ご注意。
※この作品には、下ネタは含まれておりません。
※この作品には、下ネタは含まれておりません。
二度言いました。
また、この作品のタイトルには無声音が含まれています。ご了承ください。
それでは、本編をどうぞ。
「ちんちん」
さて、最低の出だしで始まりました。
いやいや、待たれよ。別に局所のことではありません。当然です。さもないと夜伽扱いされてしまいます。
これは鳴き声。夜雀の鳴き声にございます。そう思い、耳を傾けてください。
「ちんちん」
風雅でしょう。
聞く人によっては赤面を誘い、聞く人によっては思わず遠ざけたくなる発音ではありますが、まぁ、それはそれ。
「ちんちん」
聞きようによってはまるで風鈴。涼しげで良いじゃないですか。
「ちんちん」
風の流れを感じるかのように、鳥の歌に耳を向ければ……
「ちんちん」
………
「ちんちん」
スパーン!
鳴り響くハリセンの良い音。
「えぇい、ちんちんちんちんうっさい!」
「えー!」
文章を書く手を止め、文は真横で鳴き続けた鳥の娘を引っぱたいた。音は良いが痛くはない。良質のハリセンである。
「風雅だって言ったじゃないですか!」
「物事には限度があるんです!」
片やちんちん娘、ミスティア。片や新聞ハリセンの名手、文。
「あなた、ちんちんちんちん何回言う気ですか! ちんちんで紙面を埋める気ですか! たまには鳴き止むかちんちん以外の鳴き声で鳴くかしなさい!」
ちなみに、現時点でちんちんと言った回数は同数である。
「ちんちん……」
「萎れるな! いや、萎れる時に鳴くな!」
※この作品には、下ネタは含まれておりません。
「文さんは意地悪な天狗だぁ」
「そうですかぁ!?」
自分はよく我慢して付き合っているものだと思っていた為、不満が声となり風となり歌となり宙を舞う。同時に舞った今朝食べたお米がいくらかミスティアの顔についたわけだが、ミスティアは気にせず摘んで口に含む。お米大好き。
何故この二人が一緒にいるのか。それはミスティアが
「あなたがどうしたら多くの妖怪や人間に聞いてもらえるようになるかって言うから、わざわざ私の部屋に上げて協力してあげているのに、意地悪とはあんまりです」
……以上のような理由からである。
それを言われ、何気なく言った言葉が文を何気なく傷つけたと感じ、さりげなく謝らねばならぬとミスティアは思った。けれど、どう謝るべきかが判らず、頭を垂れて考える。そしてそのまま、ゆっくりとしゃがんでいく。
「ちんちん……」
「だからその発声をしながら萎むな!」
耳年増な文たんが顔真っ赤にしている間に、ミスティアの脳裏に詫びの言葉が浮かぶ。そのひらめきに、ミスティアはカッと目を見開いた。
「ちんちん!」
「急に立つなぁ!」
これはあくまで立ち上がったことに驚いただけである。それ以上でもそれ以下でもない。
※この作品には、下ネタは含まれておりません。
「文さん。一緒に歌いませんか!」
「鬼断る!」
意訳・鬼に睨まれていようが断る。死んでも断ると同意。
「ちんちん……」
しょんぼりした。
手をわきわきして、文は全身を引き攣らせる。ツッコミたいが、もうこれ以上ツッコミを入れたところで無駄だと悟り、必死に堪えていたのである。
「その鳴き声、どうにかならないの?」
「そればっかりは私の意志ではどうにも。進化という生命の神秘に直訴しないと」
「投書でよければ一万枚は書きますよ、私」
どかんとマジであった。
ミスティしょんぼり。
これではいけない。どうにかせねば。そう思うと、文は一つの提案をする。
「どうせならもっと別の鳴き声で、そう、もっと淑やかに鳴いてみなさいよ」
少しの思案を挟み、ミスティアは歌い始める。
「おちんち」
スッパーン!
