。
「女は度胸!お化けでも吸血鬼でも出て来なさいっての!」
「どちら様ですか?」
「うひゃあぁぁっ!」
「わわっ!」
度胸があろうがなかろうが、暗がりで声をかけられりゃ驚く。別に私がチキンなワケじゃない。心臓はばっくんばっくん言ってるが、きっと気のせいだ。声をかけてきたのはどうやら女性のようだった。身長は170以上あるような気がするが、まず間違いなく女性だろう。腰まで伸びた紅い髪や、声ももちろんそうだが、緑色のチャイナドレス、なのか?その服に包まれた凶器が、その人物が女性であることの何よりの証拠。
「……でかっ」
「はい?あの、あなたはどちら様?」
知らないうちに睨みつけてしまった。目の前の女性はワケが判らないといった顔で、先ほどと同じ事を尋ねてきた。とりあえず、答えておこう。
「えっと、私は博麗霊夢って言うんですけど」
「はぁ、博麗霊夢さん。それでご用件は?」
「え……?」
用?用と言われても。でも何か言わなきゃな。段々訝しげな目つきになってきてるし。そりゃこんな時間だもの。私がここに来た理由と言えば、彼女だが、いるのか?とは言え、それ以外に何もないし。当たって砕けろだ!
「え~と、十六夜咲夜さん、いらっしゃいます?」
「咲夜さん?お知り合いですか?」
「はい、クラスメイトです」
「なるほど。ならどう、いたっ!」
「本当に抜けてる門番ね」
急に目の前の女性が、頭を抱えてしゃがみこんだ。どうやら後ろからひっぱたかれたらしい。そして彼女を叩いた人物こそ、お目当ての相手だった。
「何で叩くんですか~?」
「はたきでよ」
「そういうことじゃないですよぅ」
「あなたねぇ、自分の仕事をなんだと思ってるのよ?門番でしょう?」
「だから、お客人をお通ししようと、あいたぁっ!」
「このお馬鹿。ここに客が来ると思ってるの?!」
「……おぉっ!」
「まったくもう」
「あの~、一ついいかしら?」
見たこともない生き生きとした表情で、門番に説教する彼女を見るのは中々楽しいのだが、どうしても彼女に言わねばならないことがある。
「何よ?」
「なんでメイドさん?趣味?」
「自分で言うのもなんだけど、つっこむ所はそこなの?」
いやだって、メイドさんだよ?フリフリのエプロンドレスだよ?しかも妙にスカート丈短い奴。秋葉原以外にそんな人間いると思わないもの。だが、それが彼女の趣味だと言うのなら最早何も言うまい。それなら日頃彼女がクールな理由もわかると言う物だ。あれは仮面。本当はお洒落が大好きな自分を隠すための偽りの姿。きっと、恥ずかしいのだ。ばれるのが怖いのだ。だから、どうやって来るのかもわからないような場所で、コスプレごっこを謳歌してるんだろう。彼女は怯えているだけ。拒絶しちゃダメだ。彼女の肩にそっと手を乗せる。
「大丈夫、受け入れてくれる人がきっといるわ。私は平気だもの」
「あなた、頭の中も春なのね」
慈愛に満ちた表情で話しかけたら、悲哀に満ちた表情ですっげぇ見下されました。
「失礼な!っていうか、ここはどこ?!あんたこんなところで何してるわけ?!」
「ここは紅魔館で、私はメイドをしているわ。他に聞きたいことは?」
「あー、うー」
勢い込んで問い詰めてるのに、そうクールに返されても困る。聞きたいこと、聞きたいことは~。
「こ、紅魔館って何よ!一体どういう場所なわけ?」
「スカーレット家のお屋敷よ。それに、ここがどんな場所かっていうのは、知っているんじゃなくて?」
そう言うと、すっと目を細めて逆に私に問いかけてきた。昼間とは違う、紅い瞳で。昨夜もそうだった。途中までは綺麗な白い月だったのに、いつの間にか紅い月に変わっていて、澄んだ湖のような蒼い瞳の彼女ではない、紅い瞳の彼女が現れた。それが私の感じた違和感。あのとき、すぐ側にさとりがいれば。彼女なら昼間に気付いただろうに。それがどういう理由からなのか、はっきりとしたことはわからない。が、関係あるとすれば唯一つ。
