※作品集51のゆうあいシリーズの続きです。
番外編というか、レイマリでは無いですが設定は同じです。
百合チック表現があるかもしれませんので、ご注意ください。
ぶーんと空を飛んでみた。
今日はあさから暇だから、霊夢の家に行ってみよう。
もしかしたら、萃香とかアリスとか魔理沙とかもいるかもしれないし。
ぶーんと飛んでたら、空で魔理沙に会った。
ホウキに乗って、ぶーんって飛んでた。
「おーチルノ。なにしてんだ?」
「霊夢のとこ行くんだけど、魔理沙も?」
「お、チルノも一緒に来るか?」
あたいはうんって頷いて、魔理沙の横に並んで飛んだ。
そういえば、霊夢と魔理沙はどうなったんだろう。
「ねぇ魔理沙。霊夢となんかあった?」
「え? な、なんでだ?」
魔理沙がなんか汗かいてた。
ははーん……これはなにかあったな。あたいの第⑨感がそう言ってたよ。
「ずばり、霊夢から返事があったでしょ!!」
「…………」
魔理沙の顔が明らかに暗くなった。
あれ、違った? まぁ違ったら違ったでいいや。
あたいは関係ないし。
「ふーん、もう3週間になるのにね」
「ぐっ!!! チ、チルノ案外痛いとこ付いてくるな」
「最強だからね!!」
なんか褒められた。嬉しい。
魔理沙は優しいから好きだ。アリスも、霊夢も、萃香は……ちょっとだけ嫌いだけど。
うーん。
「ねぇ魔理沙」
「んーなんだー」
「……好きってなに?」
魔理沙が急に止まった。なんでだろう?
あたいも止まって、魔理沙の方を見てみた。
なんか変な顔してた。
「うーん……一緒に居たい。とか、喋りたいとか……うーん……」
「あ、だったらあたいも魔理沙好きだよ!」
「いや、それも……そうなんだろうけど、それはあれだろ。友情的な意味だろ?」
ゆうじょうてきないみで?
「ほら、『友愛』とか、そういうの」
「『ゆーあい』? 魔理沙が霊夢を好きなのとは違うの?」
「違う……んじゃないか?」
ふーん。へんなの。
あたいがみんなを好きなのと、魔理沙が霊夢を好きなのは違うのか。
だからこの前もあたいのこくはく断ったのか。そうなのかー。
「うーん」
「おいおいどうしたんだよチルノ。無い頭使うと壊れるぞ」
「え? あたい頭あるけど?」
「……あ、うん。そうだよな。ごめんな」
変なこと言う魔理沙だな。
そうか。好きっていろいろあるんだ。
あたいはくるりって振り返ると、ぴゅーって飛んでった。
「お、おいチルノ! 霊夢んとこ行くんじゃないのかよ!」
「今日はいい!!」
後ろから聞こえた魔理沙の声に答えて、あたいはすごい速さで飛んでった。マッハ9くらいでてた。
気になった。
あたいはみんな好きだけど、みんなはあたいを好きなのかな?
『ゆーあい?』
まずはアリスの家に来てみた。
えーっと、まずはドアをノックして。
「チルノ! チルノ! チルノ!」
「……分かりやすいノックのしかたね」
3回くらいノックしたらアリスが出てきた。
一緒にあたいの名前言ってみたら、なんかアリス変な顔してた。
あれ、疲れてるのかな。
「アリス、もしかして疲れてる?」
「そうね……最近ちょっと行き詰ってるというか……やっぱ疲れてるのかしら」
頭に手をおいて、はぁってため息をついた。
そうか、疲れてるのか。
「だったら立ってちゃダメよ! ほら寝なきゃ寝なきゃ」
「え、ちょ、ちょっとチルノ!?」
あたいは無理矢理アリスの手を引っ張ってベットまで連れてった。
アリスは変な声出してたけど、抵抗しないからきっとだいじょーぶだ。
アリスをベットに寝かせると、あたいはこおりを作りだした。
「とりあえず頭冷やすよ」
「……チルノ、それはちょっと違うわよ」
「え、でもこの前の魔理沙の時は」
「うん。ありがたいけど、今日はいいわ」
アリスが笑って言ったから、きっとだいじょーぶなんだ。
あたいを作りだしたこおりを消した。
ベットに横になると、アリスはさっきより楽そうな顔をしてた。
よかった。あたいの判断は違ってなかった。
「寝る時はちゃんと寝なきゃダメって、けーねが言ってた」
「そうね……慧音が言うのなら、仕方ないわね」
最近たまにけーねのてらこや行くけど、その時言ってたから。
けーねが言うんだから間違いない。
「よかったわね、あたいがこのタイミングに来てて」
「そうね、ありがとねチルノ」
「いいってことよ!」
アリスが嬉しいならあたいも嬉しいから!
