しとしとと雨が降る、魔法の森に。
家の中から降る雨を見ながら私は星について書かれたページをめくる。
ただでさえ湿気が酷いのに、さらに酷くなるだろう。そんな取り止めのないことを思いながら。
「……やまないなあ。晴れてくれりゃ、少しは気が晴れるのに」
しとしとと降っていた雨は、気がつくとザアザアと酷くなっていて。
読んでいたページから顔を上げてどんよりとした雨降りの風景を眺める。
集中力も切れたし、何しようか、とぼんやりしていた。本を閉じて私は立ち上がり、伸びをする。
「んー……雨降ってるけど神社いくか」
そう独りごちて、カッパと箒を掴んで、私はザアザアと降る雨の中家を駆け出していった。
*
雨は止まずにいつものように博麗神社に着く。霊夢はいるかな〜とそう思いながら私は社務所の玄関前に降りる。
「おーい、霊夢いるか?」
少しして玄関がガタガタ言って開く。
「……なんで魔理沙あんたこんな雨の日に来るのよ?」
「暇だったから来た。入らせてくれよ」
「もう、とりあえず水をはらいなさいよ」
そう言って霊夢は社務所の奥に入っていった。へへ、入らせてもらお、そう思って私はカッパを脱いでいく。
「カッパ、ハンガーあるから掛けときなさいよー」
へいへい。霊夢はお母さんか?
カッパをハンガーにかけて、体に着いた水をはらい、中に入っていく。
「魔理沙、来たけどなんもないわよ?」
霊夢は呆れたような顔でそう言う。
「別にいいの、暇だったし」
「暇で来られてもなんもないわよ……」
いいんだ別に。一人になるより良いし。
「まあいいけど」
こういう時なんも聞いてこないのが霊夢だよな。ありがたいけど。
霊夢の前側に座る。雨足はさっきより酷くなっていた。
ザアザアからザァーと屋根や地面を叩きつけるような音になっていた。
「雨ひどいし、止んだら帰るの?」
「来て早々にその話は酷いぜ」
「あーはいはい、その感じ泊まるのね、まあいいわ。でも夜ご飯作るの手伝ってよね」
霊夢は何かピンときたのかそれ以上何も言わなかった。
「あー、分かってるよ……」
少し居心地が悪かった。なんか迷惑かけているようで。
そのまま畳の上にごろんと寝転ぶ。帽子は散らかすように飛んで行って転がる。
「眠いの?」
「んあ……少しだけ。霊夢はいつも雨の日何してるんだ」
霊夢の方を見てそう聞く。
「何もしてないわよ。境内の掃除も出来ないし、ゆっくりお茶飲んでるだけよ」
「はは、おばあちゃんみたいだな」
「なによう、魔理沙は本とか読んでるんだろうけど、ゆっくりするのもいいじゃない」
「そうだな……そうするか……」
話しながら私はうとうとと夢の世界へと旅立って行った。
***
畳に寝転がってすぅすぅと魔理沙は寝始めた。
疲れていたのかしら。私には分からないけれど。大体、魔理沙が雨の日に来るのは寂しい時だけだ。本人に言ってもそんなことひとつも認めないだろうけれど。
こうやって来ては気がついたら寝ている魔理沙。いつも夢で魘されている。昔のこと思い出すのか聞いてないから知らないけど。
魔理沙の沽券に関わるだろうから何も言わないけど。家族を知らない私に何も言うことは出来ないけどね。
魔理沙見てたら眠くなってきた。私も寝転んでお昼寝しますか……と私も気がついたら眠っていた。
***
「うわあ!」
悪夢に魘されて私は飛び起きる。ろくでもないものを見た。はあはあと呼吸を落ち着かせる。そうして落ち着いた私は霊夢を見る。あれ、私が寝ているうちに霊夢も眠ってしまったんだろうか、すぅすぅと寝ていた。
可愛いヤツめ。イタズラしてやろうかと思ったけど、やめた。
さすがに霊夢に怒られてぶん殴られたくはない。だからやめとこう。
外を見るとまだ雨は降っていた。ザアザアと降っていた。
雨が全てを流してさってくれればいいのに。そんなことを思う。そんなこと思ったとて私には何も出来ないと思うけれど。弾幕で勝負ならいい。けどそれ以外が私は怖いのだ。あー、やめやめ、くだらないこと考えても仕方がない。
前を向くしかないのだ、きっといつか報われると信じて。
馬鹿だな、そんな日はいつか来ると信じ続けるものが。
きっと、いつか来る。それを笑い飛ばしてくれる、その日まで。
家の中から降る雨を見ながら私は星について書かれたページをめくる。
ただでさえ湿気が酷いのに、さらに酷くなるだろう。そんな取り止めのないことを思いながら。
「……やまないなあ。晴れてくれりゃ、少しは気が晴れるのに」
しとしとと降っていた雨は、気がつくとザアザアと酷くなっていて。
読んでいたページから顔を上げてどんよりとした雨降りの風景を眺める。
集中力も切れたし、何しようか、とぼんやりしていた。本を閉じて私は立ち上がり、伸びをする。
「んー……雨降ってるけど神社いくか」
そう独りごちて、カッパと箒を掴んで、私はザアザアと降る雨の中家を駆け出していった。
*
雨は止まずにいつものように博麗神社に着く。霊夢はいるかな〜とそう思いながら私は社務所の玄関前に降りる。
「おーい、霊夢いるか?」
少しして玄関がガタガタ言って開く。
「……なんで魔理沙あんたこんな雨の日に来るのよ?」
「暇だったから来た。入らせてくれよ」
「もう、とりあえず水をはらいなさいよ」
そう言って霊夢は社務所の奥に入っていった。へへ、入らせてもらお、そう思って私はカッパを脱いでいく。
「カッパ、ハンガーあるから掛けときなさいよー」
へいへい。霊夢はお母さんか?