二秒歌わずに叩かれた。
「なんでー……?」
「大暴投にも程があります馬鹿雀! 危うい所でしたよ!」
何故怒られているのか判っていないミスティアは、悲しげに文をジッと見詰めていた。文はといえば、新聞の品位と売り上げの低下もそうだが、それ以上に何かしらの規制に引っ掛りはしないかと気が気ではなかった。そもそも書かなきゃ良いという発想は、今のところ文の頭にはない。
この後、いくらかの物議の後に、鳴き声だけに頼らず楽器を演奏してみてはどうだろうという提案の元、ミスティアはいくつかの楽器を持って人里付近で演奏を試みるに至る。
「さて、まずはトライアングルです」
「はーい♪」
人が数人いることを確認して、ミスティアは歌う。
「ちんちん」
チーン
「「うぅ!」」
何故か、数名の男性が局部を押さえた。顔に苦悶の色が僅かに浮かんでいる。
「「……?」」
判らない二人。
「ちんちん」
チーン
リテイクすると、やっぱり痛みに耐えるような表情になった。
幻想郷の男性陣の想像力は、結構たくましかったらしい。
「芳しくないですね。次いきましょう」
「はい」
取り出しましたるは、ミニ銅鑼。見た目は小さいが音は大きい逸品です。
「さぁ、この銅鑼ちゃんで行きましょう」
「はいっ!」
気合い充分であった。
そして、再度ミスティアは歌う。
「ちんちん」
ぐわぁぁぁぁぁん
男性限定で、数名が泡吹いて倒れた。
「「……何事?」」
音の魔力恐るべし。
良く判らないけど楽器も駄目だ。そう思い、二人は知識人に助けを乞うた。慧音である。
「慧音さーん」
「ん? おや、珍しい。文さんじゃないですか」
慧音は人の良い笑みを浮かべている。
「どうしたんですか?」
「あ、えっと、少しご相談が」
と、そこにミスティアを招く。
「おや、鳥の妖怪ですか?」
「えぇ」
文はミスティアのことを、簡単に紹介した。そしてその紹介に合わせ、ミスティアは鳴く。
「ちんちん」
慧音は顔を引きつらせた。文は全身を強張らせた。
バッと慧音が文に振り返る。サッと文は顔を背ける。こっち見ないで、という感じに。けれど、そんな反応知ったことかと、慧音は文に迫る。
文の方が遥かに年上ではあったが、相手は説教に種族も歳も関係なしが売りの石部金吉。こういう手合いに、文はどうにも弱い。
「一つ問いましょう。額と側頭部、どちらが丈夫と信じますか」
まずい、既に頭突き体勢!
一早く無実を主張しなければ。そう思うが、目の前にそびえ立つ問答無用の権現。気圧され、言葉が浮かばなくなっていく。
「も」
思わず口から言葉が漏れ出す。
「……桃より柔らかで傷つきやすい頭部ですが、強いて言うなら額の方が我慢できます」
せめて言い訳をしよう私!
だが、既に後の祭り。
充分に距離を置いた頭部は、反動をつけて迫る。接触の刹那、焼ける痛みを覚えて、文は気絶した。
その三十分後、文とミスティアは目を覚ます。そして、さっきの発言が鳴き声であることを説明すると、慧音は驚き、二人に謝罪をした。いいですよと何度か文が言うと、慧音は申し訳なさそうに顔を上げた。
「しかし、鳴き声なら無理に変えなくても良いのではないですか?」
「とは言いますけどね」
文はぽりぽりと頭を掻く。
「……さっきの慧音さんみたいな反応になるんですよ。事情説明しないと」
「……なるほど」
申し訳なさそうに頷いた。
「とりあえず、私も阿求殿に聞いてどうにかできないか調べておこう」
「そうしていただけると助かります」
こうして、ミスティアの鳴き声どうにかしよう会が、地味に設立された。そしてこの件についてをネタにすれば、どうにか新聞にはなりそうだと文は胸を撫で下ろした。
ちなみに、現在ミスティアの発言がないのは、鳴き声を自粛しているからである。
なお、今回の新聞がどうなったのかというと、文の不安を他所に、普段よりも多く読まれることとなった。そして、その記事を読んだお子様方が夜雀の鳴き声を真似るという事態が発生し、それを聞きつけた文は音速を超える速さで慧音の元へ駆けつけ、渾身の土下座を決めるに至る。
だが、そこは石部金吉金兜。文が悪いとは思わぬながら、すくりと立たせて愛と勇気の教育的指導。
「悪いですが、これもけじめ。甘んじて受けてください」
「不服ですが、不服ですが……」
不服ながら、仕方がないと甘んじて受ける。そう言おうとした。
だが……
「やっぱり納得できませんよーーーー!」
駄目だった。
カッと目を見開き、慧音が背を逸らす。
「御免!」
里に、時間外れの鐘が響いた。
ひでぇ話だw
> スッパーン!
何故止めた!?
最後まで言わせ切るんだ!!
幻想郷にあるかは知らん!!
ちんちんちんちん言っても下ネタ的なちんちんにはならないということですね。わかります。ちんちん。
「おちんち」と言ってる場面で思わずニヤァ・・・っと。
笑いを誘われてしまった・・・・。
お見事。
お馬鹿お馬鹿。みんなお馬鹿。畜生。可愛いなあ!
この大馬鹿者wwwwww
>「おちんち」
GJ!
なんだこのボリュームwwwwww
あんた最高だ!いや、最低だwwwひどいwww
しかし本当に最低だないいぞもっとやれ
だんだん貴方の本質がシリアスなのかギャグなのか分からなくなってきたw
あと遅すぎる誤字(かもしれない)報告
石部金吉金冠→石部金吉金兜じゃないかな?