【博麗霊夢】とは何者か。
【霧雨魔理沙】は考える。女?黒髪?赤い巫女服?いや違う、それは身体的な特徴だ。
彼女は一言で表すなら〝 鮮烈〟だ。
……妖怪に対して、というのが頭が着くが。
では人間相手にはどうだろうか。
人間には、困らない程度の距離感で当たり障りの無い対応をしているように思える。
私に対してはちょっと笑ってくれるような気がするが。
楽しそうにカラカラ笑う彼女。特別変なところ見受けられない。
「あ、魔理沙ー!」
笑顔でこちらを向いて近づいてくる彼女。
「どうしたんだ?やたら笑顔だが」
「人里に降りたら祭りをしてたみたいで、ほら、じゃーん!!」
目の前に差し出されたのはりんご飴。
あかいろの飴にコーティングされた果物は艶々に輝いている。
「一緒に食べましょうよ!じゃじゃーん!もう一本あるのよ」
ニコニコしている彼女の喜びように私も笑顔になる。
「ありがとう。食べようか」
ここは神社の境内。椅子はなく、狛犬がくぁあ〜とあくびしているくらいしか居ない。
「ほら。部屋入ってよ」
「ああ、ありがとう。上がらせてもらうぜ」
彼女について部屋にあがる。
ワクワクしているよう、キラキラとした瞳であかいろの飴を見ている。
「このりんごも久しぶりに食べるわねー」
「そうか?それはりんご飴が久々じゃなくてか?」
「そうかも?りんご単品は時々食べるものね」
雑談しながら簡単な包装をとり、あかいろの飴が出てくる。
「いただきまーす」
彼女は喜びながら一口、齧る。
飴が割れる音とりんごの咀嚼音。
「ん、美味しい」
「よかったな。私も頂く」
「どうぞ〜」
私も食べよう。包装を取って齧った。
「たしかに美味いな」
「でしょ〜!」
そのあとは無言で私達はりんごを食べる。
シャク、シャクと2人分の咀嚼音だけが聞こえる。
「ご馳走様でした」
一足先に食べ終えた霊夢。
私もりんご飴を無言で食べていると、じっ、と目線を感じる。
紛れもなく隣にいる彼女だ。
「……どうしたんだ、霊夢」
「いや、人が何か食べてるのを見るのって中々ないでしょ?不思議な感覚だなぁって思って」
「そうかもしれないがめっちゃ食いにくいぞ」
「いいじゃない、減るもんじゃないし」
「それは私が言うセリフだぞ……」
たわいも無い会話。
私の中の【博麗霊夢】がぶれ始める。
彼女が怪異退治をした時、同行していたときの話。
低級の怪異だったか。瞬殺していた彼女の顔は無表情だった。
任務を遂行する彼女の姿は鮮烈で。
いや、それで表現するのは足りないのだが言葉が出てこない。
私の頭の中は笑顔の霊夢と無表情の霊夢が行ったり来たり。
ぼーっとしていたのがバレたのか霊夢がしきりに声をかけていた。
「ねぇー魔理沙ー!」
「ん……ごめん、どうした?」
「私がここにいるのに何考えていたのよ」
「ごめんごめん、なんでもないぜ」
笑顔を崩さないよう、笑いかける。
笑いかけたはずだった。
「んー当ててあげよっか、魔理沙が考えてたこと」
霊夢が笑顔をで言った。
「私のことでしょう?」
私は固まった。その行動では彼女にイエスと言っているようなものだ。
「魔理沙ってわかりやすいのね。ふふ」
「……からかってるのか?」
「そうよ。私が前にいるからなにか質問なら聞けばいいのに!あなたにはなんでも答えてあげるわよ」
待ってくれ。私の人間相手なら適切な距離を取っているはずの霊夢が。
こんなこと。言うはずないと。
「本当に答えてくれるのか?」
好奇心が湧き出てくる。人の性に耐えられない。
「うん。魔理沙ならいいよ」
「じゃあ、さ……」
質問を言おうとして止まった。
霊夢の後ろにスキマが現れていたのだ。
「ん?どうしたの?」
霊夢は気づかない。気づかせてい無いようにしている?
「……ううん。なんでもないぜ」
「えー!なんでも言うって言ったじゃん!」
「またでいいよ。とりあえずコレ、食べてから外でよう」
そう言うと後ろのスキマが消えていた。
これは警告だったのだ。霊夢が霊夢たるナニカの質問をしそうになったから。
このことは一生忘れないだろう。
【博麗霊夢】何者か?
