Coolier - 新生・東方創想話

第1話 地獄の裁判

2024/05/26 18:21:36
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向こう岸にいざ、行こうと渡し船を見ると、そこには昼寝をしている女性がいた。パサパサした赤い髪に大きな鎌を持っている。これで恐らく命を狩りとっているんだろうと思った。あれこれ考えているうちに彼女は起きてしまった。「今日の死人かい?これまた若いねぇ。最近多くてサボれないよ。水子達と石積みコンテストでもしていったらどうだい?」
「悪いが石積みをしたことが無いのでどうすればいいか分からん。それより、とっとと閻魔様の裁きを受けて行きたいんだ。案内してくれるか?」
そう言うと彼女は渡し船を出した。
船を漕いで数分たったぐらいで彼女は話し始めた。名前は小野塚小町と言うらしい。基本は渡し船を出して死者を閻魔様のところに連れて行くのが仕事らしい。が、サボっているのがバレて説教をくらうのは日常茶飯事という。そしてかなり話上手なのが伝わってくる。「これから閻魔様のところに行くけど、その前にいくつか質問していいかい?」
「答えられる範囲なら。だけど時間を無駄にすることになると思うぞ。」
「じゃあ、なんで死んだんだい?その年ならいくらでもやり直しがきくのに。」その質問には少し言おうか戸惑ったが「自殺」と答えると、小町も少し戸惑った。「いじめってやつかい?本当にあっちの世界では多いねぇ。昔は事故死とか病死が多かったけど今は人が人を殺し合う時代になってしまったよ。本当、物騒な世の中になったもんだよ。」
「…少し違うかもしれん。俺は殺されて当然のことをしたんだ。これはいじめじゃない、天罰さ。」
「天罰ねぇ。そしたら運命の神様はよっぽどの非人道的な性格だったんだろうねぇ、っとそろそろ着くよ。降りる準備しておきなよ。」
さあ、いよいよかと思いながら船を降りると、裁判所のような何かが見えた。恐らくそこで裁きをくらうんだろう。中に入って行くと閻魔様らしき人が見えた。その人を見るまでは、閻魔様はおっさんっぽい見た目で冷徹な眼差しをしていると思っていた。しかし目の前の閻魔様からはそんな威圧感はなかった。
「小町!またサボっていたんですか。そのサボる癖は直せと何回言ったら治るんでしょうね!」
「まっまあ、落ち着いて下さいよお、映姫様~。(泣)」
話から察するに、どうやら上司関係の人らしい。確かにと言わんばかりの帽子を被っており、笏っぽい何かを持っている。しばらくして、「これが終わったらたっぷり叱りますからね。」と言う声が聞こえてようやくこっちを向いた。
「初めまして。地獄の裁判長の四季映姫・ヤマザナドゥです。貴方の裁判はもうすぐ始まります。席に着いてください。」
そう言って閻魔様(映姫)はどこかに行ってしまった。
「あの人、口うるささでは1級品だから気をつけてね。」
映姫がこちらを睨んでいるが多分小町の方だろう。
地獄と言えど裁判の仕方は現代とそんなに遜色なかった。テレビでしか見なかったが、ここまで緊張するのは初めてだった。まるで蛇に睨まれた蛙の様に。裁判が終盤に行くとこんな質問をされた。
「貴方は地自殺したことをどう思っていますか?」
「別にどうとでも。いい判断だと思っている。奴らは俺が居なくなることを望んでいた。正直俺の命はもう…どうでもいい。」
「では最後に要望はありますか。もう一度人間界でやり直すことも可能ですが。
「クソガキは生まれ変わってもクソガキだ。皆に迷惑かける訳には行かん。なるべく1人で生きていたい。あとサイアクの裁きにしてくれ。以上
だ。」
そう言うと映姫は悩んだ末に俺に言い渡した。
「決まりました。貴方は畜生界で一生を過ごしなさい。そして罪を償いなさい。」
裁きが下ると周りの野次馬どもはざわつき初めた。傍にいた小町もびっくりした程なので、余程重い罪なのだろう。
「映姫様!本気ですか!まだ18にもならない子を畜生界に落とすなんて!」
「本人はサイアクの裁きを、との要望がありましたので。判決に異議はありませんか。」
俺が「異議なし」と答えると、更にざわついた。「まじかよ…」「正気か?」と言葉が飛ぶ中、1人冷静だった俺はまさに異様と感じられただろう。
「では以上により、閉延。」
裁判が終わるとこっちに来いと言われたのでとりあえず、映姫について行った。そこにはドアがあり、その前に立って映姫は言った。
「これから行く畜生界は極めて危険なところです。動物霊が住んでいる弱肉強食の世界で、畜生界では人間は喰われるか奴隷として生きるかという道しかありませんが、貴方は都市から少し離れた森の中で暮らして下さい。そして極力彼らと関わらない様に注意を。一応能力は使えるようにはしてますが、殺すのは控えてください。殺すと彼らの組長達が戦力を挙げて貴方を殺しにくるので。」
とりあえず、一通りの説明を受けると畜生界に繋がるであろうゲートが出てきた。
「では良い人生を。」
それを聞いて俺はゲートに吸い込まれた。
主人公はいじめによって殺されています。
SABAMESI
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コメント



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1.無評価名前が無い程度の能力削除
前に間違った投稿を削除できると教えてくれた人に感謝します。
2.90名前が無い程度の能力削除
良かったです。
3.100南条削除
面白かったです
これから能力を駆使した活躍が期待できそうな気配がして続きがとても気になりました