Coolier - 新生・東方創想話

妖魔のなく頃に

2022/04/11 20:29:53
最終更新
サイズ
15.53KB
ページ数
1
閲覧数
940
評価数
5/5
POINT
370
Rate
13.17

分類タグ


夕日が沈む頃。人里の人間が慌ただしく人里内を大勢の大人達が走り回っていた。異変が起きたらしい。

「見つけたか?」

「駄目です!こちらにはいません。米問屋の旦那…やっぱり…神隠しでは?」

「見つからないとは。妖怪の仕業に違いない。慧音先生に報告しろ。これからの人里の見回りは、私の部下にも手伝わせると。」

「わかりやした。旦那!」

米問屋の店主の男性は、人里内にいる部下にとある指示を出す。

「畏まりました。」

数人の部下は人里内を走り回っていった。

「絶対に許さんぞ!全ての人外!私の復讐はまだまだ続くぞ!」

米問屋の店主は家に帰っていった。

翌朝。上白沢慧音の家では米問屋の店主が訪問してきて、神隠し事件の見回りについての話し合いが行われていた。

「慧音先生!どうするですか!?このままだと神隠しの被害が広がってしまいます。見回りの人数を増やしましょう!」

「だが…妖怪に太刀打ちできないぞ。」

「ですが、被害を減らすことは不可能ではありませんぞ。」

慧音は暫く考えると、決断した。 

「わかった。見回りの人数を増やしてくれ。私に協力してくれるか?」

「勿論だ!私は部下に話しておきます。」

米問屋の店主は出ていった。慧音はお茶を飲む。

「これで無理なら、霊夢に頼むしかないな。」






夏が終わり、秋に突入する博麗神社の境内を掃除している博麗の巫女、博麗霊夢は縁側でお茶を飲んでいる鴉天狗、射命丸文から人里で広まっている噂話を聞いていた。

「人里で神隠し?」

「そのようです。人里の人間が行方不明になっているみたいで…」

詳しい話では、人里の人間が1週間で2人行方不明になっているようだ。その行方不明になる人数は一定で、今現在も行方不明者は帰ってきていない。

「異変だわ。行方不明が出たんなら、人里内でパトロールはしなかったの?」

「したそうなんですが…」

「神隠しなら紫が犯人になるだろうけど…有り得ないわね。外ならまだしも、人里で神隠しは幻想郷が滅びかねないから犯人じゃないわ。」

「そうなると、人里に紛れ込んでいる妖怪の仕業になるわね。幻想郷の掟を破る妖怪は討伐しないとね。」

霊夢は文に視線を向けて、針を構える。その行為から文は慌てて霊夢から離れるて、無実であることを伝える。

「文なら気づかれないで…」

「霊夢さん!?洒落になりませんよ!?」

「…………1割冗談よ。」

「9割疑っているんですか!?」

「冗談に決まってるでしょう。犯人である以前に、文は正体を隠さないで人里を出入りしてる。明らかに目立つわ。だから、犯人では有り得ないわ。」

霊夢は文が無実であることを確信している。冗談だとわかると、安心したようだ。文は霊夢に行方不明者捜索依頼を出した。妖怪が関係しているとなると、博麗の巫女は動かねばならない。

