Coolier - 新生・東方創想話

第9話 新たなる道

2024/07/14 21:10:24
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「いつ気づかれたんだ?」
「いえ、分かりません。ただ、邪神に敗れた後なのは確かですが。」
現在、畜生界は埴輪騒動によって、大規模な被害が確認されている。各地で死者が出たが、16000人だけは死因が不明で、三大勢力組にとっては良くない話だった。結果、八千慧の機転によって埴輪騒動は収まったが、組員の喪失、一番戦力の脱退により組織の組員に不満が募った。しかも、黒駒は外にご主人を発見したので、しばらく勁牙組は活動休止中らしい。頭を抱える八千慧、けわしい顔をした尤魔を会議室に置いて、黒駒はご主人との交流をエンジョイしてる。その光景を想像するだけで、八千慧は腹を立てた。
「あの馬鹿は何をしているんでしょうか。騒動は収まったとはいえ、これからの決め事を放棄するとは。(マジギレ)」
「まあ、いいさ。誘ったってどーせ寝るだけだし。それより、あいつだ。抱きこむ為に部下に捜索させているが、未だに吉報がこん。もしかしたら殺られたかもしれん。」



「たっ、頼む!見逃してくれ!何でもするから!!」
「私達はただ、貴方様を連れて来いとしか言われてなくて·····!!」
「そうか、何でもするって言うなら……夜食にでもなってもらおう。」
そう言って俺はギャンギャン泣き叫ぶ夜食を、薄い生肉に変えた。そしてキッチンへ行き、音楽プレーヤーにイヤホンを通し、歌いながら料理を始める。
「Acting on our〜best behavior〜♪Turn your back on mother nature〜♪」
山場の所で肉が焼き上がり、デミグラスソースをふんだんにかける。
「Every bady wants rule the world〜〜♪」
「相変わらずその曲好きッスね。」
「まあな。俺が勧める曲ベスト3だ。」
「そこは1位ではないんですね。」
夜食をテーブルに運び三人で過去話をする。現在、俺は強欲同盟を完全に裏切り、ヨシタカとマムシんの三人で過ごしている。互いに飯を食い合い、爆笑したりした。
簡単に例えるなら、昼休みに机を集めて、大声でぺちゃくちゃ喋っている女子みたいなのかもしれない。食べ終わるとヨシタカがある質問をしてくる。
「そういえばあんた、これからどうするンスか。完全に裏切っちゃったけど。」
「復讐だよ。奴らは俺を利用したんだ。自分達が何をしたのか…ハッキリ分からせてやる。」
「えっ、今ですか?やめておきましょう。あの人達は頭数だけでも、約1000000以上いるんですよ。三人でどうこうの話ではありません。」
確かに、1000000を三人でどうこうは難しい。その後、ヨシタカの意見もあったので、復讐はある程度力がついてきてから、というふうになった。しかし、ここからが問題だった。それはどうやって力をつけるかだ。そこら辺の動物霊を味方にしても戦力は0に等しい。かと言って厳選したにしても、ここにある武器だけでは足りない。困り果てた俺だったが、マムシんから提案をされた。
「武器の事でしたら、世界のゴミ置き場がいいんじゃないでしょうか。あそこなら、きっといいモノがあります。」
「確かに。やっぱお前天才だ!早速向かうぞ!!」
「おいおい。俺を置いて行くな。」



畜生界「世界のゴミ置き場」。ありとあらゆる世界から、ゴミとなって来た物が溢れかえっている。基本は紙切れや腐った肉片だが、時として機械や銃器が落ちてるらしい。俺達は鼻栓をしてゴミの山をかき分ける。だが、中々めぼしい物はなく、肉片と骨しかなかった。
「はあ〜、全然見つからないな。」
「そうッスね。案外落ちてないのかもしれないッス。あと、息。深く吸い込まない方がいいッスよ。」
その瞬間、とんでもない匂いが俺の鼻に入ってきた。硫黄やおならなど、そんなチャチャなものじゃない。まるでラフレシア並か、それ以上だ。ゴミの中をかき分けると更に匂いが増すので、俺は鼻栓を深く突っ込んだ。
次の瞬間、俺は右目を丸くした。何故なら見覚えのある物資があったからだ。あの有名な、トイレから頭の生えたオッサンが、奇妙な歌を歌うアニメに出てきたアームがここに落ちていたとは夢にも思わなかった。ヨシタカとマムシんからしたらただのゴミかもしれないが、俺にとっては便利な機械かもしれない。そこで俺は二人を呼んで確かめてみる。
「この巨大なアームがどうかしたんッスか?」
「見た感じ、ただの鉄クズのようですが…?」
「まあ見てろ。原作通りだったら、電気を流せば………」
思った通り、巨大なアームは作動し、傍にあったゴミの塊を軽々と担げた。これは非常に喜ばしいことである。このアームは確か防御でも、攻撃も出来るので是非とも活用したいものだ。
三人ではっちゃけていると、突然後ろから何かが発電した。いきなりの事だったので、三人仲良くズッコケてしまう。何が起きたか確認しようとしたが、ヨシタカとマムシんは今の衝撃でビビって来なかった。丘のふもとから確認すると、これまた俺は右目を丸くした。そこに居たのはさっき話したアニメに出てくる茶色スーツ姿のロボットだった。ロボットは助けを乞う様に手を伸ばしたが、その場で動かなくなってしまう。これは緊急事態であり、俺はヨシタカとマムシんを呼んで急いで隠れ家に戻った。