あ、そうだ。思い出した。
「ねぇねぇアリス」
「なに?」
「あたいアリス好きだよ」
「ブッ!!!!」
汚いなー。いきなり噴き出すなんて。
あれ、なんで顔赤いのアリス?
「チ、チルノ急にどうしたの?」
「アリスは、あたい嫌いなの?」
普通に聞いてみたら、アリスの顔がまた赤くなった。
変なアリスだなー。魔理沙みたいだ。
「ば、ばかねー。好きに決まってるじゃない」
「ほんと!?」
「本当に」
よかったー。あたいだけじゃなくてよかったー。
って思ってたら、急にアリスにベットに引きずり込まれた。
「どうしたの?」
「え? あ、あ、暑いからさ。一緒に寝てほしいのよ。いい?」
「えー。まったくしょーがないなー」
アリスは見た目大人なのに子供だなー。
ギュってアリスを抱きしめてあげたら、アリスも抱き返してくれた。
あー温かいなー。でも温かかったらダメなんじゃないの?
「ほら、アリス早く寝ないとー」
「そうね。おやすみ、チルノ」
「はいはい、おやすみー」
まったく、本当に子供だなー。
◇◇◇
ちょっとしたらアリスから寝息が聞こえた。
寝るの早いなー。やっぱり疲れてたんじゃん。
このままアリスと寝るのもいいけど、まだあたいはやることあるからね。
ごめんねアリス。
アリスからすっと抜け出して、あたいは家を出た。
空をピューって飛んでたら、ぶんが飛んでた。
……本当は萃香のとこ行きたいけど、こいつにも聞いておくか。
うん。あたいぶんも嫌いじゃないし。
「おーい、ぶん!」
「あ、チルノさん。だから私は文だって何回言えばわかるんですか」
なんか変なこと言ってる。
なんで文があやになるのか分からない。
あたいを騙そうたってそうはいかないからね!
「そんな冗談は別にいいよ」
「冗談じゃ……もういいです。それよりなんですか。ネタでも提供してくれるんですか?」
ネタ。
魔理沙と霊夢の事言っていいのかな? ダメかな?
でも他の人に言ったらダメって萃香言ってたっけな。
じゃあ言わない方がいいか。
「無いけど」
「はぁ……最近みなさん大人しくしてるんで書くこと無いんですよね」
「ふーん。あ、そうだぶん」
別にあたいには関係ない話だし、興味無いからいいや。
がっかりしてる顔だけど、こういうのは自分のあしで見つけないといけない。って魔理沙が言ってたし。
「なんですか? もしかしてネタを思い出し」
「あたい、ぶんの事好きだよ」
ぶんの動きが止まった。
アリスみたいに変な顔してる。
あれ? もしかして、ぶんってあたいの事嫌いなのかな?
ネタていきょーしたこと無いし、もしかするとそうかも……。
「……ぶんは嫌い?」
「ま、ま、ま、まさか!! 大好きですよ! 何言ってるんですか!!」
「よかったー」
ぶんも顔真っ赤にしてるけど、変なの。
まぁぶんがあたいの事嫌いじゃなくてよかったけど。
これで2戦2勝ね。さすがあたい。いい仕事してる。
「ど、どうしたんですか急に、そんな事言いだして」
「え。別に。気になったから聞いてるの」
「そ、そうですか……そうですよね、言葉に出さなきゃ分かってもらえませんよね。キャッ」
「うん。アリスにも聞いたけど、ぶんと同じ事言ってたよ!」
なんか真っ赤な顔でピョンピョンしてたぶんの動きが止まった。
あと変な顔してる。なにしてるんだこいつ。
「あれ、どうしたのぶん?」
「……アリスさんにも?」
「え、うん。この後萃香にも聞きにいくよ!」
「あー……うん。そういう事ね」
なんかがっかりした顔になった。変なぶん。
アリスみたいにたいちょー悪いのかな?
「どうしたのぶん。元気ないぞ」
「ううん。いいんです。気にしないでください」
「あ、そうだ。アリスもたいちょー悪くて寝てるから、おみまい行ってあげてね」
「……そうですね。話したい事もありますし、行きますよ」
そう言ったら、ぶんはピューンって飛んでった。
変なぶん。あ、アリスがたいちょー悪くしたことネタにするのか?
まぁ別にいいや。
「さて、萃香はどこにいるのかなー」
◇◇◇
いろいろ飛んでたら、いつもあたいが居る湖の近くで萃香はお酒を飲んでた。
「おーい萃香」
「ん? おぅチルノ。どうしたのよ」
ピューンって萃香の前まで来ると、萃香からお酒の匂いがした。
随分飲んだみたいね。臭いったらないわ。
「……萃香、臭い」
「いや~昨日から飲み歩いてるからねぇ。臭っちゃってるか~」
「うん。臭い」
「……はっきり言うね。ちょっと待ってて」
萃香がなんか目を瞑ったら、臭くなくなった。すげぇ!
