Coolier - 新生・東方創想話

東方禁忌録 人妖の反乱 前編

2022/03/15 22:37:00
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鈴奈庵に男性が訪ねてきた。男性は版画の持ち込みで、小鈴に製本の依頼に来たのだ。男性は代金を支払い、半年後に製本された本を受け取りに来ると言って、男性は鈴奈庵を出ていった。

小鈴は早速、製本の作業に取りかかる。

「何の本だろう?ちょっと楽しみだな。」

男性の依頼から三日後。とりあえず一冊の製本の作業を終えると、少しだけ読み始める。とある昔の妖怪に関する物で、妖怪文字があるわけでもない。小鈴は興味をなくして、読むのをやめた。

「この本を百冊刷るのよねぇ…大変だけど、やりますか!」

作業の続きをしていると、鈴奈庵に博麗霊夢が訪ねてきた。小鈴は作業中断して霊夢にお茶を出す。話を聞くと、怪しい者が最近訪ねて来なかったかと、聞いてきたのだ。

「男性のお客様が製本の依頼をして来ましたよ。」

小鈴は製本済の本を霊夢に渡して、調べてもらうことにした。数分後…

「妖怪の気配は感じないわね。でも…」

「そろそろ、作業に戻っても良いですか?」

霊夢は何かを言う前に、小鈴は作業に戻ってしまった。作業の邪魔をしたら悪いので、霊夢は鈴奈庵を出ていった。









製本依頼から半年後に男性が訪ねてきた。百冊の製本された本を確認する男性。確認を終えると、大変喜んだ。百冊の本と版画を持って、男性は鈴奈庵を出ていった。

「百冊は流石に疲れたわ…」

店内を片付けて、一息つくためにお茶を飲んで、休憩していると。

「小鈴!無事だったか!?」

慌てて入って来たのは、普通の魔法使い、霧雨魔理沙だった。なにやら慌てている様子で、小鈴の安否を心配で確認に来たらしい。

「どうかしたんですか?」

「余り…大きな声で言えないんだが…人里内に大量の妖怪が現れたらしいんだぜ。」

「な、何でそんなことが…!?」

「原因不明。今は霊夢と紫が対処に向かってるぜ。」

「わ、私はどうすれば…」

「博麗神社に避難するぜ!」

小鈴は箒に乗り魔理沙の肩を掴む。小鈴が乗ったのを確認すると、地面を蹴って浮き始める。

「捕まってろよ!」

物凄い速さで幻想郷上空を
飛び回り、風を受けていると、博麗神社が見えてきた。神社には紅魔館のメイド、十六夜咲夜。守矢神社の風祝、東風谷早苗の2人が来ていた。

「早苗さんに咲夜さんまで!?」

「人里内に大量の妖怪が現れたみたいで、霊夢さんに相談しようと…」

「私はお嬢様に言われてね。もう、遅かったけど。」

小鈴は神社の柱に背中を凭れて楽になる。人里内に大量の妖怪が出現が現れたと知って、恐怖に震える。

「大丈夫。小鈴ちゃん?」

「早苗さん…でも、どうして人里に妖怪が?霊夢さんの話では人里外ならまだしも、人里内に出現させる方法は…」

「噂が形になり妖怪になって出現する場合があるの。」

そう。早苗の言う通り、人里内にいる人間が噂を流し、それによって妖怪が出現する可能性もあるのだが…

「今回の妖怪の出現は、噂によるものではないわ。」

スキマが現れて、人里に行っていた紫と霊夢が戻ってきた。

「人里はどうなったんだぜ!」

「人里に襲撃した妖怪は、幻想郷の掟を破った反逆として殺したわ。私は博麗の巫女としての義務がある。」

「マジかよ!?弾幕ごっこレベルで解決出来ない異変…」

「悪いけど魔理沙。今回の異変の黒幕は、討伐しないと解決しないわ。そうでしょ……紫?」

霊夢が紫に問い掛け、紫は当然のように頷いた。

「従来の遣り方では、今回の異変は解決は不可能よ。」

「更に言えば、異変の黒幕は人里内にいる。」

霊夢の発言に小鈴は頭の中が、真っ白に染まるような衝撃的事実を聞いて、何も考えられなくなった。

「人里内に…黒幕…!?」

小鈴はショックの余り、気を失った。咲夜は小鈴を抱き抱えると神社の一室に寝かせることに。

「霊夢!?何も……」

「言わないと…この真実は…わからせないと…紫。後は任せるわ。」

霊夢は人里の方角に飛んでいった。紫はこの場にいる人間…魔理沙、咲夜、早苗の三人に今回の異変に関する情報を教える。

「今回の異変は霊夢の言った通り、人里内にいるわ。そして、妖怪の出現は噂によるものではなく、意図的に引き起こされた異変。解決できなければ…幻想郷は殺戮の地に戻る。」