「問題なのは人里の人間が何故、神隠しされたのかよね。」

「神隠し問題で私は信頼されてるのですが、他の妖怪、妖精が人里で暴行を受けてまして…」

「何でそれを最初に言わなかった!?行くわよ!」

「え!?」

「このままだと、妖怪と人間の戦争の事態になりかねないわ。罪のない妖精も滅ぼされかねないわ。」

霊夢の言った意味が理解したのようで、文も一緒に人里に向かう。その途中で大妖精に遭遇した。

「霊夢さん、文さん!助けてください!」

「何があったの!?」

「人里で…」

大妖精の話によると、妖精が人里で買い物をしている最中に、大人達に取り囲まれて暴行を受けているらしい。

「妖精までも…文は大妖精をお願い。」

霊夢は人里に急いだ。人里では妖精が大人達に取り囲まれて暴行を受けていた。

「………!?」

「妖精が人里に来んじゃね!」

「何してるのよ!」

取り囲まれていた妖精を霊夢が助けて、大人達を睨み付ける。霊夢の行動に大人達は笑いながらいった。

「妖精が人里に来たから退治してやろうとしただけだ。人里の神隠し事件の犯人の可能性があったからな。」

「そうだな。俺達は正義だ!」

「何が正義よ。抵抗できない妖精を暴行してただけじゃない。」

霊夢の発言に、大人達は怒りだした。

「何だと!?」

「巫女は人間の味方じゃ…」

「何か勘違いしてない?私は中立であって、誰の味方でもないわ。でも、この妖精が何か悪いことでもしたの?」

「犯人の可能性…」

霊夢は大人の1人を殴り気絶させる。残りの大人達は霊夢に襲い掛かったが、瞬時に真後ろに移動。蹴りをいれて気を失わせた。

「大丈夫?」

「………!」

「霊夢さん!大丈夫ですか!?」

大妖精を送り届けた文が霊夢と合流した。霊夢は妖精を人里の外まで逃がしていた。

「大丈夫よ。神隠しの犯人を見つけないと。」

「この人間達は?」

「妖精に暴行をしてたから、気絶させただけよ。何が正義よ…悪いのは妖怪だけじゃないわ…」

「霊夢さん?」

「……気にしないで。噂の出所を調べないとね。」

霊夢、文は人里で神隠しの噂の出所を調べていると、魔理沙が鈴奈庵から出ていくのを目撃した。

「魔理沙。」

「霊夢と文じゃないか!人里にいるってことは、噂を調べてたのか?」

「魔理沙も調べてたようね。何かわかったの?」

「面白い情報がある。」

人里の神隠し事件の行方不明の最初の2人が米問屋の従業員。それ以降の行方不明者が子供なのだ。

「どうだ。不自然だろ?」

「そうね。神隠しの方法は?」

「それが謎だぜ。勿論だが、神隠しされた全員…帰ってきていないぜ。」

この不自然すぎる神隠し事件には、裏があると感じた霊夢。調べる必要がありそうである。

「文は噂を詳しく調べて。私と魔理沙で神隠しされた理由を調べるわ。」

「わかりました!」

霊夢と魔理沙は神隠しの被害者の家に訪問して、話を聞くことに。被害者の親の話だと、神隠しされた少年はいつも妖精と夕方まで、遊んでいることがわかった。

「人里からは出ていないんですね?」

「出ませんよ。妖怪に襲われたくありませんし。人里から出ないように、息子にも言い聞かせています。」

「わかりました。あと1つだけ。人里にルーミアが出入りしてるけど、ルーミアと遊ぶとかは…」

「ルールを守ってるなら、問題はありません。差別するつもりもありません。」

「ありがとうございました。」

被害者の家から出た2人は次に向かった。





霊夢と魔理沙が調べている頃。文は噂の出所を調べるために、聞き込みをしていた。だが、手掛かりが見つからない。 

(困ったわね。人里内全域に噂が広がってる。出所を調べるのは、不可能に近いわ。)

文が捜査を諦めかけたその時。氷精のチルノに遭遇した。チルノは文を見て声をかけた。

「文!どうしたの…何かなくしたの?」

「何でもありませんよ。チルノさんはどうして、人里に?」

「毎週、あたいの氷を売りに行くの。大量に必要何だって!」

「氷?誰に売るんですか?」

「人里のサイキョーの米」

文はチルノの謎の発言に頭を悩ませる。

「人里のサイキョーの米?誰なんですか?」

「わかんない。」

「え!?わかんないのに売るんですか!?」

「お菓子と交換してくれるから。じゃあね!」

チルノは行ってしまった。文はチルノからの情報をメモする。たが、チルノの発言に違和感を感じたようだ。

(今の季節は秋。毎週、大量に氷を必要。米に大量の氷は必要無いはず。野菜を保存するため?チルノは妖精だけど、受け入れられている…)

文は捜査を一度中断して、霊夢と魔理沙に合流するために集合場所に向かう途中で、驚愕な噂を耳にする。

「やっぱり…この神隠しは妖怪の仕業みたいだ。」

「そうなのか?」

人里の人間が噂話の会話をしていたのだ。まだ、会話程度なら問題ではないが、その会話の内容は神隠しに関しての新たな噂だった。

「妖怪と目を合わせたり、話し掛けたりすると神隠しされるらしい。」

「そうなると、人里に住む妖怪を追い出さないとな。その噂…本当なのかよ?」

「本当らしい。お前も気をつけろよ。」

人間同士の噂話を聞いた文は、この噂が意図的に広まっていることに気がついた。

(完全にこの噂は、妖怪を人里から追い出すための噂ね。)