「境界の、向こう側」
「御明察。でも、残念ながら賞品は出ないのよ。どうしてあなたがここへ来れたのかはわからないけど、瑣末な問題ね。どうせ、何もかも忘れて出て行ってもらうだけなのだから」
何か、物騒なこと言い始めたぞ。しかも、いつの間にかはたきじゃなくてナイフ握ってないか?映画でシュワちゃんとかスタローンが持ってるようなヤツ。何てもん持ってるんだ、この女子高生メイドは。これ、針でどうにか、
「って、いたたたたっ」
「何を隠し持ってるのかと思えば、畳針ですかこれ?咲夜さんといいあなたといい、最近の日本の女子高生ってのはみんな暗器持ち歩いてるんですか?怖いなぁ」
いつの間にか後ろに回りこんでいた門番に腕を捻られて、あっさりと取り押さえられてしまった。「やれやれ仕方ないなぁ」という顔で、力をこめてる風もないのに、腕がまるで動かせない。必死になって身体を揺すろうとしたら、
「あ、痛い痛い痛ぃ!」
「そりゃそうですよ。下手に動くと関節壊れちゃいますよ?」
爽やかな笑顔で何を平然と言ってんのこいつ。お前の方こそ怖いわ。見た目はのほほんとしたお姉さんでも、門番と言うのは伊達ではないらしい。抵抗は諦めて、十六夜咲夜を睨みつける。
「どうするつもりよ?」
「そうね、献血でもして貰おうかしら?」
「「お嬢様!?」」
「あいたっ!ちょっ、マジで痛い!」
彼女が口を開こうとした瞬間、彼女の後ろから随分と可愛らしい声が飛んできた。その声を聞いた咲夜が慌てて振り向き、門番も姿勢を正す。私の腕を捻ったままで。いい加減泣くぞ。
「美鈴、離してあげなさいな。落ち着いて話も出来ないし、その娘、涙目じゃないの」
「へっ?あ、ごめんなさい。そう言えば極めてたんでしたね」
アハハ、と笑いながら私を解放してくれた。身体が動くって素晴らしい。『メイリン』とか呼ばれた門番にガンを飛ばしてから、十六夜咲夜の陰に隠れて見えなかったお嬢様とやらにお目にかかることにした。
「あんたがお嬢様?」
紅い月に照らされた、一人の少女がそこに立っていた。ドレスのスカートを摘み、恭しくお辞儀をする。
「かのワラキア公ヴラド・ツェペシュが末裔、スカーレット家の長女、レミリア・スカーレットよ」
そう言って浮かべた不適な微笑は、見た目にそぐわぬ威厳に溢れていた。それだけで、身体が1回りも2回りも大きく感じられる。あの齢でどれだけの経験を積めば、これほどの威圧感が身につくのだろう?人は見た目によらない。正にその言葉通りの女性だ。つまり何が言いたいかと言うと、
「小っさ」
「さぁくぅやぁ~。ぐすっ」
「落ち着いてくださいお嬢様。お顔をお拭きしますから」
思わず口走っちゃった。禁句だったらしい。その一言で涙目になって、十六夜咲夜に縋り始めた。威厳?何それ?前かがみになったメイドに顔を拭ってもらっている姿は実に微笑ましい。胸がキュンってなったぞ。そんな私に、後ろに立つ門番が小声で話しかけてきた。
「ちょっと、お嬢様は繊細なんですからもうちょっと気を遣ってくださいよ。鼻血出そうになったじゃないですか」
君は実にダメだな。気持ちはわかるけどさ。あれは母性本能をくすぐられる、っと、終わったらしい。改めてレミリアお嬢様が私の方を向く。胸張っちゃって。その姿はカリスマが滲み出ているようにも見えるが、私には偉そうにしているロリにしか見えない。とりあえず、謝罪しておこう。
「ごめんねレミリアちゃん」
「『ちゃん』をつけるな!」
ま~たやっちゃった。地団太踏んで怒り始めてしまった。
「咲夜!あの無礼者は誰?!なんでこんな所に居るの?!」
「私のクラスの春巫女ですわ。どうやったのかはわかりませんが、私を探しに来たのかと」
「春巫女って言うな!2重の意味でやめて」
碌に喋ったこともない相手に頭の中が春って言われるのもムカつくが、それ以上に「えっ?清純そうなのに」言いやがったなこのダメ門番!
