Coolier - 新生・東方創想話

第6話 ライスブレイカー

2024/06/20 19:02:55
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ビームは全弾命中したが、黒駒はピンピンしていた。流石としか言いようがなく、これには驚いた。と同時にあることに気付いた。連撃しようとライフルを構えるも肝心のビームは出なかったのだ。最初で使い果たしたか、それともただただ一発しか打てないのか、さっぱり分からなかった。戸惑っているうちに黒駒は弾幕を打ってきた。今の状態ではどうしようもないので、とりあえず上に逃げた。だがそれこそ黒駒の狙いだった。
「やっぱり上に逃げるよなあ。私だってそうする。」
黒駒は弾幕を囮にし、自らの跳力で飛んで来る。とりあえずで上に逃げるんじゃなかった。そして黒駒はかかと落としの体勢に入る。
「食らえ!頸牙風 脳天かかと落とし!」
俺はかかと落としをガードしたものの、右腕強い衝撃と共に地面にたたき落とされた。すぐさま体を起こそうとすると、右腕が動かない。しばらくは使い物にはならないだろう。辺りを見渡すと土埃で視界がさえぎられ、素早く動く影がうっすら見える。しかも突然後ろから弾幕が飛んで来て、耳を貫きどこかに飛んで行った。
これは非常にマズイ。じわじわなぶる系の戦略で、本体は高速で移動して捉えようがない。どこから来るかも分からない弾幕を避けるのは至難の技だ。さっきは運良く避けれたが、次飛んで来たら避けれる自信がない。【王の鎮魂歌】(キングレクイエム)を使うか。いや、無理だ。さっき使ったせいでまだ発動出来ない。仮に使えたとしても敵がどこにいるのかも分からずに使うのは自殺行為であり、寿命が少し伸びるだけだ。
ここである疑問が浮かんだ。なぜライフルは打てなかったのか。そもそもこいつは本当にライフルなのか。俺はすぐさまライフルを取り出す。見た目はライフルだが、一つだけ違う箇所がある。それは弾だ。リロードする箇所がない。ではなぜ最初は打てたのか。もしかしてこれは…
ゴタゴタ考えていると、上から黒駒が降ってきた。黒駒は得意げな顔でにっこりしている。
「今までの私なら迷わず突っ込んでいた。だが今は違う。それでやられたことがあるからな!」
「うーん誰だろうな。そんな弾幕も打てない野郎に負けたのは。(超棒読み)」
「どこまでも人の神経を逆撫でするような奴だ。そんな安い挑発にのる かよ!弾幕もさっきから全然打ってこないじゃないか。もしかしてもう息ぎれか?人間は疲れやすいからなあ。よくそんな体力でここまで来たもんだよ。」
「それより気付かないか?俺がただただ、タダ話をするとでも?」
黒駒が気付いた時にはもう遅い。俺の後ろには充電が完了した無数のレーザーライフルがあるのだから。一つ一つのレーザーライフルは発砲準備が完了しており、何時でも狙える。
「やべぇ。めっちゃ楽しい。人間でここまで楽しいと感じたのは龍陽、 お前だけだ。その異質の強さ、敬意に値するぞ!」
「楽しいなら何よりだ。さあ最後まで耐えられるかな!(こいつ絶対リベ ンジのこと忘れてるだろ)」
無数のレーザーが発射され、黒駒は回復に専念した。俺はレーザーの間を縫って黒駒との距離を詰める。黒駒は回避に手一杯で気付いていない。捕まえようとしたが、右腕が使えないので左腕で黒駒を捕まえる。
「残念だったな黒駒。こんどこそ終わりだ。」
黒駒を後ろに投げつけてやった。そこは察しの通りレーザーライフルの射程圏内だ。俺は後ろを向いて、格好つけながら技名を言う。
「【電磁砲・遁走曲】(エネル・フーガ)」
辺りは岩石の破片が飛び散り、黒駒は伸びきっていた。そこに尤魔と八千慧が駆けつけた。
「流石だ。充電が必要なのはしゃーなしだが、威力には期待できる。これでこいつに安心して任せられるな。」
「ええ。本当ですよ。おかげで我が鬼傑組の所有地を穴ぼこだらけに出来たんですから。」
「まあ許してやれよ。たかが19億の土地だろ。すぐチャラになるさ。」
19億なんて額は、何処ぞの列車が駒のすごろくゲームでしか聞いたことが無いが、かなりの損害ということは分かった。残念がる八千慧と楽しそうな尤魔の背中を見送った後、俺は黒駒を駆けつけたオオカミに渡して1人戦場を見渡した。
(そういえばこいつに名前をつけてなかったな)
レーザーライフルは今も熱を帯びており、少し熱い。しかし、そのおかげで閃いた。
「よし、【ライスブレイカー】って呼ぶか。(!?!?)」
投稿遅れてすみません。よろしければコメントして下さい。コメントが無理な方は点数だけでもよろしくお願いします。“〇| ̄|_
SABAMESI
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