紫の本気の発言に、咲夜だけは冷静だ。魔理沙、早苗は放心状態になっている。 

「ちょっと…待てよ!幻想郷が…本当…なのか!?」

「異変が解決できなければ…」

魔理沙の願いを残酷な発言で言った紫。早苗の方に視線を向け、とある提案を出した。

「東風谷早苗。貴女に選択肢を与えます。」

「選択肢……ですか?」

「この幻想郷に残り、異変解決の協力をするか…」

「………まさか!?」

早苗は嫌な予感がした。だが、紫は遠慮せずに残酷なもう一方の提案を早苗に言った。

「二神と共に外の世界に帰り…平和な生活を送ること。」

「それは……」

「勿論、私の知り合いが村長をしている村よ。その村は、古くから妖怪の存在を知っている人間だけがいる村。神の信仰も得られるわ。迫害されることもない理想郷。どちらかを選びなさい。」

「そんな……もし、帰ると宣言した場合は…」

「幻想郷に関する情報を消させてもらうだけ。二神と相談して決めなさい。」

紫はスキマに入り消えた。














霊夢は人里に来て、生存者を探していた。人里内は妖怪の襲撃で、壊滅寸前に陥っていた筈だった。だが、不自然なことに人里が消えている。

「私と紫が来た時には、人里に…その時点で隠せる能力を持っているのは…」

「霊夢。人里は歴史から隠させてもらった。」

人里の人間を隠すことが出来る人物は一人しかいない。

「慧音。久し振りね…今夜は満月ではなかったはずよ…」

そう。人里の人間を隠したのは上白沢慧音だ。だが、満月ではないため、能力にも限界がある。

「ちょっと…無理をしてな。それよりも、あの妖怪は何なんだ!?人里内に出現したあれは!?」

「全くわからないわ。人里内に出現させた方法が情報が無さすぎる。慧音。人里の人間を隠せる限界は?」

「精々3日だ。八雲に頼んで境界を操ってもらわないとな…」

「3日!?なら、人里を守護する結界の準備をしないと…」

霊夢は神社に戻り、異変に備えて準備を整えに向かった。













魔理沙は家に戻ると、今まで魔法の研究結果を記録した自作の魔導書を開きながら、考えことをしていた。

「討伐しないと駄目なのか…死にたくないぜ…」

魔理沙は部屋を片付け始めた。大量の本は仕分けして袋に包む。部屋を粗方片付けると、本を包んだ袋を持って家から出ていく。向かった場所は紅魔館だ。

「魔理沙さん!?どうしたんですか…その大荷物!?」

「………本を返しに来た。」

「え!?」

「パチュリーに渡しといてくれ。」

魔理沙は美鈴に袋を押し付けて、逃げるように去っていった。美鈴は袋を持ってパチュリーのいる図書館に入る。

「パチュリー様。」

「どう……その袋は何?」

「魔理沙さんが本を返しに来ました。」

パチュリーを袋を開け、中に入っている本を全て確認する。美鈴はパチュリーの行動に納得できずに、叫んだ。

「魔理沙さんが心配じゃないんですか…?魔理沙さんは…今回の異変で死んじゃうかもしれないんです!」

「……待ってなさい…」

小悪魔に指示を出して、ある物を持って来させる。数分後。小悪魔は液体の入った小瓶をパチュリーに渡した。

「これを魔理沙に届けなさい。」

「これは…?」

「私が調合した魔法薬よ。五分間だけ魔力量が無限になるわ。それと、死なない限りどんな傷も再生する。」

「な!?」

「但し、代償として寿命が短くなるか、魔法が使えなくなるわ。この薬を魔理沙に預けて。私が出来ることは、これくらいよ。」

「わかりました。必ず魔理沙さんに渡します。」

「美鈴。もし、魔理沙が魔法が使えなくなったら…この薬を渡しなさい。それまでは、貴女に預けるわ。」

美鈴は魔法薬を受け取り、魔理沙の家に急いだ。











人里とは別の人間が住む集落では、大量に召喚された妖怪によって、集落は壊滅されていた。妖怪を召喚した人物は大量の妖魔本を所有していた。

「この大量の妖魔本で俺様はこの地を支配してやる!」

笑い声が壊滅した集落を響かせた。
3月16日修正しました
イレイザー
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コメント



0.70簡易評価
1.無評価名前が無い程度の能力削除
別に滅ぼさなくていい。
3.60名前が無い程度の能力削除
滅亡もの!
5.90南条削除
面白かったです
後編でどうまとまるのか今から楽しみです