隠れ家に戻った俺達は、急いでロボットの修復にかかる。下半身がなく、内部も酷い損傷だったので、パソコンで調べながら急いで修復した。後は電気を送り込むだけだが、ここでマムシんが止めに入った。
「待って下さい。まだ敵かもしれないのに、何故蘇生しようとするんですか。」
「そうだな、見返りを求めず、闇雲に助ける。それが人間ってモノかな。」
「下がってろマムシん。触れると感電死するぞ。AEDだからな。」
その言葉に反応し、俺は電気をAEDみたいに流してやった。数秒後、ロボットは蘇生し、起き上がった。ロボットは戸惑っている様だったので自己紹介を挟んでみる。
「よう、お前さん。俺の名は空蝉龍陽(うつせみたつはる)。お前さんが手を伸ばしていたところを助けたんだ。」
「………?…………………………………………?」
「あのー、そいつ喋ってないんッスけど。」
「喋れないの間違いじゃないでしょうか?」
「そうか?俺は聞き取れるんだが?気のせいか。」
だが、ロボットは何か言いたげな仕草をしており、試しにペンと紙を渡した。
『私は片思いだった人に裏切られ、意識を失いました。気が付いたらここにいて、バッテリーが切れて……目が覚めたら貴方たちがいました。』
どうやら例のアニメの奴で間違いない様だ。恐らくあの場所に行けば、まだ沢山のロボットが見つかるだろう。しばらくすると、ロボットは会話の輪に馴染んでいった。ただ、話せないので、そこは俺が代弁者として話すことで解決した。



ある日、ヨシタカとマムシんがこんな提案をしてきた。
「復讐を企てるなら、組長になるっていうのはどうッスか?」
内容はこうだ。組長になれば、それを聞いて集まってくる猛者がおり、勁牙組や鬼傑組から抜けた組員も集まる。そして、勢力を得れば三大勢力を一捻りで潰す。
この内容事態はいいが、一つ不安な要素があった。そもそも俺が皆を引っ張るのは難しいということだ。俺は物心ついた頃から人を引っ張るのは苦手だった。だからと言ってヨシタカとマムシんを組長にしても、誰も着いてこないらしい。三人で頭を抱えるが、それを解決したのはあのロボットだった。ロボットは走り書きで書いた紙を見せる。
『じゃあ貴方が組長、私達が幹部でどうでしょう。そうすればお互い困った時、助け合えます。』
その発想はなかったと言わんばかりに、俺達は「ああー。」と声を上げる。いざ行動をしようと各々仕事を始めた。ただし、ロボットだけは俺と部屋に残る。これにはわけがあり、いつか決めようとしていた事だ。
「お前さん、名前はどうする。今俺の脳みその候補では『紐ネクタイ』『ブラウン』が上がっているけど。」
一時、困った仕草を見せたが、『ブラウン』と書かれた紙を取ったのでブラウンで確定だろう。
「決まりだな。今日からお前さんはブラウンだ。よろしくな。」
「……………、……………………………。」