噂の内容をメモする。すると、霊夢と魔理沙に合流した。人里から出て、博麗神社に戻り、手に入れた情報で推理する。

「新たな噂…。人間嫌いの妖怪が流したのかしら?」

「そんな噂を流して、妖怪にメリットはあるのか?」

「でも、神隠しは妖怪、妖精の人外しか出来ませんよね?それと、人里でチルノさんを見掛けたんですよ。」

文の発言に霊夢と魔理沙は余り気にしなかったのだが…

「とある人物に毎週、チルノさんが大量の氷を売っているそうなんです。」

「大量の氷を?今は秋だよな。野菜を保存するにしても…毎週は不自然だよな?」

「誰に氷を売ってるのかわかれば…」

「チルノさんは『人里のサイキョーの米』と言ってましたけど。」

「人里のサイキョーの米?意味わからないぜ…」

チルノの謎情報に頭を悩ませる3人は、推理を中断して、霊夢と魔理沙の調べた情報を聞いた。

「神隠しされた子供の家に行ったんだけど、神隠しされる以前に妖怪と遊んでたらしいのよね。」

「遊んだ妖怪はルーミアなんだがな。」

「ルーミアさんが神隠し事件の犯人…」

文はルーミアに犯人確定させようとするが、霊夢に否定される。人里では妖怪の襲撃を避けるために、飛行不可結界を紫が施したのだ。

「この結界で、妖怪、妖精はおろか、私と魔理沙も人里内では空が飛べないの。それと、門番は人里から出た人間はいないそうよ。」

「人里内で神隠し。ワープ能力を持った妖怪の仕業ですかね?」

「それだと、紫が容疑者になるぜ。ワープが使える妖怪は紫だけだからな。だが、紫は犯人ではない。」

推理を進めようにも、進まない。人里内で神隠しをする方法がわかれば、犯人の正体がわかるかも知れないのだ。

「神隠しの方法がわかれば…霊夢さん。犯人はわかりますか?」

「霊夢いるか?」

博麗神社に上白沢慧音がやって来た。神隠し事件の依頼できたようだが、既に霊夢、魔理沙、文の3人が捜査しているのは知らないようだ。

「神隠し事件なら捜査中よ。」

「もう調べてるのか。」

「ある程度わね。不自然なのよね。結論から言わせてもらうと、神隠しされた人間は人里内にいると判断したわ。」

「そんな馬鹿な!?人里内は全て探したんだぞ!」

「本当に全て?」

「………何が言いたいんだ。」

慧音は霊夢の発言に嫌な予感を感じているが、認めたくないようでだ。だが、霊夢は問答無用で言った。

「人里の家も全て調べてるの?」

「そうなると……」

「神隠しの犯人は、拐った人間を殺した。神隠しされたように見せ掛けてね。」

「な!?そんなことが!?」

「どうしてなんだぜ!?霊夢!」

「あれ?魔理沙なら気づいてると思ったんだけど。」

魔理沙が気づいていないことに、疑問に思っている霊夢。慧音は信じられないらしい。霊夢は推理を続ける。

「だけど、私が推理出来たのはここまでよ。誰が犯人なのかはさっぱり。証拠がないのよね。」

「神隠しの方法は?」

「その方法はわからないけど、犯人は人間よ。この事件には妖怪は関わってないわ。」

「妖怪が…関わってないだと!?」

慧音、文、魔理沙の3人は、何も考えられなくなった。人里の人間の中に神隠しの犯人がいるのだから。それどころか、殺されている可能性が存在していることも、信じられないのである。

