「目を開けるとそこは雪国であった」
そう言いたい魔理沙ではあったが、そんなこと言ってる場合ではない。
「うわぁ!なんなのぜー!」
魔理沙は得意の箒にも跨がらず、地面を蹴っていた。
眼の前には見たこともない恐竜の様な、ドラゴンの様な、何とも形容しがたいモンスターが目をらんらんとよだれを垂らし迫ってきた。
魔理沙は先程から必死で魔法を打とうとしているのだが、焦りのせいなのか上手く発動しない。額には大粒の汗と涙が浮かび、目尻で合流して頬を流れ落ちる。
「なんで、こんなことになったのぜ⋯」
これは1時間前、幻想郷で初めてのVRというものが紫から発表された。(どうせ裏には河童がいるのだろうが)
私は前日から段ボールで作ったテントで並んだ末に最古の一品を入手することに成功した。
その時の私といえば、手を震わせて箒を取ったために危うくいつも通り紅魔館に突っ込むところだった。
「こんな面白そうなもの誰の手にも渡すものか!」
超特急で魔法の森へと帰ってきた私は久しいご飯などお構いなしに商品の梱包をビリビリに破った。箱がぐちゃぐちゃになってしまったがそんなことはどうでもいい。
今は何、何でもいいのでゲームを起動したかった。
電源スイッチを押し込みたかった。
しかし、無情にも、VRとは充電が必要だったらしい。スイッチを何度押し込んでもうんともすんとも言わなかった。
すぐさまコールセンター(紫コノヤローと叫ぶだけだが)に通報したところ、
「あはは、それは充電が必要なのよ。ほら、あなたの家にもコンセントがあるでしょう?そこにそのプラグを差しなさい」
紫はそれだけ言ってスキマに入っていった。奥の方から妖夢の呼ぶ声が聴こえたため、白玉楼でも同じ様なことが発生しているのだろう。
そんなことは置いといて、私は河童が訪問販売で設置していったコンセントにフラグを差し込んでVRのランプが赤色から緑色になることを祈って待ち続けた。
これまでの人生で経験したことのない沈黙と延長を食らう未知の時間を過ごすのは地獄の用に感じられた。
私自身の体を制御することができず、知らぬうちに家中の整理整頓を知らぬ間に始めていた。
「いつになったら緑になるのぜ〜」
いっこうに充電の色か移らない赤色ランプを見て魔理沙は地団駄を踏んだ。
しかし、この待ち時間こそがこのゲームをゲームたらしめ、興奮を興奮たらしめると知っている自称博識な魔理沙は大人しく、いつもより過激な実験をして待つこととした。
実験が白熱してきた所でふと、VRを見やると緑を越して白色になっていた。
「うおぉ!キタ!ktkr〜!」
普段使ったことのない単語も飛び出した。それくらいに興奮していた。
興奮そのままにVRを頭につける。慌てすぎて前後ろを間違えた結果何も見えないミスもあったが、いよいよ本番だ。
「KAPA~」
独特の起動音を奏でてVRが起動した。私がやるゲームは。
「起動します。手元のコントローラーをしっかりと握ってください。」
ここからの希望を胸にコントローラーを握りしめて目を閉じた。
さて、ここまでが現状の説明になるのだが、なぜなったのかは以前説明がつかない。
私がダイブした後には目の前が真っ白になって、驚いている間にこうなった。
「くそ!魔法が…全部使えない!」
私は走りながら武器となるものを探した。久しく全力疾走していなかったがために、追いつかれそうになるが、窮鼠猫を噛む。
ギリギリで見つけた。カラシニコフ、それも2丁。
「そうか!これもゲームなんだな!最初の説明なんだな!」
私は迷わず両手に華として、化物を蜂の巣にした。
反動で肩が終わってしまいそうだったが、アドレナリンに浸った私にはどうでも良かった。興奮が冷めやらない。
肩で息をして、手先の痺れを活き活きと感じる。