思いのほか計画は順調に進み、遂に拠点も完成した。人目のつかない激戦地区にそびえ立つ我が拠点を見るのは、中々誇らしい事だ。主な素材は鉄で、崩れにくい骨組みをしているので弾幕でも防げるようになっている。敵の攻撃を抑えたのなら、次は大砲だ。初めはナポレオン時代の様に普通の大砲を作ろうとしたが、ブラウンの仲間に技術者がいたので速攻で蘇生した。今では大砲ではなく、電磁砲型のブラスターになっている。内装はないそうですというシャレは聞きたくないので、ブラウンの記憶を元に再現している。車庫にはレーザーライフルを備えた車、それを整備する動物霊たちがいる。一方肝心な組長室はというと、高価な机とゲーミングチェア、ハンガーラック、そして好物のココアシガレットが置いてある。窓に移るテラスは組長会議の時に行ったテラスを参考にしており、侵入者を堂々と観察出来る。
これで全てが揃った。さあ、行こうじゃないか。墓参りに。
「ちょっと待って欲しいッス!!実は報告したいことがあるッス!!」
『実は饕餮尤魔とその一行が、幻想郷という地域に住む人間にボコされたと言う情報が入りました。』
「なんだって!?!?」
実の所、前々から幻想郷に住む者には警戒心を持っていた。俺が袿姫にボコされた後、埴輪騒動を収ませたのは博麗霊夢、霧雨魔理沙、魂魄妖夢の三人だと聞いている(一人は冥界だけど)。こいつらは黒駒と八千慧を倒し、博麗霊夢に至っては残無まで倒しているらしい。この情報を元に考えるなら、尤魔達は霊夢やその他の連中と同盟を組んでいる事だって考えられる。なのでまたまた復讐は後回しにし、次の計画を進めるようにヨシタカとブラウンに伝えた。
「そういうばヨシタカ、マムシんの『装備兵器開発プロジェクト』は順調か?」
「問題ないッス。あ、今度組長も試験段階中の兵器を使って欲しいって言ってるッス。」
「分かった。」
いつから組長と呼ばれる様になったかは分からないが、計画は順調な事に変わりない。現段階では勝てない、あの紅白巫女には。また面倒事が増えそうだ。その後は兵器の強化、俺達の装備、能力の応用等をしてきたる戦争にそなえた。指揮も整える、組長としての威厳を保つ、両方やらなくっちゃ行けないのが、組長の辛いとこだな。



数週間が経ち、俺は幹部と専門部長を呼び会議を始める。
「幻想郷、それは忘れ去られた者達が集う場所だ。人間、妖精、妖怪、神、賢者と猛者揃い。激しい戦いになるのは確定だ。戦い事に巻き込まれたくないなら降りてもいいぞ。」
「そんな奴いないッスよ。俺達は組長信じてここまで来たんッスから。」
「依然、私も降りる気はありません。新兵器の実験も兼ねたいですし。」
『私は組長が拾ってくれなかったら、ここにはいないでしょう。私も降りる気はないです。』
それぞれが目に熱い決意を抱いており、二言は無さそうだ。
「……ありがとう。では、話を進めるぞ。最初に幻想郷に我々の脅威を示す。だがこれはあくまで畜生界には示さなくていい。ビビったスキに尤魔達を殺す。これが計画だ。各部長に言っておく。隠密部隊は引き続き尤魔達の観察と報告を、情報操作部隊は畜生界で俺達の事が気づかれない様、エサをばらまけ。記録部隊は俺と幹部についてこい。化学兵器部隊、通常兵器部隊、研究探求部隊は捕らえた時に備えろ。それでは、健闘を祈る。」
会議が終わり会議室から出るとそれぞれ装備を着る。記録部隊は圧縮リュックを装備しMK5(銃)を持たせる。ヨシタカは以前見つけた、アームの小型バージョン6本でビーム状の弾幕も防げる。マムシんは背中のリュックから強酸ミサイルとレーザーライフルを取り出す。ブラウンは背中にジェットパック、手には短機関銃、腕にフォースシールドを付けている。そして俺は両腕に火力重視の弾幕ブラスターとプラズマキャノン、ブラウン同様の弾幕に特化したフォースシールド、背中に両翼のジェットパック、両肩にレールガン、護身用にM16A4(アサルトライフル)を装備しておく。



幻想郷にたどり着き、俺達は例の場所へ行く。何故かと言うと先にそいつと対戦しないと後々面倒な事になるからだ。俺は振り向き仲間たちに目的地に着いたのを告げる。
「いいか。これが戦争の始まりだ。」
そして俺達は討つべき敵、『八雲紫』の所に向かう。

season1 完
season1ようやく完結しましたよろしければ点数とコメントをお願いします。そういえばアンケート的な事ですが、season2から第三者視点にしようと思っていますがどうでしょうか。コメントで多かった方の視点でseason2やります。
1.そのままオリキャラ視点 2.第三者視点 3.他の誰か視点(キャラ名入れて)
SABAMESI
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コメント



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3.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです
4.100南条削除
シーズン1完結おめでとうございます
面白かったです
シーズン2も楽しみにしています
視点は書きやすいものでいいと思いますが、主人公に攻め込まれる敵視点とか見てみたいと思いました
5.無評価SABAMESI削除
締切を言っていなかったのですが、2024年7月27日までとします。新規の方でも気軽に言って下さい。m(_ _)m