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東方禁忌録 人妖の反乱中編 

2022/03/19 10:57:50
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美鈴は魔理沙の家に訪ねてきた。扉が開き、家から魔理沙出てきて、美鈴を見て一瞬殺気を放ちそうになるが招き入れた。

「何のようだぜ?借りていた本は全て返したはずだぜ?」

「パチュリー様から預かり物です。」

「預かり物?」

美鈴は魔法薬を魔理沙に見せて、効力を説明する。魔理沙は魔法薬の効力の代償を聞いて、受け取ろうかと考え始める。

「魔法が使えなくなる…」

「もし、魔法が使えても…寿命が短くなるんですよ!それでも良いんですか?」

「人間にもプライドがあるんだぜ。この魔法薬を使って、霊夢の役に立つのなら。私は代償を受け入れる!」

魔理沙は美鈴から魔法薬を受け取った。異変解決の準備に入るため、部屋にある実験用のキノコをありったけ用意した。キノコを潰してはエキスを絞り出して、自作の魔法薬と調合する。

「美鈴。紅魔館に戻れ。お前がいなかったら誰が門を守るんだ?」

「死なないでくださいよ!」

美鈴は紅魔館に戻った。

「急ぐぜ!」

魔法薬の研究を繰り返すとキノコが無くなった。完成した物と未完成の物を袋に包む。パチュリーが調合した魔法薬も忘れずに入れると、箒に乗って博麗神社に向かった。














その頃、守矢神社では東風谷早苗が帰って来たところだった。出迎えたのは、洩矢諏訪子だ。暗い表情をしている早苗を見て、声をかけた。

「早苗…どうしたのさ。」

「紫さんから…異変解決への協力要請がきました。ですが…」

「紫から聞いているよ。早苗はどうしたい?」

「私は…幻想郷が…」

「一つだけ紫からの情報がある。大量の妖怪を出現させた者は、この地を支配する可能性があるそうだよ。」

諏訪子が紫から聞いた情報を早苗に教える。早苗は更に険しい表情をして、諏訪子に土下座をした。

「諏訪子様…この幻想郷を守るために…どうか…」

「よく決意したね早苗。紫!東風谷早苗と二神である私達は…妖怪賢者、八雲紫と異変解決の協力を誓う!」

諏訪子が紫に承諾の返事をすると、スキマから紫が出てきて早苗を見る。

「東風谷早苗。協力を感謝します。貴女にやって貰いたい役割は、妖怪の山の守護です。後、二時間後に妖怪軍勢が攻めに来ます。勿論ですが、弾幕ごっこは通用しません。覚悟は出来ているわね?」

「勿論です。」

紫は早苗を認めるとスキマで姿を消した。





















夜の博麗神社では、気を失っていた小鈴が目を覚ました。

「私は…」

「気を失っていたのよ。」

咲夜は卓袱台を出して、お粥を小鈴に出す。食欲がないのか食べる様子がない。

「咲夜さん…妖怪の出現方法ですが…妖魔本は関係があると思いますか?」

「妖魔本?何かわかったの?」

「実は…」

半年前に製本依頼された事を咲夜に説明する。咲夜は小鈴の説明を聞き、製本された本が妖魔本なのではないかと考えたのだが。

「霊夢さんに調べて貰いましたけど、問題ないそうです。」

「製本された本が妖魔本じゃないなら…」

「小鈴ちゃん!目を覚ましたのね。」

「霊夢さん…」

人里から帰ってきた霊夢は、目を覚ました小鈴に安心して、咲夜に調べた情報を伝える。

「人里は無事だったわ。但し、三日が限界。それまでに異変解決しないと。」

神社の境内に突風が巻き起こり、鴉天狗の射命丸文が神社に来て、霊夢にある報告と情報を提供する。

「博麗の巫女。今回の異変に限り、我々は守矢神社の軍門に入るとのことよ。」

「私達のところには、援軍を出さないのね。なら、人里には援軍を出してくれるのよね?」

「その援軍も少々問題に上がってるわ。天狗の長は援軍を出すように通達している。だが、その通達を伝えるはずの伝令係が揉み消しているのよ。だがら、人里に援軍を出せない。人間には手を貸したくないみたいよ。上層部は…」

「あんたのところ…本当ブラックよね?組織としてどうなのよ?」

「霊夢はその言葉を何処で覚えたの?」

「早苗よ。外の世界でのなんやらかんやら…らしいけど…」

文は霊夢の言った事が可笑しかったのか、笑い始めた。不機嫌に霊夢は、文に弾幕を放つ準備をする。

「ちょっと霊夢!?悪かったからやめて!」

「全く。文は帰るの?」

「戻ってこいと、命令されてるけど…どうしたのよ?」

「小鈴ちゃんを神社で保護したわ。」

霊夢は一枚のメモ書きを文に渡して、読むようにと視線を紙に向ける。

「………………!?本当なのね。」

「勘だけど。異変発生とのタイミングがね。」

「わかったわ。準備するから帰らせてよ。」

「十五分以内。間に合わなかったら、私直々に宣言に行くわよ。」

「わかった。」

文は一瞬に上空まで飛び上がり、飛んでいった。

「………!?明日には神社を攻められるか…覚悟した方が良さそうね………紫。」

「どうしたの霊夢。」

霊夢の隣にスキマが開いて、紫が出てきた。霊夢の表情を見て、何か問題があること察する。

「明日、神社に攻めに来るわよ。異変の黒幕…」

「それは、本当なの?」

「勘だけど。」

「妖怪の山は囮なのね……。霊夢。早苗がいる妖怪の山に妖怪の軍勢が攻めに来たわ。」

「妖怪の軍勢が!?黒幕の狙いは幻想郷の支配じゃないの?」

予想外の事態に困惑する霊夢と紫。そして、上空を飛行中の文は、近くで本を片手に持っている森近林之助を発見する。だが、林之助の表情は虚ろで、生気を感じられない。

「凄い妖気ね…私では太刀打ちできないわ。」

戦闘を避けて、文は飛んでいった。

「…………」

林之助は別の本を取り出すと、持っていた本が消滅。その代わりに、十体の妖怪が出現して、博麗神社の方角に妖怪が向かっていった。















歴史が隠された後の人里内には、禍々しい妖気を漂わせている版画が置かれていた。その置かれている場所は… 
















鈴奈庵だ。

後編に続く…
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