「慧音。後は任せるわ…」

「は?」

「神隠し事件の犯人が人間だと、わかった以上私の役目は終わったわ。調べた資料はもう私には必要ない。」

霊夢は境内に行き掃除をしようとする。それを慧音が止めた。

「霊夢は犯人を捕まえないのか?」

「私は人間の犯人を討伐する権利はないわ。私が裁くのは幻想郷の掟を破る者だけよ。」

霊夢は境内の掃除をする。慧音と魔理沙は神社を出ていった。魔理沙は出ていく時に霊夢を睨んだ。

「見損なったぜ!」

「………資料。忘れてるわよ…」

魔理沙は霊夢から資料を引ったくるように取ると、人里に向かった。文は掃除をしている霊夢を見る。

「霊夢さん…」

「文。人里に行くわよ。協力しなさい。」

「霊夢さん!?手伝って…」

「勘違いしないで。これからするのは、妖怪の討伐よ。数時間したら妖怪が人里に現れるわ。準備しなさい。」

「え!?でも、妖怪は神隠しの犯人では無いんですよね?」

神隠しの犯人は人間だと宣言した霊夢。だが、妖怪が人里に現れると宣言した意味がわからない文は、矛盾していないかと考える。

「説明するから…」

霊夢の説明に動揺を隠せない文。

「神隠しの犯人はとある行動を遣り過ぎて、幻想郷の掟を破った。だから、私はその犯人を裁かなければならない。」

「………わかりました。協力します。

霊夢と文は準備をして、人里に向かう。魔理沙と慧音は人里に到着した。捜査資料を確認しながら犯人を推理する。

「慧音。この最初の被害者の2人は突然と姿を消したのか?」

「そうみたいだ。米問屋の店主が2人が行方不明になったと言ってたから人里内を捜索したんだが、見つからなかったんだ。」

「ん?それじゃあ、慧音は神隠しされた場面を見てないんだな?」

「それが…まさか!?」

「米問屋の店主が怪しいぜ。それ以降の神隠し事件に関与している可能性がある。」

「動機は何なんだ!?あの店主が犯人であるなら。」

捜査資料の行方不明者名簿を慧音に見せる。神隠しされる以前の行動を調べた資料だ。

「最初の行方不明者以外は全員子供だ。神隠しされる条件は妖怪と遊んだ人間だぜ。動機は妖怪に関係してるだろぜ。」

「でも、証拠は?」

「もし、神隠しされた子供が全員殺されたならどうやって隠す?この狭い人里では、目立ってしまうぜ。」

「だがそれは、状況証拠だ。物的な証拠がないと。」

「証拠なら家の中にあるはずだぜ。」

魔理沙と慧音は米問屋の店主の家に到着した。すると、店主が家から出てきた。魔理沙は単刀直入に言った。

「神隠し事件で何か知ってることはないか?」

「神隠し…何が言いたいのかと思えば。私が犯人だと疑っているのか?」

「いや、疑ってないぜ。最初の行方不明者が米問屋の店主の部下2人だったから神隠しの場面を見ているかと思ってたんだが…」

魔理沙は米問屋の店主から情報を聞き出そうとしている。米問屋の店主は疑われていないとわかると、ある程度の情報を魔理沙に提供した。

「そうだな。私は基本に店から出ないからな。わからねえな。」

「子供が神隠しされた事件で、何か目撃したことはないか?」

「何も知らないな。私の部下にも見回りのしてもらったが、何もわからなかったよ。」

「最後に1つだけ。店主は家畜を飼ってるのか?馬とか。」

「飼ってない。それは何の関係がある?」

「いや、氷精のチルノから大量の氷を買ったと聞いたもんでね。」

氷の言葉に米問屋の店主は、一瞬目を見開いて魔理沙を睨む。睨まれた魔理沙は笑みを浮かべる。

「それじゃあ、教えてくれてありがとな。」

「魔理沙。危険すぎるぞ。」

「何がだぜ?犯人じゃないなら私を睨んだりしないだろ。後は1つ。神隠しの方法だ。子供2人を神隠しするんだ。店主1人では無理があるぜ。」

「どうやって…」

魔理沙は捜査資料を1から確認し直す。

「最初の部下2人が行方不明。その後は、子供が2人ずつ。神隠しの条件は妖怪と遊んでいる者。この作戦しかないぜ!慧音…私はちょっと用事を思い出したから帰るぜ!」

「………気をつけてな。」

魔理沙は慧音と別れて人里から出ていった。その様子を遠くから見ていた者は、姿を消した。