「すげぇ!!」
「すげぇって……別に匂いを散らしただけだけど」
「かっこいいね萃香は」
「はっ。よせよ、照れるじゃねぇか」
萃香はなんか変な口調で笑った。
なんか今日の萃香は優しいな。いつもこんなのならいいのに。
「それよか、チルノは魔理沙達の話なんか聞いてる?」
「魔理沙達の?」
「うん。霊夢と進展あったとか、そういうの」
えーっと、あさたしか何か聞いたような……。
なんだっけ?
「あさ、魔理沙と会って話したよ」
「へぇ。なんだって?」
「えっと……なにもなかった」
「……もう3週間だぞ?」
「うん。あたいもそれ言ったら魔理沙褒めてくれたよ。『痛いとこつくな』って!!」
「……それはよかった」
なんかあの時の魔理沙と同じ顔してる。
あたいなんか変なこと言ってるかな?
「あ、それであたい思ったんだけどさ」
「なにを?」
「魔理沙が霊夢好きだけど、あたいも魔理沙好きじゃん」
「……それで?」
「で、魔理沙もあたい好きって言ってくれたけど、それって霊夢の好きとは違うって言ってた」
あれ? 魔理沙は好きって言ってたっけ? まぁいいや。
なんか萃香が難しい顔してた。いつものへんな丸いお酒入れてるやつも横に置いてる。
「ふんふん」
「あたいはみんな好きだけど、それは『ゆーあい』だって魔理沙が言ってた」
「あぁ、だろうね」
「萃香はあたいの事嫌い?」
「え? 好きだよ」
……よかった。萃香もあたいの事好きだって。
アリスとかぶんとかより普通に言ってくれた。
「よかったー。アリスもぶんも、なんか変な感じだったけど萃香は普通だね」
「え? なに、アリスと文にも聞いたの?」
「うん。あたいは好きだけど、そっちは嫌い? って」
「あー……変な反応してなかったか、2人とも」
「うん。なんか顔赤くしたり、変な行動してた」
そうやって言ったら萃香は大声で笑った。変なの。
「だっはっはっはっは!!!! きひひひひ!!!!」
「大丈夫、萃香? 笑い過ぎだけど」
「だ、だって! かははははは!!!! あいつらの顔が思い浮かぶわ!!!」
「ふーん? 変なの」
「あぁ変だろう。変だろう。わはははははは!!!!」
萃香はその後もずっと笑ってた。あんなに笑って苦しくないのかな。
笑い終わったら、お酒を一杯飲みだした。
「ぷはー。ったく、魔理沙だけじゃなくて、あいつらもそのケはあるんだねぇ」
「ケ?」
「こっちの話。ったく、可愛いなぁチルノは」
「うっ。や、止めてよ萃香。頭痛い!」
なんか萃香に頭をグリグリなでられた。
痛い。
「痛いってば!」
「だっはっはっは!!」
「もう、萃香嫌い」
ぷいっ! って萃香から顔そむけると、頭にのってた手が無くなった。
変わりに萃香が近づいてきた。
「悪い悪い。ほら、後のやつらには聞きにいかなくていいのか?」
「あ! そうだった。えーっと後は橙とリグルとミスティアとルーミアとレティとていとめーりんともこーとひなとにとりとすわこと……」
「多いなー。そんなに回れるか?」
「む、無理!!」
「だよなぁ。だったら、とりあえず一番近いやつだけにしときな」
一番近い……んー、めーりんだけど、居なかったらやだしな。
あ、そうだった。
「あさ、霊夢のとこ行こうとしてたんだった!」
「……今からいくのか?」
「うん!」
「……魔理沙いるんだろ?」
「あ、そっか……」
「いやまぁ、邪魔にならないレベルで行ってきなよ」
「そうする!!」
じゃーねーって萃香に言って、萃香もじゃーなーって返してくれて、あたいは霊夢のとこに飛んでった。
◇◇◇
霊夢のてらに行ったら、霊夢が家の中だけど外に座ってお茶飲んでた。
えーっとなんだっけ……えんがわ? とかそんな感じのやつ。
「おーいれーむー」
「あらチルノ。なに、やっぱり来たんじゃない」
霊夢の前に行ったら、霊夢はお茶を飲みながら笑ってた。
魔理沙がいない。
「魔理沙は?」
「今奥にいるわよ。それよりどうしたの? 今日は来ないんじゃなかったの?」
「あ、魔理沙から聞いたの?」
「えぇ。なんか急にどっか行った。って言ってたわよ」
失礼ね魔理沙。それじゃああたいが変なやつみたいじゃん。
「ねぇねぇ、霊夢はあたいの事好き?」
「え? ……またそういう質問?」
「魔理沙のとは違うってば。友達的な感じの!」
「あぁ、そっち。びっくりさせないでよ」
まったく。いくらあたいでも魔理沙の邪魔なんかしないのに。
霊夢は安心したみたいな顔になると、あたいを手まねきした。
なんか分からないけど近づいてみた。
そしたら、霊夢の座っているひざの上に乗せられて、後ろから抱き付かれた。
あー、なんかいいなーこれ。
「私はチルノ大好きよ。チルノは?」
「うん! あたいも大好き!!」
「そう、よかったわ」
「じゃあ魔理沙の事は?」
「う……こ、答えにくい事聞くのね」
霊夢が困ってる。ふふふ、あたいの最強さを甘く見てたようね。
困ったみたいな唸り声を出しながら、霊夢はブツブツとなにか言ってる。
「……まぁ、そのうちどうにかするわよ」
「もう3週間経ってるのに?」
「……チルノ。お菓子あげようか? お菓子」
「うん!!!」
やったーお菓子だ!