「私は穢れ無き巫女だっ!」
「えっ、あっ、ごめんなさい」
「それがホントかどうかは後で私が確かめてやるさ」
「はひっ?」
レミリアの突然の発言に、声が上ずってしまった。え?何この子?その年で百合の園の住人なの?メイドとお嬢様って、そういう関係?そこに私も巻込まれちゃうの?わーぉ。そっちのケは無いのに、思わず想像したら顔が///
「なるほど、春巫女ね」
「パチュリー様」
「あら、あなたも出てきたのパチェ?」
「えぇ、誰も帰ってこないものだから」
アホな想像に頭を巡らせていたら、また春巫女って言われた。いつの間にかもう一人。パチュリーと呼ばれた紫の髪をした小柄な少女が、レミリアお嬢様の後ろに立っていた。会話からして、十六夜咲夜よりは上、お嬢様とは同等の立場らしい。どういう人員構成なんだこのお屋敷は?どんどん謎ばっかりが増えていく。とりあえず、お嬢様に聞けるだけ聞こう。
「私に何をするつもり?」
「味見をするつもりさ」
味見と言われても困る。それは普通、人に対して使う言葉ではないはずだ。もしかしてホントに貞操の危機だったりするのこれ?それに、先ほどまでの私の言動が気に入らなかったのか、随分と尊大な口調になってきた。
「安心しろ。貴様が考えているような桃色展開にはならないさ。ただちょっと、血を分けてもらうだけ」
それは安心していいのか?にっと笑った彼女の口元には、他の歯と比べて明らかに異様な、牙としか表現しようの無い犬歯が生えていた。女学生に残っていた刺し傷、牙、血を味見、それにワラキア公ヴラド。とても信じられないが、そこから連想できることなんて一つしかない。ごくりと唾を飲み、声を絞り出す。
「吸血、鬼」
「その通り。日本人でもすぐにわかるのか。そう言えば、漫画やアニメで有名なんだったな」
「ってことは……」
本当にそんなものがこの世にいたのか……もしかして、こいつら全員?他の3人は牙が生えているようには見えないけど、目が光ってる奴もいるし。そう思い、もう一度他の3人を見比べる。そんな私に気付いたのか、レミリアお嬢様がくすくすと笑った。
「この中で吸血鬼は私だけ。部屋には妹が居るけど、それ以外は皆人間」
「人間が吸血鬼と暮らしてるっての?」
妹がいるそうだ。が、それ以外は人間。なんとも妙な話だ。こう言うのもなんだが、そんな得体も知れない生き物と暮らそうとするっていうのは信じられない。ましてや、メイドや門番として仕えるというのは、
「そこらへんは、それなりのドラマがあるのさ」
ドラマがあるらしい。聞いてみたい気もするけど、今はこの状況をどうするかだ。このままだと哀れ私は吸血鬼の餌になってしまうっぽい。吸血鬼に咬まれた人間は、自身も吸血鬼に。有名な話だ。それが本当かどうか、自分で確かめる気にはとてもなれない。となると、逃げなきゃならないわけだが。そうすると前の十六夜咲夜と、後ろの門番が問題だ。はっきりと覚えているわけではないが、体育の授業の際、十六夜咲夜はかなりの身体能力だったような気がする。後ろの門番はわからないが、さっきの行動から見ても、武術の経験者なのだろう。逃げた途端取り押さえられそうな気がする。持っていた針も落としてしまったし、打つ手が思いつかない。そうこうしているうちに、レミリアが一歩一歩近づいてきている。
「心配しなくてもいい。血を飲むと言っても大した量じゃないし、後遺症も無い。今夜の出来事も忘れてしまえるのだから、何も気にすることは無いのだからな」