カッパをハンガーにかけて、体に着いた水をはらい、中に入っていく。
「魔理沙、来たけどなんもないわよ?」
霊夢は呆れたような顔でそう言う。
「別にいいの、暇だったし」
「暇で来られてもなんもないわよ……」
いいんだ別に。一人になるより良いし。
「まあいいけど」
こういう時なんも聞いてこないのが霊夢だよな。ありがたいけど。
霊夢の前側に座る。雨足はさっきより酷くなっていた。
ザアザアからザァーと屋根や地面を叩きつけるような音になっていた。
「雨ひどいし、止んだら帰るの?」
「来て早々にその話は酷いぜ」
「あーはいはい、その感じ泊まるのね、まあいいわ。でも夜ご飯作るの手伝ってよね」
霊夢は何かピンときたのかそれ以上何も言わなかった。
「あー、分かってるよ……」
少し居心地が悪かった。なんか迷惑かけているようで。
そのまま畳の上にごろんと寝転ぶ。帽子は散らかすように飛んで行って転がる。
「眠いの?」
「んあ……少しだけ。霊夢はいつも雨の日何してるんだ」
霊夢の方を見てそう聞く。
「何もしてないわよ。境内の掃除も出来ないし、ゆっくりお茶飲んでるだけよ」
「はは、おばあちゃんみたいだな」
「なによう、魔理沙は本とか読んでるんだろうけど、ゆっくりするのもいいじゃない」
「そうだな……そうするか……」
話しながら私はうとうとと夢の世界へと旅立って行った。
***
畳に寝転がってすぅすぅと魔理沙は寝始めた。
疲れていたのかしら。私には分からないけれど。大体、魔理沙が雨の日に来るのは寂しい時だけだ。本人に言ってもそんなことひとつも認めないだろうけれど。
こうやって来ては気がついたら寝ている魔理沙。いつも夢で魘されている。昔のこと思い出すのか聞いてないから知らないけど。
魔理沙の沽券に関わるだろうから何も言わないけど。家族を知らない私に何も言うことは出来ないけどね。
魔理沙見てたら眠くなってきた。私も寝転んでお昼寝しますか……と私も気がついたら眠っていた。
***
「うわあ!」
悪夢に魘されて私は飛び起きる。ろくでもないものを見た。はあはあと呼吸を落ち着かせる。そうして落ち着いた私は霊夢を見る。あれ、私が寝ているうちに霊夢も眠ってしまったんだろうか、すぅすぅと寝ていた。
可愛いヤツめ。イタズラしてやろうかと思ったけど、やめた。
さすがに霊夢に怒られてぶん殴られたくはない。だからやめとこう。
外を見るとまだ雨は降っていた。ザアザアと降っていた。
雨が全てを流してさってくれればいいのに。そんなことを思う。そんなこと思ったとて私には何も出来ないと思うけれど。弾幕で勝負ならいい。けどそれ以外が私は怖いのだ。あー、やめやめ、くだらないこと考えても仕方がない。
前を向くしかないのだ、きっといつか報われると信じて。
馬鹿だな、そんな日はいつか来ると信じ続けるものが。
きっと、いつか来る。それを笑い飛ばしてくれる、その日まで。