アイスがいいな! アイス!!
「はいはい」
「おーい霊夢。洗い物終わっ……た…………」
しょうがないなぁ。とか言いながらあたいをひざから降ろそうとしたら、魔理沙が奥から出てきた。
あ、なんか魔理沙が怖い目つきであたい見てる。なんでだろう。
もしかして、なんか勘違いしてるのかな。
霊夢も困った顔してる。
「……魔理沙。とりあえず言わせてもらうけど」
「う、うわー!! うわー!!!! 聞こえない聞こえない!!!」
「ちょっと! 絶対あんた勘違いしてるわよ! 黙って聞いてよ!」
「うわー!! 聞こえない聞こえないー!!!!」
「あ~もう!!!」
「ま、魔理沙ー」
「…………」
「その、ごめんね?」
「ば、ばか! チルノ今のあいつにそんな事言ったら……」
「れ、れ、れ、」
魔理沙がうつむいて、プルプル震えてる。
おかしいな。あたい謝っただけなのに。
「霊夢とチルノのバカ―――――――!!!!!」
魔理沙がピューって飛んでった。
すっごい速い。あたいよりも速かった。
残った霊夢は、はぁって大きなため息をついた。
「ったく、あのバカは……」
「ご、ごめん霊夢! あたい、なんか失敗しちゃった?」
「チルノはいいのよ。あいつがバカなだけ。ったく……」
霊夢は怒ってるみたいだった。
魔理沙が勘違いしたこと怒ってるのかな?
「まぁいいわ。どうせまたアリスの所でしょ。チルノも付いてきてね」
「あ、うん。もちろん!」
結局行くのか。
霊夢ももう少し素直になればいいのにね。
「……どういう意味よ」
「ふふん。そのままの意味よ」
「くっ……チルノのくせに」
「ふふん。誉めてもなにも出ないよ」
「褒めてねーよ」
あれ? 褒めてなかったのか。おかしいなー。
まぁいいや。それよりも魔理沙のところ行かないと。
ついでにアリスが大丈夫か身に行かないといけないし。
「じゃ、行くわよチルノ」
「うん!!」
霊夢と一緒に、あたいはピューって飛んでった。
その途中で、明日は誰に聞こうかなって考えた。
とりあえずいつも遊ぶみんなに聞こう。その後で、めーりんとかもこーとかにとりとかに会いに行こう。
楽しみだなー。
別にどうでもいいけど、アリスの家に行ったらぶんと萃香もいて、
あたいはなぜかぶんとアリスにも謝ったり勘違い? をはらさないといけなかった。
変なぶんとアリス。萃香はずっと笑ってたし。
でもまぁ、魔理沙と霊夢が仲直りできてたからいいや。
よかったね、2人とも。
凄くいい作品ですwww
チルノも好きだおwwww
チルノかわいいねホントに。
本筋も期待してます。
>魔理沙は優しいから好きだ。アリスも、霊夢も、萃香は……ちょっとだけ嫌いだけど。
のくだりの後に、魔理沙に好きって何?って聞くから、ちょっと違和感を感じました。
もし、何か意図があって書いてたのならごめんなさい。
でも、やっぱり面白い作品は、東方人物を上手く捉えて料理してますね。
文章がいかにもチルノチルノしてて、なんかニヤニヤしました。
皆大好きチルノちゃ~ん。
純粋無垢で無邪気でかわいいなぁ
この一連の世界観が大好きです。願わくばまた書いてくださいね。
こら、アリスw
チルノはみんなの嫁な幻想郷もステキですね
飛んでるシーンの言葉の表現も好かったです。
何というか、チルノらしいチルノでした。
和む話をありがとう。
チルノ可愛いよチルノ
可愛いよチルノ可愛いよ
チルノ!チルノ!チルノ!