もう目の前まで来ている。いつの間にやら門番に羽交い絞めにされてるし。腕は動かせるのでとりあえず、ばたつかせてみる。が、あっさりと左腕をレミリアに掴まれてしまった。片手で押さえられているだけなのに、振り払おうとしても、ピクリとも動かせない。足もばたつかせてみたが、その途端に万力で締め付けられるような痛みが腕に走った。
「っ!」
「そんなに暴れるな。すぐに済む」
あまりの痛みに抵抗することさえも忘れてしまう。このちっこい身体のどこにこれだけの力があるのだろうか?レミリアは口を開いて私の腕に顔を寄せてくる。ん?腕?ちょっと気になったのでレミリアに尋ねてみる。
「吸血鬼って、首筋から吸うものなんじゃないの?」
「……届かないんだよ。それに、出てくる血が多すぎると零れてもったいないからな」
「なるほど」
「それにしても面白い奴だな。この状況で、随分余裕があるじゃないか?」
そう言えば、余裕の無い状況でしたね私。
「本当に吸うの?!待ちなさい、私の血なんか美味しくないから!や~め~て~!」
「いい加減観念するがいい。そう不安がるな、痛いのは最初だけだ。すぐに何も考えられなくなるさ」
「お嬢様、その言い方は語弊がありますわ」
「そう?まぁいい。それじゃ頂きます」
これは本当にマズい状況だ。なんとかして断念してもらわなきゃ。そう思い、彼女にストップをかけるが、全くの無駄だった。段々顔が近づいてくるのがわかる。暖かい吐息を感じ、次には冷たい何かが腕に当たる。注射嫌いなんだけどなぁ。痛そうだなぁ。もう諦めてどうでもいいことを考え始めた。いよいよ腕にチクッとした痛みが走る。その痛みに目を瞑った瞬間だった。
「おぇっ!まずっ!この臭い、げほげほっ!」
「だ、大丈夫ですかお嬢様!?」
「は?」
何か急に私の腕を放り捨てて咳き込み始めた。血が流れ出る感覚があるけど、助かったの?っていうか、
「失礼な奴ね!私の血の何が不味いのよ!?」
「そこで怒るんですね」
腹が立つに決まってるだろう。穢れなき乙女の血を一方的に啜っておいて、不味い臭いとは何事だ!腹を立てる私に、レミリアは涙目になって、忌々しげに睨み付けてきた。
「貴様、今日何を食ったんだ?」
「へ?」
「いいから言え!」
妙なことを聞く奴だ。私が何を食べたかなんて……いや、ちょっと恥ずかしいんだけど。まぁ、減るもんじゃないし。
「え~と、食パンと、イチゴジャムと、メロンパンと、ご飯1合と、味噌汁、アジの開き2尾、漬物、」
「……随分食べたのね」
「が、朝食で」
「「「今のが?!」」」
「な、何よ?そのくらい食べるでしょ?」
「まぁ、量的にはそのくらいなら普通ですねぇ。パンとご飯一緒には食べないですけど」
何がおかしいんだ?朝はしっかり食べないといけないというのに。門番はそこのところが良くわかっているようだが、他の3人は私をお化けでも見るような目つきで見てくる。十六夜咲夜がなんか嫌そうな表情で続きを促してくる。
「で、昼は?」
「醤油ラーメンと、チャーシュー麺、チャーハン大盛り」
「「「うぷっ」」」
ホント失礼な奴らだな。だが、何かを納得したらしい。うなずきながら私を見てきた。
「ラーメンのトッピング、何入ってた?」
「何ってそりゃ、ネギと、卵と、ニンニク……あぁ、なるほど」
そういう事か。そうと判れば!