わからない。
私、【霧雨魔理沙】は何も見なかったことにする。
答えは出ていない。
【霧雨魔理沙】は考える。女?黒髪?赤い巫女服?いや違う、それは身体的な特徴だ。
彼女は一言で表すなら〝 鮮烈〟だ。
……妖怪に対して、というのが頭が着くが。
では人間相手にはどうだろうか。
人間には、困らない程度の距離感で当たり障りの無い対応をしているように思える。
私に対してはちょっと笑ってくれるような気がするが。
楽しそうにカラカラ笑う彼女。特別変なところ見受けられない。
「あ、魔理沙ー!」
笑顔でこちらを向いて近づいてくる彼女。
「どうしたんだ?やたら笑顔だが」
「人里に降りたら祭りをしてたみたいで、ほら、じゃーん!!」
目の前に差し出されたのはりんご飴。
あかいろの飴にコーティングされた果物は艶々に輝いている。
「一緒に食べましょうよ!じゃじゃーん!もう一本あるのよ」
ニコニコしている彼女の喜びように私も笑顔になる。
「ありがとう。食べようか」
ここは神社の境内。椅子はなく、狛犬がくぁあ〜とあくびしているくらいしか居ない。
「ほら。部屋入ってよ」
「ああ、ありがとう。上がらせてもらうぜ」
彼女について部屋にあがる。
ワクワクしているよう、キラキラとした瞳であかいろの飴を見ている。
「このりんごも久しぶりに食べるわねー」
「そうか?それはりんご飴が久々じゃなくてか?」
「そうかも?りんご単品は時々食べるものね」
雑談しながら簡単な包装をとり、あかいろの飴が出てくる。
「いただきまーす」
彼女は喜びながら一口、齧る。
飴が割れる音とりんごの咀嚼音。
「ん、美味しい」
「よかったな。私も頂く」
「どうぞ〜」
私も食べよう。包装を取って齧った。
「たしかに美味いな」
「でしょ〜!」
そのあとは無言で私達はりんごを食べる。
シャク、シャクと2人分の咀嚼音だけが聞こえる。
「ご馳走様でした」
一足先に食べ終えた霊夢。
私もりんご飴を無言で食べていると、じっ、と目線を感じる。
紛れもなく隣にいる彼女だ。
「……どうしたんだ、霊夢」
「いや、人が何か食べてるのを見るのって中々ないでしょ?不思議な感覚だなぁって思って」
「そうかもしれないがめっちゃ食いにくいぞ」
「いいじゃない、減るもんじゃないし」
「それは私が言うセリフだぞ……」
たわいも無い会話。
私の中の【博麗霊夢】がぶれ始める。
彼女が怪異退治をした時、同行していたときの話。
低級の怪異だったか。瞬殺していた彼女の顔は無表情だった。
任務を遂行する彼女の姿は鮮烈で。
いや、それで表現するのは足りないのだが言葉が出てこない。
私の頭の中は笑顔の霊夢と無表情の霊夢が行ったり来たり。
ぼーっとしていたのがバレたのか霊夢がしきりに声をかけていた。
「ねぇー魔理沙ー!」
「ん……ごめん、どうした?」
「私がここにいるのに何考えていたのよ」
「ごめんごめん、なんでもないぜ」
笑顔を崩さないよう、笑いかける。
笑いかけたはずだった。
「んー当ててあげよっか、魔理沙が考えてたこと」
霊夢が笑顔をで言った。
「私のことでしょう?」
私は固まった。その行動では彼女にイエスと言っているようなものだ。
「魔理沙ってわかりやすいのね。ふふ」
「……からかってるのか?」
「そうよ。私が前にいるからなにか質問なら聞けばいいのに!あなたにはなんでも答えてあげるわよ」
待ってくれ。私の人間相手なら適切な距離を取っているはずの霊夢が。
こんなこと。言うはずないと。
「本当に答えてくれるのか?」
好奇心が湧き出てくる。人の性に耐えられない。
「うん。魔理沙ならいいよ」
「じゃあ、さ……」
質問を言おうとして止まった。
霊夢の後ろにスキマが現れていたのだ。
「ん?どうしたの?」
霊夢は気づかない。気づかせてい無いようにしている?
「……ううん。なんでもないぜ」
「えー!なんでも言うって言ったじゃん!」
「またでいいよ。とりあえずコレ、食べてから外でよう」
そう言うと後ろのスキマが消えていた。
これは警告だったのだ。霊夢が霊夢たるナニカの質問をしそうになったから。
このことは一生忘れないだろう。
【博麗霊夢】何者か?
わからない。
私、【霧雨魔理沙】は何も見なかったことにする。
答えは出ていない。
霊夢のことを受け入れつつも飲み込み切れないものがある魔理沙がとてもよかったです