Coolier - 新生・東方創想話

五感を喰う化け物

2022/03/22 00:09:27
最終更新
サイズ
5.88KB
ページ数
1
閲覧数
923
評価数
3/4
POINT
300
Rate
13.00

分類タグ

よし…やっと完成した!!!!」
3日の間、一睡もせずにようやくできた薬だ
だからと言って達成感に溺れる暇なく、薬品を入れた鞄を肩に掛ける
「霊夢に見せてやろっ!」
浮かれた気分で玄関の扉のすぐ横に掛けられた箒を抱えて家を飛び出した

どこか懐かしく感じる鼻唄を歌いながら風を切りながら神社へと進んだ
一瞬の事だった…
目の前から何か飛んできたと思うと…勢いよく箒にぶつかる
刃物の様な物で目が切り付けられた瞬間、視界が真っ暗になる
方向感覚を失い地上へと落下していったが
間一髪、木がクッションとなったおかげでなんとか骨折を防ぐ
が、強く地面に叩きつけられ、気を失いそうになった
「ぐっ…何か…今…飛んで…」
目を開くものの…視界は依然真っ黒なまま変わることはなかった
「おかしい……目は開いてるはず…」
まさかと思い目の当たりに手を当てると…
生暖かい液体と共に、血の香りが広がる
嫌な予感がし、鞄の中から布を取り出し目元を結ぶ

直後、上空から聴き覚えのある声がした
「っ!!逃げられた!」
「その声…霊夢か?霊夢!!此処だ!!!」
「…?魔理沙?」
必死に助けを求める此方に気付くと…直ぐに近寄ってきてくれた
「目が潰れたらしいんだ…すまないが肩を貸してくれないか?」

……
「目自体はそんなに傷付いてないわね…でも、視覚だけが綺麗に消えている…?」
永遠亭にて見てもらうも…原因すら解らなかった

あの日、霊夢は結界から侵入した“何か”を追いかけていたそうだ
そして、追い詰めた矢先に逃げ出され、私とあれがぶつかったらしい
後に紫が持ってきた情報では、外の世界では五感喰いと呼ばれる妖怪だったらしい
五感喰いを恐れて、退治を行おうとしていた村は全て五感喰いに滅ぼされたせいで、情報はそれ以外見つからなかったそうだ
この日から私は霊夢の家にお世話にならせてもらった
これは私の考察に過ぎないが…
名前からして味覚、嗅覚、触覚、聴覚、嗅覚のどれかしらを私がされた様に切りつけられると持っていかれるのではないか
それに村を滅ぼせるという事は他に何かしらの力を持つものなのではないか
そして、霊夢からは姿が見えなかったが気配で感じ取ったという事は霊体なのではないかという事だ

……
「ふーん…聴覚を鍛える方法ねー…」
「お願いよニトリ…何かないかしら…」
「全く…私は便利屋じゃないんだからね?」
そう言いながら、ガサガサと失敗作と書かれた機械達の山へと入っていった 
そして、数十分経つとようやく帰ってきた
「これ…立体映像機っていうのなんだけど、音と一緒に画像が浮き出るんだ」
「それでいいわ!!!」
「そういうかと思ったけど…機械本体が物凄く脆いから気を付けてね」

「ただいま…」
「おかえりなんだぜ霊夢」
「これ…ニトリからもらった機械なんだけど…」
起動をすると…ジジッジジジッっというノイズが鳴り響き、空中に立体映像が浮かび上がった

その後、毎日の様に練習を積み重ねた
霊夢の声を見分ける練習、的確に弾幕を当てる練習、反響音で地形などを探る練習
本当に色んな特訓をした
度々うんざりする事もあったが…今では霊夢に感謝しかない
「魔理沙!私は此処よ!」
何十ヶ所から同じ声が聞こえる
「恋符 「マスタースパーク-細-」」
この期間、私が新しく作ったスペルカードのリメイク版だ
八卦路からマスタースパークを5つに絞り細いレーザー状にして撃ちだす
糸の様に細くする分、破壊力は上がった…と思う
確実に一つだけ、本物を絞り込んでそれ以外の周りの物を切る
「あー…やっと終わった…流石に外さないのは知っているけど怖いわねー」
「ふっふっふ…わざと外してみてやろうか?」 