「やってやった。私が倒した!やったぜ!」
そう言って一歩踏み出した途端、周囲の環境がうずまき、見違えた。
次には廃校に立っていた。周囲の地面からキョンシーが何体も生える。
だが、私には武神が付いている。北の国からやってきた武神。
これもあれもゲームなのだ、楽しみきってやろう。紫のやついいもん売るじゃないか。
「はああぁぁ!消えろ消えろ!」
おぉこれはマスパとは違った快感がある。吹き飛ばすのではなく、なぎ払うと言ったほうがよい。手に染み渡る衝撃と脳に響き渡る歓喜。私は息をも忘れて没頭した。
この後にも、古屋敷や廃れた神社、人のいない地獄を経て薄気味悪い森へ境界を越えたとき、私は衝撃を受けた。
いや、物理的に衝撃を受けた。ダメージも表示される。
魔理沙は始めての被害に気が動転した様で、両手を四方八方へと振り回して乱射した。
「起きなさい!止めなさいよ!」
ガバっと視界が真っ白な光で満たされた。一瞬何が起こったのか不明で、目がなれるまで不安と光いっぱいだったが、すぐに状況整理がついた。
まず、魔理沙のVRを引き剥がしたのは霊夢で、場所は里の一角、時は黄昏であった。
霊夢の顔は般若を超える鬼の形相であり、心配と不安と激怒が混在といった感じ。
周りには⋯仏が何十とあった。形容はできないが、それはそれは無惨で、残酷で、卑屈に満ちた、憎悪はなく、皆様顔が恐怖で歪んでいる。
「魔理沙!目を覚まして!何でこんなことになったか言いなさい!」
「うるさいぜ、十分に聞こえてる。私はいつも通りだぜ。な?」
琴線の如くキリキリとした霊夢の声は長時間聞くには鼓膜が耐えられない。
だがやはり、この声には戸惑いしかなかった。
不思議に思った私は手元を見やると、素晴らしい輝きと熱を放射するカラシニコフがある。
「は?え?コントローラー⋯コントローラーえ?」
「それを聞いてるのよ!どうするのあんた!どうしたの!」
ぐにゃり。視界が歪む。
「わ、私はただ、ゲームして、やっと助かって、それで、、無双してただけなんだ!本当!本当なんだ!」
証拠を見せつけようと頭に手をやるがそこには何もない。夢でもない、ゲームでもない。
『では何か?』
絶望を感じて頭から血の気が引くことを実感する、事は遂に起こった。
霊夢を含めて、もちろん魔理沙も、体が再構成を実施、変数はグローバルに変更され、初期化を始めたわ。
もちろん私はこれを想定していたし、バックアップは厳重に、システム管理者の嗜みよ。
「ハーイ♡皆さん、ありがとう。残念だけど、このゲームに重大なバグがあることを河童から吐かせたわ。
これは管理者として見過ごせないものでして、緊急ではありますがこれはここまでとさせて頂きます。
首を長くしたり飛ばしたりして待ち望んでくれてたあなたがたには申し訳ないけど、物語には終わりが付きものなのよ。次に合うときを楽しみにしてるわ、バイバーイ」
そんなことを吐き捨てて、紫は消えていった。
「なんだこのゲーム?よくわかんないぜ、なぁ霊夢」
「えぇ、紫のやることはまるっきしわっかんないわ」
博麗神社で新作VRをやると決まったのは先週のことであり、二人はこれに合わせて予定を組むぐらいだった。
二人とも釈然としない態度でヘッドセットに手を掛けた。
「に、してもあんな終わり方って。期待した私たちがバカだったわ」
「まったくそうだぜ。気晴らしにでも甘味処行こうぜ」
二人は切り替えて次の予定を頭に浮かべて、VRを外す。
目を開けるとそこは
『阿鼻叫喚であった』
二人の手には、血のりで輝くAK-74がそれも2丁。
めでたしめでたし
「ここまで読んで、?が頭に浮かんでるのが分かるわ。解説という解説はできないけど、ヒントはあってもいいかもしれないわね。それじゃあまた会いましょう」