「吸血鬼って、ホントにニンニクダメなのね。それ、はぁ~」
「ぶっ、やめろ!鼻が曲がる!苦手云々以前に臭いんだよ貴様!」
「ちょっと、こっちにまで臭い来るんだからやめてくださいよ」
「いくら女子高だからって、良くそこまで女を捨てられるわね?」
「最低だわ。悪臭巫女」
有効な攻撃手段かと思ったのだが、自分の受けたダメージの方が大きかった。とりあえず、これで血を吸われる事は無さそうだが、これからどうなるんだ?記憶をどうこう言ってたけど。
「ちっ、もういい。さっさと暗示をかけて放り出すぞ。咲夜!」
「こちらに」
そう言って十六夜咲夜が手渡したのは、糸に結ばれた5円玉。それを右手で受け取り、私の目の前に垂らす。これってあれよね?「あなたは段々眠くな~る」ってやつ。とりあえず、目を瞑っておこう。
「ちょっと、何目を瞑ってるのよ?これを見なさいよ」
「イヤ」
「見ないと記憶消せないでしょうが!」
「なんで消されなきゃなんないのよ。私にあんたの言うこと聞く義理なんか、っ!」
一瞬で呼吸が出来なくなる。視線の下で、私の首にレミリアの腕が伸びているのが見える。そして、恐ろしい顔をして睨みつけてくるレミリアも。何これ?苦し、息が、
「かっ、はっ」
「調子に乗るなよ?私が温情で、記憶を忘れさせてやろうとしてるんだ。それともこのまま縊り殺されたいのか?」
そう言って、益々力を入れてくる。もうほとんど何も考えられない。ただ、恐怖だけがこみ上げてきた。私、このまま死ぬの?予期せぬ声が聞こえてきたのは、まさにそう思い始めたときだった。
「こ~ら、それ以上は教員会議かけるわよ?」
「何っ!?」
「げほっ、はぁはぁ」
驚いたレミリアが手を離したことによって、ようやく満足な呼吸が出来るようになった。まだぼんやりとする意識に、次々と聞き覚えのある声が響いてきた。
「霊夢っ、無事?!」
「うおっ、ホントに外と違うぞ!月が赤い!すっげ~」
「スクープ!スクープですよ!これで私もピュリッツァー賞が!」
「み、みんな?」
紫に続いて、他の3人も視界の中に現れた。どうやら、あそこらへんが境界の境目らしい。魔理沙は目を丸くしてキョロキョロ、文は写真を撮りまくっている。私の心配をしてくれてるのはさとりだけかい。というか、何でここに?この屋敷の住人もかなり驚いたらしい。唖然とした顔で突然の客を迎えている。バシャバシャカメラを回しながら、今更のように文がそこの住人を見て驚いた声を上げた。
「って、もしかしてスカーレットさん?!」
「お前、確か射命丸文!どうやってここに入ってきた?!」
どうやら知り合いらしい。もしかして、こいつらも学生なのだろうか?紫が全員を見渡して声をかける。
「生徒同士、仲が良いのは構わないけど、暴力沙汰はダメよ~?単位落として夏休み中補習漬けにしちゃうゾ♪」
「八雲先生、どうやってここに?」
軽いノリで話す紫に十六夜咲夜が刺すような視線で問いかける。その問いかけに紫は、ふふん、と鼻を鳴らし、髪を掻き揚げて答えた。
「担任クラスの生徒の家くらい把握してるわ。私はメリーみたく境界を見ることは出来ないけど、コツさえ判れば超えるくらいは出来る。あなたたちだって、そうでしょう?」
「……」
「とりあえず、霊夢を離してちょうだいな?私はそんなに人間が出来てないから、大事な妹分に何かあったら、許さないわよ?」
口調こそ静かだが、声も、目も、とても威圧感のあるものだった。私を抑えていた門番は、その迫力にビビッたのか、私を解放してくれた。ここまで怒りを顕にする紫なんて見たことが無い。
「霊夢、こっちにいらっしゃい」
そう言われて、トテトテと4人の方へ歩いて行く。恐いけど、こんなにも頼りがいのある人だったのか……私の大事なお姉ちゃんは。
「さて、喧嘩も仲裁したし、私は帰って寝るから。皆もあまり遅くならないうちに帰りなさいよ?」
「「「「「「「「帰るのかよ?!」」」」」」」」
ちょっと待て。この状況で帰るのかお姉ちゃん。全員でハモっちゃったよ?なんで逆に意外そうな顔してんの?