夕日が沈み暗くなる頃。人里の公園に2人の少年が遊んでいた。その様子を遠くから見ていた者が近づいてくると、2人の少年が二匹の子狸の姿になる。

「な!?」

「逃げられないぜ!米問屋の部下さんよ。」

神隠しの正体は、米問屋の店主の部下で、最初の神隠しの被害者だった人物。魔理沙はその人物を箒で気絶させる。

「協力感謝するぜ!マミゾウ。」

「それは良かったのじゃ。それではまた。」

マミゾウが姿を消した。すると、文がやって来ると魔理沙に視線を合わせる。

「霊夢と一緒じゃないのか?」

「霊夢さんは用事で一緒じゃありません。」

「そうか。この身柄を証拠に犯人を追い詰めるぜ!」

魔理沙と文は犯人の家に向かった。



霊夢は米問屋の店主の家に来ていた。

「これは巫女様。私に何のようですか?」

「この家に妖怪の気配がしたから、調べさせてほしいのよ。」

「そ、それはちょっと…」

店主は霊夢に調べられると不味いようだ。だが、霊夢にはそんなこと関係ないようだ。

「調べられたら、困るのかしら?もしかして、神隠しの犯人だったりして?」

「調べられているのなら仕方ないな。確かに、私は神隠し事件の犯人だ。だが、それがどうした!巫女には私を裁く権限がないだろ!」

「確かに、私にはあんたを裁く権限はないわ。」

確かに、博麗の巫女には殺人事件の犯人を裁く権利は存在しない。幻想郷の掟を破った者以外は裁くことは基本出来ない。

「だけどね。妖怪の仕業に見せ掛けるために、無理矢理噂を流したわよね?」

「それがどうした!」

「遣り過ぎたわね。妖怪の仕業に見せ掛けて、神隠しだけならまだしも、噂を流したらダメね。」

「だから……な!?」

店主の姿が醜い怪物の姿に変わってしまった。人間の理性は残っているだろうが、人間には戻れないだろう。

「殺人はダメよ。部下を使って子供達を殺したみたいだけど、呪われるわよ。」

「私は…妖怪に妻を殺されたんだ!妖怪は存在すら悪だ!」

「妖怪に復讐するのは、勝手だけどね。子供達は関係無いわ。妖怪と遊んでただけじゃない!」

霊夢は店主…怪物の発言に怒り、鋭い視線を向ける。

「妖怪と関わった人間は滅ぶべきだ!」

「もう、喋らないで。消えなさい…」

霊夢は札を怪物に押し付けると、怪物が札に吸い込まれて行く。抵抗するが、身動きできずに消滅した。

「…………紫。」

「どうしたの?霊夢。」

霊夢の隣に隙間が開いて、妖怪賢者の八雲紫が現れた。表情の暗い霊夢を見て心配になる紫。

「ごめんだけど、処理を頼むわ。」

「良いわよ。霊夢は隙間で神社に戻りなさい。」

「わかったわ。」

霊夢が神社に戻ったのを確認すると、この部屋の片付けをして、姿を消した。








神隠し事件から1週間後。霊夢は境内の掃除をしていると、魔理沙が神社にやって来た。

「霊夢…ごめ…」

「魔理沙。気にしてないわ…」

霊夢は魔理沙を抱き締めながら、頭を撫でる。霊夢に抱き締められて、抵抗できるのだがしなかった。

「大丈夫。気にしないで…」

「だけど…」

「そうね。だったら…」

霊夢と魔理沙の影が重なった。









簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.簡易評価なし
1.80わたしはみまちゃん削除
細かい粗はありますが、ストーリーは面白かったです。霊夢の行動や性格に多少の違和感、というより作者様の中の霊夢像が先走りしている印象がありました。読みながら博霊霊夢というキャラクターを扱うことの難しさを改めて感じました。次作も期待しています。
2.60名前が無い程度の能力削除
前回と違ってしっかり一本の作品に纏めて投稿しているの、とても助かります
3.70名前が無い程度の能力削除
物語としてはまとまっていたと思います。
4.60名前が無い程度の能力削除
幻想郷の設定を生かしつつ、起承転結のある一本の物語として投稿されていて良かったです。自分の中の物語をアウトプットしようという意気込みを感じました。
5.100南条削除
面白かったです
1本筋の通った筋書きがあって読んでいて楽しかったです