そう言いたい魔理沙ではあったが、そんなこと言ってる場合ではない。
「うわぁ!なんなのぜー!」
魔理沙は得意の箒にも跨がらず、地面を蹴っていた。
眼の前には見たこともない恐竜の様な、ドラゴンの様な、何とも形容しがたいモンスターが目をらんらんとよだれを垂らし迫ってきた。
魔理沙は先程から必死で魔法を打とうとしているのだが、焦りのせいなのか上手く発動しない。額には大粒の汗と涙が浮かび、目尻で合流して頬を流れ落ちる。
「なんで、こんなことになったのぜ⋯」
これは1時間前、幻想郷で初めてのVRというものが紫から発表された。(どうせ裏には河童がいるのだろうが)
私は前日から段ボールで作ったテントで並んだ末に最古の一品を入手することに成功した。
その時の私といえば、手を震わせて箒を取ったために危うくいつも通り紅魔館に突っ込むところだった。
「こんな面白そうなもの誰の手にも渡すものか!」
超特急で魔法の森へと帰ってきた私は久しいご飯などお構いなしに商品の梱包をビリビリに破った。箱がぐちゃぐちゃになってしまったがそんなことはどうでもいい。
今は何、何でもいいのでゲームを起動したかった。
電源スイッチを押し込みたかった。
しかし、無情にも、VRとは充電が必要だったらしい。スイッチを何度押し込んでもうんともすんとも言わなかった。
すぐさまコールセンター(紫コノヤローと叫ぶだけだが)に通報したところ、
「あはは、それは充電が必要なのよ。ほら、あなたの家にもコンセントがあるでしょう?そこにそのプラグを差しなさい」
紫はそれだけ言ってスキマに入っていった。奥の方から妖夢の呼ぶ声が聴こえたため、白玉楼でも同じ様なことが発生しているのだろう。
そんなことは置いといて、私は河童が訪問販売で設置していったコンセントにフラグを差し込んでVRのランプが赤色から緑色になることを祈って待ち続けた。
これまでの人生で経験したことのない沈黙と延長を食らう未知の時間を過ごすのは地獄の用に感じられた。
私自身の体を制御することができず、知らぬうちに家中の整理整頓を知らぬ間に始めていた。
「いつになったら緑になるのぜ〜」
いっこうに充電の色か移らない赤色ランプを見て魔理沙は地団駄を踏んだ。
しかし、この待ち時間こそがこのゲームをゲームたらしめ、興奮を興奮たらしめると知っている自称博識な魔理沙は大人しく、いつもより過激な実験をして待つこととした。
実験が白熱してきた所でふと、VRを見やると緑を越して白色になっていた。
「うおぉ!キタ!ktkr〜!」
普段使ったことのない単語も飛び出した。それくらいに興奮していた。
興奮そのままにVRを頭につける。慌てすぎて前後ろを間違えた結果何も見えないミスもあったが、いよいよ本番だ。
「KAPA~」
独特の起動音を奏でてVRが起動した。私がやるゲームは。
「起動します。手元のコントローラーをしっかりと握ってください。」
ここからの希望を胸にコントローラーを握りしめて目を閉じた。
さて、ここまでが現状の説明になるのだが、なぜなったのかは以前説明がつかない。
私がダイブした後には目の前が真っ白になって、驚いている間にこうなった。
「くそ!魔法が…全部使えない!」
私は走りながら武器となるものを探した。久しく全力疾走していなかったがために、追いつかれそうになるが、窮鼠猫を噛む。
ギリギリで見つけた。カラシニコフ、それも2丁。
「そうか!これもゲームなんだな!最初の説明なんだな!」
私は迷わず両手に華として、化物を蜂の巣にした。
反動で肩が終わってしまいそうだったが、アドレナリンに浸った私にはどうでも良かった。興奮が冷めやらない。
肩で息をして、手先の痺れを活き活きと感じる。