……今日は霊夢は永遠亭に出かけた
つまることろ今は1人だ

突然ザワザワとした木の音が玄関先の木から響く…
(?……いや……流石にな…)
と思ったのも束の間
サッサッとゆっくり砂を踏み締める音が段々とこちらに近づく
まさかと思い…後退りするのも一歩遅い
次の瞬間…ザッと距離を詰められ、鼻元を強く切り付けられた
その時強く確信する…あの時のアイツだ
匂いがしなくなったことを瞬時に察し八卦路を取り出す
弾幕を散らして撃ち込み、化け物を外に誘導する
敵が外に逃げ出した音を探り出し…
自らも外に転がり出た
「恋符「ノンディクションレーザー」!!」
目が見えなくなったからといえ、弾幕は衰えない
何個もレーザーを繰り出し逃げ道を塞ぐ…
そして、確実に位置を割った瞬間…
「恋符「マスタースパーク!!!!」」
一点を確実に叩く
何かに直撃したことを感じ、更に威力を上げる
だが…何か違和感があった。
足音と破壊されていく“これ”の当たっている体の大きさが釣り合わない
この時、すでに動いていればよかった…
背後から“それ”が近づいてきて…口元を真っ直ぐ切られる
「舌の感覚が…!!!!」
どうやって近づいた?どうやって自分とすり替えた
何でレーザーに触れなかった?などの雑念が脳を渦巻いた
その焦りと共に、残るは[触覚と聴覚]だけという事実が更に恐怖を煽る
今まで押しつぶしていた不安が一気に膨れ上がり…冷静さを完全に失った
次に右腕を斬られ…感覚が消えた直後、今までに味わったことのないほどの絶望が顔に滲んだ
「はぁ…はぁ…どこから………逃げるか…?霊夢に助けを求めるか…?」
そんな事をしたくない…霊夢にこれ以上迷惑を掛けたくない…という気持ちが魔理沙を落ち着かせた
「魔符「スターダストレヴァリエ」!!」
何重にも弾幕を重ねて散らす弾幕をいとも簡単に避けれる筈は無い
この慢心が仇となり…左腕、両足…全ての触覚が消えた
「…!!!…やらかした」
自分が立っているのか、転んでいるのかすら解らなくなってしまい…気が狂いそうになる
(まだ手はある…!)
もう感覚のない右腕を必死に動かし狙いを定める
「恋符「マスタースパーク-細-」」
5本に絞られたマスタースパークは的確に位置を探り…敵の位置を何とか割り出した
スパークで完全に道を塞ぐことに成功し、最後のスペルを叫ぶ
「魔砲「ファイナルスパーク!!!」」
撃ち込む瞬間…異変に気がつく
(さっきも追い詰めたのに逃げられた…霊夢でも仕留められなかったということは…なんだ…能力を考えろ…何だ何だ何だ何だ何だ……テレポート?いや違う…位置を入れ替える……?)
そんな事を考えている隙に…決着の時は目の前まで迫った
(賭けるか…?後ろに回っている可能性に……でもリスクが大きすぎる…!!!)
唇を噛み締め覚悟を決める
元向いている位置から180度回転し、再度言い放った
「魔砲「ファイナルスパーク」!!!!」
正解だ……
今度は確実にそれに命中し、呻き声と共に徐々にと破壊されていった

「やった…のか?」
五月蝿い朝日が目を強く照りつける
これまでに見たこともないほど清々しい気分の大空を見上げ…
真っ青な晴天に若干嫌気が差しながらも、全ての感覚が元へと戻った
「!!!!!…目が…一ヶ月ぶりに!!!!」
そうだ…霊夢にお礼言いに行かないと!!!
薬が入ったパンパンの瓶詰めの入った袋を担ぎ、
地面を強く踏み締め、ひさしぶりの大空に飛び立つ
相棒の箒にまたがり…また何度目か解らない大空を掛けていった
3回文章消えて心も燃え尽きたので許してください。
化け物は能力を持っていた少年の慣れ果て…幽霊の様なものです
結構文章微妙ですが許してください
L
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.30簡易評価
1.90名前が無い程度の能力削除
熱意が伝わりました
3.無評価名前が無い程度の能力削除
頑張ってたのは伝わりました。
4.100南条削除
面白かったです
突然視覚を奪われたのにめげることなく対応しようする魔理沙がとても素敵でした
5.80名前が無い程度の能力削除
良かったと思います