「だって眠いし。女の子は10時には寝ないとお肌が荒れちゃうのよ?後は8人で仲良く遊びなさいな」
「ちょ、ホントに置いてく気!?」
「えぇ。生徒同士の問題は余程の事が無い限り口出ししないわ。でも、」
そう言って、レミリアにちらりと視線を流す紫。
「もし余程の事があったら、私は容赦はしないわよ?」
そう言い残すと、ホントに紫は向こう側へと消えてしまった。あるぇ?紅魔館の連中も呆然としている。レミリアだけは随分と忌々しげな表情を浮かべているが。紫の様子を眺めていた3人が諦めの表情で愚痴を零し始めた。
「おいおい、ホントに霊夢の所に連れて来てくれただけかよ」
「後は現役会員で何とかしろってことかしら?」
「みたいですね~。けど私、会員じゃ無いですよね?なんで私まで置き去りにするんですか?」
「っていうか、3人ともなんで、痛っ!さと、あいたっ!」
パシャ!
私が尋ねようとしたら、いきなりさとりと魔理沙にデコピンされた。ワケがわからなくなって2人を見ると、随分と怒った顔をしている。
「ふ、2人とも?」
「このバカっ!何考えてんのよ!?」
「っ」
「全くだぜ。心配させやがって」
「なんで1人で行くのよ?なんで私たちに声をかけないの!?」
「それは、まさかこんなことになるとは」
「どうなるか関係無しに、声をかけてくれるべきなんじゃないのかよ?」
さとりも魔理沙も、本当に怒っていた。気圧されてどもりながら口を開いたが、魔理沙に睨まれただけだった。怒っていて当たり前だ。もし逆だったら、私はどうする?魔理沙が、さとりが1人で勝手にどこかへ行ってしまったら。その事を考えたら、思わず涙が出そうになった。バカだ、私は。うつむく私の頭を、魔理沙がコツンと叩いた。
「何か言うことがあるんじゃないか?」
さとりも、ジッと私を見つめる。そうだ。最初にそれを言わなきゃいけない。
「ごめんなさい」
パシャッ
「「よろしい」」
「で、そろそろ私たちも会話に参加していいのかしら?」
謝罪する私に、笑顔を浮かべてくれる2人。いざハグを、と思ったところで声をかけられた。感動の友情物語に水を差された気分だけど、そう言えばそんな事をやっている状況でもないんだったわね。声の主の方に振り返ると、やれやれ、と溜息をつかんばかりのレミリアが居た。
「すっかり気を削がれちゃったけど、問題は解決しないとねぇ」
「記憶を消すってこと?」
「は?なんだそりゃ?」
魔理沙が訝しげな顔をしたが、レミリアは首を横に振った。
「それはもういいわ。あの先生には逃げられちゃったし、あなたたちの記憶だけどうこうしても、あまり意味が無いでしょうから。かと言って、このまま帰すっていうのもすっきりしない」
「じゃあどうするの?」
さとりが聞くと、レミリアがまたにやりと笑った。
「勝負しましょう」
「勝負ぅ?」
「えぇ、負けた方が、勝った方の言う事を聞く。学生らしいでしょう?咲夜、彼女たちを応接室に案内なさい」
「かしこまりました」
そう言って彼女がドアを開ける。そしてレミリアたち3人はさっさと館に入ってしまった。
「ついて来て頂戴」
どうやれば出られるのかも良くわからないし、ここはついていくしかないんだろう。私たち4人は互いの顔を見合わせた後、覚悟を決めて、紅い館の中へと入っていった。
これからも頑張ってください。応援してます。
とうとうお嬢様が!
やっぱりお嬢様のカリスマはブレイクする為にあるのですね!?
自分にとっては、会話のテンポなども良くて読みやすかったです。
新作待ってました。頑張ってこのままの勢いに乗って最後まで書き切っちゃって下さい。
もしよければ紫サイドのお話も見てみたいです。
「お~、中々綺麗なもんね。月と星ってのは案外と明るい、!!」の部分の
案外のところは「意外と」、もしくは「と」のつなぎの部分が不必要では?
応援しています。頑張って下さい。
霊夢の着メロ、ちゃんと少女綺想曲になってるんですね
というか霊夢、食べ過ぎでしょう。
で壮絶に吹いてしまったwww
文章も段々ノって来ましたね。
後編も楽しみに拝見させてもらいます。
それがいいんですけどね(笑)
紅魔館組は設定がそのままなんですね。
次回が楽しみです。