「やってやった。私が倒した!やったぜ!」
そう言って一歩踏み出した途端、周囲の環境がうずまき、見違えた。
次には廃校に立っていた。周囲の地面からキョンシーが何体も生える。
だが、私には武神が付いている。北の国からやってきた武神。
これもあれもゲームなのだ、楽しみきってやろう。紫のやついいもん売るじゃないか。
「はああぁぁ!消えろ消えろ!」
おぉこれはマスパとは違った快感がある。吹き飛ばすのではなく、なぎ払うと言ったほうがよい。手に染み渡る衝撃と脳に響き渡る歓喜。私は息をも忘れて没頭した。
この後にも、古屋敷や廃れた神社、人のいない地獄を経て薄気味悪い森へ境界を越えたとき、私は衝撃を受けた。
いや、物理的に衝撃を受けた。ダメージも表示される。
魔理沙は始めての被害に気が動転した様で、両手を四方八方へと振り回して乱射した。
「起きなさい!止めなさいよ!」
ガバっと視界が真っ白な光で満たされた。一瞬何が起こったのか不明で、目がなれるまで不安と光いっぱいだったが、すぐに状況整理がついた。
まず、魔理沙のVRを引き剥がしたのは霊夢で、場所は里の一角、時は黄昏であった。
霊夢の顔は般若を超える鬼の形相であり、心配と不安と激怒が混在といった感じ。
周りには⋯仏が何十とあった。形容はできないが、それはそれは無惨で、残酷で、卑屈に満ちた、憎悪はなく、皆様顔が恐怖で歪んでいる。
「魔理沙!目を覚まして!何でこんなことになったか言いなさい!」
「うるさいぜ、十分に聞こえてる。私はいつも通りだぜ。な?」
琴線の如くキリキリとした霊夢の声は長時間聞くには鼓膜が耐えられない。
だがやはり、この声には戸惑いしかなかった。
不思議に思った私は手元を見やると、素晴らしい輝きと熱を放射するカラシニコフがある。
「は?え?コントローラー⋯コントローラーえ?」
「それを聞いてるのよ!どうするのあんた!どうしたの!」
ぐにゃり。視界が歪む。
「わ、私はただ、ゲームして、やっと助かって、それで、、無双してただけなんだ!本当!本当なんだ!」
証拠を見せつけようと頭に手をやるがそこには何もない。夢でもない、ゲームでもない。
『では何か?』
絶望を感じて頭から血の気が引くことを実感する、事は遂に起こった。
霊夢を含めて、もちろん魔理沙も、体が再構成を実施、変数はグローバルに変更され、初期化を始めたわ。
もちろん私はこれを想定していたし、バックアップは厳重に、システム管理者の嗜みよ。
「ハーイ♡皆さん、ありがとう。残念だけど、このゲームに重大なバグがあることを河童から吐かせたわ。
これは管理者として見過ごせないものでして、緊急ではありますがこれはここまでとさせて頂きます。
首を長くしたり飛ばしたりして待ち望んでくれてたあなたがたには申し訳ないけど、物語には終わりが付きものなのよ。次に合うときを楽しみにしてるわ、バイバーイ」
そんなことを吐き捨てて、紫は消えていった。
「なんだこのゲーム?よくわかんないぜ、なぁ霊夢」
「えぇ、紫のやることはまるっきしわっかんないわ」
博麗神社で新作VRをやると決まったのは先週のことであり、二人はこれに合わせて予定を組むぐらいだった。
二人とも釈然としない態度でヘッドセットに手を掛けた。
「に、してもあんな終わり方って。期待した私たちがバカだったわ」
「まったくそうだぜ。気晴らしにでも甘味処行こうぜ」
二人は切り替えて次の予定を頭に浮かべて、VRを外す。
目を開けるとそこは
『阿鼻叫喚であった』
二人の手には、血のりで輝くAK-74がそれも2丁。
めでたしめでたし
「ここまで読んで、?が頭に浮かんでるのが分かるわ。解説という解説はできないけど、ヒントはあってもいいかもしれないわね。それじゃあまた会いましょう」